はてなキーワード: 唐揚げとは
配送の仕事が遅くまで続いた日は近所のコンビニで唐揚げ弁当とチューハイを買って胃に流し込んでから寝る。ケイタはずっとそうやって暮らしてきた。今日もそうやってベッドに体を沈めよう、そう思って帰った部屋には万能家事ロボット「キョウコ」がいた。
※ ※ ※
「始めましてケイタさん。万能家事AIロボのキョウコです」そう話しかけられてケイタは思い出した。先週スマホのSNSで見かけたロボットのモニターに応募したのだった。広告など普段は見逃すのに、ロボットの薄い緑色の瞳と淡い栗色の髪に惹かれてしまった。そして目の前に少女の姿で現れたそれは生き生きと動いていてとてもロボットとは思えない。
「ケイタさん、お食事は買ってきたんですか?」ロボットに話しかけられて、ケイタは「あ、はい、いつもこれなんです…」と曖昧に返事した。そういえば部屋に帰って誰かと話すなんて慣れてない。いくらロボットとはいえ誰かが見てる前でいつものようにスマホ片手に食事するのも変だ。なんだか落ち着かない気分で黙々とご飯を食べる。自分にはロボットとの生活は向いてないんだろうか。
「あの、お風呂入るんですけど」食事後ケイタはロボットに言った。「はい、お背中流しましょうか?」ロボットは躊躇なく、にこやかに答えた。笑顔が眩しい。「いや、あの、やっぱりいくらロボットでも女の子がいる前で着替えるの恥ずかしくて、どうしようかなって思ってて…」ワンルームの部屋には隠れて着替えする場所はない。女の子のロボットに来てもらったはいいが生活をどうするかなんて全く考えていなかったのだ。
「はい、失礼しました。では本日はこれでお休みさせていただきますね。」少女は答えると、部屋の隅の3Dプリンターの場所まで移動した。この前のボーナスで買った最新モデルで、小さな冷蔵庫くらいの大きさの物ならネットからデータを読み込んで数分のうちに組み立てる高性能モデルだ。「明日は朝からお伺いします。朝食はお作りしますか?」
お願いします、とケイタが答えると、少女はおやすみなさい、と一言そえて3Dプリンターの樹脂ボックスの中に立った。カタカタという静かな音と共に少女は樹脂ユニットに還元されていった。そうだな、あれはやっぱりロボットだったんだ。ケイタは妙に納得して、シャワールームへと歩いた。明日はトーストがいいかな。ケイタはパンの袋を棚の奥から前に出した。
※ ※ ※
「ケータ最近元気そうじゃねえか」運転席の西田先輩にそう話しかけられて、少女が来てからの自分の変化に気づいた。「彼女でもできたか?」
「いやぁ、先月あたり家事ロボットが家に来てですね。生活リズムが整ったからですかね」
「へえ、よく聞くやつ。あれやっぱ便利なのか?」
「便利っていうか、生活に潤いが出ますよ。家に帰ると誰かがいるって思うと」
「ハッ!こりゃ当分結婚できねえな」
西田先輩に言われたくはないですね。と、軽口を言い返したもののケイタの心に引っかかるものはあった。家にいる少女はやっぱりロボットだ。いつまでも頼っていたら彼女も結婚も遠くなるばかりだ。今の自分は、まるで家電に名前をつけて愛情を注いでいる哀れな独身男性じゃないか。仕事を終えて少し肌寒くなった空を見上げながら、ケイタは考え込んでしまった。
「おかえりなさい。今日はケイタさんの好きな麻婆豆腐ですよ」家に帰るとロボットがいつもどおり夕飯を作ってくれていた。いつも今日あったことを話しながら楽しく食事をしている時間だが、今日からケイタは一人の生活に戻ることにした。スマホを片手に黙々と食事を取る。ロボットはいつもと違う雰囲気を察して、今日なにか嫌なことがあったのか、食事が気に入らなかったのか、など話しかけてくれたが、ケイタが何も喋らないところを見てやがて黙り込んでしまった。
「すいません、明日からあまり喋らないようにしますね」ロボットはポツリと言った。「ああ、そっちの方が楽だね」ケイタはスマホから目を離さず答えた。「必要なことだけ話してくれればいいから
