はてなキーワード: 企業減税とは
新自由主義の特徴は規制緩和、構造改革、税制のフラット化、財政規律、政府の裁量の最小化、費用対効果への還元あたりですな。
「スタグフレーションの原因を政府の肥大化に求めて、政府の関与を小さくする政策が正しい」というもの。
しかし、そもそもがデフレでも緊縮財政を狙い、フラットな税制というのは金持ち企業減税で金を滞らせるから、不景気を永久に続ける。更に近視眼的な費用対効果で基礎応用研究を破壊する。よって今の日本のように失われた30年を作る。
そして、今まさに食料・エネルギー不足のスタグフレーションに落ち込みそうなのに、規制緩和や構造改革がなにか役に立ちそう?必要なのは財政支援で足りない供給を増産をすることだろ?
今まで、安倍自民が勝てた理由は、「民主党に比べれば経済政策がマシ」だった以上の理由はない。
なぜ限界に達するかというと「民主党に比べればマシ」だったのが、民主党レベルの経済政策をやり始めたことに尽きる。
経済政策は3本の矢と繰り返し言っていたが、実際には1本の矢しか撃っていない。
そして、消費増税をしながら企業減税を検討するという悪循環を検討している。
それだけならばまだしも、「非正規と正規の格差是正」をよりにもよって、「非正規の待遇の悪さに世紀を合わせる形で検討する」という流れを生み出してしまった。
単に野党が自爆自滅で、勝てる論点を争点にせずに、自分たちの支持層をきちんと固めることを怠り続けたから、棚ぼた式に勝っていたということが大きい。
LIXIL逃げようとしたら「日本の会社でいないと客が逃げる」ということで、社長自体が追い出される事態になりましたよ。
企業、富裕層は儲かる国に集まるってことだ。まだ、LIXILにとって日本は儲かる国だった。
儲かる国ってのは金の量と金の回転が強い国。
企業と富裕層はほっといたら金を貯めこむ存在なのだけど、翻せば、税金で取るか、税金で誘導して強引に使わせるかで、金の回転を上げないとならない。
消費税増税と同時に法人税減税と、累進所得税減税をしてるからな。
んだから、消費税は、金持ち、企業減税のためのものよ。そして、減税の使途を問われないから、貯めこんでも減税で、案の定貯めこんだ。
経済は金の量×金の回転なので、経済は低落した。経済が低落したゆえに、当初設計した以上に、税収が落ちたというもの。
制度設計している奴が、消費税を上げて、その代わりに法人税減税、累進所得税減税したらごまかせると思ってたのだろう。
致命的に金の回転への意識、経済への認識が足りないので、金の回転が落ち、制度設計以上に法人税、累進所得税が落ちたって話。
アベノミクスで金の量増やしている状態で、消費税増やして、法人税減税をしても大丈夫だ(2014年の消費税増税に合わせても法人税減税をしている!)と思ったが、
致命的に景気を墜落させたというのも直近な。だけど、それをさらにやりたいから今回公約に掲げてまた消費税増税+フリーハンドの法人税減税をしようとしてるんよ。
大体同じだけど、新自由主義はちょっとだけ金利操作などの技法を入れた。また、一部だけケインズの知見を入れてる。
だけど、国民生活に干渉してはならないという前提なので、金持ち減税、企業減税は著しい。
金利操作は0近郊ではほぼ無意味になる流動性のわなという現象があるのだが、もろそれに近い状態になっても企業の設備投資が起きないということになっている。
ケインズにより、国全体の貯蓄(資金余剰)と投資(資金不足)が一致するということが示されている。で、企業が設備投資をしないところかため込み、家計もため込んでる。
そのもとだと政府しか投資、つまり資金調達して事業する主体がいないのに、新自由主義の下政府の財政均衡を叫び、案の定そのたびに景気の墜落を発生させている。(小泉自民党、民主党)
小泉自民党は口がうまかっただけで、やってるのは民主党と同じ。
まあ、金持ちが税金とられるのが嫌だからというのはわからんことはないが、せめてため込ませないようにさせんと、金回り(貨幣の流通速度)は低下し続けるだけ。
というか、まともな経済学史はガン無視して、需要と供給の観点から
その結果、経済的新自由主義と呼ばれるものが世界を席巻したわけ
レーガンとかサッチャーとか、まあ、おっさん世代には懐かしい名前だよね
内容としてはサプライサイド経済学という名前からして供給に重点を置いた考え方だ
・民間投資を阻害したり非効率な経済活動を強いたりする規制の、緩和・撤廃(規制緩和)
・財政投資から民間投資へのシフトを目的にした「小さな政府」化
([wikipedia:サプライサイド経済学])
ようするに、ときどき増田にも出てくる、金持ちを優遇したほうがいんじゃね、というあれ
お金持ちはお金をもうけるのが得意なんだから、より多くお金があればより有意義に投資をして
イノベーションやなんかを起こして経済を活性化するから結局みんなが幸せになると
確かにこれは旧共産国や途上国ではかなり上手くいった。少なくとも最初のうちは
もともと、こういった国では計画経済やなんかのせいで供給がぼろぼろだった
だから、需要はたっぷりあって、供給側の企業を税金面などで優遇して、邪魔な規制を
撤廃してやれば、どんどん供給が増え、増えたものはちゃんと売れて、みんな豊かになった
(実際には、きちんとした資本を整備するというのは、もっと繊細な仕事で、そこらへんは
