はてなキーワード: 少年ジャンプ+とは
今回は少年ジャンプ+
サンのアグニに対する信仰は偶像に近いんだけれども、それが軽薄ではなくて確固たるものだということを読者にも分かる理屈で説明している。
「人は信じたいものを信じたいように信じる」と語られているが、実際それがままならないことがよく分かる。
物語を追っている読者目線で見れば、どちらが正解を言っているかは明白なんだけれども、その前提がない立場だと主張を信じてもおかしくないような論理が展開されている。
メタ的に見れば、本作の能力における説明の粗探しを逆手にとっているとも言えるね。
社会通念に対して、中々に優れたバランス感覚をお持ちだなあと思った。
公衆のベビーカーのスペース問題や、赤ん坊の泣き声問題について正当な権利を主張しつつも、それをウザったいと思う人間の気持ち自体を否定はしていないのが良い。
もし論理の殻に閉じこもった社会不適合者だったら、「正当な権利を行使しているだけで何も間違っていないのだから、ふんぞり返ってればいい」なんてことを言ってたかもしれない。
作家自身がそう思った経験もあり、思われるような立場になって、経験をつんだからこそだってのが伝わってくる。
社会において重要なのは許容と順応で、それを育むのに杓子定規な正論はむしろ害悪だってことを、経験者だからこそ理解しているんだと思う。
「そういうのに寛容でいられない人間は愚か者」となるのではなく、「そういうのに寛容でいられる人間は偉い」のほうが健全だもんね。
意見を押し付けることはよくないことだが、どうせ押し付けるならポジティブであってほしいし。
上手いこと繋げたなあというか、こじつけたというか。
説得のためにすげえ尺使ったなあとは思うけれども、実際問題として人間が長年積み重ねてきたものは本質ともいえるもので、ちょっとやそっとのことじゃ変わりたくても変われないだろうからね。
メタ的に見れば、「生まれてから宇宙に飛ぶまでの十数年の人生」と「宇宙に飛んだ後の数十日間の人生」の戦いなわけで、後者が勝る説得力を持たせたるためには必要なドラマだったとは思う。
それにしてもアレだね、『ナルト』しかり古今東西のドラマにおいて、主要人物が体の一部を失うことによる絵的な力は凄まじいよね。
今回、「もうどうしようもないんだ」のシーンのくしゃくしゃな表情も中々よかったけれども、ラスト付近の見開きが個人的に効いた。
「そこに見開き持ってくる!?」と思ったんもん。
まあ粗探ししようと思えばいくらでも思いつく場面ではあるけれども、それで持っていかれた。
あー、あの作者のかあ。
『デッド・オア・アニメーション』は「やりたいことは分かるんだけれどもなあ……」みたいな作品だったが、そのあたりの作家性の問題点を担当がちゃんと指摘しているところが良いね。
それをメタネタにして、「氷コーヒー」だとかいう話の本筋と全く関係ない情報に1コマ割いている箇所が、あんまりちゃんと機能していないのも良い。
そんなつもりで描いていないならそれはそれでネタだし、そのつもりで描いているのならさほど面白くなっていないのが、これまた担当の指摘を裏付ける構成になっている。
そもそも「中堅漫画家が色んな人に話を聞いて学ぶエッセイ漫画」は割と“鉄板”になっているんだよね。
近年だけでも『ジャンプの正しい作り方! 』などのサクライタケシ氏の企画モノ、『大亜門のドンときいてみよう!』、『中川いさみのマンガ家再入門』とかあるわけで。
特にコンセプト丸かぶりな『中川いさみのマンガ家再入門』とは確実に比較される。
あの漫画、色んなクリエイターの言ったことを読者にも何となく伝わるよう落とし込んで説明するのが上手いからね。
有名な漫画家に話を聞いているだけでも面白いけれども、それだけだと作家の手柄じゃなくて担当など企画を持ってきた人間の力が大きいよねってなっちゃう。
それを今後どうするかってのが課題だろうね。
今回は少年ジャンプ+
相変わらずシーンの切り取り方と繋げ方が無頓着なきらいもあるけれども、今回はアクションも比較的分かりやすい。
やり取りも簡潔かつ明瞭で、例えば「俺はアグニじゃない」のくだりとか。
ここでいう「アグニ」っていうのは偶像として民衆の拠り所になっていた頃の彼のことではあるんだけれども、それを否定することと行動の結果(目的)が繋がっている。
まあ、戦闘シーンのくだり自体は蛇足感が強くて、前回で消化しきってて欲しかったかなあと思わなくもないが。
主人公が自分の置かれた状況と照らし合わせて、デスゲームそのものをメタ的な視点から分析している場面が興味深い。
で、それを踏まえて「どこまでメタ的な視点から読み取ればいいのか」っていうのを、後半の展開で読者に提示しているのも良い。
とある劇中マンガに主人公たちはドン引きするんだけれども、視点を変えればあれは所謂「シリアスな笑い」なわけで。
主人公の「どこに続くんだよ」っていうツッコミはギャグの領域だ。
柱のコメント含めて、この作品をどの程度メタ視点で読み取ればいいかと混乱させている。
あと、「ヒロイン観察漫画」っていう俗称が作中で出てくるのも大概ネタだなあ(なにせジャンプの各WEBコミックサイトは、その系統の作品を大量に世に出している)。
この時点で、良くも悪くも本作の流れや作風を完全にモノをしているという印象。
なにせキャラの設定とか話の流れそのものは、既存の学園コメディモノで有名なのがいくつかあるからね。
その状態で構成まで似ていたら、細部では別の作品だとしてもほぼ同じ作品だという印象を持たれる。
ちょくちょく挟まれる先生の自分語りや、モブたちの独特な実況は良いアクセントになっているけれども、特筆して個性があるのはそこだけだから、その部分にうんざりされたら読み続けるモチベを保つフックがなくなるかもしれない。
感想は書いていないけれども、色んなWEBコミックサイトを巡回しているんだよね。
といっても網羅しているわけじゃなくて、基本は16ちょいのサイトを回って、気が向いたら別のサイトもって具合。
