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はてなキーワード: 大都会とは

2024-05-22

それはもう大都会超えて隔界

東京大阪のような大都会特有事情を聞いていると、なんだか怖くて面白い

例えばある東京在住の人が、東京都心のトイレマップを頭に叩き込んでいると言うので理由を聞くと、気軽に入れる公衆トイレほとんど全くないし、駅のトイレは汚すぎるからと言っていて目から鱗トイレが見つからないままさまよい続ける可能性があるらしい。なんとも怖いが面白い

また東京の人や大阪の人と遊ぶと、疲れたからカフェはないかと言う。甘いものがほしいの?と聞いたら座りたいというので、ベンチがあるけど座る?と聞くとちょっと驚かれる。聞くと大都会ではカフェしか座って休めないらしい。な、なんということだ。

それから私が大阪に行った時、バス停バスを待っていたら、近くの歩道渡りながら大声で良くないことをたくさん叫んでいる中年女性がいた。思わずみんなそちらを一瞬見たものの、次の瞬間にはもう元通りだった。怖いね、というと同行者は「これが大阪から」と言っていた。バスに乗ると今度は年齢不詳男性が甲高い声で独り言を言っていて、なるほどこれが大阪なのだ理解した。

そこまで大都会ではなく、かといって不便でもない地方都市に住む私は、こうした話を聞いて都会の大変さを学ぶ。それはもはや大都会を感じて大きな隔たりを感じる世界、縮めて隔界のようだと思う。しかし心の何処かではそれに憧れもする。大勢人間の渦に混じって、私もその渦の一部となり、自我輪郭をやんわりと失いながら、大きな流れに飲み込まれしまいたいという憧れが。今住んでいる場所にもそんな流れはあるが、大都会ブラックホール的な強大さにはとても叶わない。憧れ、恐怖、そして好奇心。そこには確かに人々の日常があるはずなのに、私は大都会の話を聞くと、いつもそんな隔絶された世界を思い浮かべてしまうのだった。

2024-05-19

15年ぶりに食ったてんや天丼が不味すぎて泣いた

 私が初めての東京に来たのは就職活動だった。中央線を降り、昼食に駅前のチェーン蕎麦屋へ入ったたところ、あまりのまずさに悶絶したのが初めての東京体験だった。料理漫画関西人がしばしば言う「東京蕎麦はドブ色してて出汁はきいてないし、麺はヘナヘナで食えたもんじゃない」は誇張でもなんでもないんだ、ということを実感し「やっぱり庶民の食いもんは関西だよな」という関西人ありがちな偏見を強くした記憶がある。

(もちろんこれは単なる偏狭思い込みであって、東京人の味覚が鈍いわけではなく、件の蕎麦屋本業が立ち退き業だからというだけであって、それなりの蕎麦屋はそれなりの蕎麦を出してくれるということは、当時の若い私にはわからなかった。)

 しかしこの偏見を粉砕してくれたのがてんや天丼だった。何気なしに入ったてんやワンコイン天丼をあまり期待せずに頼んだところ、その旨さに打ちのめされた。もちろん料亭だの高級天ぷら屋だのは関西にもある。だが500円でここまでのものを出せる天ぷらやは関西にはない。カリッとした衣、濃厚なタレ、多彩なネタ、これらが500円で出てくる奇跡に感動を覚えた。ガッツリした衣にタレが染み込みちょうどいい塩梅となったところがうまい。米やタレの掛かっていない硬い部分と口の中で混ざるとなお良い。塩や天つゆで上品に食べる天ぷら膳ではこれは決して味わえない。これが500円?関西じゃぜったい無理でしょ。東京恐るべし。やっぱ東京って日本一大都会だわ。

 その後毎週末にはてんやに通い、関西帰省したときてんやが無いことにがっかりするくらい入れ込むようになった…のだがその後私は地方工場勤務となってしまった。地方ではてんやが無い。しかし/しかも、そのころ結婚した妻は揚げ物が嫌いだったせいもあり、結局揚げ物自体と離れる生活を15年くらい過ごすことになってしまった。だがこの度、ついに、本社栄転、ということで帰ってきたのだ!東京に。てんやよ!私は帰ってきた!

