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2021-06-11

数学科飲み会

「Xが飲めて〜」

「Yが飲めない〜」

「わけがない〜〜〜 (f: X→Y)」

ハイ !

単射全射全単射!」

写像対応準同型!」

ハイ !

「環!可換!可換!非可換環!」

ハイ !

任意の〜」「任意の〜」

任意任意の〜アルアルアルアル」

絶対値からの不等式〜〜〜」

ハイ !

2020-06-05

Galois拡大って何?

分離的かつ正規代数拡大のことです。

集合Kが2つの二項演算+: K×K→K、*: K×K→Kを持ち、以下の性質を満たすとき、Kは体であるという。

  1. 任意のa, b, c∈Kに対して、(a + b) + c = a + (b + c)
  2. ある元0∈Kが存在して、任意のa∈Kに対して、a + 0 = 0 + a = a
  3. 任意のa∈Kに対して、ある元-a∈Kが存在して、a + (-a) = (-a) + a = 0
  4. 任意のa, b∈Kに対して、a + b = b + a
  5. 任意のa, b, c∈Kに対して、(ab)c = a(bc)
  6. 任意のa, b, c∈Kに対して、a(b + c) = ab + ac、(a + b)c = ac + bc
  7. ある元1∈Kが存在して、任意のa∈Kに対して、1a = a1 = a
  8. 任意のa∈K\{0}に対して、ある元a^(-1)∈Kが存在して、aa^(-1) = a^(-1)a = 1
  9. 任意のa, b∈Kに対して、ab = ba

体の例
  • 有理数全体の集合Q、実数全体の集合R、複素数全体の集合Cは、通常の和と積について体になる。一方、整数全体の集合Zは体にはならない。
  • 素数pについて、整数をpで割ったあまりの集合Z/pZ := {0, 1, ..., p-1}は、自然な和と積によって体になる。

代数拡大

K, Lを体とする。K⊂Lとなるとき、LをKの拡大体という。L/Kが拡大であるともいう。もちろん、これはLの部分群Kによる剰余群のことではない。

C/Rや、C/Qは体の拡大の例である。K(X)/K(X^2)なども体の拡大の例である

L/Kを体の拡大とする。任意のa∈Lに対して、K係数の多項式f(X)存在して、f(a)=0となるとき、LをKの代数拡大体、またはL/Kは代数拡大であるという。

そのような多項式存在しない元が存在するとき、LはKの超越拡大体、またはL/Kは超越拡大であるという。

代数拡大の例

C/Rは代数拡大である

なぜならば、任意のz∈Cはz = x + yi (x, y∈R)と表わせ、z* = x - yiとおくと、zは二次方程式

X^2 -(z + z*)X + zz* = 0

の解だから

Kを体とする。K上の任意多項式F(X)に対して、Fの根を全て含む体Lが存在する。言い換えれば、FはLで

F(X) = a(X - a1)...(X - an)

と一次の積に分解する。このようなLのうち最小のもの存在し、Fの(最小)分解体という。Fの分解体はKの代数拡大体である

最後の一文を証明する。

LをFの分解体とする。Lの部分環Vを

K[X1, ..., Xn]→L (f(X1, ..., Xn)→f(a1, ..., an))

の像とすると、VはK上のベクトル空間である。各aiはn次多項式の根であるからaiのn次以上の式はn-1次以下の式に等しくなる。従って、VはK上高々n^2次元の有限次元ベクトル空間である

Vは整域であるから、0でない元による掛け算は、VからVへの単射線形写像である。したがって、線形写像の階数と核の次元に関する定理から、この写像全射である。よって、Vの0でない任意の元には逆元が存在する。つまり、Vは体である

Lは、Kと各aiを含む最小の体であり、V⊂Lなので、L=Vである

さて、Lの元でK上のいかなる多項式の根にならないもの存在したとし、それをαとおくと、無限個の元1, α, α^2, ...は、K上一次独立となる。これはVが有限次元であることに矛盾する。□

上の証明から特に、KにFの1つの根αを添加した体K(α)は、Kの代数拡大体である。このような拡大を単拡大という。


拡大次数と自己同型群

L/Kを代数拡大とする。LはK上のベクトル空間となる。その次元をL/Kの拡大次数といい、[L : K]で表す。[L : K]が有限のとき、L/Kは有限拡大といい、無限大のとき無限代数拡大という(上の証明でみたとおり、超越拡大は必ず無限次拡大である)。

M/K、L/Mがともに有限拡大ならば、L/Kも有限拡大であり、[L : K] = [L : M] [M : K]。

α∈Lとする。K上の多項式fでf(α)=0をみたすもののうち、次数が最小のものが定数倍を除いて存在し、それをαの最小多項式という。

[K(α) : K]は、αの最小多項式の次数に等しい。なぜならば、その次数をnとするとαのn次以上の式はすべてn-1次以下の式になるため、[K(α) : K]≦n。1, α, ..., α^(n-1)が一次従属だとすると、n-1次以下の多項式でαを根に持つもの存在することになるので、[K(α) : K]≧n。よって、[K(α) : K]=n。

