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2023-07-22

君生き感想宮崎監督、『名作』をありがとう!~

自分宮崎駿監督に対する身勝手な期待とか甘えを供養するために書く。今作品は期待半分、不安半分という気持ちだった。宣伝なしということだったし、宮崎駿監督作品を事前情報一切なしで視聴できる機会というのはおそらく最初最後であろうと思ったので、早バレ等も避けるために数日SNS断ちして初日に見に行った。ただ映画館に向かう足取りの中で最後感じていたのは恐怖感だった。子供のころにもののけ姫を見たときの衝撃を再び与えられて、おっさんになった今再度、人生観を揺るがされるかもしれないと―。

さて、いざ蓋を開けてみると、途中まではリアル物なのかファンタジーのどっちなの?というドキドキや不安感。方向性が確定したとき期待感MAXとなったが、それ以上膨らむことはなくしぼんでいった―。

総論

美術アニメーションの美しさは申し分ないが、ストーリー感情移入できない半端な作りと言ったところで、結局、いつもの宮崎監督後期作品という他ない。今、振り返ってみると監督キャリアハイとしての作品千と千尋の神隠しあたりになるのだろうが、その千と千尋も後半から、この半端さの片鱗がある。例えば終盤、千尋は豚の中に両親がいないことを見抜くが劇中にその説明はない。しかしながら説明不足ではあっても、千尋とハクとの心のふれあいみたいなものが十二分に描かれているから、感情的に押しきれている。手を離すシーンとか思い出しただけで泣けるわ。

しかしながら、君生きはストーリーっぽいもの感情の揺らぎみたいな表現はあるものの、説得力というか、それ自体根拠がはっきりと提示されないから、大抵の観客は感情移入できずに戸惑いを覚えると思う。例えば劇中で主人公自傷行為や継母の拒絶が描かれるが、その感情の根っこが分からないので観客は困る。自傷もっと構ってもらいたかったのかな?とか拒絶はやっぱり連れ子がうざかったのかな?とか想像はできるけど見てる側はそれを確定させる要素がないから、多分こうだろうとか理由を補完して見ていくしかない。つまり作品に気を遣う状態になるわけで、それは相当きつい。忖度要求されるが、圧倒的な感情の「分からせ」がない(※)。監督が一人で突っ走ってる。観客は置いてけぼり。かつて宮崎監督は、見終わったあとに2階から出てくる感覚になるような映画がいいとか言っていたような気がするが(ソース探したが見つからず)、君生きは観客が一生懸命2階への階段必死に探すものの見つけられないまま塔の中で迷子になり、最後パヤオけが悠然と2階から出てくるという感じだろうか(画・浜岡賢次想像してもらいたい)。

あとはヒロイン?3人は多すぎる。実母に継母に婆さんでしょ?詰め込み過ぎて破綻する典型。正直、継母は全部削除して、序盤で実母エピソード増やして、実母を探しに塔に行く形にして、最後、実母ときれいに別れてで多少は形になったろうにね。もっとシナリオ段階で練ればいいのに…もったいない

もう一つ、主人公が大叔父と話した後に、急にインコに囚われてるシーンになるが謎過ぎる。壁につながれた手が映ってからの下にパンしたときに、実母でも継母でもなくお前かーいってなったのが一番面白かったかもわからない。宮崎監督過去インディジョーンズの潜水艦移動を批判していたが( https://ei-gataro.hatenablog.jp/entry/20131030/p1 )、それと似たり寄ったりだろう。いくら異世界?だからといってワープしすぎである

※ 宮崎監督とも対談したことのある養老孟司は「バカの壁」において強制了解という語をつかった(p.41)。例えば数学においては前提と論理を共有しているのであれば同じ結論に達せざるを得ない。ある定理証明を正しく説明されたのであれば、その正しさを了解せざるを得ない。そういった強制力を強制了解と呼んだ。そうした強制力は感情においても成立する。例えば電車子供が騒いでるのをぼけっと放置している父親がいたとして、普通はそれを理解できないが、もし父親が「実は母親病院で亡くなって帰る所で、これからどうしていこうかと悩んでいたところなんです」と説明されれば、事情理解できるだろう。事情が分かれば感情了解できる。それは物語を受容する過程でも同じことが言えると思う。

なお、この流れで養老他人気持ち理解できることを重視すると同時に、「個性」信奉を批判する。そんなに個性大事かと。存分に「個性」を発揮している人は病院にいるという。白い壁に毎日、大便で名前を書く患者がいるらしい。芸術的にみればすごいかもわからないが、現実的には大変迷惑でたまらないだろうとのこと。奇しくも本作においては継母の美しい顔が鳥糞まみれになる描写があるのでそういう個性的なスカトロジー芸術理解を示す人はいるかもしれない。

自分映画

こうした一見てんでバラバラに見えるような物語の断片も、もしかしたら宮崎監督だけには分かるのかもしれない。スピルバーグだか有名監督が誰にも分らない映画つくるのはホームムービー撮ってるのと同じだ的なことを言っていた気がするが、もしかしたら本当に宮崎監督ホームムービーを撮ってしまったのかもしれない。自分けがわかる映画作品を作れるとしたら、映画監督としては最高の贅沢だろう。自分用の映画私小説と言われたらなるほどという気もする。今回、宣伝がなかったという点でも符号する。これはもはや天才にだけ許された所業なのかもしれない(現実に実行可能という意味で)。

ナウシカだったと思うが、興行的に大失敗とはならなかったこから次の作品を作るチケットを手に入れたみたいな監督インタビューがあった気がする。ジブリブランド確立するまではコケたら次はない状態であったろうから興行面は大変重視されたことだろう。つまり天才大衆に合わせてくれていたわけであるしかブランド確立された今となっては、大衆を気にすることなく好きな作品を作れるというわけであるジブリ体制を維持できなかった点には目をつむるとして)。だから今もしかしたら「天才が本当にやりたかたこと」を我々は目にしているのかもしれない。

過去パヤオ感性としてはもっとアニメーション表現に全振りしたかったのだろうが、それじゃあ興行的に成立しないから、ストーリーもしっかりさせていたというのが過去の名作への向き合い方だったのだろうか。我々、一般大衆天才現実的妥協のお陰で、(大衆的には)名作となる過去珠玉を見せてもらえていたということなのだろうか。凡人が天才ちょっと付き合ってもらったという感じ。天才ちょっと退屈していたのかもしれない。大衆は今の退屈を嘆くのではなく、昔、天才に付き合ってもらっていたということを感謝すべきなのかもしれない。

この作品のそういった諸々の分からなさに対してなんとか理解しようとする感想や、なんとか説明しようとする解説記事などが上がっているのを見かけるが、なんとも物悲しい。めっちゃ面白作品を骨までしゃぶりつくしたい!という渇望からまれてくる文章はいい。例えばもののけ姫においては「『もののけ姫』を描く、語る 」というムック本があったのだが、それには一ファンから文筆家まで様々な人々の作品に対するとてつもない熱量で溢れている。でも味のしない作品をなんとかして食えるようにしたいという動機から解説を書いたり、それに群がることの虚しさよ。宮崎監督から面白いはずなんてことはない。権威主義的だし、もうそれは諦めて次に行こうよ。これを知っていれば、本当は面白いんだよって本気で思っている人もいるかも知れない。でもそういう解説必要とすればするほど、その面白さが作品内で素直に伝わってないことの裏返しである野球大谷いくらいからって彼の(打者としての)ファールや三振をありがたがったりしないでしょ?今回の打席は残念だったねでいいじゃんね。(もちろん宮崎監督場合、次があるかは分らんが)

「問い」として捉える

さて、作品表題に立ち返ってみると、これは疑問形である作品としては名作とはとても言い難い。しかし聴衆に対する問いであると捉えたらどうであろうか。物語がてんで成立していないのに問いかけを見出すことができるのか?うーん正直、自分には無理。味がしないんだから問われたとも感じない。

しかし確かに思ったことがある。それは、大叔父のようなお爺さんに期待するんじゃなくて、自分が見たい作品があるのなら、他にそれを提供してくれる別の人を見つけるか、もしくは自分で作るべきだということ。初めから品質保証なんてものはなかった。自分勝手に期待して、勝手失望しているだけのことである

すでに名作はあるのに、なぜおかわりを望むのか

最後に話がそれるが、しかしながらなぜ我々大衆は次々と名作を望むのであろうか。新作を批判すると「じゃあ、過去の名作繰り返し見とけや!」って言われるかもしれない。そう言われるとちょっと答えに窮する。何度も見ればストーリーも覚え、感動も薄れてくる。やっぱり初見の衝撃に叶うものはないということだろうか。それを再び味わいたくて次の名作を追い求めているのかもしれない。キリがないし、わがままだなって思われるかもしれないが、正直人としての性としか言いようがなくないか?そこを内省しだしたら仙人になるしかない気がする。

あとは現実がつらいからね。時には金払ってちょっといい気分になりたい!ぐらい許してほしい。こっちは作者の高尚な構想にがんばってついていく苦行やマラソンじゃなくて、自動で楽しませてくれるジェットコースターに乗りたいの!