 ああ15年間焦がれた天丼とついに再開できる。そう思うと胸は高鳴り、期待で唾は溢れんばかりだった。だが一口食ってでてきた言葉は「なんやこれは。クソ不味やんけ」だった。関西を離れて20年も経つと日常関西弁が出ることはなくなる。が、理性のタガが外れたときはやはりどうしても関西弁が出てしまう。関西庶民向けの店ではだせそうもない、あのクオリティはどこへ行ったんや。ネタは良い。タレも相変わらず美味い。米は変わっているだろうけど違いはわからへん。だが衣はすっかり変わってしもうた。すっかり薄くなり、柔らかくヘナヘナの衣、こんなスーパー惣菜天ぷらみたいなのはてんやない。あのてんやはどこへ行ってしまったんや…。憧れ続けて期待値が上がりすぎて失望してしまう、なんてことがよくあるのはもちろん知ってる(昔好きだった同級生同窓会で再開したときとかみたいに)。だからてんやのタレだけ買って帰って近所のスーパー惣菜コーナーの天ぷら使って天丼作ってみたんや。ほしたらほとんどてんやと変わらん出来や。流石にネタスーパーよりてんやの方が良いけど、衣は全然変わらへん。なんかもうがっかりや。スーパー惣菜とは一線を画した揚げたてカリカリ天丼てんやのウリとちごたんか。これやったら「さん天」の方がマシやないか。あっちは490円でエビ2本入っとるし。

 ネットで調べてみたところやはり衣は変えたらしい。ものは言いようだが、サクサク感を狙ってタピオカ粉を使うようになったとか。まあでも自分なりに考えるとなんだかんだいって衣が薄くヘナヘナになったのは時代要請だったのだとおもう。

こんなところだろう。もうてんやへ行くことはない。というかおそらく1年に1回くらい行って毎回がっかりする、そんな店になるのだろう。てんや天丼は死んだんだ。いくら呼んでも帰っては来ないんだ。もうあの時間は終わって、僕も人生と向き合う時なんだ。

というわけで1500円以下で衣がガッツリした天丼を食える店を東京住み増田諸兄がご存知なら教えてほしい(23区+多摩地区くらいで)。いかがだろうか。

2024-05-12

東京男尊女卑土地じゃないぞ

痴漢は全国で起こってるし東京固有の文化というわけじゃない

東京女性専用車両存在するのも痴漢が多いからじゃない

いかがりはやめるのだ

 

もし大都会東京のど真ん中で性差別が起きたとしても

それは地方から来た人間がやってることだから生粋都民は悪くない

渋谷ハロウィン馬鹿騒ぎしてゴミを捨てていくのも田舎者だけだ

 

そもそも東京には女性差別女性蔑視存在しない

堂々と女性蔑視発言をする知事なんて存在したことはないし

議会セクハラ野次が飛ぶなんてこともない

東京オリンピックの責任者セクハラ発言をするなんてこともありえない

医科大の受験性差別なんて起きるはずがない

天下の東京大学に女子お断りサークルなんて存在するわけがない

大都会東京のど真ん中で差別なんか起きるはずがないだろ

 

もし仮にこんな事が起きたとしてもそれは日本全体の問題から

断じて東京けが悪いわけじゃないから!

それに九州と比べたらまだ全然マシだから

あん男尊女卑土地と違ってこっちは先進的でまともだから

 

から東京男尊女卑土地じゃないぞ

2024-05-11

anond:20240511151750

大都会ときたら岡山市を忘れてもらっては困るね (キリッ!

anond:20240511143857

大都会福岡だっけw

九州人間って本物の都会を知らなそうだよな

2024-05-10

せめてラーメン屋さんはテンションぶち上がる曲を流して欲しい

旅先とかで美味しいラーメンさんに出会うと

それは嬉しいんだけど

歌詞ものすごく暗いバラードが流れてくるだけでラーメン塩味になりそうになる

いや、backnumberとかもいいんだけど

たまにはEDMとかを爆音で流してくれんかなぁ

田舎ラーメン屋でロッキーテーマ流してた

G系ラーメン屋はなんか楽しかったなあ

家族の中で私しか完食出来なかったんだけど

つーわけで勝手に流れてたら私が喜ぶ曲を

下に書いとくね

Hellcat/Desmeon
混沌ブギ/Jon-YAKITORY
FREEDOM/Ado
re:make/ONEOKROCK
NOT FOUND /Mr.Children
スパークガールシンドローム/日向電工
VS /福山雅治
大都会/クリスタルキング

横浜市民「バス運転手給与が高すぎる!」大幅カット運転手9名一斉転職、1時間に1本しか来ないド田舎と化す。

大都会なのにローカル線みたいなド田舎なのヤバすぎ。都会なのに田舎だよ

2024-05-03

anond:20240503155117

でも名の通ったフェミニストは、ほぼ全員が高学歴で、実家が太くて(少なくとも中流で)、大都会に住んでますよね?

