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はてなキーワード: 中古車とは

2015-06-24

http://anond.hatelabo.jp/20150624082304

ペットを外飼い、餌は飼い主の残り物だけ

田舎じゃ普通

・車は軽の中古車任意保険は未加入

田舎じゃ普通

・一軒家は築40年以上の耐震基準に満たない中古物件

田舎じゃ普通

恋人とは家デート限定セックスするのみ

田舎じゃ普通

結婚仕事家事分業、収入足りない分は妻のパート

田舎じゃ普通

子供教育費に金かけず成長に任せるまま

田舎じゃ普通

http://anond.hatelabo.jp/20150617134335

そのくせこのご時世

ペットを外飼い、餌は飼い主の残り物だけ

・車は軽の中古車任意保険は未加入

・一軒家は築40年以上の耐震基準に満たない中古物件

恋人とは家デート限定セックスするのみ

結婚仕事家事分業、収入足りない分は妻のパート

子供教育費に金かけず成長に任せるまま

こんなリアルを公開したら「無責任」「自業自得」「社会性ない」「日本人失格」「ネタ乙」とか言われる始末

2015-06-21

マツダ

車歴は、25歳ごろに通勤用で買った中古プリメーラ日産)、しばらくして新車セリカトヨタ)、RAV4トヨタ)、その後に走りに目覚めてレガシィターボなし、スバル)、同じくレガシィターボ)と来ている。セリカを買おうとして、クルマを見て回ってたころ、マツダにも見に行った。ユーノス・ロードスターとかクーペ風のセダンとかでマツダは盛り上がってた。でもマツダって、まともな応対をしなかったんだよ。なんだか接客らしい接客をしてくれなくて寂しい思いをした。その後レガシィに乗るようになったくらいだからマツダのような走りを意識した感じは気になってた。いま、セリカとき以来だけど、マツダを見に行くようになったけど、やっぱりあのとき以来、一向に変わんないんだよね、マツダって。というかマツダの営業のイメージ。店の感じ。新規客に熱心じゃない。

いまのマツダって、大規模なイメージ作戦をしてて、メディアネット情報も相当コントロールされてる。ディーラー改革もすごくて店が新品で、赤い新車が並んでいる。でも、肝心の営業の人がそのままなんだよね。だるい感じで、ひなびた売れない中古車店みたいな感じ。これが、ある地域限定ならわかるけど、セリカを買ったとき神奈川県ディーラー、そして東北の2県のディーラー、同じなんだよね。たまに真面目でこちらを取り込もうとする営業マンはいるけど、店のスタッフごとで新規客を取り込もうという感じは見受けられない。BMWアウディVW外車ディーラーのほうがよっぽど無名新規客に対してやさしい。300~500万円の買い物だもね。いいなと思ってから買うまでに何年もかかるんだから、それがわかってるんだよ。もちろんスバルもそれがわかっている。

マツダ広告イメージはよくなったけど、肝心の店はダメだな。営業マンを大規模に入れ替えたほうがいいな。

スバル最初に取り込まれとき店長さんが出てきて、ほんとに熱心に口説かれたもの。1台目のレガシィを買うまで2年くらいかかったけど、粘り強く付き合ってくれたし。クルマの性能の何たるかということを深く教えてくれたよ。マツダにはそういうところがないんだよな。クルマのものは良く出来てると思うよ。いまのオレは、モノを見ただけで相当判断できるようになってるから。でも、自分RAV4からレガシィになったときのような気持ちの動きは湧いてこないね。ぜったいマツダに来るべきだ、来れば必ず違った世界提供できるっていう意気込みが営業マンにないもの。変わったクルマしか作らないじゃんマツダって。カタログだけで買うような大衆車は作ってないじゃん。

マツダは30年くらい前だったか、自社のクルマがなぜ売れないのかを大々的に調査して、その結果、マツダという社名と隠してユーノスと名乗ることにしたという過去がある。たぶん、電通とか博報堂とかの大手メディア戦略会社に頼んだんだと思うよ。それで順調に固定客をつかんだのかというとそうではなく、現場の営業マンがダメで、けっきょく値引き合戦ばかりでダメだったそうだ。それで今、企業イメージを上げようとして、大々的にメディア戦術を繰り広げている。新開発のディーゼルエンジンはとてもいいと思うよ。ガソリンエンジンは他社に追いつかれて大したことないけど。

スバルディーラーは、この5年くらいでガラッと変わったんだよ。ディーラー拠点の集約化と、スバルなんか知らない新規客の獲得をやった。当たり前なんだけど、接客応対がいいのね。トヨタディーラーと変わんないくらい均等接客するんだよ。前はそうじゃなかったけど。衝突ブレーキのアイサイトを売りだしてから拍車がかかってるね。ここ数年でいちばん売れている国産ガソリンセダンインプレッサもの。1位だよ。月に3000~4000台も売ってた。今までのスバルからすれば信じられん。スバルだって自社製コンパクトカーはないし、軽自動車もやめちゃってOEMなっちゃったし、一生付き合えるメーカーではなくなったんだよ。スバル製のクルマで、年取って最後軽自動車にしようかと思ってもダイハツなんだから。そういうのとスバルマツダは似た環境にある。

まり日本市場を重視できないのはわかる。でも、あのマツダの派手なディーラーを見ると、日本市場でやる気満々という感じに見えるが、なにせどの車種も価格設定が高いし、わざわざ買うならスバルみたいに熱心に口説かれないと買う気にならないだろうし、でもマツダ経営幹部広報とかによると、買う気のある人だけが買ってくれればいいというような感じで書いてあるし、またバブル期の失敗をするのかなあと感じるところもある。マツダディーゼル車が、そのままトヨタディーラーで売っていれば、たちまち買ってしまうだろうという自分いるからなおいらだつ。

2015-05-18

車買ったら

初めての車購入を買った。

結構な数の会社を見て回ったが、ある中古車大手フランチャイズ店で買うことにした。

というのも、表示価格から10万円の値引きに応じた。

結構簡単に値引きしたので、調子に乗ってさらに交渉した。

オイル交換ってここでサービスで出来ない?

って聞いたら、

2年間無料します。

っていうんで、

車検っていくら?

って聞いたら、買ってくれたら次回は無料します。

っていうんで、

ナビ付いてないけど付けられない?

ッて聞いたら、

外付けで良ければ、今さっき外したやつがあります

っていうんで、

スタッドレスない?

って聞いたら、

中古でもよければ4本あります

っていうんで、

ついでにノーマルタイヤの予備ない?

ッて聞いたら、

中古でもよければあります

っていうんで、買った。

昨日オイル交換頼もうと思って電話したら閉店していた。

2015-03-08

gumiという錬金術に群がった人々と、日本スタートアップ業界の暗部【1】

上場からわずか3ヶ月足らずでの業績下方修正

3月5日、昨年12月18日上場したスマートフォンゲーム開発のgumi【3903】が業績予想下方修正を発表した。新興企業としては珍しい、東証一部への直接上場からわずか3ヶ月足らずのことだ。翌日は260万株もの大量の売りが殺到し、終日値段が付かずに2081円のストップ安比例配分となった。公開価格=初値の3300円からの下落幅は1219円。発行済株式総数が2866万株なので、この日までに349億円もの時価総額が失われたことになる。果たしてこの巨額のマネーはどこへ消えたのだろうか。

上場ゴールの定義

その行方を解説する前に、本件に関連して盛り上がっている、ある人物の勘違いを正しておこう。

上場ゴールと騒ぐ奴は馬鹿

http://thestartup.jp/?p=14117

今回のgumiのようなIPO銘柄のことを、我々個人投資家は「上場ゴール」と呼んで揶揄する。本来企業にとってはスタートであるべき上場時の業績が天井となり、まるで上場して市場で株を売却することを最終目標として頑張ってきたかのような業績推移をしてしま銘柄があまりにも多いことから、このような習慣が出来た。

その意味では、梅木氏も

VCの観点で「上場ゴール」と揶揄されるのは、明らかに上場後に成長が期待できなさそうな銘柄をVCのリターンのため(ファンド満期なども踏まえて)に上場させたのではないか?というケースといえよう。

と書いており、実は上場ゴールの意味を正しく理解している。

ただ、それはあくまでもVCの立場からの話であるらしく、彼の考える一般的定義では

上場ゴール」という現象は、上場後に株価が急騰し、上場高値上場時初値を越えることがないことを揶揄することである

となっているようなのだが、これは彼の勘違いだ。我々個人投資家も、上場ゴールに対する認識は等しい。上場した後の株価市場が勝手に決めていることで、会社経営者の与り知らぬところであり、会社自助努力によってコントロールが出来るのは業績だけだからだ。

それでは、なぜ上場ゴールはいけないのかという話になるが、IPOやPO(公募増資)を行う際には企業エクイティストーリーと言って、調達した資金活用したその後の成長シナリオ投資家提示している。各投資家にとって大事な資金を入れてもらう以上、これだけのリターンを出してお返しします、だから投資して下さいと言う筋書きが必要で、それがエクイティストーリーなのだ

特に新興企業場合、その後の高い成長性を謳うことで、いわゆるPERやPBRと言った株価指標で見て、安定した企業よりも高い評価をつけてもらっているので、上場後のエクイティストーリーの達成度合いはシビアに見られることになる。

上場前後に散々ビッグマウスを繰り返してきた國光氏

そうした観点から言うと、今回のgumiのIPOに際して付けられた公開価格945億円という時価総額は非常に高い期待値が盛り込まれている価格設定だったと言える。同じ時価総額900億円台の企業を見てみると、IT系では電子決済のGMOペイメントゲートウェイや、Twitterカカクコムなどに投資していたデジタルガレージがおり、他業種ではメガネJINSドトール洋麺屋五右衛門ドトールレスホールディングス化粧品マンダムペンタブレットワコム中古車ガリバーインターナショナルなど、一般に知名度の高い中堅企業の顔ぶれが揃う。