で、初見という点で最近思っていることは「私の体験」を大事にすることが重要なんじゃないかと思っている。ゲームでもなんでもあまりレビューを見ずに体験するように心がけている。あらかじめレビューを見て他の人が面白い!星4以上!と言っている作品なら、安定して面白いかもしれないが、半分ネタバレのようなものではないか

若い人にはタイパを優先しすぎて自己の視聴体験プレイ体験を損なっていないかと問いたい。面白さの保険料として自身体験・感動を売っていないか?と。おじさんおばさんは子供のころに自分図書館で本を表紙で選んで借りた体験とか、ネットもない時代ゲーム屋で「クソゲーかも知れんがままよ!」と覚悟してゲーム買った記憶とかを思い出してほしい。そういう多少、損するかもと思ってもクソ作品を引く勇気をもって、一対一で作品と向き合う、ぶつかってみるということを時々でもした方がいい気がする。だから、今回、作品に対しては残念だったが後悔はない。純度100%の自分感想を持てた。展覧会的な感じでいろんなアニメーションを見せてもらったという感触では数千円も損したという気もしない。今後もどんどん色んな作品に触れていきたいと思っている。例えばポノックの次作品ちょっと子供向けだろうけど、子供と一緒に見に行こうかなと思ってる。

各論

ゲド戦記を思い出した

視聴しながら、ぼんやり宮崎監督ゲド戦記作るとしたらこんな感じだろうなと思った。影との戦いでゲドは船で移動するし、ところどころの魔法感や大叔父大賢者になったゲドのイメージだなと感じた。大叔父のイケオジ度は過去最高かも分らんので一見価値はあると思う。

東映アニメ長靴をはいた猫』を思い出した

インコ大王を追いかける時に螺旋階段を落とされるシーンがあったが、長靴をはいた猫での魔王主人公たちとの大立ち回りを彷彿させた。この作品監督宮崎ではないが、そのクライマックス部分は大塚康生との二人で原画担当した箇所であり、とにかく面白い( https://www.ghibli.jp/shuppan/old/pickup/nagagutsu/ )。1969年作品なので絵のきれいさはどうしても現代作品には見劣りするがアニメーション面白さは今でも通用する。未見の人はぜひ見て欲しい。君生きよりよっぽど面白いと思う。で、君生きでは大王ラスボスっぽくでてくるが大した戦いもなく終わってしまうのであっけない。長靴をはいた猫でのアクションを思い出しただけに、「あ、これだけなのか・・・」という虚しさが半端なかった。念入りに階段落とさせたり、序盤で主人公の着替え丁寧に描写するぐらいならもっと面白カット増やした方が良かったろうにって思っちゃう

音楽

使いまわし多いし、特に盛り上がる曲もなし。3日で作りましたと言われても信じるレベル久石譲も「これぐらいの作品ならこれでいいや」って感じだったと思う。絶対名曲ストック持ってるだろうと思うが、映像側がそれを引き出せなかったというのは至極残念に思う。米津曲も悪くはないけど、作為ちょっと鼻についたかな。いつも何度でもみたいな作品とのマッチ感は正直ない。と言っても作品の味がしないのでどうしようもない気もする。そういう意味では米津もかわいそう。

2023-07-21

君生きは宮﨑駿の人間宣言である

正直宮﨑駿というアニメーターのお遊び以前に、今まで日本国内に刺激を与えた数々のジブリアニメ映画のものが見たかった。

宮崎駿アニメ日本に限らず、世界中ほとんどの人は一度も鑑賞もしくジブリというスタジオの名を聞いたことがある。

この時代人間が持っている心象風景時代精神は宮崎駿を語らずにいられない。現代ロックソングは、ビートルズという背景があるから発展して来たのと同じだ。

というか、宮崎駿作るのがアニメだけではなく、幼少期の「見る」冒険である。幼い頃に、みんなはもものけの壮大な自然神秘を感じ、千と千尋トンネルから冒険心を育つ。ラピュタで男女の純愛に目覚め、トトロ友愛を知った。

ジブリ映画存在しているだけで、確実に世界はある程度優しさが増えた。

ところが、君生きはなんだろうか?

君たちはどう生きるかという思想の強いタイトルを挙げながら、ただただ今までの作品二番煎じのように、主人公自由意志がなく、ひたすら母を求める。その母への愛情ははっきり言って共感しにくい、特に若い世代に関しては、エディプスコンプレックス的な描写あるいは哲学思想は、陳腐以外他ならない。

宮﨑駿の独りよがり、彼だけにしかからないエディプスコンプレックス、徹底的なエゴイズムだったことは明白であり、宮﨑駿という人間へさほど関心を持たない人々にとっては、どうでもいい話。どうでもいい映画なのだ

それでもこの映画を深いとか、教養が要るとかと漠然と代弁してくれるものがいるが、こいつらは夢から目覚めたくない人たちである

この作品深淵であり、洞察しようと近いたら何もない闇に堕ちてしまう。宮﨑駿が長年に渡り、隠して来たニヒリズムのものの固まり

つの神話、一つの時代はこの作品により終焉を迎えた。

エヴァ卒業式みたいなスッキリした気分にはなれず、捨てきれずに残った元カノメモリアル的な存在だった。風立ちぬで終止符を打ってくれるとダンディではあるが、君生きで〆るのが、無敵の人無差別テロストーカーの未練ダラダラみたいで気持ち悪い。

一昨日映画見に行ったのに、未だにこの不快さが取り除けない、あと褒める人がいることを見てさら陰鬱な気分になってしまう。

とりあえず最後最後無差別テロをやってしまう宮﨑駿は、所詮人間だった。

追伸

外人増田なので、日本語が変だったら許して

2023-07-19

君たちはどう生きるかを見にいったら上映後俺しか泣いていなかった

題名に書いてある映画を見に行ったんだよ。昼前にちょっと時間が空いてさ、そういや公開だったなって。

で、上映後ボロ泣きしてる奴は俺しかいなかった。

後ろの席の男性はなんかわけわかんなかったな~と苦笑し、最前列にいた子供とその母親はスルっと出口に吸われていった。

俺もその時この映画の何が刺さったのか分かんないまま席を立てなかった。

米津玄師名前カラオケボックスホモがフ●ラしてる動画見てレモンって曲だけ知ってる

俺は「妹が生まれた日のことを思い出した」。そして、「やっぱ家なんて継ぎたくねえよな~」と独り言ちて泣きじゃくった。

この映画第一子とそれ以外、男と女で味が全然違うよね。俺も妹や女性に生まれ変わって見直してみたいな。

しかも年取ったら違う味がすると思うんだよね。これを見てる小学生おっさんになったら見直すといいよ。親が死んだときとか自分離婚した後とか。きっと甘えぞ〜

10年後webに残ったこ文章を見て、もし生きてたらどんな味がするのか知りたいから感じたことをそのまま排泄しておく。

書き込む前に読み返したら支離滅裂。俺の味しかしない。すまんな。俺はおっぱいが好き。

まず眞人は男なんだよ。男にはママがいないとだめなの。でも、ママ愛情が一番味のする自我が生えてきた5-6歳頃からママ入院してんの。

しかも別れの挨拶もなく死んじゃってママおっぱい吸いきらないまま死んじゃうの。

お父さんは男の本能をよくわかってる。眞人が火に向かって走っていくのを止めない。お前は家にいろって言いはするけど母のもとに行くなと言わない。

から眞人は父の好きな人も追いかける。行かせてくれた借りがあるから今度も行っていいんだよ。

眞人とお父さんの間には信頼がある。あの時も止められなかったんだからいかけてもいいんだよ。

ママ永遠にママのまま心に生きて実際は死んでるの。

俺もママおっぱい吸いたかったわー。俺母乳で育ってないんだよね。なんでか知らないけど。おっぱいって画面の中でしかたことないや。

子供が父に認められるのって母を通してなんだよ。さすがパパとママの子供だなって言われたいわけ。

でも眞人にはもうママがいないから認められないんじゃないかって不安

しかも継母はママと血を分けてて、不気味の谷の底を超えてきた顔してるし、出会ったときには既に妊娠しています宣言してきやがる。

あなたママじゃないですよって。すでに子宮が陥落済みなんだってよ。

俺の帰る場所ないじゃん。ママの子宮に帰りたいんだよ!!!