2024-05-02

ここに来てまた釣りが難しい増田住まい鹿ズムが率玉的にここ(回文

おはようございます

私の名前イヴ

第7空挺部隊所属

ゴールデンウィーク突入目前前の私は飛び込み前転をとにかく意気込みだけは決めたいところだけど、

ステラブレイド』のためにプレイステーション5を買ってしまってお小遣い散財したか

旅に出る予定はもともとないけれど

お出かけは控えて節約の道を辿ることにするわ。

と!そんなタイミングで私は釣り竿をゲットよ!

つーかまあ『ステラブレイド』での中の話だけど

未だ抜け出せない色々なミッションが細々とある「大砂漠

クリスタルキングさんが歌っているのは「大都会じゃない方の「大砂漠」ね。

ってそもそもとして大都会じゃなくて内山田洋とクールファイブさんの曲の「東京砂漠」を言う方が正しいわよね!

そこでうろちょろしていてオアシスは何か楽しそうなものあるかな?って

慎重に慎重を重ねてって

まるで慎重に慎重を重ねた宝石箱やーって言いたいぐらい

フィールド雑魚敵をみたら回避しまくりまくりまくりすてぃーで

マップを開いてクエストがあると表示されているオアシスに辿り着いたの。

そしたら釣りしてる人がいて

しかけてもなんも返答ないしイヴ一所懸命ここは危ないよ!って言ってあげてるのに無視

私ことイヴはその人の横に仕掛けておいてある釣り竿を拝借して、

まりはゲットして見よう見まねで釣りをしてみたの。

オアシス釣り糸を垂らすと、

餌を付けた針に魚はヒットするんだけど、

それから釣り竿を左右に振って指示されたボタンを押しても、

うまく魚が釣れないの!

雑魚敵も強いのにこの魚も釣り上げられない難しさの強敵現る!って

えー!こんな簡単につれないものなの?って

もはやミニゲームの要素満載で簡単に釣れちゃうんでしょ?って思っていたけど、

ぜんぜん釣れないの!

でも竿を魚の向きに合わせてボタンを押していって

最後トドメリールを回して釣り上げる動作があって、

そのときR2ボタンを押すんだけど、

プレイステーション5のコントローラーってR2L2のボタンが状況によって手応えがあるように反動があるのよ!

釣りリールを回す動作R2ボタンで行うんだけど、

ボタンが固く本当にリールを回すように

つーか私は釣りなんてしたことないんだけど

そんなイキフンの雰囲気を充分に味あわせてくれるこの釣り感はビックリよ!

そんでリールを巻き上げるところまで行ったけど

上手にリールが巻けなくて魚を釣り上げることができなかったの。

釣り難しくね?って

挙げ句の果てに釣りエサが無くなっちゃうしさ。

でも餌なくても釣り竿は振れるので針をオアシスにまた垂らしてみたの。

そしたらまた魚ヒッツパレード

餌なくても針にかかるんかーい!って

なるけれどやっぱり釣り方が難しくて釣れなかったわ。

釣りムズすぎだわ!

なんか魚をゲットしたら何かいいことあるかも知れないので、

釣りやってみるけど

砂漠はただでさえサブミッションが多いのに、

ここにきて釣りもしなくちゃいけないイヴは忙しすぎるわ!

早くクリアして2周目成長リミットが外れて際限なく強くなれる上限がなくなるレヴェルアップがあるのをやりたいのに!

なのに釣りとか!

ぜったい魚のご褒美あると思うのよね。

ザイオン魚屋さんあったから釣れた魚そこで持って行ったら何かいいことあるのかも知れない!

からないけれど、

そういやいろいろ水辺があって潜ったら魚が泳いでいたか

いろんなところで釣りが出来るのかも!

