はてなキーワード: 兼業農家とは
当該記事のブコメにこんなことが書かれていて気になったので、思ったことを増田で書いてみる。
> うちの職場で農家カムアウトしてる人はまだいないね、て雑談してたら、ナチュラルに「そんな人いたらびっくりする」と笑った人がいて、こっちがヒヤヒヤしたことはある。いい人のキャラだったので余計に。
このブコメを読んで多くの人は「ナチュラルに差別意識を持つ人と遭遇してびっくりしたブクマカ」の体験談として解釈したと思う。だが、実はもう一つの読み方がある。
突然農家の話を振られて過剰防衛してしまうクローゼットという解釈だ。
なぜこの職場で農家をカムアウトしている人がいないのか? 統計的に考えて農家が何人かいるはずである以上、この職場の人間がカムアウトできるほど信頼されていないからと考えるのが自然だ(職場においてオープンな農家であることと個人的にカムアウトしていることは別なので、このブクマカはオープン農家が職場にいないという話をしているのであり、このブクマカ個人がカムアウトできるほど信頼されていないという話ではない)。
私から見ると「そんな人いたらびっくりする」という言葉は、かなり意識して言葉に気を使っている跡がうかがえる。ミステリの叙述トリックで使われそうな言葉遣いだ。「笑った」のも平静を取り繕うための作り笑いかもしれない。クローゼットの農家にはよくあることだ。
農家にとってカミングアウトというのはとても重い行為だ。そこから人生の転落が始まりかねない。ワークショップでは定番となっているカミングアウトスターズというのがあるのだが、時間があればぜひやってみてほしい。GWだし時間はあるはずだ。
https://lgbtrc.usc.edu/files/2015/05/Coming-Out-Stars.pdf
このブクマカが出会った人の言葉についての私の解釈をただの屁理屈だと思った人もいるかもしれない。
では私の解釈が正しい確率はいかほどか? 実はこれは数字で示すことができる。
これは先日発表された総務省統計局・労働力人口統計室による農業・林業就業者の割合調査で出た数字だ。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index1.pdf (p.23 第一表 210万人/6664万人=3.15%)
これを大きいと見るか小さいと見るかは個人差があるだろう。96.85%の確率で「そんな人いたらびっくりする」と言った人物はただの差別主義者なのかもしれないならば、十分安全な賭けであり、このブクマカの認識にケチをつけるべきではないとあなたは思うかもしれない。
だが、どんなに差別的な発言であっても、3.15%の確率で、自分についての真実が発覚することを死ぬほど恐れているマイノリティが自己防衛のために紡ぎ出した言葉であるかもしれないと想像する心を持って欲しい。その人は上でリンクを張ったカミングアウトスターズで「赤い紙」の人生を送ってきた人かもしれないのだ。
カミングアウトできるのは、幸せな人生を送ってきて心理的安全性が確保された場にいる一部の人の特権に過ぎないのかもしれない。
実は私もクローゼットの兼業農家だ。5月1日にはオープン農家である職場の同僚と統一メーデーのパレードを歩いたが、彼にすら私が兼業農家であることは隠して、ただの荒井という体で参加した。メーデー後一人になり会場をぶらつけるようになって初めて兼業農家の自分に戻ることができた。会場で出会ったまったく知らない人の前では自分らしく振る舞えるのだが、知人に対しては隠してしまう。TPP反対のような場に出てくることができるのだから私は「赤い紙」の人よりは恵まれた環境にいるし、オープン農家の同僚が職場で受け入れられているのを見ている。とても心理的に安全な職場だ。主業農家と兼業農家でカミングアウトに対する温度差というものはあるが、ここまで来れば私自身がカムアウトする日は近いのかもしれない。
それでもまだ怖い。
このままだとホームレスになりそうなので、土地を買って小屋でも建てて質素に暮らそうと思ってるんだけどさ
