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2021-07-21

いじめを憎む人たちへ

私はコーネリアスファンである小山田圭吾本人には特別な関心は寄せてはいないが、ライブには多分3回ぐらいは行ったかもしれない。日本人ミュージシャンとしてはかなり好きな方だと思う。いじめの件は知っていた。ロッキンオンジャパン?のインタビュー記事は家を探せばまだ何処かにあるかもしれない。クイックジャパンを含め他の記事は読んでなかったので、障碍者にもひどいことをしていたのは知らなかった。

2人組になってからフリッパーズは「態度の悪い生意気でお洒落な悪ガキ」路線で売っており、インタビュワーを小馬鹿にして煙に巻いたり、露悪的な事を言ったり、そういう記事が元々多かった。フリッパーズ解散して、小沢健二が「オザケン」になって冷笑的な態度を引っ込めブレイクしていた時、小山田圭吾小沢健二について「レコードラックの中身がずいぶん変わっちゃったんだなと思った」みたいなコメントをしていたのを覚えている。多分あのコーネリアスインタビューはその頃の記事じゃないかなと思う。

ファンとしては小山田圭吾権威主義みたいなものが深まっていくのを危ういなぁと少し思っていた。YMO近辺やオノヨーコにかわいがられるようになり、海外の有名ミュージシャンコラボし、その後NHKにも関わり始めた影で、いじめ記事はずっとネットでくすぶり続けていた。ミュージシャンとして大物になって、だんだん舞台に近づいて行った。今になってみると某歌舞伎役者みたいな執念を若干感じる。親を絶対に超えてやるみたいな恩讐のような拘りのような感触成功したミュージシャンだというだけではなくて、もっと大っぴらに社会的成功っぽい何か。

とにかく表に出れば絶対非難されるのは目に見えていた。オリパラ仕事は受けるべきじゃなかったし、非難されるのも、辞任も当然だと思う。多分ずっと心の中で後悔していたのは嘘じゃないんだろうと思うけど、謝るきっかけも無く(謝るとしたら相手に謝るべきだし、それを世間公表するのもなんだか変な話ではある)、いつかみんな忘れてくれるんじゃないかという期待と甘さもあったんだろう。弱い人間だと思うが、いじめなんてするやつは大体そんなもんだ。

ひとつ引っかかっていることがあるとすれば、記事を書いたインタビュワーが完全に他人事なことだ。小山田氏の謝罪文でも少し触れられているが、恐らくあのいじめ記事内容には相当フカしが入ってるんじゃないだろうか。「完全な嘘でなければ真」だと都合よく解釈して、とにかく面白おかし針小棒大に書くのが商業メディアだ。20年以上前となれば今以上だ。(ちなみにWEBメディア経験上完全に嘘の場合もある。)よく知らないけど、今でも日本音楽メディアってあの雑誌界隈一強なんじゃないのかな。今インタビューで実際に語ったことと記事の内容の差異を明確にすることは、今後の仕事の事を考えると小山田氏側からは出来ないだろう。もちろんそれも保身ではある。でもメディア側ががそれを良いことにさらっと済まそうとしてるような気がして、あんまりいい感じはしない。元々あんまりきじゃない雑誌だけど。

わざわざこんな駄文を書いたのは、いじめへの義憤かられた人がずいぶん世の中には沢山いるんだなと思ったから。小山田氏に言いたいこと言って(家族とか周辺を叩いている人は暇なのか?)、一息ついたら、学校会社や家庭で自分の嫌いな人、苦手な人、いじめにあってる人、いじめている人に目を向けて欲しい。その場で起こっていることに立ち上がって抗議をしろとは言わない。後で一言こっそりメールフォローを入れるとか、全然関係ない天気の話やテレビの話振るとか、飴ちゃんあげるとか、なんでもいいから小さいアクションをして欲しい。いじめてるやつもいじめられてるやつも結局あんまり大差はない。(小山田氏も今まで他人いじめた分と同じかそれ以上の思いを今は味わってることだろう)あとあなたが誰かの事を「使えねー奴」「空気読めない奴」「うざい奴」だと思ってるその感じ、傍から見るといじめっぽくなってることが多々ある。気を付けて欲しい。せっかくいじめが良くないという機運が世の中で高まったんだったら、少しでもいじめを減らす方に世の中変わって欲しい。そうでなければ小山田氏も救われまい。言いたいのはそれだけです。

