エドガー・エラン・ポオ「モルグ街の殺人」
・しょうもない犯人、しょうもない気付き、しょうもないミステリの元祖。
ウィルキー・コリンズ「月長石」
・長さのわりにミステリを期待して読むと徒労に終わる。ドラマ観れば十分。
コナン・ドイル「シャーロック・ホームズの冒険」
・長編よりいくらかマシという程度。
モーリス・ルブラン「怪盗紳士ルパン」
・南洋一郎訳のほうがおもしろい。
ロナルド・A・ノックス「陸橋殺人事件」
・いわゆる「ノックスの十戒」を定めた著者だが、作品は凡庸。
フョードル・ドストエフスキー「罪と罰」
・ミステリか? 別にいいんだけど。主人公の臭い自意識に長時間堪えられるのなら。手塚治虫の漫画版で十分。
コンラッド「闇の奥」
・「闇の奥」そのものより、「闇の奥」をもとにした無数のコンテンツのほうがおもしろい。『地獄の黙示録』とか。
F.W.クロフツ「樽」
・『樽』はタルい。これミステリ界の常識アルよ。クロフツはもっと薄くておもしろいのがいっぱいある。
S.S.ヴァン・ダイン「僧正殺人事件」
・ヴァン・ダインとか今更読むやつおる??
ガストン・ルルー「黄色い部屋の謎」
・これもルールタビ―ユくんのキャラ小説なんだよな。意外にミステリしてる点は評価できなくもない。
エラリー・クイーン「Yの悲劇」
・別のトラバの人も言ってたけど、悲劇四部作は通しで読めよ。おまえはスター・ウォーズをEP5から観るのか?
ジョン・ディクスン・カー「火刑法廷」
・オカルト〜〜〜〜〜〜wwwwww すいません、ふつうに好きです。
アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」
・クリスティならなんぼでもこれよりおもしろいのがある。まあ、ある種のパターンを確立したという意味で必読ではある。
ドロシー・セイヤーズ「ナイン・テイラーズ」
・別に「ナイン・テイラーズ」でもいいんだけど。
イーデン・フィルポッツ「赤毛のレドメイン家」
・いいかげん昔の人が評価してたからって理由だけでレドメイン家をこういうリストに入れるのやめない?
G.K.チェスタトン「ブラウン神父の童心」
・妥当。これもシリーズを通しで読むべきではある。
フランシス・アイルズ「殺意」
・アイルズ入れるのは当然として、バークリーも入れないのは理解に苦しむ。
ウィリアム・アイリッシュ「幻の女」
・惰性でオールタイム・ベスト入ってる系の古典としては意外なほどエキサイティング。アイリッシュはもっと評価されてもいい。
コリン・デクスター「キドリントンから消えた娘」
・今読むとちょっとメカニカルすぎてキツいところがある。
セバスチャン・ジャプリゾ「シンデレラの罠」
・ハッタリのきかせ方は歴史に残るけど、わりに印象に残りにくいんだよな。
ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」
・これも型を確立したという点で必読ではある。
ウィリアム・L・デアンドリア「ホッグ連続殺人」
・出たよホッグ。20年くらい前ならおもしろかったのかもしれんけどさ。
クリスチアナ・ブランド「招かれざる客たちのビュッフェ」
・さすがにブランドを否定する理由がない。
エリザベス・フェラーズ「猿来たりなば」
・知名度の割に、ブクオフに行ったらかならず置いてあるだけの理由はあるものだ。
ロアルド・ダール「あなたに似た人」
・出来不出来が激しい作家の一人。奇妙な味勉強したいんなら異色作家短編集読めば。
ダフネ・デュ・モーリア「レベッカ」
・そういえば映画版が最近リメイクされてましたね。つまんなかったなあ。ヒッチコック版と原作はいいです。
レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」
・御三家のなかで一番キツい。春樹訳はさらにキツい。ロバート・アルトマンくらいの諧謔が加わって初めて鑑賞に堪えうる。
ダシール・ハメット「マルタの鷹」
・ハードボイルドの先鋭性をもっともよく表した作家ではある。本篇より諏訪部浩一の『「マルタの鷹」講義』のほうがおもしろい。
ロス・マクドナルド「ウィチャリー家の女」
・ロスマクの一冊を選ぶとなると戦争が起きる。法月綸太郎みたいなものさ。ここでもな。
フレデリック・フォーサイス「ジャッカルの日」
・めちゃめちゃエキサイティングなんだけど、分厚いし今手に入りにくいし……。
ジョン・ル・カレ「寒い国から帰ってきたスパイ」
・ル・カレのなかでは読みやすい部類だし、正解だと思う。
パトリシア・ハイスミス「見知らぬ乗客」
・ハイスミスは20歳をすぎてから。
ドナルド・E・ウェストレイク「ホット・ロック」
・なぜよりによって『ホット・ロック』?