しかも、初対面で俺の顔見ず、まず夫の顔見ただろ。俺のママ立候補するならまず俺を見ろ。

その上、いきなり見ず知らずの他人お腹の体温と心臓の鼓動を聞かされて俺は吐きそうだったよ。

しかし、夏子は気丈な女よな。さすが武家の女って感じ。人力車おっさんが片手で持ちきれないトランクを、身重のくせしてしかと受け取るんだぜ。

こんな強い女に甘える余地なんてねえよ。さぞかし嫁の貰い手もいなくて行き遅れたろう。

でも継母は初対面で感じたほど嫌な人じゃないよな。いなくなったら探しに来てくれるし。鏑矢撃って助けてくれるし。

なんで鏑矢なんて持ってるんだよ。それ魔除けじゃん。知ってたんだろ?俺が魔に魅入られてるの。でも止めてはくれないんだな。

いなくなってしまえばいいって思ってたんだろ?お腹の子供と本当の家族三人で暮らせるじゃんか。

でもママに似てるんだよな~あ^~脳が壊れる~おっぱいチュパりたいよ~

で、俺は結局学校になじめなくて初日から同級生と殴り合いしちゃうの。負けるわけねーだろ。最低でも互角だろ。

頭悪い奴はフィジカルも弱いんだよ。タイマンなら上級国民の俺が負けるわけねーだろ。でも全員倒すのは無理だろ。

もう学校行きたくねーけどいかない理由が無いんだわ。行けない理由話せねーんだわ。服もボロボロだし話したら大事になるんだわ。

継母は俺になんて言うだろうか。ママとはこんなことなかったか想像つかねー。想像できないことが一番怖い。

父は学校に怒鳴り込むだろうな。パパ代わりにあいつらやっつけてよ~。

頭いてーけどもう引っ込みつかねえ~。ママ~俺の話聞いて~学校で何があったか聞いて~二人きりで聞いて~

傷を洗ってお医者さんも理にかなってるけどさ~。コレ俺の求めてるおっぱいじゃないんだよね~それパパの役やから~これだから武家の女はさ~

ママちょっと病弱な故にバブ味あったのになあ・・・・。きっと俺が熱出した時夜通し看病してくれたと思うんだよね~

婆やチェンジママ出して~

あの日俺はママの寝室に行きたかったんだよね。変な鳥きて怖いしさ。でもパパといちゃついてるからさ、食い下がったよ。

パパはママあんなことしてたのか?あれはママじゃねえメスだな。俺はメスを知らないけど。

で、俺のせいで体調崩しちゃってちょっと罪悪感。そういや子供他人)おったな。無理させて誠にごめんなさい。

お見舞いに行ったけど婆やが邪魔で素直になれないよ~ごめんねママ

でも俺には俺の都合あるからさ。どうせ血はつながってねえし他人だよ他人。臥せってるようじゃもう俺のこと止められねえなあ!?

え?でも俺より先に消えるなんて聞いてないんだけど!?ちょっとやりすぎたのか心配になってきたじゃん。

探しに行くよ。だって半分ママだし。ママは死んでるって知ってんだよ。新しい母が来ることも兄になることも分かってんだよ。

でもその前に生まれなおしてぇ~

最初に産道を潜り抜けて塔にいこうとした時さ、この産道埋まってて子宮に帰れなかったんだよね。

でも子宮のもの子宮に帰ったんだからさ、そりゃそいつの通った道を通れば俺も帰れるにきまってるじゃん。だって血を分けてるんだもん。

え?なに?俺が元ママに未練たらたらなのバレバレなわけ?だからやり直しのチャンスをくれるって?神じゃん。もっかいまれなおすわ。

次は新しいママの子供且つ対等な他人になるよ。今の俺のまま転生して兄貴として無双するわ。

最初は建前で父のため、父の好きな人からっていうけどね。新しいお母さんです。ちょっと未練あります。なんて他人に言えねえんだわ。

あの墓はやばいね。あいももうすぐそこに入るって思ってんだろ?傲慢な話さ。

学我者生 象我者死ってあるけどさ~これ前半端折ってるの悪意だろ~

お前自分を超えるやつ出てきてほしくないか死ぬぞとしか書かずに死ぬつもりだろ~

振り返るなだって?振り返ってほしいんだろ~でも振り返ったら引きずり込まれからな~

そもそもこんな修羅の門くぐらねーわ。俺たちペリカンは門をくぐる資格もねーよ。

いい先輩見つかったし別の道さがそ。やっぱ人間誰でも右側頭部に傷くらいあるよね。俺だけじゃないんだよかった。

え・・何これ船漕いでるのは死人だけじゃん。あっ俺は生きてるから漕がなくてもいいのね。

この先輩はGrumpy...まあいい。でも一番理性的おっさんだな。上司にしたいランキング7人中1位の小さいおっさん

仕事が下手でも助けてくれるし。ブスッグサッ俺は初めて生き物を殺した。社会的童卒だな。マサイなら半分大人といってもよい。

あのかわいいカワイイからころしちゃだめ~全部助けてあげて~なんで殺すの~嫌なの~こんな社会おかしいよ~

あークソみたいなペリカン必死で命を食べないとと生きていけないのかー大変だなー。頑張っても結果出なかっけど死んだら平等か。

俺に向けられる鳥人間純粋な悪意!でもそれは鳥人間にとって純粋慶事!俺にとって都合の悪いことは誰かにとって喜ばしいことなんだ!

あーこれ助けてくれた人ママじゃん。でももう死んでるしなあ。ママの顔広末じゃん。え?今は燃えてるから言っちゃダメ?てか燃えてるんですけど?