それでも週に100作は読んでいるわけで、そんなに頻繁に見ていると作品を構造的に読んでしまうことが増えてくる。
で今回も、RPGものや異世界ファンタジーものをモチーフにしたコメディで、それはもう割と手垢まみれなんだよなあと改めて認識した。
勇者じゃなく敵側のモンスター役が主人公とか、クズと善良なキャラの掛け合いだとか、そのあたりがもはや紋切り型になってしまう現代は、ある意味で本当恵まれているなあ、と。
仮にやる場合は既存のものより洗練されているか目新しい何かがないと厳しいんだけれども、それが難しいからキャラで勝負するしかないんだろうね。
で、そのキャラはというと、個人的にはあまり刺さらなかったかなあ。
失礼かつ身も蓋もないこと言わせて貰うなら、主役のゾンビか勇者をセクシーな女の子にするか、マスコット調のファンシーキャラとかにしたら一定のファンは獲得できると思うよ(冗談のつもりで言っているけれども、そういうのが効果的であることは否定できないからなあ)。
まあ私は、もうその系統は食傷気味なので読みたいかといえば読みたくないけれども。
なんか我ながらすごく投げやりな感想だ。
今のところバトル部分が盛り上がりに欠けるというか、だまし討ちとか不意打ちとか瞬殺で終わりとかばかりで。
じゃあ、キャラクターたちの掛け合いとかバックボーンのストーリーとかが重点かといえば、掘り下げも甘いまま死ぬから何の感慨もないしで。
今後も、能力の後だしジャンケンとか、不意打ちだまし討ちばっかりで決着がつくようならうんざりするけれども、さすがにそんなことしてくるようなストーリーテラーなわけがないと思いたい。
二転三転して、恐らく十二支以外の第三勢力とか裏に隠された大きな陰謀が露にとか、それ以上の展開はしてくる、と思いたい。
というか作品に深みを持たせるための練り込みが甘いから、そういった展開部分で惹かせるしか期待しようがない。
ただ、まあ、そういう展開を六話の時点で予想&期待している時点で、私の中で本作の評価はかなり低い水準になってしまっているんだなあ、と。
今回は少年ジャンプ+
7つのショートショートで作風が窺えるのは、それを作者自身がモノにしていることの証左だね。
ただ、テーマ自体は昔話をモチーフにしたものとか、ほとんど紋切り型。
作風の特徴として、「ツッコミを詳細に」っていうのが傾向としてある。
これ自体はボキャブラリーを工夫しているのは良いと思うんだけれども、これが使われるときってネタそのものに自信がない時だって感じることが多いんだよね。
例えるなら、ネクタイを着けている人が目の前にいたら、「ネクタイを首にかけているー! かけ方はウィンザーノットだー!」みたいな。
ツッコミは原則ボケを理解させて盛り上げ、面白さを向上させるためのものだと思うので、ネタそのものが弱かったらダメだと思う。
なのでツッコミがほぼない6話とかはちゃんとネタが出来ているのかなあ、と。
相変わらずアクション面での描写は、お世辞にも上手くないなあ。
躍動感がないし、何をやってるか絵で分かりにくいのに、説明もしないから。
名も無きモブキャラでも、それなりにプロフェッショナル感を出させるセリフ運びや演出はいいんだけどなあ。
終始、絵を丁寧に描いているのは良い。
すごく頑張って描いているってのが伝わってくる。
反面、テーマに対してプロットがとっ散らかっていて、コマ割もセリフもごちゃごちゃしている。
そのコマも常にキャラやフキダシ、セリフがびっしりしててページ全体が窮屈。
演出意図はメリハリが大事なわけで、“ココ”っていう場面ではコマも構図もキメないから、スポーツ部分での描写は説得力があまりない。
主人公の先生に対する恋慕を演出したいなら一つのコマ、ページはあえて情報量を少なくすることで、人物描写そのものを強調するだとかしたほうがいいんじゃないかなあ。
主人公の青春モノとして見るにしても、スポーツモノとして見るにしても、その両方を合わせたモノとして見るにしてもビミョーという印象。
他の9月期ブロンズルーキー賞の作品についても感想書こうと思ったけれども、良くも悪くも特に何も言うことはないって感じ。
ワンアイデアと目を引くキャラがいればそれなりに体裁は取れるけど、その手法自体はもう大なり小なり既存の漫画がやっているわけで、そこから更に読者を引き付けてそのまま離さない地力があるかっていうと、別にそれほどでもないと思ったし。
今回は少年ジャンプ+
私もこの作者を評価してはいるけれども、それはあくまで象徴として、という意味合いが強い。
1話から構図や絵の使いまわし、構成はほとんど無意味かつ意味があっても不明なものばかり。
ギャグも勢いで誤魔化しているだけでネタそのものは正直そこまで面白くないし、それを天丼で見せられるという地獄。
まあ、良くも悪くも酷い漫画。
低俗な理不尽系ギャグ漫画としてはある種洗練されている域だけれども。
前回の逆転劇のアンサーの予想ができなかったんけれども、実は既に私の中で答えが出ているものだった。
なので「むしろ今までそれをやってなかった前提で話が進んでたの?」って思った。
“質か量か”っていうテーマ構造だったのに、それがアンサーだと若干ブレるし。
ただ、『作者に飽きる』っていう表現は良いと思う。
キャラに力を入れないなら、その他の部分で勝負しなければならず、その状態だと作者への評価に繋がりやすいっていう理屈は興味深い。
締め切りを守る大切さと、それを踏まえて作者の書きたいものだったり、高いクオリティを追求することも大切だという展開も理解はできるし。
ペットロボットの件はギャグを交えつつ人間との関係性とか、ロボットの哀愁についても語っていて。
今回は少年ジャンプ+
そもそも「漫画の面白さ」ってのが抽象的なテーマなので、作中で説得力のある説明をどのように表現するか。
かつ本作の内容自体をエンターテイメントとして良質なものに昇華させなきゃいけない。
といったことを踏まえて今回の感想を書くなら、その課題はクリアできていると感じた。
展開される理屈は「分かってる感」のくすぐり方が丁度良いと感じたし、絵もテーマに合わせて演出をきかせることで飽きさせないようにしている。