2021-07-19

小山田認識

少なくとも彼は障害者を人として扱っていなかったと思う。ここで言う人として、とは人道的にという意味を遥かに超え、認知として人に見えないものであると思っていたように感じる。人に見えない動物に類するのだからいじめても問題がない、という認識がそこにあった。人と動物ボーダーラインを知や自立意識に設定するなら、障害者の振る舞いは確かに人間的に映らなかったのだろう。では、小山田はなぜあんな事を言ったのか。

彼はダウナー代表格だったことは紛れもない事実で、メジャーへの反権力思想を持っていたと思われる。すると彼のとる言動とは、人間でないもの人間として扱うことはおかしいことだ、という反抗的精神をもって行われたと見ることもできる。小山田いじめを行った当時からこのような明確さを持っていじめていたという話ではなく、いじめを行ったと大々的に述べた経緯からいじめられるものはそれ相応の人間らしさを失していて、それに乗り切れないもの小山田認識の扱いを受けて当然だというものだ。ロッキンオンジャパン文字通りロック雑誌で、こうした反メジャー言動が「キレ」ていて拳を世間に投げつけやすかったのだろう。

ではこの功罪ダウナー側だけに与えられるかというと、そうではないと考える。アッパー以前にはネアカネクラという現在で言う陰キャ陽キャの分類があり、ネアカからはみ出した連中は皆非差別的な扱いを受ける傾向にあったからだ。結局小山田のやったことは人間階級化であり、昔から人間がやっていることは普遍的で変わりがなく、その点で彼の行動は別段英雄視されるエポックメイキングでもなく、極めて平凡で凡庸叫びに相違なかった。その平凡な反抗心は今では本来意味すら取り沙汰されずにいる。

しかしよく考えると小山田という平凡な人間集団リンチを受けてキャンセリングされるに至って、彼という価値は全く異質で理解され難いものとして排斥されつつある。まるで彼自身いじめ発言によってロックないしパンク立場に――彼の音楽ジャンルは指していない――立ったよりも更に無機質で集団的運動によってだ。

辞任前に小山田圭吾問題を扱ったテレビ番組追記

各局の報道傾向を知るためにまとめました。バッシングクレーム等への利用は望んでいません。

本日18:55頃辞任の報道がありました。以下はそれぞれ辞任決定前の番組についてです。辞任後は全社で報道されました(2021/07/20改題)

時系列報道できる事例中心)

7月15日深夜1時 開会式音楽スタッフ発表  その後SNS等で炎上

7月16日18時 Twitter上でコーネリアス小山田圭吾謝罪組織委続投の意。

7月18日12時 ロッキンオンジャパン編集長謝罪

7月19日   クイックジャパン編集部謝罪

7月19日19時 辞任発表

確認方法

パナソニックブルーレイレコーダーのシーン一覧機能7月19日放送確認

10秒足らずのニュースでも見出しが作られているので精度は高いはずですが、見逃し等間違いあったらご指摘ください。

追記 18:30】

スッキリ」での報道確認しました。見出し作成の精度にムラがあることがわかったので、時間がとれしだい目視での確認を行います

ブコメでのご指摘ありがとうございます

【取り上げている番組

フジテレビ系列めざまし8」「バイキングMORE

特にめざまし8はEXITが出演していて、とても見応えがあった。

テレビ朝日系列グッドモーニング

日本テレビ系列スッキリ

【一覧に関連ニュース見出しがない・報道していない可能性が高い番組

フジテレビ系列めざましテレビ」

開会式リハーサル映像のみ、6時台開会式関連で報道なし。

NHKおはよう日本」 開会式リハーサル映像のみ、5時~8時代報道なし(確認済)