Lの自己同型σでKの元を固定するもの、つまり任意のa∈Kに対してσ(a)=aとなるもの全体のなす群をAut(L/K)と書く。

任意の有限拡大L/Kに対して、#Aut(L/K) ≦ [L : K]。


Galois拡大

L/Kを有限拡大とする。#Aut(L/K) = [L : K]が成り立つとき、L/KをGalois拡大という。L/KがGalois拡大のとき、Aut(L/K)をGal(L/K)と書き、L/KのGalois群という。

Galois拡大の例

L/Kを有限拡大、[L : K] = 2とする。#Aut(L/K) ≦ [L : K] = 2なので、Aut(L/K)に恒等写像以外の元が存在することを示せばよい。

[L : K] = 2なので、α∈L\Kが存在して、1, α, α^2は一次従属。したがって、α^2 - aα + b = 0となるa, b∈Kが存在する。解と係数の関係から、α, a - α∈Lは、2次方程式X^2 - aX + b = 0の異なる2解。

α∉Kより、K⊕KαはK上2次元ベクトル空間で、K⊕Kα⊂LなのでL=K⊕Kα。

σ: L→Lをσ(1)=1, σ(α)=a-αとなるK線形写像とすれば、σは全単射であり、Kの元を固定する体の準同型でもあるので、σ∈Aut(L/K)。□

C/RはGalois拡大。

Gal(C/R)={id, σ: z→z*}

平方因子のない有理数αに対して、Q(√α)/QはGalois拡大。

Gal(Q(√α)/Q) = {id, σ: 1→1, √α→-√α}。


正規拡大

L/Kを有限拡大とする。任意のα∈Lに対して、αのK上の最小多項式が、Lで1次式の積に分解するとき、L/Kを正規拡大という。

L=K(α)とすると、L/Kが正規拡大であるのは、αの最小多項式がLで一次の積に分解するときである

K(α)/Kが正規拡大で、さらにαの最小多項式重根を持たなければ、αを他の根に写す写像がAut(K(α)/K)の元になるから、Aut(K(α)/K) = αの最小多項式の次数 = [K(α) : K]となり、K(α)/KはGalois拡大になる。

nを自然数として、ζ_n = exp(2πi/n)とする。ζ_nの最小多項式は、Π[0 < m < n, gcd(m, n)=1](X - (ζ_n)^m)であり、Q(ζ_n)/QはGalois拡大である


分離拡大

L/Kを有限拡大とする。任意のα∈Lの最小多項式重根を持たないとき、L/Kは分離拡大という。

体Kに対して、1を1に写すことで一意的に定まる環準同型f: Z→Kがある。fの像は整域だから、fの核はZの素イデアルである。fの核が(0)のとき、Kの標数は0であるといい、fの核が(p)であるとき、fの標数はpであるという。


Q, R, Cの標数は0である。Z/pZの標数はpである

標数0の体および有限体の代数拡大はすべて分離拡大である

F_2 = Z/2Zとする。F_2係数の有理関数体F_2(X)/F_2(X^2)は分離拡大ではない。

実際、XのF_2(X^2)上の最小多項式は、T^2 - X^2 = (T - X)(T + X) = (T - X)^2となり、重根を持つ。

Galois拡大であることの言い換え

有限拡大L/KがGalois拡大であるためには、L/Kが分離拡大かつ正規拡大となることが必要十分である


Galois拡大の性質

L/KをGalois拡大、Gal(L/K)をGalois群とする。

K⊂M⊂Lとなる体Mを、L/Kの中間体という。

部分群H⊂Gal(L/K)に対して、L^H := {a∈L| 任意のσ∈Hに対してσ(a)=a}は、L/Kの中間体になる。

逆に、中間体K⊂M⊂Lに対して、Aut(L/M)はGal(L/K)の部分群になる。

次のGalois理論の基本定理は、L/Kの中間体がGalois群で決定されることを述べている。

L/KをGalois拡大とする。L/Kの中間体と、Gal(L/K)の部分群の間には、以下で与えられる1対1対応がある。

  • 部分群H⊂Gal(L/K)に対して、K⊂L^H⊂L
  • 中間体Mに対して、Aut(L/M)⊂Gal(L/K)