投球による駆け引きと、野球漫画のテーマ選びについてちゃんとこじつけているしね。
こじつけっていい方はアレかもしれないけれども、漫画とかではそのこじつけは結構大事。
明らかに自覚的であろう不自然なプロット、それを前提にしたギャグ。
一応、のっぴきならない状況に対して説明はあるんだけれども、その上で「いや、おかしいだろ!」ってツッコませる感じ。
ジャンプ+には他にもエロコメがあるけれども、本作はよりバカバカしい方向に振り切っているね。
客観的にみれば、あの事件は誰が悪いだとかそういう話ではない。
それがかえって罪悪感を募らせ、たらればを考えずにはいられない。
トーマの涙は試合結果に対する諸々もあるだろうけれども、太一に業を背負わせてしまった申し訳なさとかもあるんだろうかね。
創作におけるアイデアは随分と前から出尽くしていて、後はその組み合わせや、それらをどう表現するかが大事ってのはよく言われるけれども、こういうのを読んでいると改めてそう感じるね。
「中小企業のドラマ」という、別の媒体ではちょくちょく見られるものをテーマに、ファンタジー要素を突っ込んで漫画にしたっていうのが惹かれる。
ファンタジー要素がくっついてはいるけれども、あくまで価値観は現実に則っていて、茶化したりもせず大真面目に話を描いているのが良い。
今回は少年ジャンプ+
メタ的に見るなら、アグニが現状の展開について読者向けの説明をしてくれないから、ネネトがそのケツを持った感じ。
いや、本作ってどうもこのあたりの運び方があまり綺麗じゃないから今さらかもしれないけれども。
語らず見せるべきことと、見せても語るべきこととの過不足について作家自身苦戦している……ってのは邪推が過ぎるか。
今回は世界観説明というか、ヒロアカの設定資料を漫画で読んでいるような心地だった。
こういった架空の設定について理詰めで説明するのはリアリティが生まれて嫌いじゃない。
本作のテーマにも繋がっている解説だし、不必要というわけではないしね。
ただ、やっぱりちょっとファン向けというか、文字とフキダシの占有率が凄まじくて手放しで褒められた構成ではないけれども。
まあスピンオフって基本的に原作ファンとかが読むことが多いの前提だから、まあそれでもいいのかなあって感じか。
ちょっと前から始まった、読み切り&新連載ラッシュ。一つ一つ感想書く気力もなかったので、全体的な感想として。
ギャグ漫画、コメディ系のは軒並みイマイチ。酷い出来ってわけではないけれども、特筆して評価できるようなところもほぼない。私は、プロットが録になくて設定したキャラだけで何とか体裁を成そうとしている漫画を「キャラ漫画」とかいうことがあるけれども、概ねそんな感じだった。
別にキャラクターの描写に傾倒すること自体がダメってわけではないんだけれども、デザインや性格などの設定の羅列で終わってしまっているのがダメで。漫画はキャラが大事ってよく言われるし実際その通りではあるけれども、その認識が甘いというか。本当の意味で魅力的なキャラクターってのは、テーマやプロットなども包括してこそ。ドラマが言動に説得力を生み、相関関係が化学反応を起こし、そうしてキャラクターというものはより魅力的になる。
これといって大したことのない、何の捻りもないプロットに面白そうなキャラクターを配置しても、とりあえずは読めるものになるかもしれない。でも、すぐに底が知れて陳腐になり、漫画の話含めてキャラクターにもすぐに飽きる。特に会話劇とかが中心のコメディは、作家の手癖だけで描くと冗長になりやすいから、よほど自信がない限りはプロットから作りこんだほうが良いと思う。
ストーリー系の漫画は、クオリティ的には概ね良好だと思う。それぞれ個性を出そうとしているのも窺えるし。ただ、いかんせん私的に刺さったものがないので、語れることが少ない。
あと持論だけれども、私は表面的な表現手法とかは評価に値しないと考えているんだよね。極端な例えだけど、4コマ漫画を読んで「コマ割が良い」なんて言ったら馬鹿みたいでしょ。だからそういった表現手法は賞賛の対象にもならないし、批判の対象にもならない。どのようなテーマで、どんな構成やセリフを紡いで表現するかってことがストーリー漫画においては大事なんだと思う。もちろん、表面的ではない表現手法に関しては評価に値すると思う。私個人がそれを評価できるかはともかく。
スポーツ系のもあったけれども、正直ありがちなスポーツ漫画の読み切りだった。定型を何ら脱していない。王道的な構成と見ることも出来なくはないけど、私としてはもうこういうのはいいかなあ。
作品というものは絶対的な評価も大事だけれども、相対的な評価も大事。比較対象が多い媒体なら尚更。既存のものばかりで構成されているのなら、より洗練されていて欲しい。それが出来ないというのなら、(クオリティの良し悪しはともかく)せめて新しいものを。どちらも出来ていないなら、語るに及ばず。
今回は少年ジャンプ+
お、久々にワクワクする展開になってきた。
いまアグニ自身が突き当たっている問題は、このファイアパンチ時代のケジメ。
ファイアパンチは当然アグニのことなんだけれども、そのファイアパンチを介したアグニってのは偶像だった。
偶像ってことは、アグニ本人がいなくなればそれで綺麗さっぱりとはいかないってことを今回は別角度から見せたわけか。
「ファイアパンチを殺す」ってのは数話前から提示されてきたけれども、こうなってくると話はより複雑になってくるね。
絵が上手いわけでも個性があるわけでもなく、作風がジャンプ+向けじゃないかなと思うけれども、話の見せ方が良いと思う。
無個性な絵で、途中でさらりと描写されるヒロインの言動が、かえってヒヤリとする側面はあるかもしれない。
構成自体が淡々と、坦々と進むから、余計にヒロインの描写が際立つという見せ方はよい。
ただ、それがそのまま難点になっている側面もあるといえばある。
ヒロインが実は危険人物という前提を踏まえた上で楽しむのがメインだから、それ以外の箇所が読んでてかったるいと感じるとこがあるのは否めないし。