ボアロー&ナルスジャック「悪魔のような女」
・ボアナルほんとに読んだことある?俺はない。映画は傑作だった。
トルーマン・カポーティ「冷血」
・ルポルタージュミステリとしては先駆的だったのかもしれないが、今読むと長いしタルいし冗長。カポーティの美点がほとんど失われてしまっている。
ジム・トンプスン「内なる殺人者」
・ポップでしょ。
ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」
・たかだかミステリ読みごときにエーコの真価が理解できるとはおもわない。
ローレンス・ブロック「八百万の死にざま」
・タイトルで勝ってるよな。アル中文学の系譜が産んだ名作。
ルース・レンデル「ロウフィールド館の惨劇」
・一発ネタで長編まるまるひとつ持たせた奇跡のような書物。とはいえレンデルはもっと濃ゆいのがある。
ウィリアム・ゴールディング「蝿の王」
・別にここに入れる必要はないのでは。
ジェイムズ・クラムリー「酔いどれの誇り」
・ネオハードボイルド作家たちは再評価されるべきだと思うが、中途半端に古くなってしまった感もあり、難しい。
ジェイムズ・エルロイ「ブラック・ダリア」
・反面エルロイは古びない。ただLA四部作は何も知らない人が「ブラック・ダリア」だけ読んでもわからん気がする。
ジャック・ヒギンズ「鷲は舞い降りた」
・冒険小説も進化してるので、いつまでもヒギンズを引きずるのは不幸というか、グリーニーとか読ませたほうがいいのでは。俺は嫌いだが。
アリステア・マクリーン「女王陛下のユリシーズ号」
・マクリーンなんかよりイアン・フレミングのほうがよほどリストに入れる意味あるよ。
トマス・ハリス「羊たちの沈黙」
・作者がキモい。
ドナルド・A・スタンウッド「エヴァライカーの記憶」
・このリストのなかでは比較的新しい作品で、オールタイム・ベスト的なリストでみかけるのは珍しい。個人的な思い入れがあるのか? たしかに発売当時からそこそこ評判高かったけれど、薄い記憶を掘る限りそこまで評価する理由が見当たらない。気になる。
クレイグ・ライス「スイートホーム殺人事件」
・ライスはたまに読むと心温まってよいが、それはスレた読者の愉しみなのであって、入門者が読んでも伝わりにくい。
アゴタ・クリストフ「悪童日記」
・たしかに仕掛けはミステリなしおもしろい小説なのだが、別にこのリストに入れる必要はない。なんでミステリの人は文学にコンプレックスを抱くのだろう。
アイラ・レヴィン「死の接吻」
・うーん。
リチャード・二ーリィ「心ひき裂かれて」
・オールタイムベストでも陰が薄い存在なので、入っていると嬉しい。まあでも数合わせだよね。
ケン・フォレット「針の眼」
・フォレットもそろそろ再評価されるべきだと思うのだが、ダン・ブラウンみたいなものと思われているのだろうか。
マイ・シューヴァル、ペール・ヴァール「笑う警官」
・北欧系の元祖ではあるのだろうが、だったらよりエポックなミレニアム入れたほうが誠実な気がする。
黒岩涙香「巌窟王」
・ごめん、モンクリの方しか読んだことない。
甲賀三郎「ニッケルの文鎮」
・はあ。
江戸川乱歩「孤島の鬼」
・え?
大下宇陀児「石の下の記憶」
・変格って今読むとふつうにつまんないの多いよね。
夢野久作「ドグラ・マグラ」
・そりゃ読んでも損はないとは思うが。
浜尾四郎「鉄鎖殺人事件」
・当時としてはアベレージはある作家だろうが、そこで鉄鎖を選ぶ理由がよくわからない。
大阪圭吉「とむらい機関車」
・うーん……いいんじゃないんですか。
小栗虫太郎「黒死館殺人事件」
・どう読むかによる。単純な出来でいったら虫太郎にはもっといいのがいくらでもある。すまん、いくらでも、はない。
木々高太郎「新月」
・すっかり忘却の彼方すぎて妥当かどうかさえわからん。
横溝正史「獄門島」
・横正の作品をチョイス理由を添えずにポンと出されても困るんだよな。高校生も困ると思うよ。こんなんだけ読まされても。しょうがない。
坂口安吾「不連続殺人事件」
・本格ベタな安吾のなかでもなんでよりによって一二を争うほど不出来な作品を選ぶのか。嫌いなのか?