日本テレビ系列ZIP!」スッキリ 「スッキリ」内、開会式関連のニュースとして報道ありました。申し訳ないです。

テレビ朝日系列羽鳥慎一モーニングショー

時間の割に見出しが少なかった印象なので抜けてるかも。

TBS系列「はやドキ」「あさチャン

あさチャン内で開会式リハーサル映像。ただしTBS系列は前日の「サンデー・ジャポン」「アッコにおまかせ!」で取り上げている。

個人的NHK報道なしは残念です。ブコメにて土日に報道があった可能性があるということなので、NHKについては15日・16日分も確認したいと思います



増田を書くきっかけになった「めざまし8」について。

EXITは当初よりネット炎上批判側としての発信が目立っていたので、本人のいる場で批判されている理由をしっかり解説報道したこと評価したいです。

番組での発言内容はおおむね下記の通りです。

永島優美アナ小山田圭吾いじめ問題に「楽しげに自慢げに話している所に、ものすごくショックを受けた」

https://news.yahoo.co.jp/articles/02170eb2d16fb14b5dc73b5399391bf8928351f4

橋下徹氏、小山田圭吾いじめ問題で「この楽曲世界に発信したら、日本の恥

https://hochi.news/articles/20210719-OHT1T51031.html

XIT兼近 小山田圭吾擁護者への〝人格攻撃〟に警鐘いじめ一種になるんじゃないか

https://news.yahoo.co.jp/articles/5961da0210de9e251d6308f9a948308c8a04bf61

XIりんたろー。 小山田圭吾いじめ問題実体験もとに語る「全然比じゃないけど想像を絶するもの

https://news.yahoo.co.jp/articles/007c71581e58df71f2233109aecb33eda51605f5

谷原章介小山田圭吾いじめ謝罪文に「本来ならこの話が来た時点で謝罪をしておくべきだった」

https://news.yahoo.co.jp/articles/73d52fdf6a254df3e63197a3197a85872a26ac26


スポーツ報知で取り上げられていないところだと、「許すチカラ」著者のコメントが印象的でした。

前置きをした上で、「許すにしても限度がある」と明言したことは、組織から理解を求められている中で非常に心強かったです。

2021-07-17

小山田圭吾時代を超えたバカッターみたいだ

小山田圭吾の例の記事1990年代リアルタイムで読んでた。

渋谷系ってべつに全然メジャーじゃなくて特に自分の住んでた田舎(茨城)では中学とか高校クラスで聴いてるのはひとりいるかどうか。掲載誌ロッキンオンジャパンなんかも街の一番大きい本屋で2冊とかの扱い。普通書店にはなかった。クイックジャパンなんて地元で売ってるの見たことなかった。

小山田記事自分以外に読んでいる人なんていないと思っていたし、ネットもなかったから誰かと語り合うこともなく「へ~ばかだな」くらいの感じだった。

オリパラがらみでこんなに大きな話題になったことに正直かなり動揺している。

ふと思い浮かんだのがSNS炎上するバカッター騒ぎのことだ。友人だけが見ると思っていたSNSちょっとイキって載せた動画自分に興味がないはずの他人にまで広まって世界中から非難される。全世界に公開されていることは頭でわかっていても有名じゃない自分SNSなんて誰も見ないと思ってたのに…。