随分かけ足気味に畳んだなあ。
ただ、実のところ本作の全体的な難点を如実に表しているとも言えるんだよね。
以前から、プロットを垂れ流しているだけの部分が多かったから。
序盤はまだそんなことなかったんだけれども、中盤あたりから詰め将棋を見ているみたいな感じになっていた。
今回は少年ジャンプ+
腕の再生と時間の経過を同列に表現しているコマ割が良いと思う。
これまでもコマ割や構図を同じにして、手癖だけで描いているようなことがちょくちょくあったけれども、こういう演出意図がハッキリしている方向性なら悪くないと思う。
話に関しては、これまでも描いてきた気持ちを押し殺して自分を生かすっていうアグニの苦悩に回帰している。
テーマとして一環しているという見方もできるけれども、堂々巡りしている印象も拭えず、中だるみ感が正直あるかな。
胸方面がピックアップされがちだったが、ひょう太そちらも評価できる男だったんだなあ。
ということに気をとられすぎて、割とベタなオチだったのに不意をつかれた。
編集の開幕の煽りコメントが、ある種のフラグになっていたことに後で気づいた。
まあ悪魔って、そういう属性も割とポピュラーらしいし、考えてみればあってもおかしくないよね。
自動運転を、車の交通問題を解決する魔法の粉のように謳う人もたまにいるけれども、少なくとも現状は「便利な機能の一つ」でしかないんだよね。
人間のエラーが事故に繋がり、その人間のエラーを排除できないなら、そんな人間が生み出した代物もまたエラーを起こす可能性はなくならないわけで。
持論だけれども、自動運転の最大のメリットは「自分や他人のせいにしなくていい」ことだと思う。
今回のエピソードも、きっかけそのものは乗っている人間のせいではあっても、機械の暴走が主体になっているし。
それにしても、意志を持ったハイテクな車ってのはフィクションにおいて割と普遍的なテーマだよね。
タイトルが出てこないけれども、今回も恐らく話の基になった映画がいくつかありそう。
今回は少年ジャンプ+
んー、てっきり今回のアグニの言動は、これまでとちょっと違う趣なのかなあと思ったけれども、本質的には同じだったかあ。
ラストの煽りも加味すると、それ自体がこれまでのテーマの総括って感じだったのかなあ。
嫌いじゃないけれども、その結論に60話も費やしたことに多少の脱力感はあったかな。
ここにきて更にぶっ込んできたなあ。
演出の仕方も唸る。
読者側からすれば、これまで丁寧に主要人物たちのドラマを描き、少し前に新たな事実を経て更に情が湧いてくるであろうタイミング。
それをポリーナを通じて、突き放すかのように見せているのが良いね。
ポリーナが仲間になった当初、私は「メタ的に見たときテーマやストーリー構成上の蛇足、ノイズなんじゃないかなあ」という印象だったんだけれども、ちゃんとメタ的に見ても重要な役割だったんだと今話で実感させられた。
今回は少年ジャンプ+
話としては、いわゆる悪い存在だと思っていたものが悪くなかったっていうもので、それで思いつく範疇の語りや展開がされているね。
画風もこれといった特徴がなくて、背景も簡素。
鬼側の背景とかも何となく分かりはするんだけれども、小出しにして雰囲気だけというか、情報や設定を表面だけなぞっているだけな感じ。
まあ、クライマックスの見せ方は好きかな。
ああいう結果だけ見せることで、逆に効果を発揮させるという手法は良いと思う。
各々が様々な事情で思い思いの行動をして、それが他の登場人物たちとも絡み合っているのが楽しい。
でもいくつかの箇所はぼやかしながら進行させいているから、それらが本筋にどう絡んで、どのように展開するかは予想しにくいっていう見せ方も良い。
アドベンチャーゲームとかで、複数の主人公を動かしながら進めていくザッピングシステムを見ているみたいだ。
例えば今回だと、独自に捜査を進めている鬼頭が小坂にアドバイスをして、それに触発されたので部下の五十嵐に命令するとかね。
ただ、そのせいで話の進みが遅くてヤキモキするところもあるので、一長一短かな。
内容があまりにもしょっぱいから終盤で何かドンデン返しでもあるのかなあと期待したが、別にそんなことはなかった。
私の中でOL漫画といえば「独身OLのすべて」が真っ先に思い浮かぶから余計にネタがしょっぱく感じるんだけれども、まあ比較対象がおかしいか(苦笑)。
別にゆるふわなノリが悪いとは思わないし、そのノリを考えれば内容も妥当だとは思うんだけれども、それでキャラをキャピキャピさせているだけで成立させている漫画は飽和状態だからなあ。
比較対象が多い以上、既存の作品よりどこかが優れているか差別化されていないと厳しい。
プロットがしっかりしている。
ストーリー構成やテーマが一貫しているし、ちゃんと前半の話に意味を持たせたオチなのも良い。
話作りといい、絵のタッチといい、モアイとかで読める受賞作の読みきりみたいだ。
ただ、まあプロットだけでほぼ完成されているというか、絵面がやや退屈に思えた。
今回は少年ジャンプ+
アグニの演技はこれまで周りに翻弄された結果、無意識に行うものばかりだったけれども、前回や今回のはかなり自覚的かつ自分本位に利己的な使い方をしている印象がある。
本作における「演技」という概念が、テーマにおける何らかのメタファーになっているという予想はこれまでもしてきたけれども、今回のが何を象徴しているかは判断しにくいなあ。
アグニの現状や心境の変化を表現している見方もできなくはないけれども。
お茶子たちの心情は理解できるが、デク側が節操なく露呈してしまったケースならいざ知らず、あちらからわざわざ首突っ込んでおいてヒかれるってご無体な話だよなあ。
傍から見れば理解されにくい属性であったとしても、個々人が善良であるならば基本的に問題ないことなのにね。
まあ、でもこれはコメディなわけで、そこらへんを気にすること自体が無粋ではあるんだけれども。