「はい、わかりました。今日は後片付けだけしたらお休みさせていただきますね」ロボットはそう返事したあと、一言付け加えた。「あと、明日はモニターの最終日です。延長して契約いただけるようでしたら、アンケートに延長の回答していただけますか?」
モニターの期限は1ヵ月だったことをケイタは思い出した。これでもう終わりにしよう。ケイタは延長しないことをロボットに伝えた。ロボットがどんな返事をしたのかは覚えていない。ケイタはまるで味のしない麻婆豆腐を掻き込み、シャワー室に行った。
※ ※ ※
次の日は朝から小雨だった、体が芯から冷え込む。いつものトーストを平らげて出勤しようとすると、ロボットが声をかけてきた。「今日で最後ですね。利用延長はしないことをセンターに申請しました。でも、」ロボットが続いて語りかける。「もし気が変わったら、今日の夜11時までに、直接私に伝えてください。スマホからは申請できなくても、私なら申請できます。」
「ありがとう、でも延長はしないよ」ロボットにそう伝えて、ドアをあけた。ロボットは少し寂しそうに頷くと「了解です。今までありがとうございました。ケイタさんと1ヵ月過ごせて楽しかったです。」
そう答えた。
雨は昼を過ぎると本降りになってきた。道路が少しずつ混み始め、配送作業も思うように進まない。運転席の西田先輩も少し苛ついているようだった。「これじゃ寝る頃には日付変わっちまうじゃねえかよ。ケータには世話してくれる彼女がいるからいいけどよ」
「まじかよ。寂しくなるよな。1ヵ月も一緒にいたんだろ?」
いやロボットですから。そう答えたものの、今までの1ヵ月、家に帰れば少女がいる生活にすっかり馴染んでいたことにケイタは気がついた。このまま少女を喪って、本当によかったんだろうか?
「ロボットっつっても一緒に過ごしてりゃ家族みたいなもんだろ。俺の愛車みてえなもんだ。モニターったってせめて期間延長とかさせてもらえりゃいいのになあ」
その権利はつい昨日自分で捨てたのだった。いや、まだ間に合う。今日の夜11時までに、家に帰って少女に告げるのだ。もう少し君と過ごしたい。
日が暮れて雨は一層強くなってきた。荷物はまだ残っている。道路は渋滞し、赤いテールランプが蛇のように列をなしている。家に11時までに帰れるだろうか?ケイタは少しずつ焦ってきた。最後の荷物を届け終わったとき、時計は10時を過ぎていた。事務所のパソコンに日報を書き込むと、ケイタは矢のように事務所を飛び出した。今から電車に乗れば11時5分前に駅につく。そこから走れば間に合う・・・
しかし家まであと一駅のところで電車は突然停止した。先行車両の遅延が原因らしい。どうにか間に合ってくれ。スマホを握りしめたケイタの祈りも虚しく、電車の中で時刻は11時を過ぎていった。
※ ※ ※
ケイタはのろのろと暗い部屋を開けた。もう扉の向こうにキョウコはいない。ようやっと電気をつけ、すっかり濡れた服を脱衣所に放り込んだ。「キョウコ・・・」ケイタは思わず一人呟いていた。「もう少し、君と暮らしたかった・・・」
「おかえりなさい。お背中流しましょうか」聞き覚えのある声が部屋の奥から聞こえてきた。まさか。もうキョウコはいないのに。そう思って振り返ると、そこには見覚えのあるキョウコの姿があった。
「キョウコ!11時になったらいなくなるんじゃなかったのか?」ケイタは驚きの声をあげた。「よかった、まだ間に合うんだ。延長したい、いや、ずっと一緒に暮らしたいんだ。いいかい?」
「もちろんです。ありがとうございます!」キョウコは晴れた空のような笑顔で答えた。「だって、まだ9時過ぎですから。間に合ってくれてよかったです。」そう、部屋の時計は21:21を指していた。ケイタはすっかり忘れていた。去年からのあの法律のことを。
昨日の夜寝る前に書こうとしたら増田が落ちてたので朝書こうと思ってたけど電車乗ってから思い出したので、ひな形使わず書きます。
夕食は焼きそばでした。
調子は少しよくなく午前中は横になってました。