と思っても釣り餌がなくなっちゃったので

どこで買えば良いのか分からないけれど

とりあえず釣り糸を垂らしているだけでも魚は食いついてくれるそれはゲームご都合主義よろしく都合のいいものだけれど、

私は初めての釣果を上手に釣れたら発表したいわ!

そうよ!

せっかくのゴールデンウィークから釣り三昧ね!ってやかましーわーい!

できるならとりあえず早いところ1匹でも釣って釣りミッションクリアしなくちゃいけないのよ。

思いのほか釣りが難しくて、

本編のフィールドにいる雑魚敵に遭遇して瞬殺されるよりも難しい魚の釣り上げは早いとここれミッションクリアしないと先に進めないの!

主人公イヴは一切缶ジュースを拾ったときしかニコリとしないんだけど、

それでも釣りに夢中になっている姿をって私がやらせてるんだけど

そう思ってにこりとも笑わずクール釣りしてると思うとなんか可愛いわね。

しかしでも

あのコントローラーボタンが固くなって押しにくくなるやつ!

これが釣りかーって

思いのほか釣り感を味わうにはとりあえず持ってこいな感じには驚いたわ。

ゴールデンウィークには

釣りをするわ釣り

この早いとこ釣りミッションクリアしないと次にいけないのよ!

ゴールデンウィーク釣り釣り

うふふ。


今日朝ご飯んは

豆乳チョコパンで決めて来たわ!

結構マジでゲームしすぎ時間無意識ご飯食べ損なっちゃって

お笑いレギュラー西川さんみたいに気絶しちゃうことがあって

本当に気を付けないと寝食の食を忘れたらとんでもないことになるわ。

ゴールデンウィークになるから気を付けないと。

デトックスウォーター

コールド緑茶ウォーラーね。

水出し緑茶も夏の美味しいウォーラーとして

余計な渋味がない分すっきり飲めていいわよ。


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2024-04-30

anond:20240419181150

別に普通に大都会だと思ってるが、それはそれとしてなんとなく味噌臭そうなイメージはある

2024-04-05

[]

アメリカは車がないと生活が成り立たなくて(大都会を除く)、しか高校生から運転できるので車に乗る、車を持つハードルがかなり低い。

でもバスに乗るということはその低めのハードルすらクリアできない何か、たとえば犯罪歴がある、免許がない/剥奪された、クレカを止められている、銀行口座が持てない、まじでお金がない などの訳ありの人が多いわけです。

2024-03-23

現代日本で最強の田舎者ムーブかますのは南関東

東京を筆頭に南関東日本随一の大都会である

からこそ現代日本で一番「田舎者っぽい」のは間違いなく南関東人だ。

①生まれから進学就職結婚死ぬまで極狭いエリアから出ない

先祖代々その狭いエリアの小さい土地に住んでいることを誇りに思っており、土地に異常な執着を見せる

③他地域とは異なる特異な文化価値観を持ち、それがナンバーワンであると信じている

④他地域価値観を認めない、または異なる価値観存在するわけがないと信じないことすらある

また私は関西人だが、「京都っぽい」言動を浴びたければ今は京都より東京だと思っている。

何代前から住んでるだの、〇〇の内側以外は東京じゃないだの、実に芳しい都の香り小金を持った庶民から嗅ぐことができる。

2024-03-13

家の周りに畑があった。生計の足しになってんだか、税金対策趣味レベルなのか、微妙分からんレベルの規模のやつが。

繁華街にほど近い都心部で生まれ育った連中から田舎と言われそうな、トーキョーといえば全部大都会だと思ってるような田舎から全然文明のある方だろと言われそうな東京西部郊外だ。

道路を挟んでウチのマンションの目の前にその畑の直売所があった。ガキの頃よくお遣いで行かされて、毎度オマケを持たされた。おれが通い始めた時はウコンとかよう分からんものを貰ってきて、姉におまけの豪華さでマウントを取られ大変不快な思いをした。曰く、自分が行けばトマトとかもらえるのにお前はウコンなんぞもろてきてどう食うねんと。

それでも通っていくうちにインゲンとか枝豆とか、トマトさえも貰えるようになってきた。ある日目当てのものがなくて手ぶらで帰ろうとしたところ、タダで数種の野菜を袋に詰めて持たされたのを割とよく覚えている。