そんな場所に乗り込んでいって、國光氏は以下のような発言を繰り返してきた。

gumiで時価総額8兆円は見えた! そしてその次の8兆円ビジネスの準備も整ってきた!期待してくださいw

https://twitter.com/hkunimitsu/status/414653196758679552/

本日、東証一部に上場しました。情報革命時代代表する世界一エンタテイメント企業になるべく、これからも挑戦し続けます20世紀ディズニー21世紀gumi!w 頑張ります^^

https://twitter.com/hkunimitsu/status/545418932677394432/

クソみたいに小さいIPOはすべきではない?gumiが50億円を調達した理由

http://jp.techcrunch.com/2014/07/14/jp140714gumi/

新規上場のgumi、「目標エンタメ世界一

http://toyokeizai.net/articles/-/56965

他にも挙げればキリがないし、それぞれのどこがどうだったのかを言っていると日が暮れてしまうので割愛するが、要するに國光氏はこういうタイプの人だと言うことだ。

まり業績予想の達成は当然のこと、上方修正を繰り返して倍々ゲームの成長が求められるほどの時価総額をつけてIPOしてきた上、社長が大きな口を叩きまくっていたのに、このような下馬評通りの結果となったことが本件の問題を大きくしている要因の一つなのである

例えば風俗店に行って、激安店でモンスターみたいな嬢が出てきたとしても、そういうところに行った自分が悪いよなとある程度納得することができるが、最高級のサービスを売り物にした高級店で普段の何倍もの料金を奮発して払ったのに、出てきたのがそこら辺を歩いているようなギャルサービス精神の欠片も無いとなれば、ふざけるな!金返せ!となるわけで、「話が違う」の度合いの大きさがいかに重大であるかはおわかりいただけるだろう。

また、國光氏は1年前に自身フェイスブックで以下のように発言している。

日本のIPOマーケットは異常。不健全すぎる。企業もVCも証券会社もIPOすることだけが目的になってしまっている。IPO後2年間は少なくとも売上くらいは右肩成長ができる確信が持てるビジネスモデル熟成組織力が出来てからでないとIPOすべきでない。

ギャンブルに明け暮れるデイトレイダーを増やす政策も大反対。短期売買で個人投資家が勝てるわけがない。基本は投資信託に任せるか、長期保有しかない。こういう状態を焼畑農業という。絶対に長続きしない。日本の成長の為には健全資本市場形成必須

https://www.facebook.com/hkunimitsu/posts/10152163701193283

とても長期保有するに耐えない、過去最大級焼畑農業をやって健全資本市場形成を阻害した國光氏に対するペナルティとしては役員報酬100%削減だけでは足りないのではないか。仮に資金の出処がグリーからの4000万円の借り入れだったとしても、売出で得た数億円の返還を要求されても仕方ないぐらいの特大ブーメランだと言える。

國光社長は2014.12.25に大量保有報告書提出してます

これによるとNEXT BIG THING出資分はグリーから借り入れてます

2010.09.03 NEXT BIG THING増資引受 50万円×80株=4000万円

http://ameblo.jp/nn2006jp/entry-11998440890.html

同じように華麗な上場ゴールを果たした最近のIPOだと、ANAPと夢展望アパレル2銘柄代表格になるが、いずれも上場の規模が小さく、公開価格に対して投資家が高すぎる初値をつけてしまったことが問題であり、この場合はバカな高値で買った投資家の方が笑いの対象となることが多い。それに対してgumiの場合は、公開価格を上回ったのが上場初日だけと言うのが全てを説明している。

・ゴールでは生ぬるい、上場詐欺とも言うべきgumiによって大儲けした人々

から我々個人投資家は、こうした背景を勘案して、この「gumi」というIPOにおいて、上場後3ヶ月で下方修正を出すと言うのは言語道断であり、金融危機や大震災が起きるなどの事故でもない限り、いかなる論理を持ってしてもgumiや代表の國光氏を擁護することはできないと糾弾しているのである

もう一つ、本件で私が許せないのは、上場後に買った全ての投資家が大きな損失を出しているこの銘柄で、莫大な利益を挙げた少数の人々が存在することである

先述した通り、gumiは2014年12月18日にIPOし、その公開価格は3300円だった。ところが、上場に際して提出される目論見書を見てみると、IPOの3ヶ月前の9月24日LINEが1362円で、半年前の6月と7月にはVCのWiL、ジャフコ、B Dashベンチャーズ新生企業投資三菱UFJキャピタル、DBJキャピタルらに加え、グリーセガネットワークス、gunosyの前代表であった木村新司氏が1214円で増資に応じており、その総額は83.2億円にものぼる。余談ではあるが、木村氏はこの時点で住所がシンガポールになっている。

私は単なる個人投資家なので上場に関わる実務のことは全くわからないが、普通上場準備や上場審査にはそれなりの期間が必要だと思われるため、半年前のタイミングはまだしも、LINEが増資に応じた3ヶ月前の時点ではほぼIPOすることが見えていたのではないかと言う疑念が残る。一般的ベンチャー投資リスクが高く、投資回収も長くなると言われているが、仮にIPOという出口がほとんど確実に見えていたとしたら、これほど美味しい投資はない。勝つことを事前に知らされている馬の馬券を買うようなものからだ。

それに加えて、IPO前とIPO時では3倍近くの価格差がついていた。時価総額が10億円の超小型株ならいざしらず、わずか数ヶ月という短期間の間に企業価値が340億円から945億円に急増する合理的理由がこの世に存在するのだろうか。既存株主上場に際して1036万株、総額342億円の売出を行っている。この大規模な「利食い売り」は、主幹事の野村證券によって全国の個人投資家に売り捌かれ、既存株主は莫大な利益を手に入れた。

・業績後退の兆候があったにも関わらず、高値での公開を強行した野村證券責任

梅木氏の言うように「VCにとっては上場は一つの大きなゴールであることは明白」と言うのは一面では正しく、再生案件ではない成長企業のIPOでこれだけ大規模な売出が行われるのは異例ではあっても異常とは言い切れない。

だが今回、業績後退の兆候上場から既にあったことが決算資料によって明らかになっている。gumiの上場承認が降りたのは昨年11月14日だが、gumiは4月決算なので、この時点で既に上半期(10月末)が終わっている。先日出された決算資料のグラフhttp://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material_for_fiscal_ym&sid=14373&code=3903)を見れば一目瞭然だが、第一四半期(7月末)までは急激に売上高が伸びていたが、続く第二四半期(10月末)ではなんと売上高が減少に転じているのだ。

公開価格上場承認を受けた後に決定されるので、その時期にあたる11月の後半には、会社主幹証券も第二四半期の数字を当然把握していたはずだ。従って、第一四半期までの飛ぶ鳥を落とすような売上高の伸びが更に続くことを前提とした業績予想、及び公開価格をつけることは出来なかったはずである

更に言えば、今回下方修正をすることになった第三四半期は11月から1月なので、上場した12月18日にはその半分が経過しており、日々どころか1時間毎の売上の変動にも気を配らなければならないスマートフォンゲーム運営会社であるならば、計画値の達成が困難であることは覚悟できていたに違いない。そうしたことを踏まえて上場前後の國光氏の発言を見ると、また違った見え方が出てくる。

こうした事実無視して、時価総額ありきで直前の増資価格から3倍近くに引き上げての高値でのIPOを強行した野村證券行為問題視されて然るべきであるし、数百億円もの大金を一般投資家から合法的搾取した金融大量殺人をやったのだから担当者は当然クビにした上で、新規引受一定期間停止などの厳しい措置が取られるぐらいのことはして欲しいと個人的には思っている。逆に、公開時の価格妥当であったとするならば、gumiはお世話になった方々を儲けさせるための「お友達ファイナンス」をやったと批判されても仕方ないのではないか。

アプリという悪魔錬金術を見つけてしまったベンチャーキャピタル業界

このような極悪非道によって、大量の個人投資家の屍の上に黄金の宮殿を築いたVCの人々は、今どのような気持ちでいるのだろうか。あるいは我々個人投資家のことを、賢く儲けている自分たちの側に来れない資本市場の敗北者だと見做しているのかもしれない。ただ確実に言えることは、私達は決して梅木氏が考えているような無能な個人投資家ばかりではない。このようなことが行われた事実をきちんと理解しているし、記憶してもいる。真に日本ベンチャー業界を盛り上げたいと考えているなら、このような行為が長期的にどういう結果をもたらすかについて、もう少し想像力を働かせて欲しい。

それはさておき、私が今危惧しているのは、ベンチャーキャピタル業界の人々が新たに見つけてしまたかもしれない巨大な金鉱脈の存在である。それがアプリ市場だ。

gumiは上場前にも数度の巨額な資金調達をして度々話題さらっていたが、その資金が何に使われたかと言えば、主に「テレビCM」である。それまで「テレビなんてオワコンだ、これからネットだ」と言い続けてきたベンチャーの人々がテレビCMの価値を再認識したのは、恐らくガンホーパズドラの記録的なヒットによるところが大きい。ガンホーは多額のテレビCM予算を、しかし効果的に投入することによってゲームアプリ市場を全国津々浦々に広げることに成功。その結果、パズドラは老若男女が遊ぶ国民ゲーム地位を築き上げた。