属性を過剰にするか欠如させてキャラクターを表現するのは手法としては極めてオーソドックスなわけで、それはオタク(爆豪風に言うならナード)だって例外じゃないだろうし。
下品な話をとことん壮大にしつつ、ダブルミーニングを持たせたりして、何だか良い話っぽく語るって感じが。
一つの要素で話を転がしつつテンポよく展開を進めているのは好感触なんだけれども、後半から話のテーマを提示して纏めに入ったためにギャグが控えめになってしまったのは残念なところ。
ギャグ漫画とはいえ終始ネタを放り込みまくりなものよりも、緩急のある構成の方が私は好みではあるけれども、その配分バランスについては繊細さが要求されるかもしれない。
後半に出てくる子猫がすごく舞台装置的だなあとは思いつつも、見せ方が上手いからそういう粗探しする気持ちが吹っ飛ぶね。
あの場面でのトーマの視点を意図的に省略して描いているんだけれども、そこを不自然にしない構成なのは感心する。
あの場面での第三者目線の描写は真澄なわけだけれども、前話を踏まえると最も適任だから自然なんだよね。
前回で真澄のエピソードを語りつつも、今回の太一のフラグもたてていた。
で、今話の前半によって、後半の事態の重さを否応なしに理解させている。
構成だけで見るとやや露骨にも見えるけれども、丁寧な情景描写でゆったりと見せているからそれが緩和されている印象。
今回のプロットが破天荒であることは明らかではあるんだけれども、それを大真面目にやればコメディになるっていう典型だね。
結局、パロディって元ネタが受け手に伝わらないと面白さが半減するから、やや大衆向けに露骨にやったほうがいいんだろうね。
ギャグとしては話の説明自体は一応の筋が通っているせいで、イマイチ昇華し切れていない箇所もあるが(まあ、パロディ元もSF要素の強い作品ではあるんだけれども)。
今回は少年ジャンプ+
人類側も必死とはいえ、アダムのルーツと蝶の目的を利用した戦法をとったわけで、何気にエグいなあ。
そして、いよいよアダムと蝶の謎が語られるわけだけれども、ちょっとヒネってきてここも唸った。
AIが、AIと人間の関係性を考えて、その上で起こした行動が中々にそそるシチュエーション。
1話と2話は主役の設定だとかキャラだとか、この作品の世界観やノリだとかを理解させるためで、それ以上でもそれ以下でもないって感じだったが、今回の話でギャグが研ぎ澄まされていっている印象を受ける。
私はギャグ漫画やコメディとかで重要なのはサブキャラの動きにあるって何度か語っているけれども、そこもある程度は抑えていて良いと思う。
ギャグ漫画に限らず、おおよそのプロットは強烈な個性と設定を持っているキャラが主体になれば成立はするけれども、大半の漫画は大なり小なりやってきているわけで、周りがどう対応して化学反応を起こすかってことも含めて昇華させるのは重要なこと。
後半のマラソン始まってからの展開は、一応の理屈はあるんだけれども荒唐無稽な対応で、ギャグとしては割とセオリーではあるんだけれども、個人的にはちゃんと分かっているなあと感じて評価したい。
近年のジャンプ系列はGIGAとかルーキーとか、そういう媒体を眺めていると、新人育成を精力的にやっている印象があるんだよね。
ハードルを低くしたというよりは、階段を細かく作って、それを整備するための試行錯誤ってのが個人的な感覚。
これもその延長線上だよね。
で、本作の感想だけれども……うーん……。
少年ジャンプにも、お題に対して読者がネタを投稿するコーナーとかあるけれども、それを漫画で見させられている気持ち。
ネーム段階の絵だから、それがノイズになって頭に入ってこなかったという可能性もあるし、ギャグがほぼ私のツボに入らなかったというのも勿論あるけれども、単純にネタの選出に青臭さがあって、しかもワンパターンだ。
ワンパターン自体は必ずしも悪いわけではないけれども、それで大きな笑いを持っていこうとするならネタそのもののインパクトなり勢いで誤魔化せる強度が必要。
ツッコミのセリフも言い回しをほとんど工夫せず、そのまんまのこと言っているばかりだし。
あと昔話とか、ワンピースとかドラゴンボールなどをパロディに使っている回とかあったが、これまで色んな漫画で散々パロディにされてきた作品たちを使っておいて、今日びあのレベルのギャグではなあ。
今回は少年ジャンプ+
引火しないから、実質ただのパンチの連打で引導を渡さなきゃいけないってのが物悲しいなあ。
ましてや、それで殴る相手が相手だし、その最中に夢想しているのも悲壮感が増しているね。
何の因果か自分の昔の写真を見てしまっているが、その時の独白がアグニのこれまでの動向を象徴しているともいえる。
アグニは一見すると自分の意志で行動し続けているが、その実は周りの環境や人間たちに翻弄され続け、そこでもがいていることのほうが遥かに多かったからねえ。
それは大なり小なり他の登場人物たちも同じだったけれども、アグニはなまじ非凡な力があった故に、余計に理想と現実のギャップに苦悩している気がする。
そのせいで自分の意志に伴った言動の判別ができていないのかもしれない。
さて、ストーリー的にはクライマックスが近い印象だけれども、ここから更に二転、三転させるのだろうか。
最初は読み切りの一発ネタを、短期とはいえ連載するのは無謀だと感じたし、ましてや飽和状態のグルメというジャンルに片足突っ込むのは見切り発車にも感じたけれども、まあそれなりに工夫していたんじゃないかと。
最後はテーマに真正面からアンサーを出したというか、上手いこと纏った印象すらあるね。
グルメ漫画としてみると今日び満足に足る描写ではなかったし、マッチョの描写に関しても水準はいってても惹かれるほどではなかったけれども、それらを添え物にしつつ『食の本質』をテーマにして描いていると解釈した上で読むなら、割と面白い作品だったと思う。
あくまで、ちょっと斜に構えつつ、一歩引いた場所から見た場合での評価だけれどもね。
登場人物が機械メインな世界観で、今回は人間との違いを側面的にテーマにしたエピソードにしていて興味深い。