午後からは少し元気が出て、近所でやってたハワイ祭り的なイベントの屋台で買い食いしたり、漫画喫茶行くなどをした。
ただ何故か漫画喫茶で全巻買ってて今も持ってる漫画を読みだすというお金がもったいないことをしてぢまう。
クラスIVジョブ行くよりも、まずクラスIIIとEX1を全部解放したかった。
初手でいきなり奥義フルチェインは強そうだし効率が良さげ。
次に便利そうなのが賢者。
こないだのハロウィンイベントのカボチャの杖を装備しておくと、経験値アップのアイテムが貰えるのも一石二鳥感があっていいね。
いまミリシタで行われているイベント「ラスト・アクトレス」上位報酬が琴葉だった。
ま た お 前 か 。
2月にミリシタ実装して4月にイベント上位、7月のミリシタ1周年イベでは本来センターだった未来ちゃんを差し置いてミリシタの顔になった。そして今回、上位報酬限定SSR2周目だ。
ミリシタから入った私にはなんでこいつが新キャラのつむつむや歌織先生、その他ミリオンのキャラを差し置いてミリシタの顔としてごり押しされてるのか、なぜこんなに特別扱いされるのか全くもって意味がわからない。
・委員長
・ここで野球をしてはいけません!(←これもそもそもこの子が書いたものなのか謎なのに勝手にそういう事になってた)
ぐらいしかない。
はっきり言ってオタクが勝手に「俺の嫁」と宣ってそうな印象しかなく、無個性もいいところだ。
声優が高々一年体調不良で活動休止していたことの何がそんなに偉いのか?
何がそんなに悲劇なのか?
大体ミリシタに実装されてなくて存在すらしてなかったくせにグリーからのPの間で存在が囁かれてる幻キャラだったくせにTBでいきなり名前が出てきてそれだけでも大困惑だったのにいざ投票が始まればあっという間に劇場サスペンスの新ヒロインの座に割り込んであっという間に持って行ってしまった。
しかも当時急遽立ち上げた掲示板では「琴葉相手では仕方ない、諦めよう。」なんてほざく腰抜けが大半を占めていた。
それまでの会議で「新ヒロインで行こう」という人が大半を占めていたのに、だ。
それでいてもっと担当が多いであろう百合子が控えている探偵役に特攻する方向で固まった。
しかも明らかに狙いやすい場所にあった超ビーチバレーの右腕クイーンは「対抗馬から舐められていると思われる」「そうなったらつむつむpの印象は最悪になる」などという意味不明な理由で却下された。
そんなくだらないプライドに固執するならなぜ新ヒロイン役で琴葉担当pと正面衝突する勇気がなかったのか謎で仕方ない。
結果的に探偵役を取れたものの、TBを通じてつむつむpと百合子pの間にはいまだに確執が残っている。
そして、なんやかんやかっていよいよ劇場サスペンスが実装された。
超ビーチバレーがプリンセス曲、三姉妹カフェがエンジェル曲とくれば当然残る劇場サスペンスはフェアリー曲になる。
真壁は以前上位だったし、つむつむが2周目か?いや、桃子上位か?と思ってた。順当にいけば普通そうだ。
ミリシタはぶっちゃけ出番の格差はあるけどレギュレーションは忠実に守ってきた。
それで全員にSSRを行き渡らせることができた、それは今回も変わらないと思ってた。
結局のところ田中琴葉がすごいんじゃなくて声優種田梨沙がミリシタの運営に可愛がられていて特別扱いされて悲劇のヒロインに仕立て上げられているとしか思えない。
大体ミリシタやってるやつなんて声優にしか興味ないやつばっかだからな。
ミリシタで知り合った人でアイドルについて語っている人なんてほとんど見かけない。大体口を開けば二言目には声優の名前や言動だ。
俺はアイドル候補生白石紬が好きなのであって南早希がどうのこうのなんてまじ興味ないんだけど
紬が唐揚げ好きなんて設定どこにある?ないんだけど?声優と二次元キャラをごっちゃにしてるやつ多すぎ。
結局のところ結論としてはそんな感じだ。
田中琴葉は声優が種田梨沙だからこんなに愛され?特別扱いされ、ミリシタの顔にまでなった。