またアプリ市場のもう一つの特性として、公式ストアでのランキングが非常に重要であることが挙げられる。毎日無数にリリースされるアプリの一つ一つを見ていくことな不可能なので、多くの人はランキングを頼りに新たなアプリを探している。そのため、一度ランキングの上位に来るとしばらくはランキング効果によってダウンロードされて更にランキングが上がるという好循環が生まれやすい。

から一時的には大きな出費でも、ある時期にまとまった広告費を投下してランキング上位を手に入れてしまえばその後が戦いやすくなる、と言うロジック経営戦略有効になり、今となってはそれをしなければそもそもアプリの存在を認知してもらえず勝負にならないというところまで来ている。

ただ、いかに広告費を使ってダウンロード数を稼いでも、そのアプリのものに魅力がなければいずれはユーザーが離れて行く。なので、大事なのは瞬間的なダウンロードの勢いや累計のユーザー数ではなく、どれだけ多くのユーザーが定着したかという指標になるはずだが、それが明らかになるまでには若干のタイムラグが有る。

腐ってもテレビなわけで、テレビCMを打ち続けている間はユーザー結構な勢いで伸びていくため、広告費さえ出せれば一時的には会社が急成長しているイメージを作り出すことができる。もちろん、その器となるアプリを最低限作り出す開発力は問われるし、ゲームアプリであればきちんと課金させる運営力も必要になるが、集めたユーザーを長期に渡って定着させ、かつそうしたヒットタイトル複数生み出していくことに比べれば遥かに容易い達成目標ではあるだろう。

穿った見方かもしれないが、今回のgumiの上場ゴールが、会社投資家主幹事が結託してこのタイムラグ悪用することで生み出されたものなのではないか、という疑念はどうしても残る。それを拭い去るには、この後の圧倒的な再成長という結果によって上書きしていくしか術はないだろう。