田舎暮らし系の不動産サイトを漁ってたらいい感じの山林物件を見つけたんだ
50万円くらいで買えて小屋建てられそうだしアクセスも悪くない
これ買いたいと思ってるんだけど土地、しかも山林なんて買うの初めてなのでどうしたらいいかよくわからない
詳しい奴いたら指南してもらえないだろうか
実家が兼業農家で半ば山暮らしみたいな生活をしてたことがあるよ
それは初めて聞いたありがとう
無人島で暮らそう。
無人島いいなあ、俺海好きなんだよ
ここの現場製造ラインの人間はほとんど高卒。いまでも高卒がメイン。
高校を出たら、就職祝いに車を買ってもらって(値段は格安中古、親のお下がり(親が新車を買う)、新車を買ってもらうさまざま)車で自宅から通勤。基本朝8時から夕方5時まで。
結婚すると、親の土地の一部に家を建ててもらう(自分で買う場合もある)もしくは2世帯3世帯住宅へ建て替えとか。
兼業農家なので、親が高齢になるにつれてじわじわ農作業の手伝いが増える。
だいたいこのパターン。
追記
年収は400万切ると思うけど、昔みたいに5人兄弟とか少ないので、親パワー土地バワーがあるため、実入りは少なくても出費が少ないため暮らしぶりはそんなに悪くない。ボーナスが多ければけっこういい年もある。大きい工場だと組合がある程度あるんで、あんまりひどくない。工場づとめで自転車通勤だったときは、社員食堂で昼夕食べられて天引きだったし、寄り道する商店や飲食店すらなかったら平日は財布すらもっていなかった。あの低コストライフは東京都内だと味わえない。派遣だと給料より、家賃とか食費の初諸経費が多くてツライ。
追記2
他にもある通り農政批判で勢いを得たところで、都市部の革新層が勢いづいたってところじゃないかと。
尤も、安住淳は喜んでないでいい加減支持率の西高東低に甘んじない方が良いんじゃないの。
TPP合意後初の大型選挙は宮城県議選だったわけで、そこで農協のお偉いさんが自民批判しまくって共産党が8議席ぐらいになった。その上参院選はあの通り。
北日本はかなり手ひどく負けてるけど西側に勢いが波及してない理由をいい加減突き止めてたら?と思う。
地方に景況感が感じられないって話も他県で聞いた。零細工場が資材を輸入に頼ってるから金融緩和は嫌がらせみたいなものらしい。
民進党にとってそれを伝えてくるのが旧民社党系の党内/連合右派っぽいし、TPPも多分評価が真逆じゃないかな。仙台市や宮城県は判らないが。
再分配を充実させてもインフレは起こるらしいんで、両方取れるようにしてほしいな。
・都23区内
と、暮らした身からすると、どこでもやり方と環境次第としかいいようがない。
一律に田舎と都会なんて雑な分け方は無理だ。
ただ、東京都23区内で3部屋以上はキツイ。ギリギリで板橋区か江東区の端っこ。JR外すのがポイント。都営かな?
実感としては
「(平均的な給与暮らしで、一部の資産家を除き)政令指定都市の学校に通わせられる程度の田舎で親の代から持ち家、そこそこの企業の工場製造現場づとめ正社員(社食付き、作業服、安全靴、交通費支給、基本的な福利厚生完備)、ゴールデンウイークとシルバーウイークで田植えと稲刈りの程度の規模の兼業農家)、(奥さん公務員の事務職だとなお理想的)」
レタスは飲み会で自分のトングにてサラダの取り分けをやらせないと
そういう野菜に生まれて栄養価の高いモロヘイヤがサラダになった男は、
彼女を捨てるかタネや皮を捨てるか選ばなけらばならない。
お前はサラダのためにタネを捨てられるのか?
お前はサラダのために三角コーナーに表皮を捨てさせられるのか?
って聞かれるとスゲーバジル。
【パプリカ】
そういえば、フリルレタスが話題になった時に高原レタスでうたってる有名なシーンは、
ロメインレタスの人が理解のない農家と決別して出荷されていくのと同じで取引できるって聞いたけど、
サラダのために畑から収穫する兼業農家達ってケースだとシーザーサラダとかチョレギサラダとか、
( 野菜じゃないものの類例がちょっと思い浮かばなかった。「さつまいも」か?
