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税務官僚だった頃の思い出 Part1/3
明らかにおかしい点と疑義がある点があるので突っ込んでおこう。
四十代で転職した税務官僚とのことなので、国家1種試験の国税庁採用者であることを前提とする。
(疑義あり)
今までの面接は、無機質な長机とパイプ椅子でのものだった。だがその時は、四角いどっかりとした檜机と、ふかふかの椅子だった。
国税庁では少なくとも管理職による面接までは原課面接(人事による面接ではなく、実際に別の仕事をしてる担当者(係長~補佐クラスが多い)のところまで赴いて話をする仕組み)を行っていて、実際に働いてる者のデスクの側で面接を受ける形だ。なので「無機質な長机」どころか机すら用意されていないことが通常だ。
国家1種(をはじめとしたいくつかの国家公務員試験)は最終合格と内定が分かれている。
人事院による国家1種試験はあくまでも国家1種として採用されるための資格を取得する試験だ。これに最終合格した上で、希望する省庁から面接を受け、各省庁から内定をとる必要がある。
したがって最終合格とは人事院の試験の合格のことを言い、国税庁から最終合格を得ることはできず、内定(内々定)しか得ることはできないので、この記載は誤りだ。
更に当時は最終合格の前に省庁からの面接を受け、省庁からの内定を受けた上で人事院の最終合格を待つという仕組みで、内定を持ちながら最終合格できずに採用されない者がでることも珍しくなかった。なので受験生は最終合格と内定は厳密に使い分けており、ここで間違えるのは考えにくい。
加えて国家1種の場合、内定者の倍~3倍(年度によってはそれ以上)の合格者を出すので、最終合格と内定の違いは受験生ならピリピリして使い分けるものだ。
しかも、内定通知なんて出す省庁は聞いたことがない。届くのは精々官舎等々の事務手続きのための提出書類程度だ。
できるなら上の方まで昇進したいとは考えていたが、審議官とか、次長とか、長官とか、そういう地位はむしろ遠慮したかったし、私の学歴だと奇跡が起きても難しい。
学歴の問題ではなく、国税庁の次長・長官は財務省(大蔵省)キャリアの指定席で国税庁キャリアの就くポストではない(例えば森友問題で話題となった佐川宣寿氏は最終ポストが国税庁長官だが、彼は財務省(大蔵省)キャリアだ。)。
国税庁キャリアの最終ポストは内部部局の部長か東京・大阪以外の地方国税局長だ。
できるだけ昇進したいと考える国税庁キャリアでここを間違えるのはあり得ない。
(疑義がある)
40代前半になり、管理職を意識した仕事の進め方(実務中心→マネジメントへ)を検討しはじめた頃だった。ずっと同じ部署で働いていたわけではないが、新卒からほぼずっと法人課税一本だった。
税務署勤務になった場合はもっと早く管理職に就くので意識が遅いのでは。また二年に一度は異動のある国税庁キャリアでずっと法人課税というのも可能性がないとは言わないが極めてレアケースだ。
一年で一桁(近年では若干増えてて二桁の年もあり)の採用しかない国税庁キャリアでこんな情報を書いたら容易に特定可能になる。
繰り返すが、四十前半であれば課長(管理職)になってもおかしくはない。平均的には43,44ほどで課長に昇進するイメージがあった。(略)霞が関の一人親に子育ては不可能であるため実家に預けている。
国税庁キャリアが40代前半で国税庁の課長になることはあり得ない(財務省キャリアならあり得る)。早くて40代後半で50代でも珍しくない。
というか国税庁キャリアで国税庁課長になれるのは少数派だ。中央省庁の課長ってのは一般的なイメージよりもかなり偉い。
年齢的には国税局の課長ならあり得るが、「霞が関」と述べているのでこれもないだろう。
少なくともこの方が国家1種の国税庁採用者というのは、これらの記載がすべてフェイクでない限りは嘘だ(しかも身バレに関係ない部分でフェイクにする意義に乏しい)。
別の採用枠(例えば国税専門官試験)だったり詳しい人が身近にいて業務内容を聞いている可能性はゼロではないが。
何故こんな嘘を書こうと思ったのだろうか。
そしてブコメで内容を信じちゃっている人が複数名いるようだ。まさに「嘘は嘘であると見抜ける人でないとはてなを使うのは難しい」
国税庁の場合、本庁課長ポストが13個。課長級としても16個。
うち半分くらい(正確な数は知らない)は他省庁(主に財務省)キャリアが就く。
課長はだいたい2年間のポストで、また複数の課長に就く者がいることを考えると国税庁キャリアで本庁課長に就けるのは出世組と言える。
ちなみに、本庁に限らなければ同格(本省課長級)のポストは国税局の部長を中心に多数あるので国税庁キャリアであれば、よっぽど評価が低くない限りは就くことができる。
ちなみに本省採用の事務系区分(法律・経済・行政)の場合、財務省採用であればまず本省課長まで行ける。
文科省だと全員は厳しい。よってシン・ゴジラの文科省の課長さんは内部的に評価は低くないはず。というか局長さんもいたよね、あれ。
ただ出先の部局長など、本省庁の課長級と同格のところなら大抵のところで問題なくいける。
キャリア官僚にとってはそのひとつ上の指定職(本省審議官・管区機関の局長)に到達できるかが出世の目安となる。もちろんここが通過点に過ぎない人もたくさんいるけど。
⇒https://www.jinji.go.jp/gaisannkyuubetu/
国1(総合職)試験はそんなに難しくないので合格は不思議に思わないけど採用となると全省庁で年に1~2名とかだろうね
国家I種だけを官僚と呼ぶのは世間的な認識でズレてる。国家I種(ガチエリート集団)・国家Ⅱ種(一般大卒が多い省庁勤め)・国家III種(高卒採用枠)、広義の定義ではいずれであっても官僚。増田はII種だと思うよ。
なので「別の採用枠(例えば国税専門官試験)だったり」と書いた。
ちなみに国税庁は2種(現一般職)の採用は行っておらず国税専門官試験から採用しているが、その場合でも即国税庁勤務となるのではなく、出先機関からの配属となり、この点で元増田の記事とは矛盾が生じる。
キャリア官僚は現場を体験しないイメージがあるかもしれないが、別にそんなことはない。入庁二年目からは普通に現場だったし、30才を過ぎて地方支局で働いてる人もいる。
また、出世についての発言に大きな矛盾が出てくる(四十代前半で国税専門官採用が課長なんてのは本庁どころか国税局ですらあり得ない)。
ちょっと古いが
73 国家総合職(中堅省庁:外務省・防衛省・経済産業省・金融庁・内閣府など) 衆・参議院総合職
72 国家総合職(下位省庁:国土交通省・厚生労働省・農林水産省・環境省・文部科学省など)、国会図書館総合職
71 国家総合職(法務省、外局・独立行政法人など)、衆・参議院法制局
64 都庁I類
63 航空管制官、参議院一般職、労働基準監督官 、政令市、優良県庁
61 財務専門官、国家一般職(本省=霞ヶ関採用)、裁判所事務官一般職、国税専門官、下位県庁 、特例市役所
60 国家一般職(人事院事務局・管区警察局・財務局・経済産業局) 、防衛省専門職
59 国家一般職(運輸局・地方整備局・地方検察庁) 、一般市役所
58 国家一般職(労働局・入国管理局)、県庁(学校事務・警察事務)、法務教官、町役場