続き gumiという錬金術に群がった人々と、日本スタートアップ業界の暗部【2】http://anond.hatelabo.jp/20150308224002

2015-02-25

春は悲しい 追記

一昨日の大雨に降られ、仕事場でカッパを借りて自転車で帰った。

帰宅途中にバイト面接に寄らなきゃいけなかったから、iPhone地図アプリを頼りに目的地へ急いだ。

突然画面が黄色地のバーコード柄になった。

浸水だと気付いたときにはもう見知らぬ道にいた。

バイト面接には30分も遅れ、ひたすら謝り倒した。

もう駄目だと思った。

帰ろうと自転車に乗ると後輪にどうも固い感触がある。

パンクしていた。

面接場所から家までは通常自転車で30分ほどだったが、40分かかった。

帰宅後、スーパーまで20分歩き除湿剤を買った。

自棄で併設のパン屋でいくつかパンを買い、荒々しく食べながら帰路を歩いた。



翌日、自転車を押してまた別のバイト面接に向かった。

実はこの日、2/11ぶりの2月中2日目かつ最後の一日オフだった。

他の日はずっと何かしらのバイトをしていた。

オフのままだったら、あるところに電話をして、面接に行って、帰ったらゲーム三昧の予定だった。

それも叶わなくなり、少し早く家を出て、先に自転車屋に寄った。


「あー、これはタイヤごと変えないとだめですね。」


3900円かかった。

そして面接を挟んで今度は家で調べておいたiPhone修理屋に向かった。

店主はいなかった。

店を出て、行けそうなところでピックアップしていた他の修理屋に公衆電話から電話した。

電車を乗り継いで20分ほどの距離のところならこれからでも修理してくれるらしい。

一応、携帯キャリアショップにも寄って、正規修理でいくらかかるかも確認しておいた。

7700円だそうだ。

非正規修理屋に一度預けたが、その周辺で暇つぶしできそうな場所はなかった。

そこから20分歩いて隣の駅のショッピングモール内のヴィレバンで暇をつぶし、タイミングを見て預けた店に修理料金を聞く電話をかけた。

「13800円ね。データは無事だよ。」

データがなくなって7700円、データありで13800円。

バックアップがなかったので13800円を払うと決め、銀行に行った。

今月の携帯代10000円と電気代10000円を引き出した。

残高は数百円になった。




来月に引っ越す予定がある。

家賃は安いが遠い場所だ。

もちろん縁もゆかりもない。

現在フリーター自分の、就職に伴う引っ越しだった。

もう面倒臭い

バイトをこれだけ増やそうとしてるのも、引っ越し費用のためだった。

でも、もう元手も何もない。

いまの職場はすごく楽しい。ずっとここにいたい。

母にそう言ったら「安定しないからダメ。一度正社員になってビジネスマナーを身につけろ」と言われた。

ビジネスマナーなんて書籍ネットでいくらでも知ることができるじゃないか。

安定なんて正社員でも怪しい世の中じゃないか。

フリーターになって一年、なんとかかんとかやってきた。

家計は火の車だったが、週に3日しか働いていなかった。

週に5日も働けば十分やっていけるんじゃないか。

正社員の魅力がわからない。



引っ越しに伴ってなかなか会えなくなるだろう友達とも遊ぶ約束をした。

「何かしたい事や行きたい場所があったら教えて!」

メールの返事はどいつもこいつも「ぐだぐだしゃべれればいいかな~。」だった。

自分は「スケートがしたい。」と言った。

「怪我がこわいから。」「自分にはできない。」と全員に頭から断られた。

自分だって小学生以来だ。

どうしてこうもチャレンジ精神のない連中だろう。

誰も代替案も出してはくれなかった。

どうしてこうも協力する姿勢のない連中だろう。

こんな人たちと会わなきゃいけないのか。


引っ越しをする気力も湧かないし、先に就職した友達には「未来は明るいよ!」と言われたがそんなことはない。

まず引っ越せない。

仕事にやる気を出せない。

誰にも会いたくない。

そして修理したiPhoneには昨日からずっと今まで来なかった迷惑メールがひっきりなしだ。

ただただ、悲しい。


追記。

就職先は動物園職業飼育員になる。

ギリギリまで会社から連絡がなかったので引っ越し時期の確認といって電話した際の話では、

入社式後~3日目までは全体研修、4日目以降は配属先での研修と言われた。

まり一般的ビジネスマナーなんてのはその3日の間にやるんじゃないだろうか。

しか内定書に「ビジネス実務法務検定ビジネス会計検定各3級程度の自習をしておくこと」と記載されており、

会社側に社会人としての教育をしてやろうという意思はないといえるのではないか。

そう推察される中、一般的ビジネスマナーを身につけるためにも正社員になれ、とはどういうことなのか。

理解に苦しんでいる。


面接場所地図印刷していなかったが、住所は記憶していた。

iPhoneが使えなくなったと分かった瞬間から、見つけたコンビニ全てで地図を見せてもらい話を聞いた。

関東南側のくせに田舎なもんで、携帯が役に立たなくなって一番最初に見えたのは大きな中古車販売業者だった。

コンビニはしばらく走っていかないと見つからなかった。

いかんせん仕事から面接場所までの距離が20km弱あったんだ。

終業17時、面接時間19時で、2時間あれば多少道に迷っても自転車で間に合うと朝判断していた。

今回の状況でできることはやったと思う。

遅れたことは本当に申し訳なかったし、自己責任しかいいようがないけれども。

励ましの言葉をかけてくれた方、ありがとう

でももう絶望の真っただ中だ。

このまま死にたい

2014-10-18

車買ったら残金2000円になった

先々週中古車契約してきた。

から働き始めて、毎月10貯金してきた。

学生時代に使わなかった金と合わせて、車を買った。

そんで今週はじめに金を振り込んだら口座の残金が2000円になった。

正確な貯金額を把握していなかったのが原因。

もう少しで赤字になるところだった。

普段からクレジット生活しているので貯金がいくらか意識することなかった。

給料日まで現金ないのはちょっと不安

Bluetooth音楽流すために音楽プレーヤー買い直そうかなーとか、小さな楽しみがいっぱい。

2014-10-15

http://anond.hatelabo.jp/20141015083945

中古車こそ値引き前提だろ。何言ってんだ。

ディーラー系だろうと値引きして来るよ普通に

2014-07-15

http://anond.hatelabo.jp/20140715111727

はっきり言って、中古車屋のスタッフは本格的なDQNが多いのでこういうやりとりもあり得る。

ちゃんとしたものを買いたかったら、少々高くてもディーラー系をおすすめする。

中古車の営業

中古車を探しに行ったらひどかった。

いきなりオススメを店の前に持ってきた。

「これいいでしょう、お買い得ですよ。」

「いや、これ嫌いだから。」

「いやでも、安ければいいでしょう。」

「安くても乗らないよ。」

「でも、ものすごく安かったらいいでしょう。」

「10円なら乗ってもいいよ。。」

「10円はないですね。相場ってものがあるんで。」

「じゃあいらないよ、バイバイ

「いやいや、乗りたい値段言うまで返せないですよ。」

「だから10円だって。」

「10円って言うのはないんですよ。赤字ですよ。」

しらねーよ。そっちが乗りたいと思う値段聞いたんだろ。10円だよ。」

「でも、10円なんて車ないんですよ。」

「じゃあいらねーよ。」

「いくらならいいですか?」

「おまけして30円ならいいよ。」

「お客さん大丈夫ですか?」

「そっちだろ。お前がダメだろ。」

「こっちもチラシ入れてるんですからなんとか買ってもらわないとまずいんですよ。」

「お前のすすめてる車とお前が嫌いなんだよ。」

「私は嫌いになってもいいですが、この車は好きになってくださいよ。」

「10円なら好きになるよ。」

「お客さん絶対やばいですよ、次の人に売れちゃったらもう売れませんよ。」

「どうぞ売ってくれよ。」

「もったいなくないですか?」

「ねーよ」

今日契約してもらえれば乗りたい値段でいいですよ。」

「10円置いてくから契約書持ってこいよ。」

「しつこいですね。」

「お前だろ。」

「売れちゃっても知らないですよ?」

「むしろ売れよ。」

「かわいそうに。」

「は?」

「こんなチャンス二度とないのに。今日なら特別価格出せるのに。」

「出してねえじゃん。無理やり買わせて今後どうするんだよ。」

疲れた

中古車販売って大変ね。

2014-05-26

共産党に批判されるような生活がしてみたい

トヨタ広告で「増税もまた楽しからずや」と呼びかけてるのはトヨタ車に乗るような階層に対してであって、

ガソリン代上がったから、次の新車ハイブリッドにしようか」などとのたまうような連中だろうから

消費増税でヒイヒイ言ってるような、新車を買う金も持ってなさそうな庶民はハナから相手にしてないんじゃないか。

そういう貧乏人はスズキの軽か中古車でも買ったほうがいいよ、というメッセージなのではないか。

ちょっと節約したら増税を物ともせず新車が買える階層ターゲットにした広告だと考えれば、

共産党の批判もむしろ私たち共産党に批判されるようなブルジョアじみた生活をしてるのね、ウフフ」と、

優越感をくすぐられることになるのではないか。

私も、ちょっとした節約増税を楽しんでトヨタ車を乗り回して共産党から批判されるような生活がしてみたいものだ。

2014-04-10

http://anond.hatelabo.jp/20140409132955

進学率3割ぐらいの高校出てるけど、周りの高卒は男は工場勤務が多い。

土地柄もあるかもしれない。

あとは建築関係とか電気工事関係とか中古車販売、酒の問屋、配送、飲食とか。

上記のような会社や店を経営してるって人もいる。

親のあとを継いだのか、自分で興したのかは知らない。

自営はヤンキーだった人に多い。

女は一般事務医療事務看護師保育士美容師、飲食。

看護師保育士専門学校は出ているかもしれない。

職安に行くとそこら辺の求人が多いから興味があったら一度行ってみるといい。

2014-03-30

車の維持費の目安

車体本体の年割、税金保険消耗品などで年間35万くらいかかると思う。ガソリン油脂タイヤは別で。

タイヤ積雪地かどうかで変わるだろうし。

車検税金混みの40万円の中古車を2年乗るつもりで買えば、年20万円、修理費が5万円、税金4万円、保険5万円くらいだと思う。軽にすれば、税金4万円が1万以下になる。

150万円の新車を7年乗れば、

年あたり21万円、修理費の代わりに年5万円ずつ車検代を積み立ててで、中古と同じ金額になり、結局、年間35万円くらいの維持費になると思う。

地方で年に3万キロくらい乗るならば、新車も1回目の車検時には下取り0円に限りなく近づくので、資産ではなく消耗品と考えたほうがベター

借金してまで買うかは価値感によるのかな。変なこだわりがなければ、小ぎれいにして車に乗っていればいいと思う。

どうしても新しいほうがよければ、新古車で。試乗車落ちや代車落ちを譲ってくれるディーラーと仲良くなっておこう。

地方ガンガン走るのなら、1万キロくらい走っていてもどうということはない。新車のにおいが薄いくらいだ。

あと、タイヤは13インチが使える軽自動車が圧倒的に安いよ。

http://anond.hatelabo.jp/20140329192736

2014-03-25

http://anond.hatelabo.jp/20140325082308

年収=夢っていうバブル幻想というかバブルの嘘から早く脱却したら。

千円のシャンパンキャバクラのんから1万5千円か2万円。

おねえちゃんに何十万投資してもセックスできないかもしれないが風俗なら3万円

高級化粧品なら化粧水だけで1万かも知れないが、チフレならアレルギーの人も使える安全性で千円

 

お前ら夢に金払いすぎ。金持ち無駄金使いに付き合って平民が同じコトしようとするから金が無い金が無いって話になるんだよ。

でも、本当にやりたいことをやってみろよ。大してカネがかからないからフェラーリがほしいってだけなら中古車もある。ローンもある。

旅行に行きたい?世界中ほぼ紛争地域でなければ好きな場所に行ける。

夢ではなく現実を生きるすべを身に付けろよ。

そしたら、運が良ければ金持ちになれるよ。

いつまで騙されてるんだお前ら本当に。

高級品はたしかにいいかもしれないが、身の丈にあったものでも十分幸せになれるだろ。

そして身の丈にあった幸せをつかむ知恵がお前らを金持ちに導くんだよ。運だがな。

2014-02-13

http://anond.hatelabo.jp/20140213223517

その4000円と仮に中古車1台の維持費を比較

あるいはレンタカーでもいいけど

数年~10数年に1度か数度の運べないサイズ家具類の輸送のためならさすがに不要

2013-10-29

NTRエロマンガ「神籠りの夜に」後日談復讐SSを書いてみた

りょう おいしいお肉の召し上がり方

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4863493762/

に掲載されている作品「神籠りの夜に」の後日談SSを書いた。

実は、SSって苦手で全然書けなかったのだけど、作品の衝撃でどうしても書かざるをえなくなった。どうしても、この作品の続きの復讐劇が無ければ、正義がそこで達成できなければ、私はとうてい精神の均衡を保てなくなってしまった。読み切りエロマンガでこんな気持ちになったのははじめてで、この作品の胸糞の悪さ(これが卓抜していて、きわめて高い評価ができる)。たった数時間で書いたものだけど、とりあえず。置いておく。

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警衛勤務はかったるい。これが弾薬庫となってはなおさらだ。時刻は0220。つまり、午前2時20分。俺はライナーかぶり直しながらドライバー田中3曹に送りを頼むと、警衛司令に向かって敬礼した。

「弾薬庫、上番します」

警衛司令は川崎曹長。来年で定年だ。俺は、これから退職金に触るような大迷惑をかけることに軽く憂鬱さを覚えた。

「おう、ヒロトか。今日は蒸し暑いからな、気を付けて行って来い」

軽く挨拶されると、俺は田中3曹とともにジープに乗り込んだ。実のところ、こいつはパジェロだがジープとみんな呼んでいる。

「本当に今日は蒸し暑いな」

無口な田中3曹が珍しく話しかける。

「そうですね」

同意の返事だけすると、沈黙があたりを包む。深夜の空に響くディーゼルエンジンと路面をひっかくタイヤの音だけが響く。4年前の夏も、蒸し暑かったことを俺は思い出した。

からの蒸し暑さは、この湿地を埋め立てて造ったという駐屯地に深い霧を立ち込めさせていた。ジープヘッドライトはその霧を切り裂きながら進んでいく。

ほどなく、弾薬庫につく。同じ駐屯地の中だ、5分もかからない。中の哨所から人が出てきて、金網で出来た門を開ける。俺は、田中3曹に礼を言ってからジープから降りた。

迎えに出てきた下番者は同期だ。一緒に哨所に入って申し送りを受ける。

「申し送り物品、弾薬5発、双眼鏡。申し送り事項ナシ」

「申し受け物品、弾薬5発、双眼鏡。申し送り事項ナシ」

弾薬は無くなったら大変なことになる物品だ。しっかりと復唱をして申し受ける。

「それじゃあ、あとはよろしく」

同期が言うのに「了解」とだけ返事をすると、弾薬庫の門まで見送って鍵をかけた。俺は同期とあまり仲が良くない。仲が良くない、というと語弊があるが、要するに俺は付き合いの悪いやつだった。これには理由がいくつかあるが、俺には金も時間も惜しかった。そんな俺に警衛司令として上番している川崎曹長は何かと目をかけてくれていた。そんな恩人に迷惑をかけるのは忍びないが、俺にはそうするしかなかった。

「あれから、4年か…」

ひとりごちる。弾薬庫に人は来ない、交代が来るまで孤独な戦いだ。「まだまだと、自分を責める、弾薬庫」そんな落書きが哨所には書かれている。

うずらが居なくなって4年。また、祭りが来る。

俺は、これから大それたことをする。それこそ、大それたことだ。弾薬庫には、小銃弾がある。一人じゃとても撃ちきれないほどだ。これを持って、俺は今日、ここを出る。なぜそれをしなければならないか。それは4年前のことにケリをつけるためだ。

ただ、これには、いくつか問題がある。まず、弾薬庫の周りには赤外線がめぐらされている。交代時はあらかじめ分かっているか警報無視するが、そうでないとき警報が反応すればすぐに警衛から人がすっ飛んでくる。ただ、今日は霧だ。霧が深いと赤外線センサーは誤作動を起こす。霧が出始めた0時頃には警報スイッチを切っている。

次に門だ。出入り口の門は深夜は閉鎖している。出入りはできるが、人に会わないと出られない。当然、同じ中隊である今日の警衛隊にはすぐに分かるし、外出証も持っていない。ただ、自動車で外柵を破壊して突っ切れば、確実にバレるが、銃と弾薬とともに外に出られる。

霧は今日しか出ていない。警衛勤務に上番するのは月に数回。それも必ず弾薬庫につくわけではない。そして、また来週になれば次の犠牲者が――4年前と同様に――出る。

俺は意を決して、弾薬庫の鍵を開いた。

弾薬庫はがらんとした埃っぽい空間だった。俺は手近な7.62mm小銃弾の箱に手を伸ばす。重いが、これを門の近くまで持っていく。夏の雑草は茂るのが速い。弾薬箱はうまく隠れた。俺は腕時計を見る、0250。見回りの動哨は通過しているはずだ。俺は、そのまま門を開けて外に出ると、自分の車に一目散に走った。