百合根は百合で茶碗蒸しに入れ直して副菜化したら良くない?id:entry;831831831 )
ただ、面倒な八百屋の間の値段の下げ合いとか上下関係とか(肉屋でもあるんだろうけど)、
そういう緑黄色野菜からの逃亡って健康に悪くて誰からも摂取されないだろうから、
コブサラダみたいなサラダが作られることはないんだろうなと思って満腹になった。
↓元ネタ
彼氏と別れた。
いずれこの人と結婚すると思っていたけど別れた。
題の通り彼から「結婚しようよ」と言われたのだけど、同時に「ふたりで仕事を辞めて、俺の実家に帰ろう」と言われたのがきっかけだった。
彼がいつか実家に帰りたがっていることは知っていたけど、それは遠い先の話で、たとえば定年後とか、そういう話だと思っていた。
根拠は、彼は専門職の専門学校の出で、そこを選んだら基本的にその道以外に進路がないような経歴の持ち主で、きちんとその道を選んで就職していたからだ。
「子どものころの夢だった」というその職業のために進路を選んだのに、それを手放すことはないと思っていた。
今の会社を辞めて田舎に戻れば、再度地元でその職業につくことは不可能に近い。
詳しくは知らないが、25歳くらいまでしか新規採用しない業界らしい。
だから彼が今の会社を辞めたら、次の職場は別の業界ということになる。
そうなると彼はただの30歳で高卒の男になるのであって、普通の事務職もやったことがない彼はなかなか就職は厳しいだろう。
そしてそれは私も同じことだ。
私も同様に専門職にしか進めないような専門学校の出で、しかも、その職業を選ばず、現在はただの事務職(しかも非正規)だ。
結婚するのはいいとして、私と彼が仕事を辞めて彼の田舎に帰ったら、私たちは特に技能のないただの高卒夫婦になる。
彼の実家は農家なので、彼はそれを手伝うつもりでいるらしかった。
でも、彼の実家は「専業農家」ではなく「兼業農家」で、彼の父親はサラリーマンだ。
彼は彼の父親のように、今更普通のサラリーマンになることはできないだろう。
なんたって彼は「一般教養」のテキストに載っている漢字問題を、20問中2問しか読めないようなアホなのだから、悲しい事だけど、無理だよ。
パソコンもまったくできず、ネット回線を契約したあとはほったかしになっているし、勉強熱心なわけでもない(形式だけでほとんどが受かる昇任試験にも落ちる)
貯金があればしばらくやっていけるだろうけど、彼にはたぶん貯金なんてない。
彼は最近、就職先と同じく「子どものころから夢だった」というBMWを新車で買って、ローンが残っている。
月収が手取り25万くらいで一人暮らしの男が、よく頑張ってBMWなんて買ったと思う。20歳のころからお金を貯めて買ったのはえらいと思うよ。
ただ「BMWを買ったから俺の目標は達成。だから次は仕事を辞めて結婚したい」なんてどうかしてる。
私には貯金が500万あるけど、こんなの一瞬でなくなってしまう額だろう。とてもじゃないけどやっていけない。
彼の要望は「すぐにふたりで仕事を辞めて、俺の実家に帰る。子どもは4人作る」だ。
彼は自分が4人兄弟の長男で、家族が大好きだ。末の弟はまだ高校生で、よく可愛がっている。
だから同じような家庭を築きたいんだろう。湯水のようにお金があったら私だってかなえてあげたかった。
だけど私たちにはお金がない。せっかく東京でそれなりの仕事をさせてもらってるのに、どうして今すぐ手放すのか。
私は支えてあげられる自信がなかった。
私は「俺は長男だから、親に言われているわけではないが、実家を継ぐ」と言ってきかない彼にこう聞いた。
「私も長女だよ。あなたも知っている通り妹が二人いる。うちには女しかいないのだから、長女である私が婿を取らなければいけなくて、ふたりで私の実家に帰りたいと言ったらどうするの?」
うちの両親にお家という感覚はないので実際に婿取りをするなんてことはなく、仮定の話だけど、彼は「それはできない」と言った。
「きみの家に帰ったら俺の実家まで遠くなる」とか「家を継ぐのが俺の夢」とか言い出して、結局自分の思い通りの未来以外は受け入れられないんだろう。
つまり彼は、たぶん「とにかく仕事を辞めて実家に帰りたい」「結婚すると言えば私が納得する」「あとはどうにでもなる」と考えている。
だから私は「今すぐ仕事を辞めて実家に帰るのが条件ならあなたとは結婚できない。ここに残って仕事を続けるのなら結婚する」と言った。
そうすると彼はとても喜んで、なんだか同棲でもするのかというような準備をし始めたから驚いた。