帰れるけど帰らないよ?まだ生まれなおしてないし。ママがまだ生まれなくていいっていうんだもん。子宮滞在許可証出てます

胎盤からドアノブから生えたへその緒ガッツリ掴んでるからね?じゃあねパパ。探しに来てくれるのは知ってたか安心したぜ。

世の中って理不尽だよ!あーでも友達いてよかった~。この友達貸し借りはきっちりしてるんだよな。

あの月夜の鳥類憐みの礼を見て俺のこと認めてくれたし。

俺は家業を継ぐ資格を得たらしい。でも知っている。家業を継がせたいのはお前の都合だ。言いなりにはならねーぞ。

だよな~俺を試したんだよな~。だってあんたの庭に行くときって門を通らないと本音で話してくれないじゃん。

俺はついに新しいお母さんに対面した。新しいお母さんは俺のことが大嫌いだってよ。知ってるよ俺も大嫌いだ。

悪いおっぱいだよこの人は。でも俺は俺の中のママを殺して、産屋の外で勝手に仮死ってたけど、新しいお母さんを受け入れるよ。

から俺のことを赦してお願い赦して。ここまできた俺の覚悟を心に刻んで。

私も母になりたくなかった。こんなの順番おかしいやろ。でも私の子宮まで謝りに来たからその覚悟に免じて産みなおすの。私があなたのお母さん。

俺は真に家業を継ぐ資格を得た。でも俺は継がない。てかさ、女しかまれてねーのかよこの家系

でも継がなくても赦してくれるなんて最高かよ~逃げ道まで教えてくれてさあ

俺も手塚治虫版権管理するだけで飯食っていきてえよ~

王様人間王様よりよっぽどしっかりしてるよな。「責任を取ればよいものではない」とか言ってる総理大臣はえらい違いだぜ。

神なき人の世は必ず崩れる。ってか離婚調停の時に慌てて中身すり合わせてオラァ!ってハンコついたらあんな感じになるよな。

石が崩れるシーンはよかった。陣痛が来て破水して生まれなおし産みなおし。作品の外に出てみれば鳥人間ペリカンも同じ陳腐な鳥よ。

起こったことは忘れるけど思い出せなくなるだけなんだよなあ。思い出せるうちは起こったことは終わっていない。

よし父も探しに来てたしな。これで俺たち家族だな第三部完。

俺が消えても父が探しに来るのはわかっていた。

冬の日、幼稚園児の俺は夕食を食べる順番が違うという理由食事を取り上げられ、家の外に放り出された。

ふと、自分がいなくなるとどうなるのだろうかと思った俺はアパートのドアから離れ、エレベーターに行く途中、マンション階段の踊り場にあった隙間に身を隠し横たわった。

ここにいればエレベーターに乗る途中で必ず通るから誰かが見つけに来るだろうと思っていた。

どのくらい経ったか知らないが、大股で歩く足音がした。父がエレベーターに向かって歩いて行くのが見え、そして引き返していった。

終にあの女は俺を探しに来なかった。それを確認した俺は家に戻った。玄関の戸は少し空いていた。俺がどこに行っていたのか誰も聞かなかった。

最後映画を見たのは千と千尋だったか?父と見に行った気がする。あの時はどうだったかな。

帰り道、もう随分長いこと母にお母さんと言ってないことを思い出した。

妹が生まれた日、俺は兄にならざるを得なかった。家に突然来た異物は俺から子供の皮を剥いだ。

父は父でしかなかったが、母は母ではなかった。

妹は蝶よ花よと育てられた。

一方、士業を継げるのは男だけだ。

継ぐことを生まれた時から呪われていた俺は、母ではない女に鞭打たれ育った。

継げるようになったが、継ぐ気はないのが気に食わないらしい。当然だろ。

そもそも家業を継ぐのは親の都合で悪意だ。墓の面倒まで見ろってことだろ。

そういうわけで、今も俺は母に認められていない。俺は母から何も学ばなかった。だから生きている。

あんたなんて嫌いって俺も言われてみたかった。そこまではっきり言われたら、俺もあんたを嫌でも母さんだと認めたよ。

そしたら許してくれたのだろうか。それとも俺は赦したのか。

そんな自分矮小人生スクリーン再現されているようで、且つ最後自分の生まれなおしが成功昇華したんだと思う。

書くことでずいぶん整理できたな。

俺やこれを読んでる奴はペリカンだよ。かってに入って荒らしまくってさ。ホント作者に対する敬意ってものがないわけ?

でもそんなペリカンも死に際に本音を話せば拝んでもらえるし弔ってもらえるの。赦しだよね~

赦して~

2023-07-18

anond:20230718165710

千と千尋越えられたらそんなことも言えないんじゃね?

で、無広告系は知らなかった人が多い分これからの伸びも期待できるだろうし

あとスラダンかい大成功した先駆者いるからな

俺は宮崎駿に言いたい

これまでのジブリ全部盛りすぎて薄味な集大成みたいな作品作るんだったら

アヴェンジャーズみたいに、ナウシカシータとキキとサン千と千尋とかがはじめは価値観の違いからいがみあいながらも最終的にお互いを認め合って手を組んで謎の力が覚醒して社会の敵概念と超時空バトルを繰り広げる、宮崎駿ユニバース作品を作ることはできんかったんかと。

ジブリクオリティアニメ映画化してくれたら上映時間3時間42分あっても俺なら3回は見に行ったぞ。

anond:20230717090015

映像作品としてつまらない(見どころがない)とは思わないけど、大人にとってはあの主人公共感とか感情移入はし辛いから、千と千尋ポニョみたいに「頑張れ!」という気持ちになれず、結果的最後までメタで考えざるを得ない状態なっちゃうんだと思う。

小さい子どもにとっては、十分に映像世界に引き込まれて大冒険できるから純粋楽しいようだ。

子ども向けに設計された魔法空間で、大人に対しては効果が小さいんだろう。

2023-07-17

俺は庵野として生きるけど君たちはどう生きるか

ちょっと庵野好きすぎんよ~。

ってことでいいんじゃないか?

駿は庵野になりたかったんだよ。で観想を見ると成功した。

駿が庵野好きなのは風立ちぬ周辺から一般人でもそれとなくわかってると思う。

んで今度はさらに、ちゅうか最後庵野みたいな作品も作りたくなったんじゃね。

庵野なんかさーエヴァから始まってリブートまで、ゴジラはよかったけどウルトラマンライダーもすっげー駄作じゃん。

一般人が見たらぽかーんでつまらない作品。でもオタクどもがうぞうぞ集まってアレがコーでコレがアーでオリジナルのあれが~当時のあれが~ってめっちゃ勝手にワイワイしてつまらない自己満足視聴者にわからせるつもりが無い作品のいいとこ探しをそれこそ一生一所懸命にやってくれんの。そしてそのためにはわかんね~って言う見下せる一般視聴者必要なのね。

対して駿はわかられすぎ。一般人にわか作品を出してヒットして徹底的にわかられてやんの。

千と千尋ハウルももののけもみんなエモさを感じてテーマを感じて子供から大人までわかるわかるしてんの。

それこそ振るわなかった過去作品までさかのぼってわかるわかるされてんだよ。駿丸裸。

その成功には鈴木御大の手腕が大なところもあるだろうけど、駿本人はわかられすぎて不満もあったんじゃね。

ミステリアスさとか俗人とかけ離れた理解されないセンスとかさ~。もしかしたら駿は欲しかったのかもしれない。もうちょっとかられたくなかったのかもしれない。

駿は鈴木とわれわれ凡百な人々によって俗物に引き摺り下ろされたんだよ。一般人ウケるヒットメーカー世界の駿。

世界ウケる監督としての評価はあるけど誰も寄せ付けない天才さら天才、誰が彼の作品100%わかるのか?という軸には行かなかった。

庵野はそっち方面に居て、ここ最近さらに先鋭化していってる。

庵野が好きな駿もそっちに行こうとしたのでは。娯楽ヒットメーカーに飽きて、遺作だし好きにやろうって部分も大きいだろうけども。

そもそもそういう庵野化の兆しポニョであった。あったよね?歌のヒットを除けば過去作品ほどわかるわかるされてなかった。一般人にはこれって…?て観想もままあった。

君たちはどう生きるかではついに抑えていたいろいろな何がしかのタガが外れて駿が好きに作った作品になったわけだ。


あとはわかるな?

エヴァやシン仮面ライダーウルトランのときと同じだ。

よくわからない、あまり面白くなかったといった観想を一部のしたり顔「わかるマン」が叩いて回って俺はわかるぞと崇高な考察をあげつらう。一般人はいやでもつまらんし駄作だ。っていって反論はわからいか駄作ってやれやれ…と高みから見下す。いつものアレ。

駿、あん大成功だよ。今頃大爆笑してるよ。俺は庵野のような作品を作れたんだって。いやいや作ろうとして作れるのはやっぱ天才だよ。駿すごい。

駿の庵野化には作品だけではダメでそれを見た視聴者ちゃん庵野作品のような反応をしないとダメだった。そしてはてなだけを見てもそれは成功してる。俺が、俺たちが駿の生きたい方向に駿を押し上げられたんだ。

今まで俺たちは駿にとってシンに嬉しい視聴者じゃなかったかもしれない。でも遺作としてこうやって最後にわからない駄作と論じる視聴者になることで駿が喜ぶ視聴者になれたんだ。おめでとう。おめっとさん。

駿、よかったな。お前の最後映画、クソ駄作だぜ。庵野よろしくな。

君たちはどう生きるかが響かなかった件について

普通にネタバレあるからまだ観てない方はスルー推奨】

結論から言って

犬王(アマプラ)

廻るピングドラム(アマプラ)

君たちはどう生きるか(劇場)

を立て続けに観た自分に、一番刺さったのはピンドラだった。

ジブリの新作がそうでもなかったや…という事実しょんぼりした理由は、自分に響いたのが

持つ者の冒険

よりも

持たざる者の救済譚

だったからだ。

ピンドラについてはいろんな人が言及してると思うから割愛する。

今回は、ジブリの新作がピンと来なかった地味なショックについて書こうと思う。

君たちはどう生きるかの中で印象に残ったのは、黄泉の国という名の生き地獄になっていたペリカンたちが最後あの塔から飛び出して、眞人に「出られたんだ、よかったね」と言われるところ。