駐車場は弾薬庫にほどちかい。息を整えながら自動車に乗り込むとエンジンをかける。ライナーを脱ぎ捨てながら助手席に置いたブルゾンを上から着込む。カンガルーバンパー付きのハイラックスだ。中古車だが、そんなに悪くない。ライトを付けずに車を出すと、弾薬庫にまっすぐ向かう。動哨の経路にもなっていないから見つかることはない。演習場で灯火管制下での車両行進を行った経験が役に立った。

弾薬庫の前に車を置くと俺は、弾薬箱を車に積んだ。俺は、この駐屯地を、出る。

ビィィイイイイイイイイイイイイイイ

けたたましい警報音が警衛所に鳴り響いた。警衛司令である川崎曹長はそれに驚きながらも警報盤を見る。

おい、何かあったみたいだぞ? 外の車でも突っ込んだか?」

そこは、時折外からの車が突っ込む場所であった。特にこんな霧の深い夜は飛ばしている車が突っ込んでくることがある。彼の判断は半分当たっていたが半分不正解だった。車が突っ込んだのは事実だが、それは「外の車」ではなかった。

おい田中、見に行くぞ」

無口な田中3曹は「了解」とだけ言うとジープに向かっていった。彼らは5分後、とんでもないものを目にすることになる。そして、さらに5分後、弾薬庫から隊員が弾薬と銃を持って居なくなっているという大変な事実認識するに至る。

俺は外柵を破った。俺が銃と弾薬を持って居なくなったことを彼らは間もなく知ることになるだろう。そうなれば非常線が張られる。俺は、駐屯地を出た直後に近くの駐車場まで飛ばした。深夜3時だ。車はほとんど通っていない。そこには、カバーのかけられた白いステップワゴンが停められていた。

このステップワゴンは放置されていた車だ。市役所の連中が黄色い紙を貼って撤去すると警告していたものだ。ナンバーは無かったが、これは別の車のものを盗んでナンバーを変える偽造した。当然に実在する白いステップワゴンナンバーだ。そして、俺がこれから行く場所地名ナンバーだ。車は程度が良く、イモビをカットすればそのまま動いたが、念のために自分で整備を行った。そりゃあ、金もなくなるし付き合いも悪くなる。でも、このステップワゴンが俺を逃がしてくれるはずだ。俺は、半長靴と迷彩服を脱ぎ捨てると白いステップワゴンの中にある服に着替えた。

俺は白いステップワゴンに弾薬と銃を積み替えると、すぐさま出発した。検問はすぐに始まる。後部座席を改造して銃と弾薬は隠せるようにしたし偽造免許証も作ったが、検問は避けたい。人着は警察に連絡されているし、免許証ICチップまでは偽造できない。

俺は目的地に向かって走り出した。

高速を走る。俺は四年前のことを思い出していた。

俺の住んでいたところは、山間の村だ。特にこれといった産業の無い、土地の痩せた、ぱっとしない村だ。俺はその村の出身ではないが、余所者として住んでいた。その村には言い伝えがある。オハシラ様という土着の神が村の貧しい男と結ばれてから村は豊かになったというものだ。実際に、ぱっとしない村だったが、それなりに豊かではあった。そして、そのオハシラ様を祀る祭りが4年に1回行われている。

ただ、パッとしない村が単に伝説で豊かになるはずがない。この祭りには裏があった。街に住む金持ちの支援者が気に入った村娘を、祭りの主役であるオハシラ様として祀り上げ、自らの性奴隷として嫁がせるというものだ。さらに、村の有力者が祭りにかこつけてオハシラ様となった村娘を集団で凌辱する。考えるだけでもおぞましい制度だ。

俺は、それに実の姉と、好きだった娘――うずらを奪われた。彼女も俺を好いていた。だが、実家の生活と村のために犠牲になった。その後、オハシラ様を娶った男、柱の男とよばれるやつから、寂しいだろうと凌辱されるうずらのDVDが定期的に届いた。俺は悔しかった。悔しかったが力が無かった。だから俺は高校卒業するとすぐに自衛隊に入った。そして、チャンスが巡ってきた。

明け方、街のインターチェンジに近づいた。時間はない。警察がそのうち俺を捕まえに来るだろう。街に降りると、あの忌々しい村へと車を進めていった。俺が縁やゆかりのある土地に向かうであろうことは、当然に警察や自衛隊も予想しているだろう、なるべく早くことを済ませなければならない。俺はステップワゴンを村の手前にある山への道へ入れると少し奥まったところに止めた。後部座席から銃、弾薬、バックパックを取り出した。バックパックには一人用の天幕携帯糧食等が入っている。ステップワゴンにはカバーをかけた。俺は一人山に入っていた。

あの忌々しい儀式の舞台になるのは村の神社だ。神社は山を後ろに控えていて、禁足地だとしていて人は基本的に入ってこない。あんな忌々しい儀式をやっているのに「禁足地」とはお笑い草だが隠れるにはうってつけの場所だ。

俺は身を隠しながら、神社の裏手まで上がった。双眼鏡とガンマイクをポケットから出す。今年も祭りが行われるなら、朝のうちにオハシラ様がみそぎを行っているはずだ。

案の定、みそぎは行われていた。年のころは18ぐらい。きれいな娘だった。あの忌々しい神主も居た。俺は祭りまで監視を続ける。

その日の晩、俺はラジオを聴いていた。俺のことはニュースになっていた。連中も知ることになるだろう。これで祭りが中止になるかもしれないが、連中は俺のことなんてとうに忘れているのかもしれない。あるいは、思い出しても、まさか自分たちに復讐に来ているとは思わないのかもしれない。俺はラジオを消すと眠りについた。

一週間たった。祭りの日だ。神社を見下ろすと準備にあわただしい様子が見て取れる。祭りのクライマックスレースだ。丸太をかかえて神社の階段を駆け上がり、境内にある台に丸太を置いた者が柱の男となるという、シンプルなものだ。ただ、これが出来レースで村の支援者が絶対に勝利するということを除けば、だが。

一週間の間の監視でいろいろなことが分かった。今回のオハシラ様も村に住む俺と同じような余所者が好意を持っているということ。オハシラ様もまんざらではないが、儀式のために身を費やす覚悟であるということ。また、その余所者はこの儀式真実を知らない様子なこと。そして、今回の柱の男は、姉とうずらを娶った連中の親族で、どうしようもないクソ野郎であること。

祭りの準備は着々と進む。街の土地持ちどもが寄り集まっているところにガンマイクを向ける。

「…で、今年のオハシラ様はどうかね?」

「いや、美人で犯しがいがありますね。あの顔が苦痛でゆがむことを考えるだけで、勃ってしまますよ」

「4年前の娘もよかったがね。ただ、なんせ妊娠しないのがつまらない」

「ああ、あいつのところに嫁にいったやつですか。あんな貧相なののどこがいいんでしょうね?」

「あいつはロリコンなんだろう。まぁ、いい。人の趣味はそれぞれだ」

「では、8年前の娘はどうですか?」

「ああ、うちのやつか。ちょっととうが立ってきたが、悪くない。ただ、これからは肉便器から家政婦だな…」

連中の口をつくおぞましい言葉に俺は、涙を流していた。噛んだ唇からは血が出ていた。

夜になった。無事にレースは終わった。決まった通りに決まったやつが勝利した。間もなく、真の忌々しい儀式が始まる。ぞろぞろと男どもがお社に集まってくる。俺は胸の鼓動と鈍い頭の痛さが抑えられない。俺は、山をゆっくり下りた。ゼロ点規正は祭りでうるさいうちに済ませた。

暗い境内で、黒い戦闘服は目立たない。これが演習場ならバディがいるところだが、今は俺一人だ。全周の警戒は怠らない。片目にFLIR、銃には照準の邪魔にならない場所に暗視装置をマウントしてある。

這いつくばりながら、お社に向かっていく。中から神主の声が聞こえる。

お社の窓から今日の柱の男が見えた。双眼鏡レーザー距離計で測った距離は200m。中は少し明かりがついていて、夜目になれていれば十分に判別がつく。お社の中の配置は頭に入っている。そっと、薬室に弾薬を送り込む。這いつくばりながら、銃を構える。床尾板の冷たい感触が肩に伝わる。柱の男がお神酒にくちを付ける。俺は息を吐いて止め照準をつける。照星がゆらゆらと男の顔の中に揺れる。俺は引き金を霜が降りるようにじわじわと絞った。

ドーン…

静かな深夜の村に7.62mmの太い音が響いた。薬きょうが吐き出され次弾が送り込まれる。男が赤いものと白いものをまき散らしながら崩れていく。ほんの数秒のはずだが、永遠に思えるほどの長い時間だった。俺は人殺しになった。

一気にお社が騒がしくなる。人に来てほしくない。いくらここが村から外れているとはいえ連絡されては計画がぶち壊しになる。俺は走ってお社に向かった。

俺は、扉をけ破って銃を構えながら言った。

「静かにしろ…」

俺は顔を黒くドーランで塗っていたが、神主は俺を見ると。俺が何者か分かったようだ。

「お、お前は… こんなことをしてどうなるか…」

俺はもう一度言った

「静かにしろ」

神主以外のやつらは放心状態だった。いくら銃を持っているとは言え多勢に無勢だ、いまのうちに拘束をしなければならない。俺は銃をかまえたままウェストバッグから手錠を出して投げた。

