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2024-01-24

ゴジラ-1.0、おそらくアメリカ人にはハッピーエンドに見えるラスト

 ゴジラ-1.0、アカデミー賞視覚効果賞ノミネートおめでとうございます

 アメリカでの公開当初、最大瞬間風速でジブリが一位、ゴジラが二位をとったんでしたっけ。ロッテトマト評価も高く、米国で公開された非英語映画としても興行収入歴代5位となり、世界興行収入1億ドル超え、圧倒的公開映画館の差にもかかわらず興行成績でディズニーウィッシュに迫りそうな勢いのようです。

 海外の反応を読んでいると、人間ドラマパートがよくできているという意見をよく見かけますトラウマからの克服、家族再生物語……。アメリカ人には伝わってないんだな、そして、伝わらなくてもいい、それぞれ受け取り方が違ってもいい、良い映画なんだなと改めて思います

 海外意識高い系の厄介オタク解説とかしないんでしょうか。ゴジラ70周年にふさわしく、放射能に始まり放射能に終わる、眼に見えぬ脅威が全面に出てたゴジラ映画だと思いました。

 以下は私が受け止めた個人の感想なので、間違ってても笑って流してください。

 生きて、あらがって、終幕のあとたぶん二人はすぐに結婚するでしょう、でももう二人は永くはない。井伏鱒二を知る日本人にはそれがよく見えるが、海外の人には見えてない。最後映像であえて映された典子の首筋の黒い瘢痕、そして黒い雨を浴び、あれほど高濃度放射線の発生源に降下した敷島。熱戦発射時のゴジラなんてチェルノブイリの象の足みたいなものでしょう。たぶん健康で生きていられる時間ふたりともそう残されてはいない。

 たぶんあのあと、二人を亡くしたアキコは澄子さんとともに生きていくことになる。

 保護者がいてよかったと思います。そして圧倒的な災害下における我々日本人の『もちつもたれつ』『困ったときお互い様』のこころを描きたかったのかなとも思います


 ラストで悪しきものの復活を示唆するのは、ジュラシックパークなんかでもよく見たモダンホラーテンプレですが、あれは気づかない人向けラストでしょうか。わからない文化圏教育的素地の人にはあのモダンホラーテンプレラストとして機能するのかな。でも、病室のシーンで永くはないであろうことが“わかって”しまう我々には、その二人の余韻だけでもうなんかこみあげてくるものがあってたまらない。あえて首筋をじっくり映してたあたり、監督意図あきらかにそこにあったのではないかと思います

 全然関係ないけど25才ぐらいのとき新聞社仕事特攻隊員の生き残りの人にインタビューしたことがあります。正確には予科練生。特攻に出る前に終戦になり、広島に帰ったら家も親も何一つ残ってなかったと言っていました。予科練で、次に特攻に行く人はもうだいたい訓練生のなかで決まっていて、誰が行くか!って上官が問うたときに、行かないひとはみな一歩下がる。だから行くと決めた人だけが前に出る(残る)形になる。行くか、と問われて、皆の前で行かないなんて言えるはずもない。だから実際のところ、志願と言いつつ本当の志願ではないのだと。

 ……このあたりはどの本でも読んだことがないからたぶん現場にいた人のなまの声じゃないでしょうか。私は聞いただけで、実際のところの真偽はわかりません。

 それでも本当の志願でなくとも、『米軍本土にきたら男は殺され女は犯され女も子供もみんな死ぬ。どのみちみんな死ぬなら、自分たちが止めるしかない』という決死の思いは共通でみな持っていたのだと言います

 映画パラシュートは、脱出ポットに言及された伏線コックピットを見た橘さん目線からそうくるだろうなと思ったけれども、実際のところあの時代に実戦配備されて、パラシュートで敵陣の海中に降りても無意味だろうなとも思います。引き上げてくれる味方がいなけりゃ100%溺死するだけだろうし。人間魚雷回天とおなじく(靖国神社遊就館で見られます非人道的武器であり思想であるけれども、『自分たちが止めるしかない』というかつての予科練生の想いは、そのまま劇中の『誰かが貧乏くじをひかなきゃならない』という秋津さんや元海軍の皆さんの言葉につながります

 そういえばyoutubeで見られるんですよね。当時の米軍が記録していたと思われる神風映像。私は見るたびに泣いてしまます

https://youtu.be/yN-zEpXwf4s?si=stYhOmHLazLrLV0o

 ちなみに『男は殺され女は犯される』という言葉戦時日本プロバガンダだと思いきや、20世紀末に旧ユーゴスラビアで実際に起こりました。民族浄化っていいます。その後もコソボなどで起こりました。語源は第ニ次世界大戦中だとも言われています

 インタビューをしたあの方は、まだご存命でいらっしゃるでしょうか。もう亡くなられているのかな。連絡先ももうわかりません。

 特攻隊特攻隊員がゴジラと同じくフィクション世界に住人になっていく。

 でも、『自分たちが止めるしかない』『誰かが貧乏くじをひかなきゃならない』と生き方を決意した方々がいらっしゃったからこそ、今の我々が在る。

 大戦後、ビキニ諸島での原爆実験を経て産まれゴジラが、福島第二原発を経て70周年にこういう形で結実する。素晴らしい映画映画館で見られてよかったなと思います世界的な興行成績の成功もおめでとうございます

 特攻隊特攻隊員の想いも、遺っていきますように。

2019-12-12

anond:20191209170111

まり軍隊舞台or兵器が出てくるけど戦わない話」だろ?

すぎむらしんいち『右向け左』

 ヤンキー自衛官のしょうもない日常マンガ

 美少女キャラとか出ないし絵柄もオタ受けしないから挙げる者はおるまい

大友克洋気分はもう戦争

 連作短編形式で、前線で戦ってるキャラもいるが

 地方自衛隊基地の下っ端の1日とか

 義勇兵に志願した中二病の末路とか、直接戦闘しない話も多い

大西巨人神聖喜劇

 軍隊内でえんえん規則議論をしてるだけで話が終わる

アメリカ映画の『愛と青春の旅だち

 士官学校の話だが鬼軍曹に訓練を受けるシーンばかりで実戦場ゼロ

 実質的にただの学園スポ根映画

速水螺旋人の一連の「軍隊役人マンガ

 軍隊だけど戦闘しない事務員みたいなのが話の中心のやつ

岡本喜八肉弾

 大戦末期の下っ端兵士日常が話の大部分

 主人公は話の最後最後で出撃するけど敵と戦闘しないまま終わる

岡本喜八英霊たちの応援歌

 学徒動員された大学野球部員の話

 戦時中だけどえんえん野球ばかりしてる

 主人公らは特攻機に乗るけど戦闘シーンはラストのホンの数分だけ

新東宝映画人間魚雷回天

 これも大戦末期の軍隊日常が話の大部分

 終盤のホンの数分で主人公が出撃するけど特攻失敗でデッドエンド

渥美清主演の『拝啓天皇陛下様』

 戦前軍隊に入ったド貧乏田舎者の話

 「軍隊は三食メシが喰えて嬉しい」とか言ってるだけで戦闘シーンはほとんどないな

渥美清主演の『続・拝啓天皇陛下様』

 続とついてるけど主人公は別人で、軍用犬飼育係の話

 やっぱり戦闘シーンはほとんどなくて、しか戦後復員してからの話が大部分

――こういう「戦わない軍隊兵隊もの」って結構あると思うんだがな。タイトル忘れたけど、昭和の後期にも航空自衛隊整備士マンガとかあったよな。通信兵とか衛生兵とか伝令とか戦わない部署って結構あるし

 
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