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2021-08-15

アフガニスタンでのタリバン勝利に笑った

学生のころアフガニスタン専門の日本人研究者ジャーナリスト、現地人の人権活動家留学生講演会に何度か行った。

タリバンというのはイスラム原理主義で、支配地域で異教徒言論の自由を認めずに公開処刑するわ女性教育禁止してブルカ強制するわのろくでなし連中であります

という説明を、昔の美しい街並みや綺麗な花畑タリバン支配後の同じ場所廃墟スライドと一緒に聞かされて(実は街が破壊されたのはソ連侵攻で、花畑が荒れ地になったのは大旱魃のせいと後で知ったが)、

へぇ、酷い連中がアフガニスタン支配してたんだな。アメリカの援助で民主的平和な国になるといいな」と初心な自分は素直に思ったのだった。

だけど、ちょっと深くあの国歴史勉強するとそんな単純な善悪の図式じゃないことにはすぐ気づいた。

タリバンが出てくる前から王党派ソ連の援助を受けた共産勢力軍閥内戦を繰り返していて、それぞれのグループの内輪でもさらに小さな部族単位での小競り合いが絶えないカオスアフガニスタンだった。

そんな中でイスラム主義による世直しを掲げた学生知識層の運動としてタリバンは生まれた。

自己利益しか考えない腐敗した各軍閥に比べて、イスラム法に基づくある程度は公平でクリーン統治を行うタリバン草の根の支持も集めてアフガニスタン支配勢力になった。

アメリカタリバン政権を打倒して形式としては民主的選挙で選ばれた政府を建てたが、中身は昔の腐敗した軍閥のままで、地域ごと、官庁のセクションごとに部族利益誘導をする、全くバラバラ政府だった。

侵攻から20年かけても日本明治維新のような国民国家建設ができなかった。

女性に対する戦争世界は静観している」 アフガニスタンの現状を語る - BBCニュース

https://www.bbc.com/japanese/video-58211824

動画女性発言が分かりやすい。

タリバンのような暴力的組織に対して同じように暴力的に反撃するなどできません」

この他人事感!

そこは現実には無力だとしても「私は女性ですが武器を取って最後まで祖国を守ります!」と言うべきだろうと。

こんなことになる前に彼女は、「女子供人権が守られる世俗国家防衛するために戦って! 私たちを守って!」と夫や兄弟や息子たちの尻を全力で叩くべきだった。

世俗国家恩恵を一番受けるであろう都市部知識階級女性という立場ですら国民意識が無い。政府軍の兵士がすぐに逃げ出し、司令官があっさり降伏して無血開城したのも当然というもの

動画女性のこの後の運命が、西側への協力者としての処刑か、戦利品としてタリバン兵士の第二婦人として分配されるのか、かなり幸運なケースとしてブルカを被り家族の男たちに庇護されて静かに暮らすのかは分からない。

なんにせよ、もうすぐタリバンが正統な政府となるのだからアフガン人は民主主義世俗主義よりも、イスラム法部族の慣習への回帰を願って戦って勝利し、彼らの国を取り戻したということだ。

笑うしかない。

 
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