「お互いの両手足につけろ、死にたくないなら」

放心したまま連中は動かない。

「た、助けてくれるんだろうな?」

一人の男が口を開く。村で唯一の商店の店主。4年前にうずらを犯していた奴の一人だ。

「静かにしろと言ったはずだ…」

俺はそういうと、その男に銃を向け引き金を引いた。銃声が響く。

胸に銃弾を受けて男は倒れた。

「早くしろ、こうなりたくなければ」

そう、言うが早いか連中はお互いに手錠をつけはじめた。ほどなくして、オハシラ様も含めて全員が手錠をつけた。

「よし、いいだろう。見せてみろ」

俺は手足が抜けないようになっているか一人づつフラッシュライトで照らして確認した。

「全員、壁の方向を向け。」

連中は黙ったまま壁の方向を向いた。俺は銃から手を離し一人づつさるぐつわをかけていった。ただ一人、神主を除いて。

「よし、それじゃあ、神主、こいつらに俺のことを説明してやれ」

「わ、わかりました… この方は、8年前のオハシラ様の弟で4年前のオハシラ様を好いていた者です…」

「と、いうわけだ、俺がなんで戻ってきたかわかるな? ニュースで俺のことを放送していたのは気づかなかったか?」

気づきました。ただ、戻ってくるとは思いませんでした…」

「あれだけのことをしておい復讐を考えないとは、頭おかしいな、お前らは。まぁいい、警備を強化しようにも、こんな儀式だ、口外は出来ない。警察にも言えない。駐在は数年ごとに異動する余所者から抱き込めない。だから、見なかったことにした。そんなもんだろう。腐りきっているだけでなく無能な連中だよ、お前らは」

神主は黙った。

「さて、じゃぁ、神主さんよ、今までのオハシラ様の嫁ぎ先を教えてくれ」

「そ、それは… わかりました、隣の部屋に資料があります

「じゃぁ、立って取りに行け、行けるだろう?」

神主は手足に手錠をつけたまま、ひょこひょこ移動して取りに行く。

「変な気を起こすなよ、死にたくないなら」

間もなくすると神主は一冊のノートを取ってきた。俺はそれを受け取るとパラパラと見る。リストには祭りの年、名前、生年月日、住所、電話番号が記載されていた。リスト最初の方から最近まではほとんど線が引かれて消されている。

「この線は何だ?」

「それは…、亡くなった者です…」

生きていれば40代、50代の者までほとんど亡くなっていた。俺はめまいがした。

「本当に、お前らはクソだな… まぁ、ご苦労、それじゃあ…」

俺は腰のケースからフォールディングナイフを取り出すと、神主の胸に突き立てた。

「がはっ… なんで…」

「当たり前だろう、俺は復讐に来たんだ」

さるぐつわをつけた連中が騒がしくなった。殺されることが分かれば逃げるだろう。

「今までやってきたことを地獄で後悔しろよ。ま、俺も後で行くがな」

俺は、そういうと逃げようと這う連中を一人づつ刺していった。最後に、オハシラ様が残った。目を閉じて涙を流していた。

「いろいろ大変だったな。お前は自由になれる。」

そういうと、俺はウェストバッグから1㎝の札束を出すと胸元にねじ込んだ。びくっとオハシラ様が動いた。

「この金は、犯罪で得た金じゃない。お前の好きな男とどこかで暮らすために使え。俺は全員を殺す、だからこの村の資金源は無くなる。家族の豊かな暮らしは無くなるが、働いて仕送りでもしてやれ」

俺はそういうと、お社を後にした。リストを胸に突っ込み、銃を片手に、走って停めておいステップワゴンまで行く。幸いにもステップワゴンは見つからずにそのままだった。街へ降りていく。街までは30分。夜明けになり村が異常に気付くまでは、あと5時間といったところだろう。

俺は一人づつ訪ねて行った。ドライバーで掃き出し窓のガラスを割って侵入し目的を遂げる。コツさえつかめば音はほとんどしない。幸いなことに機械警備は無かった。機械警備があると時間の余裕がなくなる。早ければ10分ぐらいで警備が来るから家が広いと失敗するリスクが上がる。

女は6人しか生き残っていなかった。うち二人は、姉とうずらだ。4件はすでに襲撃した。女には会っていない。全員を助けることは、俺にはできない。

俺は姉が嫁いでった家に向かうと身震いした。だが、確実に仕事はしなければならない。掃き出し窓に取り付くとサッシにマイナスドライバーねじ込みヒビを2か所入れる。ガラス割れると手を突っ込んでクレセント錠を外す。サッシをスライドさせるとゆっくり動いた。補助錠は無い。

入った部屋はリビングだった。豪華だが、趣味が悪い部屋だった。動物の毛皮の敷物、ごちゃごちゃとした飾り棚にならぶ、一つ一つは高級そうだが雑然と並んだ外国製の食器。俺の姉を奪った柱の男が脂ぎった顔でゴルフクラブを振るう写真。どれも趣味が悪かった。

俺はさっそく廊下に出て、一部屋ずつそっと確認をしていった。一階はクリア足音をたてないように上がっていく。二階のドアもひとつづつ確認していく。一番手前… 姉が居た。ベッドに眠っている。おなかは大きく、妊娠しているのだろう。奴を殺すまで起こすことはできない。次の部屋、物置になっている… 一番奥… 居た。

俺はそっと近づくと、口に手を当てると同時に、胸にナイフを突き立てた。男は目を見開き暴れようとしたが、すぐに絶命した。

そのまま、姉の部屋に取って返す、口に手を当てて起こす。姉は襲われるとでも思ったのだろう、暴れだした。

「俺だよ、ヒロトだよ」

姉は驚きの表情になって暴れるのをやめた。

「静かにしてもらえるかな?」

姉がうなづいたのを確認すると、手をはなした。

ヒロト!! どうしたの!!」

小声ではあるが、驚きの言葉を言う。

復讐に来たんだ。姉ちゃんと、うずらを奪い、辱めたあいつらに。あいつは、さっき殺したよ。神主も、村の有力者どもも…」

姉は絶句した。弟から人殺し告白を受ければ誰だってそうなるだろう。

「とにかく、今は時間が無い。一緒に来てくれ」

「わ、わかったわ…」

幸いなことに姉はくるっていなかった。あれだけ凌辱されてもなお、気丈に精神を保ち続けてきた。俺は姉を連れて車に乗り込んだ。

「これからどうするの…?」

「うずらを助ける」

「そんなことをしたら、うずらちゃんの家はどうなるの?」

「どうなるもこうなるも!! 娘を売って手に入れた幸せにどれだけの価値があるんだ!! 村から出て働いて暮らせば豊かではないにせよ生きていけるだろう。俺だって村を出て自衛隊に入って生きてきたんだ」

「…ヒロト自衛隊に行ってたの… 知らなかった」

ニュースでやっているよ、銃と弾薬を持ったまま脱走した自衛官って」

お姉ちゃんテレビ見てないの… 毎日、やることがあるからね…」

ああ、嫌なことを思い出させたと、少し俺は後悔した。

「でも、オハシラ様がいなくなったら、あの村は、村に住む人はどうするの…」

「今更、どうにもならないよ。神主商店オヤジも、議員も、郵便局長も、地主オヤジも、みんな俺が殺したからね。支援者の家も殺した。あんな村は滅びなきゃならない。誰かが滅ぼさなきゃならなかったんだ」

姉の顔が曇る。

「…ヒロトはどうするの…」

俺は車で前を見据えながら、目を細めて言った。

「殺した人数が人数だからね。事情はあるにせよ捕まれば死刑は免れないよ… その前にケリはつけようと思っているけど。で、姉ちゃん。一つ頼みがある」

「…何?」

俺はさらに目を細めた。

「…うずらを助けたら、うずらのことは頼む」

「…」

姉は涙を浮かべていた。

ほどなくして、うずらがいる家に近づいてきた。遠くから見ると、こんな時間なのに明かりがついていた。まずい。車を離れた場所に止める。

「姉ちゃん、ここで待っててくれ」

俺は銃を持つと車を後にした。

家に近づいて、双眼鏡で確認をする。カーテンが引かれた窓には何も映っていない。

地主の家らしく、広い。庭も明るくなっている。裏側からアプローチすることを決めた。家の裏側に身をかがめながら走っていく。高く張り巡らされた塀の上には有刺鉄線が張られている。有刺鉄線を一瞥する。金属の支えに取り付けられて、うなり音はしない。電流は流れていない。弾帯からレザーマンを取り出すと切断をした。懸垂して塀によじ登り、速やかに降りる。着地時に少し音がした。ただ、気づかれた様子はない。裏口に近づく。鍵は閉まっている。紙おむつから取り出したポリマーと、シリンジに入れた王水ウェストバッグから出す。ポリマーを鍵穴に詰め込むと王水を注ぎ込んだ。鍵を溶かして破壊する方法で、溶解破錠という方法だ。しばらく待つ。俺にはこの時間無限にも思えた。

十分に溶けたところで、鍵穴にマイナスドライバーを突っ込んで回す。さしたる抵抗なく回った。銃をかまえながらドアを静かに、しかし素早く開ける。クリア、だれもいない。明かりはついているが。きれいにかたついたキッチンだった。正面にドアが二つ、右と左にある。

家の外観を思い出しながら、右側がリビングの可能性が高いと思い右側を銃を構えながら素早く開ける。照明がなく暗い。ただ、人の気配が無い。FLIRを左目に落とす。人は明らかに居ない。キッチンに戻るともう一つの左側のドアにアプローチする。廊下だった。やはり誰もいない。一階のドアをひとつづつアプローチクリアする。誰もいない。

廊下階段がある。上階の廊下は明かりがついている。音をたてないように素早く階段を上る。廊下に沿って、ひとつづつ部屋をクリアしていく。書斎、物置、客間… 突き当りの部屋まで来た。