そこで初めて自分が、乙事主よろしく老いペリカンが語った「絶望感」に共感していたのだと気づいた。

扉を開ける直前にお母さんが言い放った「火は得意よ、素敵じゃない!」は普通に泣かせポイントだったからそれはそれとして、

しか家族観をめちゃくちゃ大事にする文化を持つ韓国の人たちが千と千尋を見た時に号泣したのが冒頭の「両親が豚になる」シーンだったと聞いた。

それと同様に、半ば宮崎駿自伝ともいえる今作の通低音が「今を生きる人たちのバックボーン」とは異なりすぎてて、しかも我々のそれが割と地獄めなベクトルへ向いていることを、「自分にピンとこなかった」ことで改めて突きつけられたような気がしたのだ。

冒頭から描かれる「すげえいいとこの家」という事象けがギラギラしちゃって、内容が頭に入ってこない。

金持ちの家の子」という要素だけで、「自分とは違う子」として切り離して捉えちゃって、主人公やその周りの人物の誰にも共感できない。

目の前に展開されているのはフルスロットル宮崎駿なのに、最後までついぞ一緒に冒険できなかったのだ。

金持ち描写一つで足止めを喰らい、あの作品を正面から喜んで受け取れないくらいには、自分が貧しくなっていた。

なんかそれが妙にショックだったというか、悔しかった。

と同時に、かねがね思っていた〝最前線文化教養は「生存不安のない者」たちからしかまれてこねーんだな、そいつらの夢想という名の創作物をありがたがって消費してるのが私なんだな〟という、自分もびっくりするほど狭量な感覚に襲われた。

ってゆー結論なっちゃうのがどうしても悔しいからもう一回観に行きたいなとは思ってるんだけど、Twitterとかで「とりまもっかい見る」つってる人たちの心の中、なんか同じような感覚の人いない?

ねえいない??

コミケ原稿落ち着いたらもっかい見に行く予定ではあるんだが、その時にはすっきり消化できてたらいいなあ…

君たちはどう生きるか」何がつまらないのかわからない

ストーリーがとっ散らかってるけど破綻してないという意味ではラピュタ原作ナウシカもののけ姫に近いと思うけど

千と千尋よりよっぽど終盤カタルシスあったけど

まあそれら全盛期の作品に比べて老いエネルギーが減衰しているのは確かだがそれはまた別の魅力にもなっていて

ハウルポニョの百倍は面白かったけど

風立ちぬほどの退屈は微塵も感じなかったけど

共感やす主人公じゃないから入り込めないのか?

非合理に大した理由なく自分の頭を石で傷つけてしまうことにむしろ共感してしまうのは

俺が捻くれた子供だったからなのか?

何がわからないのかわからない、何がつまらないのかわからない

なぜ俺にだけこんなに深く刺さってお前らには刺さらないのか

まあこれから肯定的評価は増えてくると思うけど

からなかった勢の否定的な書き散らしを見てもない連中が真に受けてるのが何よりムカつく

君たちはどう作るか

宮崎駿の最新作『君たちはどう生きるか』を見てきたんで、ある程度ネタバレありで感想書きなぐっておこう。

ネタバレありだからね。

正直、観る前に想像してたより悪くなかった。

テンポも悪くないし、人間関係に緊張感もある。

作画が徹底的に心象風景に寄っているのも、職人芸の趣があった。

火災とか草原の描き方なんて、ゴッホともセザンヌともなんだか判らんけどとにかく印象派的に歪みまくっていて、主人公の高熱に魘された夢のような心が伝わってくる。

田舎の家も、当初は主人公の内心の萎縮ぶりを示すかのように何もかも巨大で、玄関なんてどこの古刹の大伽藍かと見紛う巨大さであり、今に残ってたら家ごと国宝になりそうだ。

もちろん、本物はせいぜい田舎豪農レベルなのだろう。

心象風景として東大寺大仏殿並の巨大建築に見えているだけである

敢えて心象風景とわかるように表現している事で、主人公が実際には父の後妻を嫌っていない事も想像がついた。

なぜならすんごく清潔感のある優し気な美女として描かれているかである。嫌っているなら心象風景でそうはならない。

初対面から一目ぼれレベル主人公は慕っていたのだろう。

でまあ、作品は途中から塔の中パートと、塔の外パートという二輪構成で進んでいくのだが、

まあ、なんだ、ここから批判が多くなる。

まず塔の中パートだが、なんというか、とにかく意味があり過ぎる。

これは褒めてない。

宮崎駿もののけ姫辺りから、やたらと意味のあるものを描こうとするようになってしまってるように思える。

1シーン毎に意味があり、多分本人に質問すれば「このシーンはこういう意味がある」と全部答えてくるだろう。

まり寓話的で哲学的記号的で、イソップ童話とか不思議の国のアリスとか、そういう感じの、「意味の塊」として作品を作ってしまっているのが塔の中パートだ。

ハウルとか千と千尋とかでも顕著だったけど。

これの何が悪いって、妄想が爆発してないのである

ムスカラピュタの雷をぶっぱなしたシーンに意味なんてないだろ。王蟲がペジテのドーム食い破ったのも意味なんてないだろ。

あいう爆発するほど格好いいシーンに意味なんてないのだ。

「どうやお前らこんな凄えの見た事ないだろ。俺も見た事ないから作ってやったぞ。見て驚け。」

という作り手の妄想の大爆発なのだ

妄想を爆発させるためにそこには当然無理がある。歪みがある。そのシーンを効果的に描くために、他のシーンで入念に爆発物を積んでいる。

その無理、その歪みが、ある人には滑り、ある人には刺さるのだ。

本人が見せたいのは爆発の部分だが、関係なく歪んだ部分が受けたりする。それが創作快感である

ところが、この作品含めて後期宮崎はその「見た事ないだろ」をやらない。庵野もだけど。

なぜなら、名前が売れて裁量が大きくなった事で、作りたいものを作れるようになったからだ。作りたいものは作ってしまい、もはや「こんなの見た事ないだろ」が無い。

庵野はその無理のなさを、その歪みの無さを、オタク知識で埋めてシン・ウルトラマンやシン・仮面ライダーを作った。

そこにはTVエヴァのような溜めに溜めた便秘解放のような妄想の爆発は無く、無い物を何とか絞り出した感のある細長いウンコしかない。

一方、宮崎駿はそれを哲学記号で埋めてこの作品の塔の中パートを作ったのだ。これは最早宮崎駿のバランス感覚のみで構成された世界から、やたらとデジャヴがある。

もののけ姫と変わらずに「鎮まりたまえ~鎮まりたまえ~」とやってるし、千と千尋と変わらずに仕事やらされたり禁忌に触れて怒られたりしている。

でてくるのもやたら思わせぶりな妖怪連中である。思わせぶりなだけで、記号であるために特に伏線とかない。どういう存在説明されてフェードアウトする。

エンタメに徹するなら、塔の中はクトゥルーばりの別の星・異星文明でも良かったはずだ。せっかく宇宙から飛来した謎物体的な設定があるんだから、一気にスターウォーズ世界になっても良かったのだ。

そこから進めて、「現代日本主人公の迷い込む異世界として描く」まで手が伸びても良かったはずだ。

ところが、そういうエンタメに走らず、やたら寓話的な見たような話で埋めてしまうのが今の宮崎駿である

ブチ切れるセンス・オブ・ワンダーではなく、賽の河原の石積みみたいなひじょーに心象的なもので埋めてしまうのが今の宮崎駿マイブームである

そういう「意味」だけで構成されたパートからストーリーなんてあって無きがごとしである。断片的な寓話職人芸でつなぎ合わせた取り留めのないタペストリーである

一方、塔の外パートは違う。庵野と同じく、オタク知識で埋めている。

人力車描写一つ、言葉遣い一つ、看板一つ、食事のお膳一つから、「当時はこうだったんだぞ」という聞いてもないのに披露されるオタク知識臭がする。

多分、キャノピー実在ナントカ式とかそういう裏打ちされた設定があるんだろう。田舎がどこの県のどこの地方かも絶対決まってるねありゃ。

っつーことで塔の中パートより終わってる感のある塔の外パートだが、そこで主人公父親が妙な存在感出してるおかげでかなり良くなっている。

というのも、この父親ある意味主人公と後妻という二人の問題元凶と言える一人であり(まあ、亡くなった実母の方がより存在感は大きいが)、更に経営者であり金持ちで何でも自分で決めてしまタイプ

