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2020-06-10

鉄オタがもつマスコミへの逆恨みが、情報を棄損しているという話

いきなり大上段に話をブッタが、この度の新型コロナウィルスにおいて国内でも様々な怪文書やら誤報事実の誤認に基づく誤情報が飛び交った。

他愛のないもの無知から出るもの社会生活を送れているか怪しい日本語能力の欠如カラクものまで様々だったが、その中でもある程度発信者属性を推測しやすツイッターにおいて、特定クラスターから「誤った情報解釈に基づく政権擁護反マスコミ的言説」がこの数か月間目立って発信されている。

そのクラスターとはそう『鉄道アイコンである

最近見つけた誤情報を例に挙げるが@TechnoTreasure氏はツイッターにおいて

あの、マスクは結局8000枚近く回収して実際にカビてたのはたった12枚だった話も多分碌に報道されてないよね。

はい1億3000万枚作った時の不良品率は?

0.00001%

まり99.99999%は良品。

早い話、カビたのは捨てて多めに作った新品に変えるだけでよかったのに、クソみたいな報道するから8億飛んだ。

https://twitter.com/TechnoTreasure/status/1270324735251902466

という主張を発信した。

しかしながらこの主張は持ち出す数値がおかしい上に主客が転倒している。いかに列挙するが、

氏が主張する【マスク8000枚回収】の数字がどこから出てきたのか完全に意味不明である

ひとまず近い数字である4/21付の朝日新聞報道の7800枚超の数字の事だとすると

新型コロナウイルス感染拡大防止のために政府妊婦向けに配布している布マスクに汚れや異物混入などがあった問題で、不良品さらに増え、7800枚にのぼることが厚生労働省への報告でわかった。

https://www.asahi.com/articles/ASN4P3T43N4PULBJ006.html

とあるように、この数字妊婦向けマスクで判明した初期の不良品の数であり、全戸配布の不良品の数ではない。その上妊婦向けマスク不良品回収数は7800枚にとどまらず、概算で4万7千枚程度の回収が発生したのを受けて全配布数47~50万枚の回収に及んだというのが事実である。(報道機関によって配布数に差)

厚労省によると、27日昼時点で約400の市町村から3万枚が国に送り返されたという。髪の毛の混入や汚れなどがあったものや、黄ばみがあるなどとして箱ごと返送されているものもあり、厚労省はすべてが不良品かどうか確認している。妊婦用の布マスクは14日に50万枚が国から市町村に発送された後に不良品が見つかり、政府妊婦用の配布を中断している。

https://www.asahi.com/articles/ASN4X5RZFN4XULBJ00B.html

新型コロナウイルス感染拡大を受けた妊婦向けの布マスクは、国から全国の自治体に47万枚が送られましたが、そのおよそ1割で汚れなどの不良品が見つかり、国がいったんすべてを回収し、検品を行っています

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200514/k10012430001000.html


氏が主張する【カビてたのはたった12枚だった】は時系列混同している。

氏はあたかも「回収した布マスクでカビが発生してたのを12枚見つけた」というように主張しているが、これは全戸向けの検品妊婦向けの検品時系列混同しており、理解に苦しむ。

政府参考人吉田学君) お答えいたします。失礼いたしました。

全戸向けマスクにつきましては、これまで配布いたしましたマスクの中で、それぞれ配布先から指摘をいただいて返送があったマスク、そして、それを私どもの方で検品をさせていただいて、先ほど申し上げましたように、異物の混入があるなど不良品と認めたもの、五月十二日時点で十二枚というふうに私ども把握をしてございます

福島みずほ君 十二枚ということですと、十二枚なんですね。どうして妊婦マスクは、同じ企業がかなりダブっていますが、大量にあって、こちらはないんですか。

政府参考人吉田学君) お答えさせていただきます

二つ考えられるかと思います

一つは、全戸配布マスクにつきましては、ここを今配布をさせていただいているところでございますので、妊婦マスクとき経験から申し上げますと、配布をしてある程度時間がたってからこれはどうだろうかという御指摘をいただいて私どもの方にお話をいただく、また、それに基づいて私どものから返送をお願いして、返送をさせていただいて確認をするというところで若干のタイムラグが出ますので、先ほど申し上げました十二枚というのは五月十二日時点で私ども不良品として認められるものということでございますが、今後、御照会をいただいたり、あるいは物を送っていただいて私どもが確認すれば、この数字はこれから十二よりも増えることは予想されるということが一点でございます

引用注:ページ内下段に該当箇所)

http://mizuhoto.org/2360

厚労省は18日、妊婦向けの布マスクに関して「変色している」「髪の毛が混入していた」「異臭がする」などの報告が相次ぎ、80市町村で1901件の報告があったと発表。大阪府内の自治体では、ガーゼの黄ばみや変色、ゴミの混入も確認。発表を受け、ツイッター上では「健康被害はないのか」「安心して使えない」などの不安の声が広がった。