だって彼は仕事を辞める気満々で、私の話の「結婚する」というところしか聞いてないかのようだったのだから、驚くしかない。
何度も「仕事は辞めないし、あなたの実家に帰る気もない」と言って「判ってるよ」と返してくるのだけど、まったく判ってるようには見えなかった。
私はだんだん腹が立ってきて、こんな金の使い方も判らない男と一緒になったら人生が終わってしまうとまで考えるようになって、イライラした。
このイライラが一時的なもので、勢いに任せて「別れて欲しい」と言ったら後悔するかもしれないと思って、一ヶ月くらいは我慢した。
でも、夜の生活のときに避妊をしないと言い出したのがきっかけで、この人との未来は有り得ないと思って、結局別れました。
「別れよう」と言ったとき、彼は心底納得できない、理解できない、あまりに予想外というような反応をしてきたけど、逆になんで予想できなかったのか理解できなかった。
私はこの先、一生彼を支えてあげられる自信がなかった。だから別れました。
アベノミクスの成長戦略って、全般的に中央の大企業にばかり恩恵が偏重しすぎな気がします。
例えば農業の成長産業化っていうけど、方向感としては、たかじんのそこまで言って委員会で規制改革会議の中の人の長谷川氏が言ってたけど、兼業農家を排除して、かわりにこれまた規制改革会議のなかの人のローソンやら住友やら大資本が、今やっている農業法人の事業を拡大させようってことでしょ?
耕作放棄地もそうすれば解消するみたいな言い方だけど、大資本の株主は条件が不利な中山間地の耕作放棄地を耕作するなんて許さないでしょうね。
まして兼業農家の生活基盤は弱体化するわけですから、先祖代々の土地を捨て、地方を離れる人も出るでしょう。
ますます地方のライフラインは、維持困難になり、集落消滅の加速度は増すでしょう。
さらに農地の規制も緩めて、流動化がすすめば、平野秀樹氏が山林について提起しているように、中華資本などが、日本の国土をさらに買っていくみたいなことも歯止めが効かなくなるでしょう。
現状が減退傾向なら、農業の成長産業化は成長どころか沈没ってことに繋がりかねませんかね?
そもそも成長なんてパラダイムが今後成立するんですかね。
家族農業の延長における大規模化を促進させたり、産地単位での六次産業化による付加価値を高めたり、生活基盤の拠点が各地で維持させられる方式であることを優先すべきだと思うのですが。
100万円賭けてもいい。
今の高齢零細コメ農家が引退ないし死亡し、その子供の多くは非農家で跡を継がない。
「農地が秋田にあって、相続人たる子供が東京」とかだと、子供も兼業できないから、そのまま耕作放棄へ。
政府は「大規模農家が不在地主農地を集約する」と絵空事を言ってるが、
散在している零細農地が複数になったところで効率は上がらない。
農地がまとまっていたら(散在してなければ)多少はスケールメリットが出るが、
「300m離れて零細農地、また700m離れて零細農地」とモザイク状に飛び飛びだと、非効率なママ。
引退農地、相続農地は、政府の都合のいいように「連続して出現」してくれない。
実際には
「2014年には1200m離れた農地が引退で空き、2016年には700m離れた農地が相続で空く」
「自分の隣の農地に空きが出た」のなら、意欲ある農家はその農地も取り込んで規模拡大&効率化するかも知れない。
だが「自分の隣の隣の隣の隣の農地」なんかだと、大して効率上がらないから、積極的に拡大に走らない
逆に言えば、引退&相続農地の「お隣さん」が、若くて積極的な農家だったら借り受けてくれる可能性あるが、
「お隣さんも数年後にリタイア予定」とかだったり「お隣さんも兼業農家で、拡大意思なし」だったら、まず借り受けてくれない
そもそも、相続に発展してしまった場合、相続手続が完了しないと農地貸し出しが出来ない。
相続手続きや登記手続きは義務じゃないから、二束三文の農地の相続手続は放っておく遺族も多い。
農地の経済価値より、相続手続費用の方が高額と言うバカバカしいケースだと、まず放置される
(遺族の中に認知症患者がいて、相続手続きが一向に進まない、というケースも多い)
「ちゃんと遺産分割協議して、相続手続を終えて、更に農地貸し出しに至るケース」の方が少なくなってしまう。
農水省はちゃんと、
零細コメ農家の年齢構成、平均余命、相続手続率などに基づいて、
「2020年/2030年の営農農家数」「2020年/2030年の予測コメ生産高」をシミュレーションしてるのか?