そんな光景中学になれば無くなってきた。直売所が閉じたからか、おれが自我を持ち反抗期を迎えたからかは忘れた。

今やその手の地域ヌクモリティ的なものも煩わしいなと思う。事あるごとに「昔は素直で優しかったのにねえ」と言う母にイラッとして、人間は変わるもんなんです〜〜〜変化を否定すれば成長をも拒んでしまうんです〜〜〜いつまでも自我がなくて可愛かった子供記憶に縋りついててウザいです〜〜〜と反抗期のおれは心の中でそう思っていた。今でも全然思う。それでもやっぱり他人の親切に素直にあやかっていた時期もあったんだよなとも思う。

お遣いには行かなくなっても畑は以前在る訳で、家の周りの光景として、原風景の一つとして心に刻まれてる。好きからいかはともかく。

中学高校の頃、さっさと家を出たいという気持ちが常に頭の半分以上を支配していた時によく夢を見た。家の庭のフェンスによじ登って、夢特有のフワフワとした跳躍で畑を超えて行く夢だ。

逃げた先に何があったかは覚えてない。何もなかったかもしれない。少なくとも天国ではなかった。でも逃げる事に意味があった。

夢なんて大体理不尽不条理で謎の存在に謎に追っかけ回されるばっかりだし、脳のウンコしかない。示唆的なものがあるとかユングの類は全部まやかしだと思ってる。それでも家の裏の畑ばっかりは固有のモチーフとして何度も何度も出てきた。ウンコでも健康状態を知るのには役に立つのかもしれない。予知夢とかは全部嘘か偶然か思い込みだと思う。

夢に限らず、100mほどの畑沿いの道を歩くのは好きだった。夜中にひっそりと家を抜け出して、音楽聴きながら畑越しに見える団地電波塔送電塔みたいなデカ建造物をボーッと見てるとナイトホークスでも鑑賞してるような気持ちになれた。都会のダイナーには行けないけれど、郊外には郊外なりのものがある。

住宅街には住宅街の良さがあるとか言う人いるけど、おれは人の生活の息づきとかには何の魅力も感じない。人様の生活勝手に思いを馳せて勝手に感動するステーションバーめいた行為をおれは下品とすら思う。だから住宅街の静かな畑の特にまり返った夜中が好きだった。公園も悪くないけど、浮浪者とかおれの同類みたいな陰気ティーンや騒いでる学生風の集団がいたりしておちおち黄昏ぶってられない。

そんな畑もおれが高校卒業する手前辺りで、なんぼかを残しつつ潰されて家の建設が始まった。噂じゃ畑の持ち主はマンションを持ってて不動産収入があるらしい。やっぱり畑は本格的な仕事ではなかったんだろうか。

大学入って暫く経ってから一人暮らしを始めて、都心へよく行くようになった。今までは交通費も覚束なくて両手で数えられる程度しか行けなかった都心に。バイト先もわざわざ遠くの都心を選んだ。人の金で行けるのだから美味しい話だ。駅から駅の間を歩いても途切れる事なく繁華街が続く光景には心踊るものがある。夜中でなくとも歩いてて楽しい。夜中だと尚更楽しい

それでも人のいない静かな場所で過ごすのは変わらず好きだった。聖蹟のゆうひの丘までよく1時間かけて歩いて行った。カップルが多かったりしてちょっと落ち着かないけれど、高台から見下ろす夜景は畑越しに見える景色と通ずるものがあった。終電で行く冬の鵠沼海岸も夏の芋洗い状態が嘘みたいに人がいなくて趣深かった。多摩川もいい。場所さえ選べば人がいなくて、トランペット担いで行って一応ミュートつけて練習してみたりたした。「河原トランペットを吹く青年」を自分がやっている状況に興奮を覚えた。夜釣りと称して魚がいるか分からん場所で竿を振り回したりもした。ボウズのまま迎えた朝陽マジで綺麗だったし、なんか何かを急かされてるような気もした。この頃にはもう家の裏の畑を飛ぶ夢は見なくなっていた。

大学で色々あって最近また実家に戻ってきた。近所の景色マイナーチェンジはありつつ、まあたかだか数年の事なのですぐ目に馴染んだ。

畑の跡地の住宅地は、おれが出ていく前はほとんど更地だったのが割と家の形になっていた。家の骨格越しに電波塔が点滅する景色はなんだかディストピアめいた味があって、これはこれでちょっと好きだった。