小山田の今回の件も時代を超えたバカッター騒ぎだなと考えて初めてバカッター当事者気持ちがふんわりわかった気がしてぞっとした。

中村佑介が「中学生の時に漫画村を観ていたことが、就職活動の時に最終面接であばかれるような」って書いていたのがすごくしっくりきた。

念のために書くと小山田のやったことは擁護しないし、オリパラ仕事は受けるべきではなかったと思う。

小山田圭吾最後まで辞任しない場合に生じてほしいこと

anond:20210717121642

anond:20210717040231

あくま可能性だが、退場を求めない場合倫理的問題以外のメリットデメリットを整理してみた(ほかにもあれば追加よろしく)。

許す許さないは当事者だけにできることだけれど、これほど広まった嫌悪感簡単には消えないでほしい。

小山田圭吾最後まで辞任しない場合に生じる可能性のあること

anond:20210717040231

あくま可能性だが、退場を求めない場合倫理的問題以外のメリットデメリットを整理してみた(ほかにもあれば追加よろしく)。

許す許さないは当事者だけにできることだけれど、これほど広まった嫌悪感簡単には消えないと思うよ。

ロッキンオンジャパン」1994.1号「小山田圭吾2万字インタビュー」より抜粋

http://oymdkig.blog.fc2.com/blog-entry-1.html?sp

「よく僕は学年総会とかで小沢に怒られたりしたんだよ」

●何で同級生に怒られんだよ。

「いや、怒られるっていうか、小沢議長席に全校生の前でこうやって座っててさ、

それで○○事件というのが起きて、その当事者として僕はみんなの前にこうやって座っててさ。

それで「○○君どうですか?」って言われて「もうこれからしません」とかってマイクで言ってさ(笑)

●(爆笑)情けねぇー

「ははははは。でもそういうのなかった?」

●いや、あったあった(笑)

「なんか万引きが発覚してさ、先生が『何月何日にどこどこで万引きして』とか言ってさ。

調布のヘンなショッピングセンターみたいな超万引き場所みたいなのがあってさ。

最初はくだらないもん盗んでたんだけどだんだんエスカレートして一人デッカいカーステ盗んだやつが居てさ(笑)

●見つかるに決まってんじゃん(笑)

「盗んだときは見つかんなかったの。

それで便所に行ってもう箱がじゃまだからトイレの外にボーンって捨てたら、

トイレの外に落ちてきたのが見つかって(笑)。僕はそん時には居なかったんだけど、

捕まってそいつが全部白状しちゃって。で、そこまでやってたのがもう半端じゃない金額になってて、

マジで100万近くになっちゃってて」

●ああいうのってエスカレートすんだよね。

「そうそうそう!1コうまく行くともうガンガン行くじゃん(笑)。それで小沢に怒られて」

別に小沢に怒られたわけないじゃん。

「いやいや、小沢に怒られたわけじゃないんだけど、あそこでいちばん偉いのは小沢から

何か小沢に怒られた気分になるんだよ(笑)

●はははは。何かいまのポジション全然変わってなくないか

「いやあ、僕は基本的全然変わってないですよ」

●ははははは。

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「あとやっぱりうちはいじめがほんとすごかったなあ」

■でも、いじめた方だって言ったじゃん。

「うん。いじめてた。けっこう今考えるとほんとすっごいヒドイことしてたわ。この場を借りてお詫びしま(笑)だって、けっこうほんとキツイことしてたよ」

■やっちゃいけないことを。

「うん。もう人の道に反してること。だってもうほんとに全裸にしてグルグルに紐を巻いてオナニーさしてさ。ウンコを食わしたりさ。ウンコ食わした上にバックドロップしたりさ」

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沢田って奴がいて。こいつはかなりエポックメーキングな男で、転向してきたんですよ、小学校二年生ぐらいの時に。それはもう、学校中に衝撃が走って(笑)だって、転校してきて自己紹介とかするじゃないですか、もういきなり(言語障害っぽい口調で)「サワダです」とか言ってさ、「うわ、すごい!」ってなるじゃないですか。で、転校してきた初日に、ウンコしたんだ。なんか学校ウンコするとかいうのは小学生にとっては重罪だってのはあるじゃないですか?

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から、何かほら、「ロボコン」でいう「ロボパー」が転校してきたようなもんですよ。(笑)。で、みんなとかやっぱ、そういうの慣れてないから、かなりびっくりするじゃないですか。で、名前はもう一瞬にして知れ渡って、凄い奴が来たって(笑)ある意味スターですよ。