これが名前もない実績もないどこぞの新人声優だったら、とっくのとうに琴葉の存在は忘れられ、ミリシタから切り捨てられ、グリー版限定キャラとして終わったはずだ。こんな手厚い保護を受ける事もなかった。
大体ミリシタ始まる前のライブの時には琴葉の3Dモデルもうあったんでしょ?知らんけど
だったらなんで実装しなかったんだろうね、声なくてもいいじゃん。琴葉になんの関係もない。
結局アイマスって声優がアイドルごっこするための場所としてしか見られてないんだろうね。
だって公式の扱いがそうなんだもん、そりゃファンもそう見るよね。
「担当声優の不在=そのキャラの不在=声優をステージに立たせるためにそのキャラクターを用意している」
アイマス運営にとってのアイドル達ってそういう存在なんだろうね。
最近デレステで声付きキャラにSSR二周目がきたって叩かれてたけど、ミリシタは最初から声優ありきなんだね
マジやってらんないわ。
3万人以上も収容できるさいたまスーパーアリーナ。
その一部利用で9,000人規模のコンサート。
これだけでも箱がでかすぎたという感じが伝わってくる。
一部利用で、囲われた空間となると、
9,000人が7,000に減ったとすれば「満席ではない」感じは有るだろう。
それでも公演を行う義務は有ったのではないだろうか。
「意地が有る」「意地を通した」と本人は語っていたが、
その姿に往年の容姿はなく、アメリカの唐揚げ屋のおじさんの風体だった。
一部メディアの報道によれば、損害額は4,000万円以上と言われていたが、
チケットを買ったファンにしてみれば、チケット代だけではなく、それ以外の損害も大きい。
Day 1
羽田の深夜便だった前2回の旅行と違い、今回は成田発で、昼出発。
しかもややメンタルに不調を抱えているとあって、余裕を持った出発を心掛けたかったが、時間を勘違いして、ギリギリで成田エクスプレスに駆け込み、その上方向を間違えて折り返すという失態を演じてしまった。
肝心な時には何かバタバタする傾向がある自分なので、「またやってしまったー」と思ったが、どうやらチェックインには間に合いそうで、成田エクスプレスの車窓から畑を眺めながら、「この旅行に行って何になるんだろう」と愚にもつかない事を考えた。
別に何が起こるわけではない。
ただ若い頃からずっとボンヤリあった心象風景、雨のベトナムで川を眺めながらお茶や料理を食べる、その画をこの目で見て来るのだ。
メンタル不調なんて、ボンヤリするのに格好の舞台装置じゃないか。
前回の香港旅行では、事前に広東語のフレーズをいくつか覚えて行ったが、「話せるものの聞き取れない」という致命的な見落としがあり、結局中学校時台成績2の片言にもほどがある英語と、メモによる筆談で乗り切ることになった。
ベトナム語も広東語と同じ声調言語(音の高低と発音で意味が決定する言語)であり、しかもその声調というのが「コブシを効かせるようにいちど下げて上げる」「波のようにうねって上げ下げして上げる」という難解極まるモノで、もう「ありがとう」「これください」「トイレはどこですか」以外のコミニュケーションは投げている。
今回搭乗したベトナム航空は、ベトナムのフラッグシップのようで、エコノミークラスといえど、タイガーエア台湾や香港エクスプレスとはモノが違う。もちろんTGATやHKEXが悪いって訳じゃないけど、地上職員は日本語ができるし、機材も大型で安定していて、シートには枕やブランケットが用意され、機内食も出る。
さらに、シートにはモニターが設置されていて、映画その他も見られる。
海外に行くときはその地のポップカルチャーを予習して行きたいのだが(香港前に発見したアガサ・コンは最高だった)、ベトナムはまだYoutubeでの情報が少なく、これと言った映画やアーティストを発見できずにいた。
そこでモニターをポチポチやっていると、果たして良さげなベトナムのアーティスト(多分)を発見したのだった。