施工は日々進んでいって、人気のない家の殻が出来上がって来る頃にはもう遠くの景色は遮られて見えなくなってくる。新しい住宅地の中には公園と称した小さなスペースも出来ていた。空き家に囲まれたそこで夜にタバコ吸いに行くのがなんとなくルーティンになっていた。

カーテンも張られていないガラスから工事用?の照明が付けっぱなしなのか、ほんのりと照らされるもぬけの空の部屋が見える。それを見ているとガラスをブチ割って土足で座り込んでタバコでも吸ってトレインスポッティングを気取ってみたい気分になってくる。廃墟どころか新居だし、そもそもそんな度胸はないので妄想まりだけれど。

つい最近からその住宅街にも一挙に人が棲み着き始めて、夜中に歩いていても家々から放たれる息づきからなんだか圧迫感のようなものを感じる。

件の公園日中はすっかりガキの遊び場になっているのを目にする内、なんとなく足が遠のいた。自分だけの場所地域の(幼い子供を持つ家庭の)共有物となってしまったような気分だ。元々おれの場所などではないのだけど。

それでも時々ベンチにストロング系のロング缶が置いてあったりして、なんとなく捨て主にエンパシーを感じたりする。

平成狸合戦ぽんぽこで描かれたような再開発へのメッセージとはまるで別種だろうし、開発といってもごくごく小規模なものだけど、おれはおれなりのイヤさを感じているのかもしれない。

おれは地域ヌクモリティがさァ!文化資本がさァ!とかそういう話がマジで嫌いだ。ネットでその手の話題が露悪的に語られがちなのもあるけれど、土地がどうあろうが各々の生き方次第だろって思うから。おれは構造主義より実存主義が好きだ。

そうは言っても都会なら都会なりに、田舎なら田舎なりに土地が育む心の特定の部位みたいなのはあるのかもしれんなって思った。

2024-03-08

首都直下地震という絶望希望

首都直下地震が起きた時こそいよいよこの国の終わった感がより加速してリアルになる瞬間じゃん。

でもさ、東京が堕ちる所は是非この目で見たい。

散々地方バカにして金もモノも人も全部集まってるあの大都会機能不全になってオワコンになる瞬間が見たい。

タワマンが住めなくなる瞬間が見たい。

都内で持ち家のある家にたまたままれただけっていう富裕層が無様に全てを失う様が見たい。

2024-02-29

じゃあ俺だってめちゃくちゃ面白い本をみんなに薦めたいじゃん

20代のうちにこれ読んどけ」とか「本を読んでない俺が薦める本」とか、そんなの見てたら俺も本紹介したくなったからするわ。

桶川ストーカー殺人事件遺言清水潔

1999年埼玉県で発生した桶川ストーカー殺人事件を追った週刊誌記者ルポルタージュ事件事件だけにこういう言い方は不適切かもしれないが本当にとんでもなく面白い。こんな酷いことができる人間が本当に存在するのか、警察はここまで人間の命を軽んじるのか、マスコミ面白おかし報道できれば事実なんてどうでもいいのか……、とにかく最初から最後までずっと衝撃を受けっぱなし。この世界の見え方がぐわんぐわんと歪み、最終的に気持ち悪くなってくるほどの恐怖や憤りを覚えた。また、文庫あとがきにも言葉を失った。打ちのめされる読書体験がしたい人は読むべき。

LIFE 人間が知らない生き方麻生羽呂

人間って生き方下手すぎるだろ、ちょっと動物見習ってみろよ」みたいな本。半分漫画、半分解説文で猛烈に読みやすいから気軽に何度も読み返すうちに大好きになっていた。゛「生存戦略」がテーマビジネス書”と紹介されているが、バリバリビジネスマンから完全なる無職まで、老若男女誰もが普遍的に楽しめて勇気づけられる内容になっているのがすごい。