このあたりはメタ的に見れば、アイたちが分かりやすいキャラ付けにされているだけで、作劇上の都合と言ってしまえばそれまでではあるんだけれども、それを考慮してもまあ悪くないエピドードかなあと。
人間のズルさというか、一貫性のなさというか、複雑さというか、したたかさというか、その性質の違いを機械と人間とで差別化している感じ。
オチが悪くて「本当にあれを女性に使わせる気なの?」というマジレスが殺到してしまった訳で、作者と編集部のギルティーは明白なわけだけどさぁ。
正式採用したっぽく演出したのが悪い訳ではなく、セクシャルハラスメントだから悪いんだが何かずれてないか。政治家の言い訳みたい。
男子トイレにATMマーク、じゃ半分も再現できてないな。トイレに行くたび「お前たちは性欲の対象としての存在価値しかない」と意識させるようなマークを "誰も傷つけてない" とみる人に、ひどさをどう伝えたものか。
セクハラって何だよ。当事者って何だよ。結局あれは一時的なネタマークで、実際にあの女子トイレを使わされた女性がいたわけじゃなかったんだからそれでいいだろう。
あのなぁ、アホな男が女子トイレをムフフとした気持ちで妄想したこと自体を咎めるなよ。あの表現は人を傷つけたのだから取り下げてしかるべきみたいに言うなよ。それは無敵すぎるだろうが。
あれを気持ち悪いとか侮辱的だと感じる人が出てくるのは仕方がないんだけど、申し訳ないがそういう人は回れ右してお帰り下さい。ごめんね、少年ジャンプ+ってそういう場所だから。君らに向けて書いた作品じゃないんだ。
今回は少年ジャンプ+
ここでトガタに語らせることによって、妹のセリフの真意を数十話越しに、遠まわしに描く構成は悪くないと思う。
まあ、立場や状況も違うから再現ってわけではないのかもしれないけれども。
そこからは怒涛の展開といった具合だが、これまで丁寧にやるべき箇所をかなぐり捨てて、作者が見せたいところだけクドいくらいに見せて、そしてこのタイミングでも本筋をああいった風に描写されると咀嚼に難儀するなあ。
企画自体は興味深いし、様々なしがらみを気にしない前提で感想を述べるならば、面白かったと思う。
特に4枚目の発想は恐れ入った。
そこを切り取るのか、という。
しかし、基本ジャンプは男子向けだとはいえ、野郎どもだけで女子トイレマークのデザイン考えるという構図のマズさは気になる。
このノリは例えるならアレだ、学校の休み時間に同性が集まってする猥談のノリに近いと感じた。
その規模を人様向けに、大人たちがやった結果、本質的な問題がより浮き彫りになってしまったという印象。
少年ジャンプ+の編集はフットワークが良くも悪くも軽くて、それが功を奏するケースもあるんだけれども、今回はそういったのが悪目立ちしているケースだなあ。
ジャンプ+では『おかずサイト』っていう読み切り作品があるんだけれども、あれを読んだときも「大丈夫か、コレ?」って思ったもんなあ。
殺人鬼の動機として芸術だとかそういった理由は、個人的に辟易しているんだよなあ。
ただ、まあその後語られる持論そのものは分かりやすい理屈を述べているのは良いと思う。
「とりあえず支離滅裂な、狂っている言動やらせとけばいいだろ」みたいに描かれるサイコキャラは陳腐でしかないので、そういうところでクレバーさを表現することは大事。
相手がどう動くかが何となく分かっているのに、その上でタイミングに怯え、取り返しのつかない事態になってもおかしくないという緊張感も上手く描けていると思う。
これは主人公にも言えることで、後半の向こう見ずな行動はハラハラさせてくれる。
今回は少年ジャンプ+
なんか『インセプション』じみたことになっている。
最初はアグニ視点のものとして見るべきシーンかなとも思ったけれども、それにしては映画館の様相が忠実だし、どちらかというとトガタ視点として解釈するところなのかなあ。
でも、アグニの妹も出てきているしで、やっぱりアグニとトガタの対面を象徴的に描いた、あくまで演出として読み取るべきなのかな。
今回は、最近のも加味して中々にドラマチックな展開だとは思うんだけれども、トリップじみた演出の挿入はちょっと前にやったからクドく感じるなあ。
近年の能力バトルものはやたらと理屈っぽい説明を長々とやったり、リアリティを追及しようとしすぎているから、この漫画くらいの「大した理屈もリアリティもないけど受け入れる」っていう感じのノリに安心する。
豆の感想で「あ、そっちなんだ」と思って、さすがにそこまで下品なネタは出せないのかなあと思ったけれども、その後「アレ!!!!」っていうやり取りが出てきた不意打ちだった。
それなりの配慮をした結果の言葉選びなんだろうけれども、そんな曖昧な表現でも意味が登場人物にも読者にも伝わっているから、かえってギャグとしてちゃんと成立している。
今回は少年ジャンプ+
エイプリルフールは、昔の週刊少年ジャンプ・リバイバルって感じだった。
少年ジャンプ+は普段からリバイバル連載していることが多いから、趣は異なるとはいえ個人的にそこまで大した企画ではないと感じるなあ。
まあ、私が生まれる前の代物だったもんで、いまいちノスタルジーに浸れないってのもあるんだけれども。
今なお語り継がれる有名作もあれば、微妙な漫画も載っているあたり、本質的には今も昔も大きくは変わっていないんだなあ、とは思った。
あと、普段の少年ジャンプ+を閲覧したいのに、まず最初にあそこに飛ばすのはやめて欲しかった。
一日だけとはいえ、普段の利用者をちゃんと考慮しないやり方はどうかと思う。
開幕の凄いことを変に見せて、どう凄いのかよく分からなくする、っていうギャグは小慣れているなあ。
後半のネタばらしは、予想通りであるはずなのに予想外だったので、ネタ選びと構成の妙にやられた。
エイプリルフールで乗り切れていない人たちを、嘘をつく側も騙される側も上手いことデフォルメしているというか。
エイプリルフールのネタ選びはどのようなものがウケるか、逆にどうやったらスベるかっていうポイントを抑えている。
以前に編集とグダグダなプロレスを繰り広げた経験が活きているのかな(笑)
