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2019-04-09

出せない手紙ゴミ箱

決められた箱の中で思いっき叫び、跳ね、全身でのたうち回る君は本当に本当に眩しかった

枠の中で暴れ回りながら、ギラギラと光らせる目と虚脱した笑顔、余りのいびつさに、足が竦む程の生命力を感じた

背景の私が、いつの間にか少しずつシルエットが重なって、目が合うようになって、君への現実感が増していく日々は身体の底から震えるくらいの恐ろしさだった

私を見て観察し、奥底の人となりを探って、信号を受け取りあって、笑い合い、更にはぎこちないコミュニケーションまで取れるようになった

舞い上がって噛み締める自分と、いつかこんな日が来ると思って会いに行くたび怖くなる自分が居て、とうとう迎えてしまった今日が 本当に苦しい

君の意識外というのは、そういえばこんなにも淋しいんだったなぁ

数年前、君と何も築けていなかった頃の物悲しさがまた、比べ物にならない大きさになって襲ってくる

もう、恐らく私は、君の大切な人じゃない

あの人が自分を待つならと、君を奮い立たせられる存在でもない

苦しんで、辛かった、そんな冬の間に通過した地点の一つになったのかな

会う度にくれたもの、あの時言えば良かったと思う言葉、取っておけばよかった態度、どれも過ぎ去ってからじゃ陳腐に思えて、だけどもしもやってみていたら?その先の想像出来る世界自分があまりに羨ましくて、悔しくて、こぶしに おなかに、力が入る

どんどん剥き出しになっていった私達は、ふたりだけで言葉を持つことが出来なくて、これはつまり信じ合えなかったということになるのかな

愛情が足りなかった とか そういう事ではなくて、ただふたり空間を持てなかった私達が、作れなかった私達が、自分を愛し過ぎていて、自分の中の相手を愛し過ぎていて、結局最後まで傷付くことが怖かったんだと思う

それでも私は手を握ってみたかったけど、同じ時間を持たない事は こんなにも距離を作るんだね

あの日から目に入り続けてしまうあの子とのやり取りを睨み憎み続けたし、そして最後まで君は何も知らなかった

嬉しくて嬉しくて恐くて苦しい私への言葉をくれる、一ヶ月に一度のその間だけ君を見て不安に思わずにいられたし、でもその大事な時間前後や ましてや空間にあの子も居るのかもしれない、と思うたびにどうしようもなくなった

同じ指で、声で、思考コミュニケーションを取る君に 心を許す君に あの子の前で恋愛の話だけはぐらかす君に 私はどんどん悲しくなって 悔しくなって 腹が立って 疲れて また悲しくて そうして少しずつ諦めた

まだその気持ちが大きいから心の底からは言えないけど、でも、君はずっと何も知らなくていいよ

自分が想う人を信頼して、心を開いて、そして安心して生きていてほしいか

傷付かなくていい、自分が耐えられなくなったんだと 見切りを付けてやったんだと思っていてくれればいい

いつかズタズタに傷付いたあの時のように、君はまた同じような事をしてしまっていたけど

大事な君の未来を曇らせるものはここに置いていってほしいんだよ

それが私への気持ちなら、今日に置いていってぜんぶ過去にしてほしい

傷付く姿はもう見たくない、ただ君のあるべき姿を見せ、正当に評価され、そして確実に必要とされていて欲しいか

これまで、この一年、たくさん傷つけていたらごめんね。

思いもしなかった私の行動が、君にとっての裏切りになっていたならごめん

こんな言葉も、全部がもう既に要らない物だとしたら、それもまた ごめんね

私の日の当たる部分は、笑顔は、明日への活力は、少しばかりの自信は、本当に君によって造られていて 私は文字通りずっと君に生かされていたんだよ

から、どうもありがとう。初めて会った日から、緊張いっぱいの表情で初めて信号を送ってくれた日から、ずっとずっと 本当にありがとう

私の人生に、可愛くて可愛くて 誰よりも眩しくて愛おしい君が居てくれて 本当に良かった

どうかこの先君の歩く道が、蹴り、跳ね易く、明るく、そして健やかなものでありますように

今日明日も、あさっても、君が誰かとたくさん笑っていますように。

愛しています とびきり眩しい日々をありがとう

元気でね

さようなら

 
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