しかし、政府対策班に配られた内部文書によると、18日時点で妊婦向け以外の全戸配布用に包装を始めた200万枚のうちでも、虫や髪の毛、糸くずの混入、カビの付着など200件の異物混入などの問題事例を確認。これについては公表しなかった。マスク配布を担当する厚労省経済課は、妊婦向け以外の不良品非公表とした理由について「回答できない」とし、全戸向けのマスク配布については「現時点で中止は検討していない」としている。

https://mainichi.jp/articles/20200421/k00/00m/040/185000c


氏が主張するようにカビた布マスク計算は【13000万枚の内8000枚回収して12枚カビ】ではない。また確率おかしい。

上に述べたように時系列おかしいので氏の確立に関する主張は失当だが、もし氏が主張する時系列に合わせると単純計算8000枚の内12枚カビ、【12/8000=0.15%】で20万枚ほどカビマスクが13000万枚の中に隠れていることになる。

抜き取り検査サンプル策定素人だが、マスクの配布時期や趣旨からすると出荷側の不良品率や不良ロット数の許容感覚をそのまま当てはめるのは無理があるのではないだろうか。

氏が主張する【カビたのは捨てて多めに作った新品に変えるだけでよかったのに、クソみたいな報道するから8億飛んだ】は主張自体失当である

まず、氏の主張に沿うと、4月ごろの報道が出る以前からあらかじめ「マスクには不良品がある可能性があり、不良品があった時には迅速に交換する」という広報を広く行っていなければならないがその兆しは全くなかった。

また【8億飛んだ】に関しても事実の誤認があり、不良品が続発した妊婦向けマスク検品に要した費用は800万余であり、全戸向けマスクも含めた検品作業に要する金額が8億円である

新型コロナウイルス感染拡大防止のために政府妊婦向けに発送した布マスク不良品が見つかった問題で、厚生労働省は16日までに、約8億円かかるとしていた検品費用は全世帯向けの布マスク検品も含んでおり、妊婦向けの検品自体は800万円未満だったと説明修正した。

https://www.asahi.com/articles/ASN5J74T2N5JULBJ00F.html

妊婦向けマスク検品費用の低さは、当初地方自治体保健所責任においてマスク検品作業を行っていた為と考えられるが、そもそもコロナ対策の実戦部隊として当たっていた地方保健所検品業務をすることに無理があり、国が引き受けなかったら地方各地の負担において同等の検品費用が発生していたことは想像に難くない。

また更に大量の不良品が初期納入分の妊婦向けマスクで発覚し、広く報道されたために納入業者検品を強化し全戸向けマスク不良品納入率の低下につながったのであり、報道がなければ膨大な不良マスク返還と再送付に費用が発生していたことは容易に想像できる。この関係無視して報道自体悪者にするのは物事の主客が転倒しており理論破たんしている。

さらには問題が発覚し業者検品体制が強化された時点で、政権への批判を甘受して先述したような「不良マスクの迅速な再配布」の方針を取ることも可能だったはずだが、そうしなかったのは政府選択であり、この点に関して報道機関の行動に原因を求めるのは筋違いである

引用注:○政府参考人吉田学君))

それと、二つ目につきましては、妊婦マスクとの関係で、これは、妊婦マスクについての不具合について今原因分析をしている過程でございますので、それがしっかり解明されてから申し上げるべきものかと思いますが、これまでの私どもの分析の中で把握をしているものにつきましてで申し上げますと、非常に限られた時間の中で製造工程管理をしている中、それぞれ製造工程管理について若干の甘さがあったのではないかということを私どもとしては現時点で想定をして分析をしているところでございます

全戸向けマスクにつきましては、先ほど申しましたように、妊婦マスクときの経緯も踏まえまして、検品の充実、あるいはメーカーに対する製造工程過程に対してのしっかりとした対応メーカー自身としての検品についても取組を求めているところであり、その上での全戸配布マスクを行わせていただいているという状況でございます

http://mizuhoto.org/2360


以上のように通常社会生活を送れている人間であれば、到底間違いようがない時系列混同した上で上記批判が成り立つような主張を氏は行ったが、なぜこんなことを氏は主張できたのか?

コレは推測だが、昨年から一昨年に掛けて各地で行われている多種多様の鉄オタによる迷惑/犯罪行為の行状がマスメディアによって広く報道されていたのが影響していたのではないだろうか?

むろん趣味として楽しんでいた人間からすればいい迷惑だったろうが、自浄能力のなさから異常者の跳梁に対してただ手をこまねいていたのは確かである

それを棚にあげて「マスコミが大げさに一部の異常者を取り上げるから自分たちの肩身が狭くなってしまった」と考え「自分たち攻撃したマスコミに対していつか仕返ししてやろう」という(半ば無意識な)感情鉄道アイコンクラスターの行動の根底にあったのではないか

その感情によって視野狭窄を起こし、インターネット空間にせっせと「誤った政権擁護/反マスコミ的言説」を流している…と考えると『鉄道アイコンから出て来る誤情報の多さも理屈が通るかもしれない。

それを許容できるかどうかは別として。

 
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