すごく個人的な余談だけど、エイプリルフールのジャンプ+で最初に読んだのがコレだったから、「もしかして他の漫画も同じテーマじゃないだろうな。だとしたら、さすがにキツいぞ」って、無駄な警戒心を抱いてしまった。
この展開に何か作為的なものがあると予想していたけど、ザックがいうにはそこまでありえないことでもなさそうなんだな。
バイアスかかっているのもあって、全くの偶然というよりはおさまりがいい気もするんだけれども。
それにしても、輪切りにした果実を例えに用いている描写が、個人的にツボだ。
SF映画とかで、折りたたんだ紙にペンを突き刺して説明するシーンがあるけど、ああいったのが個人的に好きなんだよね(あの例えを最初に出した作品ってなんだろう)。
物理とかに詳しくない人でも感覚的に理解できて、いい例えだと思ってるから気にいっている。
今回もそれを髣髴とさせる簡略的な説明で、読者が話に楽についていける。
今回は少年ジャンプ+
やる気のないコマ割は、まあ今に始まったことではないから置いといて。
今回の見所はやはり後半の展開。
まあ正直、今回の第一印象は「ウダウダやっといて最終的に“これ”って、どうなんだろう」って感じだけど。
アグニは頭では理解しているつもりだったが、復讐心は燻っているってことなんだろう。
43話の感想で、「何かしら演じている人物は間違いをしているってことを示している」みたいなことを私は考察したけれども、アグニが演者として脱却した結果の行動が今回のだとするならば、一概にそうでもなさそうだなあ。
アグニの心の中にいる妹が言うには、ドマは演技をしているってことらしいので、その演者を断罪するという意味と解釈することもできなくはないけれども。
とはいっても、妹との対話シーンは実質アグニの自問自答みたいなものなので、これはアグニ自身がそう思っているってことだから、そこまで信頼性に足るものではないが。
やっぱり本作のテーマは「演技」が主体で、善悪は抜きにしても「演じ続ける」か「そこから脱却するか」といったことを中心に語っていくんだろうかね~。
本編でやるとセキュリティがザルすぎるってなるので、スピンオフのギャグマンガならではのシチュだよね。
黒霧のコスプレは相変わらず笑わせに来ているが、もうこの漫画での扱いの方向性が定まった感があるなあ。
死柄木がオールマイトやデクの言葉にイライラしたり、逆に爆豪の言動に満面の笑みをしたりするのとかは、死柄木の特徴を上手くデフォルメしているなあと思った。
ありゃ、終わったか。
まあ、何がダメかっていうと行き当たりばったりな展開、演出だと思う。
そして、それがほぼワンパターンなんだから読者は飽きるに決まっている。
「ここで、このキャラを無残に殺す」だとか「登場人物が突飛な言動をする」などといった展開はここぞという時にだけやるから意外性があるのであって、それを毎回やればウンザリするだけだよね。
主人公の役割がしっかり物語への理解を助けて、漫画の面白さにも起因しているところは評価したいところ。
やり取りもところどころラブコメの典型を踏襲しつつも、あくまでそれを茶化している漫画だということを思い知らせる主人公の独白や、素っ頓狂なネタが合間に挟まれるのも本作の個性が出ていると思う。
友人とヒロイン二人の仲を取り持つコメディ寄りのラブコメというだけでもプロットとしては魅力的なのに、そこに更にエッセンスを加えて、話がどう展開するか分からなくなってきたなあ。
気持ちとしてはこの「どう展開するか分からない」というのはワクワク感の方が強いけど、話の運び方次第ではテーマが定まらないことにもなるし、現状そこらへんは個人的に警戒気味。
今回は少年ジャンプ+
最近の数話でもちょくちょく「教養」というワードが出てきたけれども、今回の話で明確に提示してきた印象。
ドマの語る「正しい教養」とアグニとの問答からして、信仰に相対するものは教養だと解釈できる。
今回出てきた映画は信仰の対象になっており、ドマの間違った行いのルーツにもなっていた。
また、本作では映画=演じているモノ=信仰といった風に解釈できる。
そして、その信仰は間違った行いを誘発させるものとして本作では描かれている。
だから、本作では行動のルーツに映画が関係している人物、何かしら演じている人物、信仰をする人物は間違いをしているってことを示しているわけだね。
何かしら演じているアグニや、映画を撮ることが目的のトガタも信仰側なので、彼らの行いはズレているってことになる。
そして、今の文明を滅ぼそうとする雪の女王(仮)の目的は映画が関係しているので、これも間違っていることを遠まわしに語っている。
まあ、ドマが今の人々に足りないものは正しい教養だと語っているのに、その「今の人々」を滅ぼそうとしている雪の女王(仮)の行いが相対しているのは当たり前といえば当たり前か。
私の深読みしすぎなだけな気もするけれども、ここに来てテーマと作中のアイテムをしっかり繋げてきたのは周到だと思った。
作品紹介で「新感覚コメディ」という割には、プロットもストーリー構成もありがち。
けれども、ところどころ挟まれるギャグやテンポは確かに個性が出ている。
「強面で誤解されがちだけど、心優しい少年」という凡庸なプロットを、ここまで個性を出して描けているのは感心した。
今回は少年ジャンプ+
うーん……メタ的に見るなら、アグニとトガタの関係性の再構成と、現状の停滞感を打破するためのきっかけとして機能するのが今回の一件なわけなんだろうけれども。
同じ構図とコマ割りがさすがに多すぎるのがすごく気になる。
同じ構図とコマ割りを繰り返すことで、その場面でのやり取りの無意義さだとか、情感を演出しているといえなくもないんだけれども、それを考慮してなお手抜き感は否めないなあ。
内容もほとんどないしで、前話と今話を纏めた構成にした方がよかったんじゃないだろうか。
一見すると似合ってはいるんだけれども、悪魔の角があるから足し算しすぎ感も出てて絶妙なデザインである。