甚だ疑問である。
日本が半導体王国・電機王国で、アメリカ相手に貿易黒字を積み上げていた時代に、
「日本の半導体・電機が衰退し、日本は貿易赤字に転落する」と予言したら笑われていただろう。
だが実際はその通りになった。
だが確実に足らなくなる。
20●●年、コメが足らなくなった時点で、農水省はどう対策するのか?
泥縄で農業参入を促進しようとしても、「翌年からコメが取れる」と言う訳には行かない。
工業やサービス業なら、訓練研修時間は短いから、急遽対策できなくもないが、
農業の場合「年に1回しか収穫できない」と言う農業の特性上、急遽対策しても
対策が奏功するのに数年掛かる。
都会と田舎対決が再燃しているので、僕の話も書こうと思う。
昭和40年代当時では、周りには兼業農家は少なく、いま思えば異質な家庭だっただろう。
子供の感覚は敏感なもので、なんとなく座りの悪さを感じていた。
勉強は好きだったが、教師はやる気が無く、授業は面白くなかった。
ある日、憲法について子供ながらに議論をふっかけてみても、教師は生意気言うなと言いながら僕の頭を叩いただけだった。
部活に入ってみたが、先輩の理不尽なしごきに耐えられず、噛み付いて喧嘩。そして退部。
そのころは気づかなかったが、教師も、部活の先輩も、田舎特有の濃密な監視とネットワークの一部なのだ。
それに気づかなかった僕は学校で浮き始め、そして、学校に行かない日が増えてきた。
何がいけなかったのだろうかと、自分の行動を思い返した。
僕はこの退屈な村で、同級生と同じように一生を過ごすのだろうか。
いや、そうではない。村を出るべきだ。
そして、どうせ村を出るなら、僕のことを蔑んだ人々を見返してやるのだ。
大学生活は自由だった。
新しい人間関係に囲まれ、バイトに明け暮れ、充実した毎日だった。
ただ一つ不満だったのは、当然ながら周りも東大合格者だったことだ。
あの村で僕が光り輝いたのは一瞬の事だった。
ときはバブルのまっただ中だったが、民間企業は眼中になかった。
霞ヶ関は民間を動かせるから、民間よりも上だと思っていたし、なにより、僕の村からはまだ官僚が出ていなかった。
駆け出しは駆け出しなりに、その醍醐味を味わうことができる反面、地味な仕事が多かった。
そんな中、ある市への出向を命ぜられた。
そのころは気づかなかったが、国会議員も、上司も、霞ヶ関特有の濃密な監視とネットワークの一部なのだ。
それに気づかなかった僕は浮き始め、そして、はじき出されたのだ。
職員からすれば僕はお客さん扱いで、まともな仕事はさせてもらえない。
しかし、目立つ成果を挙げられないと、霞ヶ関に僕の存在を知らしめることはできないし、ひょっとしたら片道切符になる可能性もある。
そんなある日、生まれた村に帰省し、同窓会に参加した僕は愕然とした。
僕が主役ではないのだ。
東大に合格し、官僚になり、日本を動かしている僕が主役ではなく、親父の寿司屋を継いだあいつがクラスの中心なのだ。
そう、あのほこりっぽい教室のヒエラルキーそのままだったのだ。
何がいけなかったのだろうかと、自分の行動を思い返した。
この退屈な村で、何の刺激もなく一生を過ごす同級生に、なぜ僕の凄さがわからないのか。
あの日、村を出ることで、僕のことを蔑んだ人々を見返したはずなのに。
僕の力で、何も無いこの村を、都会的な村に変えて見せるのだ。
必ず、全国から取材や視察が殺到する村にしてみせる。
村役場ホームページのアメーバピグへの全面移行や、村営水族館の民営化など、霞ヶ関に、いや、宇宙に衝撃を与えるアイディアは山ほどあるのだ。
僕はずっとこの村があるかぎり村長で居続けるつもりだ。
この村に僕以上に村長に適した人材などいない。気に入らなければ選挙で落とせばいいのだ。
続く
http://d.hatena.ne.jp/pal-9999/20100324/p1
こんな記事がはてBで話題になってて、読んでみたら、中身がsuckで頭に来たので、つらつらと書いていきますけどね。
で、救いようがないと思ったのが、この部分。