さらに、以下の性質を満たす。

  • H'⊂H⊂Gal(L/K)ならば、K⊂L^H⊂L^H'⊂L
  • K⊂M⊂M'⊂Lならば、Aut(L/M')⊂Aut(L/M)⊂Gal(L/K)
  • 中間体K⊂M⊂Lに対して、#Aut(L/M)=[L : M]。つまり、L/MはGalois拡大
  • 部分群H⊂Gal(L/K)に対して、#H = [L : L^H]、#Gal(L/K)/H = [L^H : K]
  • 中間体K⊂M⊂Lに対して、M/Kが正規拡大(L/Kは分離的なのでM/Kも分離的であり、従ってGalois拡大)であることと、Gal(L/M)がGal(L/K)の正規部分群であることが同値であり、Gal(L/K)/Gal(L/M)〜Gal(M/K)。同型はσ∈Gal(L/K)のMへの制限で与えられる。

K=Q, L=Q(√2, √3)とすると、Gal(L/K)はσ√2→-√2とする写像σと、√3→-√3とする写像τで生成される位数4の群Z/2Z×Z/2Zである

この部分群は{id}, {id, σ}, {id, τ}, {id, στ}, {id, σ, τ, στ}の5種類があり、それぞれ中間体L, Q(√2), Q(√3), Q(√6), Kに対応する。

2019-11-28

anond:20191128090747

勝手に同一視してると決めつけるおまえが頭がおかしい。

事例の全単射以外認めないならまだ科学理解するには早すぎたんだろう。

2018-10-29

自然数と正の偶数は同じ数だけ存在する」←この話の正しい説明

この話に関する最も愚かで、最も多い人種説明は、全単射だのヒルベルトホテルだのを持ち出して的外れ解説をした挙げ句、「人間感覚裏切られる数の性質ひとつ」などとのたまうアレである本質をまるで理解せず、明らかな矛盾や自らの違和感を深く追求することもせず、権威を前に思考停止して、自分よりは深くものを考えている人たちが納得できずにいるのを見て優越感に浸る真性のゴミカスである

頭の働く人であれば、無限集合の「大きさ」の定義一般的定義とは違っており、表題のような混乱を招かないため新たに「濃度」という語が定義されている、ということを明言するだろう。この話ではそもそも言葉定義知識と違うのだから齟齬が生じるのは当然だ。この再定義を経ずに表題結論に至るとしたら、間違っているのはそちらの方だと言ってもいい。受験レベル数学的帰納法でも偶数自然数より少ないことは証明できるだろう。これが感覚であるなどと、よくもまあ言い張ったものである

参考までに、次のロジックなら誰もが納得できるだろう。『2つの無限集合において集合の全ての要素が1対1で対応するとき、「2つの集合は大きさ(濃度)が同じである」と言う。無限集合A={1,2,3,...,n,...}と無限集合B={2,4,6,...,2n,...}は各要素が1対1で対応するため大きさ(濃度)が同じである』。これは数学的にも直感的にも何ら欠陥の無いロジックだ。

さて、定義を改めればひとまず納得することはできる。だが逆に言えば、一般定義で見た場合に明らかな誤謬が生じているという事実は残っている。集合の要素が1対1で対応するのであれば同じ大きさである、というのは一般的にも間違いなさそうに見えるからだ。真理を冒している論理の誤りがどこにあるのかを明らかにしてこそ、この問題を十分に考え抜いて理解したのだと言えよう。

違和感がどこにあるかは、おそらく誰もが直感的に分かっている所だろう。すなわち、仮に集合Aを100までに限ると、集合Bは200までの偶数となる。一方では100を上限としながら、もう一方では102~200までを考慮してもいいのだろうか。普通自然数偶数と言われてこのような解釈をすることはまずありえない。この矛盾感が、無限集合という言葉を盾にされても看過しがたいものに思えているのではないだろうか。その直感は何も間違っていない。それこそが核心である。何故なら「正の偶数自然数に含まれなけれなければならない」からだ。要素を1対1で対応させようとすれば集合Bは必ず集合Aに無い要素を含む。そのため自然数に含まれるという本来定義を満たすことができない。集合A={1,2,3,...,n,...}を自然数、集合B={2,4,6,...,2n,...}を正の偶数の集合、とすることは各々では正しくとも、偶数定義自然数が関わる以上は両者の定義上の関係性を改めて保証する必要が生じていたのだ。かくして表題のような誤謬が生じたわけである

2011-02-02

http://anond.hatelabo.jp/20110202223910

あーなるほど。

f(r) = 2πr (r>0)

は、超越数とか代数的数とかの区別を考えなければ、f:R_+→R_+でfは全単射だよね。単なる線形変換だから。あと、x∈R_+は、超越数代数的数のどちらかで、両方に属したり、両方共属さなかったりすることはない。

超越数の集合をA、代数的数の集合をBとすると、AとBはdisjointで、

Im[f]=A∪B=R_+

と書けるわけだ。

B=正の超越数xを用いて2πxの形で書ける代数的数の集合

f^{-1}(B)=2πxが代数的数となる正の超越数xの集合

だと思う。で、fが全単射で、可算濃度≧|B|は分かっているから、可算濃度≧|B|=|f^{-1}(B)|ってことだと思う。

 
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