英語詞の曲とベトナム語詞の曲が半々。音楽性はR&BとEDM(ダブステップの様な強めじゃないムーディーなやつ)とジャズを掛け合わせた様な感じで、ジャスティン・ティンバーレイクを思わせる。
機内では検索できないので、あとで調べよう。
朝飲んだ安定剤が効いているのかな、憂鬱な気分が後退してきていい感じだ。
ややあって、海外旅行なら一度は聴いてみたい、「pork or fish rice ?」というフレーズと共に機内食がサーブされた。
ベトナムの航空会社なのに機内食で和食が出るという不思議仕様でもっぱら噂のベトナム航空だ。
ここで「fish」と答えれば和食が出て来る事は間違いなく、折角の海外旅行、しかも出発便の機内食が和食というのもどうかという事で、「pork」と答えると、豚の唐揚げの煮物をチャーハンにぶっかけたようなご飯と、海鮮春雨サラダ、パン、デザートが出てきた。
春雨の方はヤムウンセンとかそれに類するもので明確にアジア料理だが、ぶっかけご飯の方はなんだか分からない。
付け合わせが椎茸の煮しめだったり、桜の形に型抜きされたニンジンである事も地味に混乱する。
味はというと、エコノミーでこれだけの物が食べられれば充分満足で、その後、暖かいコーヒーのサービスがあったり至れり尽くせりだったのだが、あれはベトナム料理だったのだろうか。
カラトリーがまとめられた袋の底に、スパイスの小袋が入っており、「甘利香辛食品株式会社」と書いてあった。京都伏見の会社であるという事だった。
機内食で腹を満たし、少し微睡む。
眼が覚めると機内は消灯されていた。
英語のスポーツチャンネルを見ながら、「早くホテルで横になりたいな。でも何を楽しめるんだろう?テレビをつけても何言ってるか分かんないだろうし」という思いが浮かんで来る。
チャンネルでは、MTBのアーティストが大木やバランスボール、建築物やワインディングロードなど様々な障害をキッカーにしてトリックをキメていた。インスピレーションを色々なものから受けて、驚くべきビデオやショーを生み出すらしい。
他の人からは無意味に見えるものに価値を見出して楽しみ、アートを生み出している。
意味不明に見えるけど羨ましい。
普段の自分もそういうキャラなんだけど、ダメかもなぁと感じてしまう。
多分、朝飲んだ安定剤が切れる頃合いだ。
自律神経失調症で襲って来る不安と無力感、安定剤を飲んで感じる旅行への期待。
正常と狂気の境は曖昧だと思っていたが、こうして自分そのものだと思っていたものが揺れ動くと、もっと根本的な、「自分」や「個性」というものが虚ろなものに思える。
深追いはしないでおこう。
しばらくして血糖値が安定すれば、少し収まって来るに違いないから。
「間も無く、当機はホーチミンに到着いたします。到着は19:30、ホーチミンの気温は38℃です。」
機内アナウンスに耳を疑った。
今年の異常熱波は関東平野の都市化が高気圧をブーストしており、バンコクより気温が高い、なんだったらユーラシア大陸で一番高いとさえ思っていたが、勝手な思い込みだったようだ。飛行機を降りると湿った空気を感じる。日本人の歪んだプライドは常夏のホーチミンの湿った熱波が吹き飛ばしてしまった。
19:50、国際空港の入国審査というのはどこか陰鬱な雰囲気なものだが、イミグレーションを抜けてもタンソンニャット国際空港は静かだった。
改めて旅程について説明しておくと、3泊5日というのは、帰国便がこのタンソンニャット国際空港 6:25発であり、ホテルのチェックアウトが当日では到底間に合わないので、前日にチェックアウトして空港で出発便をまつ、という事だ。
帰りはここで夜を明かすんだろうか。
そう思って建物を出て驚いた。
なんと半解放の広大なスペースに待合ベンチが設置されている。
軒を並べる飲食店、溢れる活気、びっくりするほどの騒がしさ。
タンソンニャット国際空港はこの半野外のスペースも含めての空港だった。
「ははは、スゲーな!」薬が抜けてるに決まってる時間帯だが自然に笑ってしまった。
見たことがない光景だ。やっぱり先生の言う通り、この街に来て正解だった。