聞き耳を立てる。音はしない。同じ要領で銃を構えながら素早くドアを開ける。そいつは、そこに居た。うずらと一緒に。

「おっと、動くなよ」

奴はうずらを脇に抱いて拳銃、おそらく38splのリボルバーを突きつけながら言った。

「お前が銃を持って脱走したってニュースは見たよ。で、復讐に来るというのも予想していた。神主のジジィには俺も言ったんだけどな、聞きゃしなかった。もう、殺ったのか?」

「ああ、殺したよ」

俺は銃をつきつけながら、答えた。うずらは一言も言わず、震えていた。

「うずらもかわいそうだよなぁ… せっかく、俺に嫁いで家族を食わせられるっていうのに、このバカに何もかも無茶苦茶にされてなぁ…」

うずらがぎゅっと目をつぶった。

「まぁ、いい。俺も死にたくないからな。この女はくれてやるから、とっとと出てけ」

「それで済むとでも?」

「済ませてもらわなきゃ困る。お前さんのせいで儀式も村も、俺ら一族も破滅だ。ただ、俺は資産をうっぱらえばあとは遊んで暮らせるぐらいの金にはなる。面倒な親族はお前が皆殺しにしてくれたから相続もあるしな」

「嫌だと言ったら?」

「オハシラ様を殺す」

奴の目は真剣だった。どうしようもないクソ野郎ではあるが、嗅覚の鋭い顔だった。

「わかった。要求を呑む。どうしたらいい?」

「銃を置いてこちらに蹴るんだ」

「先にうずらだ」

「分かった、うずらが半分まで行ったらやれ。やらなきゃ打ち殺すからな」

奴はうずらを離すと、顎でしゃくって俺の方に行くよう促した。うずらが歩いて来るのを確認しながら銃を床に置き、蹴り飛ばす。が、64は重くちょうど奴と俺の中間あたりに止まった。奴は床からこちらに目を向けると言った。

「よし、じゃぁ、死ね

俺は、走り出していた。奴が床から目を上げる瞬間にはもう、動き出していた。うずらを撥ね飛ばす。奴が発砲する。俺に向かって弾が飛んでくる。俺は体を捻じ曲げる。左の二の腕に弾がめり込む感触がする。熱い。焼けるように熱い。そのまま、奴にタックルする。

「ぐあっ」

ベルからナイフを取り出す。サムスタッドに親指をかけて開く。奴の首にねじりこむ。左腕は熱い。奴は目をこれでもかと開き、口をパクパクさせている。首から血が噴出する。奴の右手の拳銃を胴体で抑え込む。

「これが4年間の成果だ。うずらを、姉ちゃんを護れなかった俺じゃない」

奴はそのまま絶命した。

俺はうずらを右腕に抱きながら、車へと戻った。うずらは途中何も言わなかった。

「お姉さん…」

「…うずらちゃん…ヒロト… よかった、無事で…」

うずらは目に涙を貯めていた。

「うずら、悪かったな。迎えに来るのが遅くなって」

「ううん、そんなことない。生きてヒロトに会えてよかった。ずっと、私待ってた。諦めてたけど、諦めきれなかった。でも、家のことや村のことを考えて諦めようとしていた」

「もう、村も儀式もすべて無くなるよ」

俺は満足していた。忌々しい村も、忌々しい儀式も、忌々しい連中も、すべて居なくなった。あとは、俺がすべてにケリをつけるだけだ。

俺は自分の腕に止血処置をすると、後ろのバッグを漁った。分厚い封筒が出てきた。

「じゃぁ、姉ちゃん。さっきのお願いの件だけど、大丈夫かな?」

姉に封筒を渡す。

「500万入ってる。4年間じゃこれだけしか貯められなかったよ。少ないけど、これを当座の生活資金にしてくれ」

「…ヒロトはどうするの…」

「さっき言ったとおり。ケリをつけてくる」

うずらが割って入ってきた。

「ケリをつけるって何!! ヒロト!!」

「俺は殺しすぎた。捕まればPermalink | 記事への反応(1) | 01:37

2013-08-08

所与に関するコスト

店長が「うちら」の世界について記事を書いて大ヒット、あちこちのblogで議論の対象となっている。

http://lkhjkljkljdkljl.hatenablog.com/entry/2013/08/06/155425

しかし多くの場所で議論になってるような「バカな一部がバカをやってしまう行動を理解」という文脈よりも、この記事には注目すべき点があると思うので、それをメモする意図で記事を書く。

それは記事中の

彼らの感覚としては「所与の権利」の範囲が非常に広い。権利が広いため、たいていのことをしても許される「ことになっている」。(中略)所与の権利の幅が大きいということは、逆になにやっても自分たちには危害は及ばないということでもある。つまり危機意識の低さだ。

この部分。

この部分に注目した場合「うちら」は多い。たぶん、日本人全部がそう。

上記の指摘は、たとえば「学生ローンを借りたんだがこれは借金じゃないか若者未来を潰すつもりか!」とか「大学院を出たのに就職できないなんて信じられないクソ社会だ!」に通じる。

どっちも「所与の権利意識」が強く「危機意識が低い」。

大学に行くのも就職するのも「所与の権利」ではない。「所与の権利」だと思って安心しきっていた(=危機意識がない)からそれが無くなると「奪われた!」と騒ぎ出す。

この話をすると、国は国民一定生活提供する義務がーとか吼える人がでてくるのだがそう言う話ではなく、そもそも「国がある」というのは人類に与えられた所与ではない。作ったからあるのだし、維持してるから現存している。運用しているかサービスが降りてきている。それだけだ。

当然その維持運用コスト参加者全員で支払わなければならない。資本主義現在のこの社会おいて、その代表例はお金(=税金である

しかしそのさらに下のレイヤとして、本当の最低限、参加しているんだから全員支払えよというコスト、もはや参加資格といってもよいコスト存在する。それは「所与に対する盲信の否定」を含む「システムに対する理解」だ。

この社会は、社会構成員が望む「所与の権利」を望むままにえられるコストをちゃんと支払っているのか? と問われれば、疑問符がつく。

個人的な感覚の話になるんだが、日本人は、これ以上コストを払う能力がないように思う。もちろん、税金は払える(所得が上がれば)。そうではなく、前述の認識道徳的な「理解というコスト」を支払う能力店長言葉を借りれば「社会に対する想像力」がもう頭打ちなのじゃないかと感じている。もちろんその想像力が高い人も低い人もいる。でもその格差ってのは現実にあるし、それを教育で是正しようぜというのは正論なんだけど、じゃあ大学教育がここまで一般化した現在、知識は増えたのかもしれないけれどバカは減ってるのかと言えば、ヤンキーDQNでも大卒になれる社会になっただけのように見える。たぶん衆愚政治っていう言葉意味は「「理解というコストを支払う能力限界」を指しているんじゃなかろうか。

じゃあどうすべきかというと、日本はもうこれ以上「所与の権利」を増やせない、増やすべきではないと思うわけだ。というか、現在レベルすら維持できない。もっと所与の権利が低い」国になっていくのが現実なのじゃ無かろうか?

子ども大学に行けないのはあたり前。家計が苦しいのはあたり前。学校レベルが低いのはあたり前。旅行に行けないのもあたり前。中古車はあたり前。スマホ持ってないのはあたり前。お店で店員に怒鳴られるのはあたり前。公共サービスの質が悪いのはあたり前。郵便が届かないのはあたり前。夜の街を女性がひとりで歩けないのはあたり前。水道の水が飲めないのはあたり前。

もちろんそれはとてもいやなことではあるけれど、コスト負担せず権利だけわめくよりはまっとうな結末に思える。

アイスケースにバカが入って解雇されたり炎上したりする? そんなのは当たり前なんだ。

だって僕らはそれをどうにかするためのコストを支払ってないんだから

2013-08-06

思いで

風景国境を引くみたいに、

万里の長城のようにどこまでも、

田んぼの中に高速道路がはしっている。

目立った建造物は他になく、

等間隔ではるか遠くまで鉄塔が立ち並んでいる。

高速道路と直角に交差する形で国道がはしっている。

その国道10キロ程行くと日本海に出る。

海の近くは工業地帯になっている。

パキスタン人とロシア人中古車輸出をやっているため、

この辺には小さな中古車出会社が沢山ある。

海岸まで出ても人影はまばらだ。

遠くに火力発電所石油コンビナート煙突が見える。

2013-07-25

100万円あれば

① 相場で腕を磨く開始資金に十分

② 風俗50回行ける

③ まあまあの中古車買える

④ 一年だけ、働かなくても暮らせる

⑤ インドなりタイなりに行けば1年くらいは大豪遊できる

⑥ 資格勉強なりに使える

⑦ 習い事を数個始められる

⑧ 買いたい本をあらかた買える

いろいろあるなあ。

やっぱ、100万って結構すごい値段なんだな。

風俗、今まで何回いったか

手コキ3回、ヘルス3回、ソープ1回

これでも7回か。

50回風俗行けるなら、

千年堂、ポアゾンクラブあいどるエッグ

あたりに行きたいわ。

あ~でも、風俗で使うにはもったいないほどほかの選択肢がすぐれてるなあ。

相場とかも、100万突っ込んだらどうなるんだろってのは思うよねえ。

海外で豪遊とかも。

てか、海外遊んだ方が日本風俗に行くよりも、、、って考えると、断然海外か。

海外で豪遊しつつ、ネット相場をちまちまやるって感じが一番面白そうだな。

百万、つかいてえわ。

若いうちじゃないと風俗相場意味がないし。

2013-07-13

中古車ショップの車にあおられた

先日山道を走行中、後続車にあおられた。

こちらはファミリーワゴンで、家族連れでもあり速度は確かに速くはなかった。

それでも法定速度をオーバーぎみではあった。

私が運転していたなら相当イライラしていただろうがその時運転していたのは旦那

「あおってるねぇ」とのんびりしたものだった。

さっさと抜いてくれればいいのだが、カーブ連続で見通しも悪くなかなか抜くポイントがなく…

しばらくあおってきたため、観察する時間がとれた。

なんだか少し古いデザイン。大きい。

ワインレッド

助手席にも人がいる。

どちらも男の人っぽい。

後部座席は不明。

フロントガラス上部に何やらステッカー

フロントガラスステッカー車検が通らないのでは?