この人は、日本の農業が、どこに強みをもっているか、まるで知らない事が、この一文で丸出し。日本の農業技術は、狭い土地で多収穫可能になるような形で発展してきた。そのため、作物の品種改良や育成技術改良には非常に熱心で、単位面積あたりの収量という点では、小麦にしろ米にしろ欧米とは比較にならないくらい高い。
FAOSTAT(http://faostat.fao.org/)より
米(t/ha)@2008 1.Egypt 9.7309 2.Australia 9.5000 3.El Salvador 7.9373 4.Uruguay 7.9025 5.USA 7.6716 6.Turkey 7.5716 7.Korea 7.3942 8.Peru 7.3567 9.Morocco 6.9562 10.Spain 6.9209 11.Argentina 6.8277 12.Greece 6.7354 13.China 6.5558 14.Japan 6.4875
十分健闘していると思うが、それでも欧米より高いと思うのは間違い。アメリカよりも低いです。
小麦(t/ha)@2008 1.Ireland 9.0629 2.Netherlands 8.7297 3.Belgium 8.3595 4.United Kingdom 8.2813 5.New Zealand 8.1120 6.Germany 8.0873 7.Denmark 7.8638 8.France 7.1009 9.Luxembourg 6.6616 10.Egypt 6.5009 : : 31.Japan 4.1037 : : 49.USA 3.0177 Europe全体 4.0270
↑に関しては何を見たのか分かりませんが、そんなに差があるわけありません。EUには小麦食って生活している農業大国が沢山あります。世界市場という戦場で農業をもってして戦っている国々の収量が、兼業農家の収量に劣っているわけも無く。
普通に考えてみてください。アメリカの麦畑と日本の麦畑。同じ一区画に12倍も実っていたら、アメリカがしょっぼーいか、日本の麦が重みで折れるかどっちかです。ありえません。
ただ、はてブの方々が言うことにも賛成しませんが。日本の農業は自然環境特化型ではなく、保護政策の庇護による社会環境特化型。しかも大規模農家が極端に少なく、兼業農家ばかりで高齢化も進んでいる日本で、農業が衰退していくのは確実。となると日本の農機具メーカーは海外に出るか、農機具メーカーをやめるか。携帯のガラパゴスとは違い、先は暗いガラパゴスです。
一体、この国は農業をどうしたいんでしょうね
ttp://d.hatena.ne.jp/pal-9999/20090410/p1
あのね。農業大変だっていう人がいますが、それだったら、なんで農家の8割が兼業農家なのか、考えた人っています?兼業農家って、農家の仕事の他に、普通の仕事もしてるわけですよ。なんでそんな事ができるか?とか。大変な仕事なら、そんな事できるわけでないでしょ。二足のわらじなんてさ。
あのね、なんでこんな兼業農家が多いかっていうとね、片手間で出来ちゃう農業があるんですよ。米、大豆、小麦が代表的ですが。
米は、10aあたりの農業所得が大体3万円。10aあたりの農業労働時間は29時間なわけです。たった29時間なんですよ。たったね。それだけの労力で10aくらいの稲作なら出来ちゃうんです。無論、農業所得も少ないですから、これだけじゃ食えませんがね。片手間で出来ちゃうから、兼業農家なんてのが生まれちゃうわけです。
米、小麦、大豆なんかの農作物は、土地利用型作物とも言われます。農作業が機械化されてて、単位面積あたりの労働時間が短く、農業所得が少ないのが特徴ですがね。こういう農作物は、専業でやろうと思ったら、大規模な農地が必要になります。それがないなら、兼業するしかねーわけです。
米とか大豆、小麦なんかは、農作業が大変な部類には入りません。大規模になればそれなりに大変ではありますが、機械化されてるんでそれでも楽な部類なわけです。労働時間自体は対して長い部類じゃないんですよ。