そして、このころ、いわゆる伝統的な金融政策というものが強固になった
・景気が良くてインフレが加熱してきたら金利を引き上げる⇒企業はお金を借りにくくなり
経済活動を減速させる
・景気が悪くて困ったら金利を引き下げる⇒企業はお金を借りやすくなり、経済活動を活発化する
ちなみに、これも、読んでわかるように供給側(企業)に注目した政策だね
もちろん、この政策を実行した国は格差が拡大したし、途中から不調に陥る国もあった
ただ、格差自体は経済の問題ではないし(トリクルダウンが起きるはずとか)、汚職や教育に
由来する問題が足をひっぱているだけだと思われていた
社会問題として改善の余地があるが、経済政策としては問題ないはずだった
バブル崩壊以降、日本はサプライサイド経済学で頑張ろうとした
でも、景気は回復しなかった
確かに、金融機関は不良債権で困っていた。でも、優良企業には貸さないと業績が上がらない
ところが優良企業は借りてくれなかった
でも、景気は回復しなかった
規制を緩和した。もりもり緩和した
金融ビッグバン、非正規雇用、大店法、酒タバコ医薬品販売、タクシー台数制限撤廃にいたるまで
でも、景気は回復しなかった
それでもサプライサイド経済学のひとは、うまくいかないのは政策が徹底していないからという
ただ、ここまでくれば、もういくらなんでもおかしいだろうと思われだした
サプライサイド経済学が正しければ「セイの法則」が発動するはずだった
もういちどさっきの例を書いてみる
お金持ちはお金をもうけるのが得意なんだから、より多くお金があればより有意義に投資をして
イノベーションやなんかを起こして経済を活性化するから結局みんなが幸せになると
もう、みんな答えを知っている
減税や人件費の圧縮で作り出された資金は、イノベーションへの投資ではなく値下げ競争に使われた
だって、それが市場の出した答えなんだもん。イノベーションへ投資した企業は死んだ
需要のない市場で資本を優遇しても、溜め込まれるか値下げに回る
そりゃ企業も売れる見込みもないのに、投資もしないしお金も借りない
ここに至って、今まで供給の付随物と軽視されていた需要が景気のカギになると認識されたわけだ
さて、どうやら需要が景気の動向に大きな影響を与えるらしいということがわかったけど
そこで登場したのが期待インフレ率
需要が多ければ、商品をほしがる人が多いので、値上がりしてインフレになるだろう
需要が少なければ、売れ行きが悪くて、値下がりしてデフレになるだろう
なにより素晴らしいのは、金利とあわせることにより、以前の経済学に需要を接続することができた
期待インフレ率が高ければ、たとえ金利が高くても、将来的にお金の価値が下がるので返済は楽
期待インフレ率がデフレなら、たとえゼロ金利でも、将来的にお金の価値が上がるので返済は苦しい
さて、じゃあ期待インフレ率を上げるのはどうしたらよいか
確かに、個々人の購買力が需要につながるので、究極的な需要の制約条件ではある
しかし、財産を多くもつ高齢者が金を使うかというとそうではないように
本当に有効な使い道を官僚や政治家が決められるのか。汚職や財政規律の問題がある
まあ、ほかに人口動態のせいとかで、そもそも需要上げるの無理という人もいる
そんなこんなで最終的に期待インフレ率が貨幣に結びついているのを利用することにした
つまりお札を刷って物理的にインフレを起こし、需要を上げやすくお金を借りやすくした
あえて書くまでもないかもしれないけど、第一の矢はリフレ政策だけど
第三の矢は昔ながらのサプライサイドの政策に近く、あまり期待できない
というか、需要を重視する立場からは足を引っ張るだけと思うので止めてほしい部類だ
消費税が需要の足を引っ張るのは長引く「反動減」で、もううんざりするくらい明らか
この3月が消費税の納付期限なので企業業績がどうなるかで場合によってはリストラや
倒産などひどい影響が出るかもしれない(出ないことを祈るが)
消費税が消費への罰税であるのと同じように法人税を企業活動への罰税と思ってる人もいるが
端的にそれは間違い
設備投資や人件費など経費にはかからないのだから、利益が出たのに事業を拡張しない
ことに対する罰税なんだ。働かないことに対する罰税ね
また、一部の人は法人税が節税のための無駄な投資を生むから良くないという
しかし、良くないというのはやはり供給から見た視点で、需要から見れば特に問題はない
というか、推奨すらされる
それに対し法人税の減税は、何もしない溜め込みに有利に働く。これは最悪
ここから伝統的な金融政策に代わる理想的な経済政策が考えられたりする
つまり、期待インフレ率が高いときは法人税を下げて消費税を上げ
まあ、実際には税金をいじるのは大変なので、最低限、消費税を上げるなと
それだけ
サプライサイド経済学はもうやめよう
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2015-3-10追記
皆様たくさんコメントをいただきありがとうございます
財政出動の項で話としてややこしくなるけど出しといたほうがいいか迷った点
id:cider_kondo これを完全反転させた「全部ケインズが悪い流れ」も割と簡単に書けるよなー、と思った。散髪行くから書かないけど(嘘