というジブリ作品ちょっと見ないタイプキャラからだ。

こういうタイプは、通常は出て来ても悪役なのだが、この作品ではそれを悪役として描かない。塔の外の部外者として描く。(大叔父と血のつながりもないし)

そんなわけで、このキャラについては宮崎駿の才能の爆発が感じられるのである

経営者であり第一線でもある、という後期宮崎駿が手にした立場意図せずに作り上げた鬱屈爆薬になってこのキャラに込められているのだろう。そのせいで、後半になって妙に生き生きしている。

主人公の心象にだけフォーカスするなら、後半の塔の外パートは要らなかったはずだ。少なくとも、もっと小さくなり、警察とかが来て事務的に進むのがセオリーだったはずだ。

しかし、おそらく宮崎駿はこの父親を描くことに創作快感を感じたのではないかと思う。

なんかもう藤井聡太ばりに全く失着を犯さず最善手を打ち続ける主人公の代わりに、

この父親勝手にやらかすし勝手決断するし部外者でありながらガンガン行くしで、

前半には明らかに狂言回しだったこキャラけが、後半に「キャラ勝手に動いた」を感じさせるのである。作中で唯一、記号を感じさせないのがこの父親である

そんなわけで、ち密に意味を積み上げて作り上げたであろう全体の印象を、後半の父親がぶっ壊して変になっているが、その父親がぶっ壊した所こそが個人的には最も見ごたえがあった、という何とも評しがたい作品である

まあ、悪くなかったよ。

でもね、道徳副読本を作りたいんでもなければ、作品作る時はもっと一点の妄想・一点の美意識に全賭けしましょうや監督

2023-07-16

君生きの話が分からなかったと言ってる人は余計なこと考えすぎなのでは?

Q.主人公はなんであん必死母親を探していたの

A.田舎で他にやることもないしエネルギーが有り余っているんだからとりあえず肉親探すんだろ

Q.あの塔はなんなの?

A.舞台装置に細かいこと考えすぎだろ。トトロの正体が実は祖父幽霊でしたみたいな話をお前らは求めていたのか?

Q.インコ王様は何がしたかったの?

A.自分たち王国を守りたかったけど、正しいやり方が分からないなりに頑張ってただけだろ。登場人物が全部完璧じゃなきゃいけないのか?

Q.ヒミはなんで炎が使えたの?その昔1年神隠しにあって帰ってきた娘はヒミでいいの?

A.それって本当に明かさないといけない謎か?湯婆婆は何者で湯屋はどうして産まれたのかを解き明かさなきゃ千尋物語が完成しなかったのか?

Q.結局主人公したことって何の意味もなかったのでは?

A.神隠しにあうところだった後妻は助けたし、カーチャンにも一応会えたじゃん。あれで駄目なら千と千尋ラピュタもアウトになるのでは?

Q.大叔父はなんであそこまで塔を守ることに固執してたの?

A.本を読みすぎて頭がおかしくなった人って設定がある時点で普通に考えても仕方ないでしょ。

Q.主人公はなんでキリコのこと気づいたの?

A.服の柄が同じだったのと気風がどことなく似てたからじゃ駄目なの?

Q.主人公はなんでヒミの正体が分かったの?

A.顔付きでなんとなく分かるんじゃね?親子の絆とかそういう不思議な力もあるのかもね。

Q.ジャム塗り過ぎでは?

A.酒を溢れるほど注ぐのと同じような文化なのでは?それって本当に重要

こうやって一つずつ考えていけば分かるけど、皆どうでもいい所にひっかかりすぎてるんだよ。

ひっかかるような作りにしてるのが悪いってのはあるかもだけど、それにしたって気にしすぎだろ。

シンウルトラマンに「主人公ヒロイン匂いを嗅ぐのが気持ち悪すぎたので★1です。それ以外は素晴らしかったのに残念」とレビューしてるようなもんじゃろ。

アホくさ。

神経質すぎるんだよ。

君たちはどう生きるか なんか七面倒臭い感想ばっかりなので

別にそんな難しい話でもないよ。

倒すべきラスボスがいないだけで、十分にエンタメだったし楽しかった。

少年の成長を描いた話で、話の流れも千と千尋みたいなもんだし、難しくもなんともない。

近年レベルの上がりまくった日本アニメ界の他の映画と比べても、作画は滅茶苦茶いいし相変わらず久石譲音楽はすごくよかったし。


いちいち自伝だの言わなくて単純に楽しい映画でした。

10/10です。


楽しい映画から見に行くといいよ。

オタク男の子には特にいい映画だと思うよ。

anond:20230714205336

意味をなさない設定の多さ

主人公宮崎駿(親が飛行機工場経営)の少年期をモデルとしていることを表しているが、普通しらんわな

意味がない設定ではない

旧家の立派な入り口から入って洋館の方まで延々と歩く場面は圧巻だった

あの演出だけで見応えがあるので意味がない設定にはなっていない

宮崎駿演出の人であってストーリーの人ではないのだ

■謎展開

宮崎駿がそうしたかったんだから仕方がないわな

■伝わらない主人公動機

母親と妹と父親の間には複雑な関係性が隠されていて、あえてわかりにくく描かれていると思う

それに対する主人公の複雑すぎる心情も、わかりやす描写されてはいない

ここは非常に読み解き甲斐のあるところだ

妹が主人公の助けを拒絶したのは、好きな男を取った姉の子である主人公への憎しみを隠していたからだ

姉が死んで好きな男が自分のものになり、自分が子を身籠ったことにも喜びと罪悪感両方抱えている

主人公葛藤を乗り越えナツコお母さんと呼ぶ。その心の変化の過程もわかりやすく描かれていない。

複雑な問題考察余地があることは美点だと思う。

着替えや弓矢のシーンもそれ単体で見応えがあり、主人公の複雑な人格表現する演出になっている。

わかりやすさを求めると失われる複雑さがある。

ヴィランの不在

わかりやすい役どころを排除しようという意思はここ数作で明確なので、今更そんなこと言われてもって感じ

■作劇のセオリー無視

これも千と千尋以降散々語ってることなので今更・・・

 

この程度の認識で失敗作だと断ずるのは乱暴すぎるのでマジでやめてほしい

理解できなかったでいいじゃん

君たちはどう生きるか感想(後半ちょいネタバレ

公開数ヶ月前になってタイ人に関するなんやかやの報道でどうでもいい悪印象を与えてくれた鈴木Pでしたが、「宣伝を全くしない」という前代未聞のプロモーション戦略のおかげで、「宮崎駿の新作を全く前情報のない状態で見る」という稀有経験を与えてくれたことに感謝します。

これは実に小学生の頃「両親に連れられて『火垂るの墓』を見に行ったら突然なんか知らないアニメ始まった」以来の驚愕経験であり、その後のジブリアニメ国民アニメとなっていき毎回公開前に怒涛のプロモーションが行われていった経緯と、その時に見た「となりのトトロ」が私の生涯において不動のベストアニメであることを考えると、奇跡のような経験であるといえます

 

ただ、正直あまり期待はしていませんでした。というより期待しないように努めていました。私のジブリへの信頼感のピークは「もののけ姫」とコミック版「ナウシカ」であり、今ではアカデミー賞に相応しい最高のアニメである評価している「千と千尋」も終わった直後は頭の中「???」でしたし、ハウルでは「??????」、ポニョでは「????????????」となっていきました。

ゲド戦記アリエッティは私の生涯のワーストアニメベスト1&2です。

風立ちぬ」「かぐや姫の物語」も、「?」は浮かばなかったものの「ピークを過ぎた老境の作家の遺作としては十分以上の出来だろう」というような妥協した評価に落ち着きました。

 

この作品制作発表された時にまず思ったことは「本当に完成するのか?」という心配でしたが、鈴木Pの斬新なプロモーション戦略により完成するまでその心配を思い出すこともありませんでした。ポスターが発表されてからもほぼ忘れていたのですが、「プロモーションをしない」という鈴木Pの方針話題になってから俄に気になり始め、上記トトロ以来の経験をする決意をしたというわけです。

 

私と同じ体験をしたい人は絶対にこの連休中に観に行くでしょう。連休中に観に行く予定の人はこの先を読まないでください。

 

行かなかった人はその後普通にどのような作品だったか情報を目にすることになるでしょうし、少々のネタバレを食らったところで気にもしないでしょうから、ここから私の感想を書いていきますストーリーの核心をネタバレするつもりはありませんが前提となる設定などは普通にバラしていきます

 

 

 

 

 

面白い

 

カリオストロ」「ラピュタ」のような痛快冒険活劇ではありません。「ナウシカ」のような設定をしっかり作り込んだ異世界ファンタジーでもありません。しかし、見ている最中最高傑作」という言葉が何度も浮かんだのは確かです。「トトロ」や「千と千尋」を上回るか?と言われると、難解で観念的すぎる部分はありますが、明らかに上回っている部分もあるので、評価を決めるにはまだ何度も見る必要があります。というかすぐにでももう一度見たいです。

 

◆この作品を見るべきか否か?