何のステッカーURL

www.XXXXX-pro.shopかな?

ようし、覚えておいて帰ったら検索だ!

しばらくあおられたのち、見通しのいい場所になったら頑張ってスピードを上げて去って行った。

お疲れ様

帰宅して色々済ませた後、URLを思い出して調べましたよ。

どうやら県内の中古車ショップらしい。

トップページにはその店で購入したお客さんをオーナーとして紹介している。

店員のアメブロも載ってる。

ちょいと拝見。

お客様を「良い子のXXXXX乗り」と表現。良い子…?

うーん…

URLgoogle検索

おや、ぼったくりの店として紹介されている?

自演乙とも言われている。

もう一度店のページへ。

色々見た結果、最初は悪口かきつらねてやろうと考えていたが、大して悪い評判もなく、かといって良い評判も特になく普通ネタがなかった。

もっと深く追って行けば何かあるのかもしれないが、そこまでするのも面倒でやめた。

悪かったのは、だれが運転しているのか知らないが、店の看板背負ってあおるような行為を容認していることくらいか

あ、あと車検違反車で公道を走ること。

時間無駄に使った気分だ。

しかしせっかく時間を割いて調べたのだから増田に記録を残しておこうと思いこれを書いた。

時間がたってもこんなこと書いてるくらいだから、相手が悪者でなくともあおられるという行為はやはり腹がたつものだ。

やめてほしい。

店の人間がこれを読むとは思えないが、もし読んだなら、店名を背負って走るという行為についてもう少し考えてみてほしい。

エロ島、リリーフするってよ(第一話)

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第一話:エロリリーフするってよ

エロ島が起きたら、そこは白銀世界ではなくて、ただのせんべい布団であった。

エロ島は、給与の安いがプロピッチャーであった。

プロ野球選手の寮を起きると、彼は階段を降り、

寮母に挨拶をして、ベンツの400系の中古車に乗り込んだ。

ベンツエンブレムキーちゃぶ台から取るというシュール光景

につづき、築後35年の寮のキシキシ軋む階段を降りる。

この階段はその後億プレイヤーとなった、先人たちが通った

まさに「道」というか「階段」であった。

ベンツエンジンをかけると、エロ島は練習場へと向かった。

エロ島の貯金は29歳で4000万、年俸が1200万のエロ島に

とっては多くは無い額だ。エロ島、名前が指すとおり、エロい

高級風俗通いがたたって、この貯金額だ。

べつにピッチングの指使いがエロく、なめやかしいということでもなく、

モテるエロさを持っているわけではない。

ただ、本当に名前エロ島であった。カタカナエロ島。

エロ島、江ノ島にも聞こえなくはない名前だが、その様な海の男の

背格好をしており、昔から声と背がでかかった。

野球を初めて直ぐに、素質は開花し、無骨ながら速球とフォーク

勝ち上がってきた。

彼はプロに入ってからは、リリーフとして活躍している。

長いリーグ試合で、80試合は投げる。

今日も、球団バイナスターズは、先発が崩れ、エロ島はブルペン

向かう。あまり、投げ込まない。

そろそろやばいコーチが告げる

リリーフエロ島で」

すると客がざわつく

エロ島がリリーフするってよ。」

エロリリーフするってよ。」

TwitterRTされまくり、急遽ツイート数のランキングトップ入り、

急遽、エロ島のリリーフされるという事はこの国の0.01%ぐらいの

人にとっては大変重要なことで、RTされる。

何故か?

それは、ただ名前が変だからだ。

江口でも江ノ島でもなく、エロ島という名前で生まれ、その名前

彼は球団に登録した。

そのエロ島がリリーフするという時には客が面白がって、

このセリフを呟いた「エロ島、リリーフするってよ」

それが、RTされRTされ、ただ、それがただただRTされる。

そして、ランキングが上位になり、「エロリリーフするってよ」

は多くの目にするキーワードとなる。

野球はグー・チョキ・パーでできている。」

エロ島の口癖だ。

グーは直球、チョキはフォーク、パーはパーム

彼はその球種を投げ分ける。

が、エロ島は大したコントロールもないので、バイナスターズは負け、

バイナスターズは19連敗。

泥沼最下位位一直線だ。直線的に、最下位が決まる。

エロ島はマウンドを降り、ユニフォームを脱ぐと、

ベンツに乗り込み、今日の夜のブルペンに向かう。

捨て台詞をはきながら。

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第二話 : 「エロブリーフぬぐってよ」

エロ島はアンダースコアブリーフを脱ぐとエロエロになる。

夜のシンカーと、夜のスライダーを駆使し、えろえろ。嬢はメロメロ

やかましいわ。

<終わり>

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2013-07-10

起業しても結構いけるもんだね

バブル期起業した、同級生や知人はひとりを除いて皆成功している。

二十数年だよ、凄いよね。携帯屋→居酒屋飲食店スナック中古車

十数人くらいか?皆いい暮らしをしている。そりゃ色々あっただろうけけどさ。世間で言われるような

成功者資質物語はない。同級生ネット地元ヤンキーネットワークで繋がってるだけ。まぁ、バブルという時代がよかったかもしれんが。

失敗した一人は俺ではなくてペット美容室やってた同級生。俺はネットでもリアルでも孤独無職だ、時代がいつであろうと。

2013-07-03

あの夏の日のこと

車の免許を取って、バイトで稼いだお金20万円のオンボロ中古車を買った。

彼女助手席に乗せることができれば、かっこがつくところだが、隣に座ったのは、うだつのあがらない同じ学部友達だった。

授業をサボってのドライブ

開放感に満ちていた。

海沿いの国道は、松林と砂丘の間をまっすぐに貫いていた。

先輩の話だと、この国道の先のはずれにアメリカの議事堂を模したラブホテル廃墟の状態で取り残されているらしい。

特に目的もないドライブ

エアコンが効かない国民車。

全開にした窓から夏の太陽の光と海の風がドバドバと車内に入り続けていた。

国道を外れると海の青さはより深くなり、浜茶屋看板もなくなり、補修頻度が減った道路自然にかえりかけているようだった。

案内の看板も白地に赤い矢印と黒い文字で書かれた今では見ることのないタイプのものが残っていた。

好奇心。ただそれだけだった。

おばけが出るとうわさの廃墟だが、夏の太陽サンサンと照りそんなそぶりはまったくなかった。

廃墟となった白い建物は、放置された朽ち果て感と不良にいたずらされた無残さが際立っていた。

厳重な柵と立て看板の警告を見たぼくらは、探検する意欲をなくし、ぶよが飛び回る廃墟をあとにした。

道路はこの廃墟の向こうにも続いていた。地図で確認するとなぜか袋小路になっていてどこにもつながっていない。

何もない道の先はどうなっているのか。地図上の空白地帯は一体なにがあるのか。

僕らの探検心はグングンと大きな盛り上がりを見せたのだった。

少し走ったところであっけなく探検は幕切れをむかえた。

道路はなくなり、入り江に囲まれた静かな砂浜がそこにはあった。

茶屋もなく、波消しブロックもない。

人間が入り込む前の海岸がそこにあった。

風と波の音しかしない。そんな場所だ。

誰もいないであろう無人と思しき砂浜をぼくらは探検の成果としてカメラにおさめた。

圧倒的な天然感をグイグイと僕らに強いてくる大自然は、総天然色のポジフィルムに焼き付けるには格好の対象であり、夢中でシャッターを切った。

水着彼女がその中にいればどんなにすばらしい写真になるとわかっていても、誰もいない自然被写体だった。

真夏の午後2時の日差しは容赦なく僕らの皮膚に対して紫外線照射し続けた。

一通り探検を終えて車に戻ったとき、この人気のない海岸山手に唯一人の気配がある建物がひっそりとあることに気が付いた。

探検の続きとして、好奇心だけでそこへ行ってみると、小さな事務所が建っていた。

事務所前には、車が一台停まっていた。人がいるようだ。

ブラインドのすき間から部屋の蛍光灯が見えた。

近くまでいって看板を見ると、電力会社出張所だった。

こんな僻地出張所。どんな出張をするのだろうか。

看板には、土地の所有を主張する説明も書いてありほとんどは、電力会社が買収していた。

この大自然は、電力会社のものだった。

静かな青い海も白い雲が浮かぶ青い空も緑に染まる山も電力会社のものだ。

急によそよそしい気持ちがフツフツとわいてきた。

うだつのあがらないコンビは、顔を見合わせて、この場所が何なのか急に思い出した。

ここは原発建設予定地だったのだ。

新聞テレビニュースをにぎわせたあの場所だ。

事務所の近くには、最後地主が売り渡さなかった土地が柵で囲まれていた。

柵の中には、所有を主張する看板が立っていた。

のものなのかは覚えていない。

地元に巨額のお金を落とすプラントは、建設されることはなく、ずっと塩漬けになっていた。

塩漬けになったおかげで、人間の気配がない場所になっていた。

皮肉にも人類の英知を集めた巨大プラント建設される予定地が、もっと自然が色濃く残る日本有数の自然遺産となっていたのだ。

あの夏の日からだいぶ時間が経過した。

あの海も空もあの日のままなのだろうか。

気が向いたら、足向けてみたいと思う。

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