『私の嫌いな10の人びと』中島義道

世の中なんてクソくらえ、と思っている人にはこれを読んでほしい。世の中には「世の中なんてクソくらえ」と思っている人が割と大勢いて、その中でも哲学者中島義道はかなりクソくらえパワーが強い人間中島が嫌いなのは「常に感謝気持ちをわすれない人」や「自分仕事に誇りを持っている人」、「けじめを大切にする人」など。普通だったら良いこととされる考え方の中にある欺瞞や建前を丁寧にあぶりだしてすさまじく罵倒する。「わが人生に悔いはないと思っている人」に対して「ああ、そう思いたければそう思いなさい!そう思って、さっさと死んでいくがいい!」とブチギレまくっている。中学生の頃にこの本を読んで価値観根底からひっくり返されるような衝撃をうけた。

ナポレオン狂』阿刀田高

はいきました、直木賞作品小説には゛奇妙な味”という、まあ今ではほとんど死語になりつつあるジャンル?があって、阿刀田高はその名手。なんとも後味の苦いブラックユーモア満載の短編が13話入っているのだけれど、文章オチのキレがすごい。ありふれた日常風景から導入して途中に「おや?」と思い、その違和感がいつの間にかとんでもない事態になっている。やっぱり短編小説は読みやすいよね。作品世界に慣れて没入し始めた時に終わってしまうので物足りないこともあるけれど、これはどの作品も大体最後破局的な結末でスパっと終わるので読後感が爽やか。

宇宙人出会う前に読む本』高水裕一

めっちゃふざけたタイトルだが、中身はめっちゃ理系マジで想像以上に理系文系の私にはさっぱりわかりませんし、もはや何が書いてあったのかすら全然覚えておりません!しかし何というか、宇宙人出会った時に恥をかかないためにはどういう教養を身に着けどんな会話をすればよいのか、その会話の先に何が待ち受けているのか。そんな考えたこともないようなシチュエーション解説してくれる宇宙会話ハウツー本として不思議な魅力がある。講談社ブルーバックスという自然科学科学技術系の新書シリーズの中の一冊。

マノン・レスコー』プレヴォ

光文社古典新訳文庫。その名の通り『カラマーゾフの兄弟』とか『方丈記』とか古今東西古典的名著を、今生きている言葉でとても読みやす出版してる神シリーズがあり、その中から出会った一冊。一言でいえば若い男女が愛の炎に燃え駆け落ちする話、なのだがとにかくエネルギーがすさまじい。ああ、お互いのことが好きで好きで堪らないけどとにかく金がないから親から金借ります、その金使っちゃったので友人騙して金借ります、だめだ金足りないか詐欺します、どうやら彼女浮気してるぞこのビッチめ、ごめんやっぱり愛してるよチュッチュ♡、そうこうしてるうちにまた金なくなったか人殺します……、最初から最後までやりたい放題でものすごい疾走感、最高に面白い。驚くのはこれが300年前の小説だということ。

アタゴオルますむら・ひろし

小学生の頃図書館で読んで不思議気持ちになった漫画。猫と人間が同じことをしゃべる世界で、性格が終わってるデブヒデヨシとその友達テンプラパンツたちの日常の話。最近久しぶりに読み返しているがヤバい、毎回最後コマで泣きそうになる。降る雪の上を歩ける靴を履いて「ほんとうに・・・粉雪は冬の散歩身だね」って……(´;ω;`)別に感動的な話ってわけでは全くないんだけれど美しくて。余韻って言葉はこの漫画のためにあるんじゃないのかってくらい、毎話余韻がすごすぎる。

ものぐさ精神分析岸田秀

無人島に一冊だけ持っていくとしたらこの本を選ぶ。40年近く前の本だが、この本はそれだけ長い間日本全国津々浦々、大都会本屋で、片田舎図書館で、おじいちゃんちの本棚で、様々な人にひっそりとけれど強烈に衝撃を与えてきた名著。「ものぐさ精神分析が本当に面白くて」みたいな話を、全く別々の3人からいたことがある。日本人について、歴史について、性について、すさまじい筆力でぐいぐいと独自理論が展開されていく気持ちよさ。今読み直してもその理論社会ピタッと当てはまってしまうような鋭さ。今後もずっと読み続ける一冊。

2024-02-04

anond:20240203155518

大都会金沢で生まれ育って石川県庁就職したら能登半島のどん詰まりに転勤させられるのはあるよ(だから金沢役所の方が〜金沢市民以外の近隣市民にも〜就職先として人気ある)

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