 

文字通り宮崎駿集大成なので、ジブリ映画で育った人間なら見に行かないという選択肢はありえないでしょう。ハウル以降は見なくてもいいと思いますがこの作品を見ずに日本アニメのことを語ることは不可能です。というか、確実に「トトロ」や「魔女宅」などと同じように日本人のDNAに深く刻まれ作品になるでしょう。

 

◆良かった点

 

文字通り集大成なので過去宮崎アニメの要素が全て入っている

 

風立ちぬトトロ千と千尋ハウルポニョコナンカリオストロラピュタ

と怒涛のようにどこかで見たような風景、展開が続きます二番煎じではありません。

本人にしかできないセルフオマージュであり、過去作を踏まえた上で、それが国民記憶として共有されているからこそできる唯一無二の表現です。

そして、あらゆる影響を生み出してきたオリジネイターにしかできない圧倒的イマジネーションがあります

 

宮崎駿自身実存が感じられる

 

主人公モデル少年時代宮崎駿自身であり、半分自伝的な物語になっているが故に、少女主人公とした「千と千尋」などより真に迫ってくる情感があります

何より宮崎駿インタビューで度々口にしていた母親に関する憧憬が、作品として昇華されているところが素晴らしいです。

 

ストーリーが練り込まれている

 

コンテを描きながら公開日を決め、締切に追われながら作られた過去作品は、若い頃は力技で最後まで渾身の力で作りきっていましたが、近年の作品においては終盤明らかに息切れが感じられました。今回は明らかに時間をかけてストーリーが練り込まれており、「ハウル」や「ポニョ」で顕著だった「えっこれで終わり????」という感覚は一切ありません。

既存ストーリー構成の枠にはまらない」という手法は「千と千尋」の方法論を踏襲しているので唐突な展開の連続に難解さを感じる人もいると思いますが、終わってみれば一本筋の通ったストーリーになっており、深く考察する価値がありそうです。

千と千尋」で確立した「ゆきて帰りし物語」のフォーマットを発展させ、導入はよりゆっくり自然に、異世界に入ってからはよりぶっ飛んだ展開の連続で飽きさせません。結末も「これしかない」という納得感のあるものになっています

 

・泣ける

火垂るの墓」以外のジブリ映画で泣いたことはあまりないですが、様々な要因からくる深い感動で終盤は涙が止まりませんでした。米津玄師主題歌がその感動に拍車をかけてきます。ズルいと思うぐらい良いです。

 

◆悪かった点

・なんか説教くさそう

 

説教くさそうなのはタイトルだけです。少年時代宮崎駿が「君たちはどう生きるか」を読んで感銘を受けた、という以上のことは原作との関連は読み取れませんでした。原作を読み返し、何度も見て考察したい点です。

2023-07-15

宮崎駿説教される映画かと思ったのに私が宮崎駿説教したくなる映画だった

ふ〜ん、なるほど?→うんうん…→パヤオ〜!!成長したな〜!!→え…?ん…?→まてまておいおい→あーあーあー→後半宮崎駿ジブリの悪いところ全部出てる💢

前半のまま自己内面を見つめて母と義母との葛藤を描く映画作ればよかったのになんで途中で方向転換しちゃうの〜〜!?!?

塔のエピソードとかあんなん後付けバレバレだっちゅーの!!なんで最初そんなに真面目に自己内面について考えてたのに後半になるにつれ主人公ストーリーを進めるだけのコマにしちゃう!?

最後とか僕母親性的対象として見てます、みたいな内容になったけどいいの?!?こんな女の子に抱きつかれたい、みたいなロリコンジジイ目線)とマザコン主人公目線)が悪魔合体した最悪の展開になってたけどいいの!?!?

いやわかってる!!前半から後半への急展開は原因はコンテ進めながら同時進行でアニメも作っちゃうからだよね!!いつものやつだよね!!知ってる!!そういうとこやぞ!!!

宮崎駿絵コンテを進めないし、期限はあるのに制作も滞るし、尻叩きするために鈴木敏夫のいらんテコ入れもまじってしっちゃかめっちゃかになって、後半につれて話の展開が雑になり、最終大団円風に終わる でも細かい部分を見るとわからないことだらけだし、とりあえず終わらせないとという焦りが作品から滲み出ている

ハウル千と千尋と全く同じパターンである なんにも!!成長!!してないのである!!

なんにもというのは嘘、前半の少年内面への向き合い方は今までの宮崎駿作品に観たことないぐらい自分の弱さを言葉少なにアニメーションで描いていて素晴らしかった なのになんで…なんで…

そして何より一番腹立ったのは過去ジブリ作品の焼き増しをめちゃくちゃやってたとこ!!!ジブリパロディとして落ちるなよ!!昨今の国内外ジブリブームをみてウケるぞと勘繰って鈴木かどっかがテコ入れしたんだろうけど、「ジブリっぽさ」を表層でなぞるなよ!しかジブリ本人がよ!!!

高尚ぶって「おまえたちはどう生きるか」って説教垂れてんじゃねーよ!!これがお前らの生き様かよ!!!おまえは!!!どう!!!生きたんだよ!!!

anond:20230714205336

今作は千と千尋以上にメタファー連続からメタファー込みで読み解く必要がある

例えば以下の様なメタファーがあると俺は思ってる

これでもまだ一部だけど

石⇒アメリカから渡来したアニメーションディズニー

石の塔⇒スタジオジブリ/俗世から隔絶された内的な世界

ペリカン⇒旧世代象徴/アニメ業界の古株

ワラワラ新世代の象徴/アニメ業界新人

インコ権威ジブリ)に固執する大衆メディア

インコの王⇒東映日テレ

青鷺⇒鈴木敏夫

叔父宮崎駿分身職業人、特にジブリ以降の駿

真人宮崎駿分身少年時代の駿/未来を生きていく若者達の象徴

ヒミ⇒母性象徴であり永遠の少女

まり今作に込められたメッセージ

・俗世に背を向けて内的世界に耽溺し少女母性を求め続けた表現者としての宮崎駿自己否定

・この先の未来を形作っていく若者達へ向けた「俺(たち)の真似をするな、自分自身の道を切り拓け」っていう警句

・「鈴木さんは嘘つきです」

の3本にまとまっている

ちなみに石の塔っていうのはユング心理学的には深い意味があって、今作ともめちゃくちゃリンクしてると考える

石の塔のユング心理学的な意味については以下URLがわかりやす

http://www.j-phyco.com/category2/entry54.html

駿は千と千尋の神隠しの制作の際にユング心理学言及してたはずなので、意識的に石の塔を描いたと俺は思う

今作は表層のストーリーラインだけを追うとキャラクター感情が飛び飛びで意味不明の怪作になる

君たちはどう生きるかメモ追記ネタバレ注意)

anond:20230715182101

人生経験を凝縮した、メタフィクションメタファンタジー)として読む。

異界での経験は、誕生→頼れる大人(親)との出会い世界の仕組みの理解→友人との出会い→親との別れ→友人との冒険→敵との対峙→異性との出会い呪い(真の困難)に直面→人生を決める決断 とステップを踏んでいく。

物語全体の構造は、千と千尋の神隠しと一緒。異界へ踏み込み、親(的な人)と別れ、ボーイミーツガールがあり、自分の力で成長し、元の世界に戻る。

異性が自分の2人の母である点が奇妙だが、これも「子どもにとって、恋人との関係性は想像し辛いが、母親との関係想像やすい」からだとすると納得はいく。母親との別れは辛いのだ。

なぜ現代舞台にしなかったのか。千と千尋と近くなることを避けたかったのか。真人軍国少年ぶりの中に、アシタカのような武人性を込めたかったのかも。しかしこれはキャラクター共感しにくい弱点にも見える。