バイキンマンじみたコスとかを少し前にやっていたが、もしかして今後も着せ替え人形的な扱いをされるって方向性が出来ているんだろうか。
ただ、メムメム自身が色々とアレな性格だから同情する気が起きないという、バランス感覚が心地良い。
でもここまでアレだと一週回って悪魔らしいともいえる。
揚太郎がDJを始めたルーツともいえる人が登場して、話もいよいよ畳みにきているなあと思ったら、なんだか予想外な方向に。
この人が出てくると揚太郎は若干トリップしちゃうのは1話でも演出されていたから超展開ってほどではないんだけれども、いや~これはどうなんだろう。
今回は少年ジャンプ+
トガタのバックボーンに関しては、情報からすると色々な解釈できそうだ。
元は男だったけど何らかの理由で女性の体になった、或いは文字通り脳みそだけ女性の体に移されたのか(ただトガタは再生持ちだし、そんなことが可能かは微妙だけれども)。
人格だとか、魂だとかを入れ替える祝福とかあったりするんだろうか。
それとも長く生きていく過程で記憶のいくつかを忘却した結果、人格が再構成されたのか。
いずれにしろ明らかなのは、本作の一貫したテーマとして「演じる」という側面があるってことか。
メインの登場人物の何人かは、客観性だとか自身の理想を体現させようと「自分」を演じている(それが実際の所はどうであれ)。
場合によっては演じている本人ですらそれに飲み込まれて、自分が演じているのか何が本心なのか自覚がなくなってきている節があること。
このせいで主人公含めて登場人物たちのセリフは信頼しにくくなっていて、まあ叙述トリックというやつなのかな。
今回もさらっと三田のイケメン行動を描写して、そりゃ惚れるわなと思わせつつ。
というか覚えていすぎな上、妙に褒める。
三田にとって、一ノ瀬ってのはかなり特別な存在なのだろうかね。
感心したのは、一ノ瀬の行動を伊達が諌めている場面。
一ノ瀬とは別ベクトルから気にかけていることから、伊達と空勢の関係性が読み取れる。
興味深いのは、一ノ瀬の言動が軽薄だっていう側面を提示したことだよね。
今回は少年ジャンプ+
ちょっと話が壮大になりすぎて、ここらへんをとやかく言う気は起きないけれども、そこまでして今の文明を破壊する目的が予想外だったね。
上滑り気味だけれども。
行動の壮大さに対して、その理由は大したことないってギャップは演出として大いにありだとは思うんだけれども、それを考慮してなお脱力感のほうが強いと感じたんだよなあ。
まあ、案外そういった些細な思いが活力になるってのも分からなくもないけれどもね。
幽白に出てくる樹ってキャラの「明日『ヒットスタジオ』に戸川純が出る」っていう件とかが私は好きだし。
それがこれと同じかっていうと、意味するところも状況も違うし微妙なところだけれども。
導入部でさらりと必要悪を大義名分にしてくる構成に、不覚にもやられた。
豆に対するのが、同じく栄養価の高いものなのも、こじつけなりに考えているというか。
ネタがこじつけばかりなんだけれども、節分自体がこじつけなんで、その前提が無理なく成立してコメディになっているわけだ。
トガのコスプレの件で「媚びたカッコをするな」とかバッサリ切り捨てるあたり、かえってヴィラン側のほうが健全に見えるという不思議(ただ、オチの格好を見るあたり、単に趣味嗜好の違いなんじゃねえかと勘繰りたくなるが)。
黒霧が部屋の掃除で自身の能力を活用しているのも興味深いよね。
本作ちょいちょい登場人物たちの個性を変な使い方するスピンオフならではなネタが出てくるんだけれども、本編のヒロアカも世界観の掘り下げとして、こういう些細なことで能力を使う描写もっとあってもいいと思う。
この作者はこれまでスポーツものを描いてきて、心情描写を表現する点で光るものがありつつも、どうにも所々噛み合わないところがあったんだよね。
なので今回の青春物語に重点を置いた構成は、作家の感性を活かすという意味では向いている作風だとは思う(それが読者と擦り合っているかは分からないけれども)。
特に印象的なのは、何気ない一言でバッサリ髪を切ってくる女子に、主人公がドン引きするシーンかな。
ヒロインの見た目が変わるっていう重要なイベントを、ああいう風に描写してくるというね。
まあ、メインキャラの見た目が変わるのって割と繊細なポイントだから、読者が愛着湧く前に1話の時点でやってしまって、それをヒロインの意志と絡めた構成にしたのは英断だと思う。
今回は少年ジャンプ+
使い勝手は……私はUIとかあんまり意識しないで順応させるタイプなので正直よく分からない。
変化の良し悪しを客観的に区別できないんだよね。悪い変化だと思っても、以前のに慣れていたせいで実感しにくいだけって可能性もあって。
まあ、こういうリニューアルの意義そのものにケチをつける気はないし、個人的には細かい所での手間が軽減されてて悪くないと感じている。
まあ、本作はあくまでミステリーとかサスペンスが本筋ってことなんだろうね。
個人的には他人の力を借りることで、その本来の使い手もちゃんとすごいってことを間接的に伝える演出は嫌いじゃないので、今後このパターンは期待したいところ。
“魔王”事件は、作中の言葉を借りるなら確かに拍子抜けではある。
まあ、プロットだけで漫画が面白くなるわけではないように、それによって紡がれるドラマが重要なので、このあたりは後々語られることを期待したい。
それにしても、メインキャラだと思われていた登場人物があっさり死んだり、一行ではないキャラに今回スポットが当たったり。
登場人物たちの設定や立ち位置から展開を考察させないって意味では成功しているんだけれども、予想と共に期待を裏切られている感じもして、ヤキモキしてしまうのが難儀だ。
導入部のギャグを色々と工夫してくるのは本当に感心する。
ただ、前回の話といい、今回の話もストーリー構成上の観点では全くの無意味なんだよね。
作者も何も考えていないのではとアオリ文句が書かれているが、次回は読み切りを載せるという告知もあって、マジでその線がありえそうと思わせる可笑しさがあるね。