高木彬光「人形はなぜ殺される」
・高木彬光でこれがあがってしまうのは、消去法の結果なのだと思う。
山田風太郎「妖異金瓶梅」
・特にケチをつけようとは思わない。
海野十三「海底都市」
・海野十三の本領はヌケの良いバカバカしさだと思う。
大坪砂男「涅槃雪」
・通っぽいセクレトだが、そこは素直に「天狗」にしとけ。コケまくったサンドマンが唯一正位置になってしまった作品なのだから。
松本清張「砂の器」
・映画の印象は強いが、清張であえてピックアップするほどかといえばどうか。
鮎川哲也「薔薇荘殺人事件」
・変化球狙いすぎて外しとる。
有馬頼義「四万人の目撃者」
・流れ的にはわからないでもない。
仁木悦子「猫は知っていた」
・と思ったらいきなり脳死みたいな。
高城高「X橋付近」
・今あえて読むほどのものではない。
水上勉「飢餓海峡」
・同上。長いだけ。
笹沢左保「暗い傾斜」
・同上。とはいえ笹沢左保はもうちょっと読まれてもいい。
飛鳥高「細い赤い糸」
・飛鳥高の長編ってそんな良いイメージないのだが。賞とったってだけで入れてない?
土屋隆夫「天狗の面」
・今選ぶとなると難しい作家だが、針の誘いとかでいいのでは。
陳舜臣「玉嶺よふたたび」
・そもそもミステリがうまい作家ではない。
竹本健治「匣の中の失楽」
・パッションだけで突っ走った奇跡であることは間違いないが、三大奇書にならべて語るほどかといわれれば疑問符がつく。竹本健治は”今”が面白い現役の作家だ。
中井英夫「虚無への供物」
・不可欠だとは思うが、真剣に読んでる人は少数派だろう。
赤江瀑「オイディプスの刃」
・そうね。
都筑道夫「三重露出」
・またひねくれたもん入れてくるな。
森村誠一「新幹線殺人事件」
・ごめん、森村あんま興味ない。
天藤真「大誘拐」
・色んな意味で稀有な作品ではある。
西村寿行「滅びの笛」
・特に反対する理由もない。
清水一行「動脈列島」
・人間生きてて清水一行の話することある?
戸川昌子「大いなる幻影」
・戸川昌子の話をすることはあるかもしれないな。
戸板康二「グリーン車の子供」
・マスト。
泡坂妻夫「亜愛一郎の狼狽」
・鉄板。
大岡昇平「事件」
・入れても良いとは思うが、そういえば結城昌治がおらんな。
田中光二「黄金の罠」
・エッ? そこ?
栗本薫「絃の聖域」
・読んでない。そろそろ疲れてきた。
連城三紀彦「宵待草夜情」
・好みの問題であるとは思うが。
辻真先「アリスの国の殺人」
・アー。完全恋愛とかいいんでは。
笠井潔「サマー・アポカリプス」
・第一作だしリストになら入れてもいいと思う。
逢坂剛「カディスの赤い星」
・もうちょっと「高校生までに」という点を考慮しようよ。
船戸与一「猛き方舟」
・船戸与一今読むと意外にいいものもあるんだよね。
島田荘司「占星術殺人事件」
・このへんはね。
綾辻行人「十角館の殺人」
・入るよね。
京極夏彦「姑獲鳥の夏」
・急に九十年代っぽくなったけど、2000年代にもインスタントクラシックな作品はたくさんあると思うよ。
皆川博子「死の泉」
・皆川博子がミステリ的に評価できるかといえば微妙なんだけど、ミステリ界以外で評価される土壌がさほどないようなので、不運な作家だと思う。偉大な人です。
]]>ブコメで指摘を受けたので以下を修正。
20と39、「シンデレラの罠」が重複している。確かに一人で何役もやる趣向の話ではあるが。
重複を削除して、ゴールディングの「蝿の王」を入れた。ご指摘感謝。
22.の「ホッグ殺人事件」、正しくは「ホッグ連続殺人」だね。
修正した。ご指摘感謝。
間違い探しみたいで申し訳ないが、35は「トルーマン・カポーティ」かな。ノンフィクションをミステリに入れるのは、ちょっと抵抗がある。
修正した。ご指摘感謝。
]]>本屋に並んでいる日本の小説たちはある意味確かに面白い。令和の世において大企業たる出版社がそれなりの金を使って出版している本が面白くない訳がない。
が、そんな小説を読んでいると、面白いことが分かりきっている小説を読むこと自体がつまらなくなってくる。普通に面白い小説では満足できなくなってくるのだ。きっと元増田も小説読みレベルが上がったのではないかと思う。
そこで試してもらいたいのが海外の小説である。翻訳物は抵抗があるかもしれないが、日本で普通に面白いとされている小説に飽きているのならば試してみて欲しい。海外文学と言っても多種多様なので、いろいろと読んでみて欲しい。ブッカー賞受賞作とか取っ付きやすいと思う。トルストイとかドストエフスキーとかも読んでみたら面白いよ。
個人的なおすすめはアリステア・マクリーン『女王陛下のユリシーズ号』とアゴタ・クリストフ『悪童日記』。前者は至極のエンタメ海洋小説。後者は小説好きこそ楽しめる、読書上級者向け小説。どちらも面白いけど、現代日本のベストセラー小説たちとは系統がだいぶ違うので、ぜひ試してみて欲しい。
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