キャラクター共感して見たい人には厳しい映画だ。

君たちはどう生きるか」をみてきた

ジブリ公式Twitterが流れてきて、(カヘッカヘッとかいうやつ)気になってみに行った

好きなジブリ映画は①千と千尋アリエッティハウル

田舎イオンシネマ結構人が入っていた

土曜の10からの回、

ネタバレ感想

冒頭あたり 主人公キャラデザ良い、火事のところの走るところの作画が良すぎる、ゲタ脱ぐところの表現が流石

疎開から 家豪邸すぎ、背景めちゃ良い、老婆たち7人の小人みたい、隠れてたもう1人いる?おじいさんが別のとこにいただけかな、母の妹腹触らせるのちょっとひく

森の館気になる、アオサギにのメタファー?、冒険はじまりそう→思ってたよりなかなか始まらない

館入ってからがちと展開バタバタ

おばあヒロインなの?ついてくるのわろ

あっちの世界描写良い、背景や家の中流ジブリ、海や木の感じ最高

学…死す…みたいな文、考察しがいありそう

おばあと服一緒だな…きりこさん、キャラデザ性格良い

わらわらはこだまみたい、かわいさ狙いすぎ感ある

ヒミ、あいみょん棒すぎ声高すぎびみょう…

鳥たちとか産屋とかメタファー多すぎ、大叔父全てがメタファーすぎ

世界の背景雰囲気は最高だけど…バタバタして結局戻って来れてよかったね急すぎエンド…米津の曲は合ってるけどあんま印象に残らない

まとめ

主人公と背景や作画ジブリ感を味わえたのはよかった、ストーリーは無いようなもの、いろんな考察感想をみるために映画をみたんだとおもう

2023-07-14

ネタバレ注意】君たちはどう生きるか観たよ【さようなら宮﨑駿】

かっーーー!!!くそ映画やないかーーーーーーー!!!

金と時間返せーー!!!

世界観・設定【2】/10

ストーリー論理的整合性【2】/10

キャラ論理的感情的整合性【1】/10

キャラ魅力度【1】/4

テンポの良さ【1】/4

魅力的、独創的な演出【2】/4

映像美【3】/4

音楽の良さ【2】/4

合計【14】/50

■良かった点

・火の粉が舞う中、病院へ向かうシーンの演出作画、凄み感じた。写真動画じゃだせない絵だった。印象派を感じた。凄い。

田舎豪農豪商すげー!家がかっこ良すぎるー!

タバコ交渉材料にして、ナイフ研いでもらうシーンなんかいいよな。大人子供が対等な感じがして良い。

・きりこさんが舟を操ってるのかっこよかった。いい作画。魚釣りのシーンも良かった。海の底からアングル格好良い。

・ホワホワがKawaiiかわいいは正義

インコ包丁研いでるシーンなんかマヌケかわいい

■気になった点

父親傲慢さ、剛腕さが鼻につく。姉と結婚死別してすぐ妹と結婚すんのかよ。価値観合わなさ過ぎてゲロ出るわ。

・夏子さんが、眞人の手を引っ張って妊娠してるお腹を触らせたシーン。ちょっと厭らしさを感じたな。自分母親になったんだぞって誇示してるようで。僕はそういうのやられたらヤダな。夏子さん基本良い人なんだけどね。

勝手想像だけど、父親が夏子さんの金を目的結婚してそうで、嫌だなぁって思った。

・眞人、自分で傷をつけて、同級生を貶めようとするの嫌な奴だなぁ。

父親自分の子供のことだけしか考えてなくて、猪突猛進学校に抗議とかモンスターペアレントやんけ。

アオサギの中身、ハゲチビニキビ歯茎キャラデザ悪すぎ。声も嫌い。

カエルが大量に体に張り付いてくるのあれなんなん??まじで不快不快!!なんなの??演出理由を聞きたいわ。不快

・矢羽のなんか意味わかんない必殺技みたいな奴、あれなんなの??意味不明。ダサい

ペリカンをなんであんなに沢山出さなきゃいけねーんだよ。気持ち悪いわ!不快

・きりこさんが出してるシチュー盛るシーンの効果音が泥みたいな音で不快だった。前のシーンが魚の内臓ガッツリ出てくるシーンだったから余計にキツイ

インコキャラデザ何なんだよ。悪すぎる。

・塔が宇宙から降ってきた隕石ってなんなの??現実虚構もっとわかりやす表現しろよ。千と千尋と同じくらいわかりやすくしてくれよ。なんか全然設定が腑に落ちない。

ジャムパンの食べ方汚ねぇー!!音も不快。ジュルジュルじゃねえよ、汚ねぇよ!!

・夏子さんの「おまえなんか嫌いだ」って台詞、あれ要る??物語不要だったよ。無くても成立するのに、ただ不快だっただけ。

・急な夏子お母さん呼び意味わかんない。なんで急にお母さんって認めはじめたん?心境の変化生まれる要素あった?

・塔から落ちそうになってアオサギに助けてもらっても、ありがとうも何もなく塔の中に入っていく眞人。あれでよくアオサギは眞人に対して友達とか言えたよな笑。お前眞人から友達って認識されてねぇよ。

インコ大王ってなんだよ笑ダサすぎ。キャラデザ死んでる。

あんだけ堂々と後ろ付けてきてんだから気づけよ

ジジイはもう引退しろ全然魅力的な世界作れてないよ。インコ大王に切られて良かったね。

・積み木にピース加えるシーン、ダサぁ。あれわざわざ描く必要ある?

・鳥の糞が落ちすぎ、汚い。

・全体的に「なにみせられてんの?」感が強い。

・わけわかんない。意味不明。

唐突

・何が言いたいのか、何を伝えたいのか全然わからん

別にどうでもいいけど気になった点

・なんで夏子さんは塔に入っていったのか?説明ないんかい

・あの門なんだったの?

さようなら宮﨑駿

ありがとう、宮﨑駿。もう新作が出たとしても観ないと思います

昔の作品沢山観ます!!

今までありがとうございました。

anond:20230714155817

ただ、家族トトロとか魔女宅とか千と千尋みたいなの期待して観に行くと、ちょっと内容違っちゃうので気をつけてね

ありがとう。一人で行くわ。

[] 本『君たちはどう生きるか主人公『母さんが残してくれたんだ』

・・・じゃねーんですわwww

生きるか要素:完、以降、ジブリ異世界ファンタジー(千と千尋ではなくハウルとかそっち方向)

 

いやマジでこれ誇張ないからねwww

いやーーーパヤオの新作ウルトラ良かったよ

スパイダーバース(anond:20230712105437)も良かったけどやっぱり大天才パヤオ

あと内容を漏らさなかったの大大大大大正解だと思う

プロデューサーは大英断だと思います

 

 

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||が10点だとしたら、パヤオ新作は1000億点ですかね

風立ちぬ』で素晴らしいアニメーション以外はがっかりした人は今回は観てもいいよ

今回パヤオは徹底に振り切った、それを許した周囲の人々もマジでかっこいい

(もしかして庵野監督も振り切ればエヴァワンチャンああなった可能性はあったのか?)

 

塔の大おじさまはパヤオことなんだろうけど、あの唯一無二の世界観狂気と言えるアニメーションへの情熱を引き継ぐのは、血族であっても無理です

(あのアニメーション手描きだからな。改めておそろしいことよ。制作に携わった方々本当にすごい)

 

感想は後ほど書くけど映画館で観て後悔はしないと思う

 

ただ、家族トトロとか魔女宅とか千と千尋みたいなの期待して観に行くと、ちょっと内容違っちゃうので気をつけてね

 

児童文学の『怪物はささやく』をジブリ節全開に鮮やかにして、碇司令の独白(庵野くんの独白)やったやつです

 

エヴァ以上に観えないものみようするお友達がたくさん出そうな映画だけど、力こそパワーですべて振り切ったよ

 

圧倒的な力の前では『万人に伝わる』なんてわかりやすさ無価値

君たちはどう生きるか感想

自分もののけ姫くらいかリアルタイムで見て、振り返ってカリオストロ以降は全作見て、本やインタビューもそれなりに追っているまあまあの宮崎駿ファンです。

千と千尋の神隠し風立ちぬあたりがフェイバリットです。箇条書きで感想書いていきます

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