ところが、兼業農家の主要な作物である米にばっか補助金が出るんですよね。一体、この国は、農業をどうしたいんでしょうね。兼業農家って、農作物が不作の時より、不況で給料減った時のほうが大変になるような人達なわけで。間接的な給付金でしょこれ。
土地利用型作物ってのは、典型的な規模の効果が効く世界なのに、なんでわざわざ兼業農家に優しい政策をとるのか、僕にはさっぱりわからないや。というか、兼業農家ってほんと農家なの?って疑問をもつ人が増えてもいいと思いますよ。特に米の兼業農家とか。だって、10aの稲作兼業農家なんて、実際には、農作業ほとんどしてないんだもの。
で、農作業が大変だって言う人。野菜、果物。花は大変です。あと畜産もね。
なんてかっていうとね。これらは労働集約型作物なんですよ。単位面積あたりの労働時間は長くなるけど、その分、農業所得が多いんです。だから、広い経営面積がなくても経営が成り立つんです。狭い面積の国土しかない日本じゃ、専業農家っていう人達は、ほとんどこれです。
例えば、キュウリやトマトは10aあたりの農業所得が90万円あるんですわ。一方、労働時間は600~800時間くらい必要になるんです。栽培管理に手間暇かかるんで、そうなるわけです。
桃やブドウは、10aあたりの農業所得が30万円前後。労働時間は200~300時間くらいになります。
花では、バラなんて、10aあたりの農業所得が150万円くらいあいます。労働時間は1884時間くらいになって跳ねあがりますがね。
畜産は、酪農が鬼畜です。農業所得自体は、平均713万円くらいで儲かってるように見えますけど、労働時間が半端ない。年間5000時間とも言われる部類です。鶏卵や養豚なんかも5~600万前後の農業所得があるんですが、労働時間が年間3700時間とかになります。もうかるっちゃ儲かるんですよ。ただ、生き物相手なんて、労働時間が半端なくなる。農家の平均労働時間の中でも、畜産は特に労働時間が長い。
あのね、日本って国の農業はね。真面目に農業だけで飯を食おうとしたら、大概、狭い面積の農地で勝負せざるを得なくなるんです。だから、基本、専業農家は、野菜か果物か花か、畜産みたいな労働集約型作物をやるしかなくないんですよ。で、真面目に農業して儲かっている人達っていうのは、そういう事を真面目にやってる農家なんです。そのかわり、労働集約的なので、労働時間は延びちゃう傾向があるんです。
派遣の人達が、どういう場所で働かされたのかは知りませんがね。ただね、真面目に専業で農業やってる人達のとこいったら、そういう人達の労働時間に腰抜かして逃げ出しても、僕は不思議には思いませんよ。
特に、酪農農家にいったなら、それこそ死ぬでしょ。このご時世、年間5000時間働きたい奴なんてどこにいますか。朝五時から乳搾りして夜七時まで農場に縛り付けられる生活を、農場主はしてるわけで。それと同じ生活しろなんて言われたら、週50時間しか働いてなかった人なんて、そりゃやってられなくなるでしょうよ。
そこそこの労働時間でそこそこ稼げる農業やりたいってんなら、そういう作物はあるにはあります。まぁ、農業に就業したいなら、土地借りてそういう作物つくりましょうって事で。レタスとかダイコンとかね。
もっとも、野菜は、食料自給率が高くて、80%くらいあるんですがね、日本でも。結局、真面目にやってる専業農家の人は、狭い面積の耕地でも、やっていけるそういう作物つくってるわけですよ。もっとも、野菜なんていくら作っても、カロリーベースでの食料自給率の向上には役にたたんのですがね。
そういうのが嫌な人は、片手間で米作って、賃労働する兼業農家になっているのが現状の日本の農業なわけです。カロリーベースでみると、米や小麦なんかは非常に重要な作物なんですけどね。そういう作物を真面目な農家は作ったりしないんです。だって、経営面積が狭いんだから、経営が成り立たないもん。
真面目に農業やってる人は、カロリーベースでみて重要な作物は作らず、片手間で農業やってる人が、カロリーベースでみて重要な作物を作ってるんですよ、この国はね。麗しい国だと思いますよ、ほんと。