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段ボール箱とかがあって、そん中に沢田を入れて、全部グルグルガムテープで縛って、空気穴みたいなの開けて(笑)、「おい、沢田大丈夫か?」とか言うと、「ダイジョブ…」とか言ってんの(笑)そこに黒板消しとかで、「毒ガス攻撃だ!」ってパタパタやって、しばらく放っといたりして、時間経ってくると、何にも反応しなくなったりとかして、「ヤバいね」「どうしようか」とか言って、「じゃ、ここでガムテープだけ外して、部屋の側から見ていよう」って外して見てたら、いきなりバリバリ出てきて、何て言ったのかな…?何かすごく面白いこと言ったんですよ。……超ワケ分かんない、「おかあさ~ん」とかなんか、そんなこと言ったんですよ(笑)それでみんな大爆笑とかしたりして。

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ジャージになると、みんな脱がしてさ、でも、チンポ出すことなんて、別にこいつにとって何でもないことだからさ、チンポ出したままウロウロしているんだけど。だけど、こいつチンポがデッカくてさ、小学校の時からそうなんだけど、高校ぐらいになるともう、さらデカさが増しててさ(笑)女の子とか反応するじゃないですか。だから、みんなわざと脱がしてさ、廊下とか歩かせたりして。

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こういう障害がある人とかって言うのは、なぜか図書室にたまるんですよ。図書室っていうのが、もう一大テーマパークって感じで(笑)しかもウチの学年だけじゃなくて、全学年のそういう奴のなぜか、拠り所になってて、きっと逃げ場所なんだけど、そん中での社会っていうのがまたあって、さっき言った長谷川君っていう超ハードコアおかしい人が、一コ上で一番凄いから、イニシアチブを取ってね、みんなそいつのことをちょっと恐れてる。そいつには相棒がいて。耳が聞こえない奴で、すっごい背がちっちゃいのね。何か南米人とハーフみたいな顔をしてて、色が真っ黒で、そいつら二人でコンビなのね。ウチの学年のそういう奴にも威張ってたりとかするの。

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何かたまに、そういうのを「みんなで見に行こう」「休み時間は何やってるのか?」とか言ってさ。そういうのを好きなのは、僕とかを含めて三、四人ぐらいだったけど、見に行ったりすると、そいつらの間で相撲流行っててさ(笑)図書館の前に、土俵みたいなのがあって、相撲してるのね。

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太鼓クラブとかは、もうそうだったのね。体育倉庫みたいなことろでやってたの、クラブ自体が。だから、いろんなものが置いてあるんですよ、使えるものが。だからマットレス巻きにして殺しちゃった事件とかあったじゃないですか、そんなことやってたし、跳び箱の中に入れたりとか。小道具には事欠かなくて、マットの上からジャンピング・ニーパットやったりとかさー。あれはヤバイよね、きっとね(笑)

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村田は、小学生の頃からいたんですよ。こいつはちょっとおかしいってのも分かってたし。だけど違うクラスだったか接触する機会がなかったんだけど、中学に入ると、同じクラスになったから。で、さまざまな奇行をするわけですよ。村田っていうのは、わりと境界線上にいる男で、やっぱ頭が病気おかしいんだか、ただバカなんだか、というのが凄い分りにくい奴で、体なんかもちっちゃくて、それでこいつは沢田とは逆に癇癪が内にむかうタイプで、いじめられたりすると、立ち向かってくるんじゃなくて、自分で頭とかを壁とかにガンガンぶつけて、「畜生畜生!」とか言って(笑)ホントマンガみたいなの。それやられるとみんなビビッて、引いちゃうの。「あの人、やばいよ」って。

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風呂に入らないんですよ、こいつは(笑)まず、臭いし、髪の毛がかゆいみたいで、コリコリ頭掻いてるんですよ。何か髪の毛を一本一本抜いていくの。それで、10ハゲみたくなっちゃって、そこだけボコッとハゲルックス的に凄くて。勉強とか全然できないし、運動とかもやっぱ、全然できないし。

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村田は、別に誰にも相手にされてなかったんだけど、いきなりガムをたくさん持ってきて、何かみんなに配りだして。「何で、あいつ、あんなにガム持ってるんだ? 調べよう」ってことになって、呼び出してさ、「お前、何でそんなにガム持ってるの?」って聞いたら、「買ったんだ」とか言っててさ。三日間ぐらい、そういう凄い羽振りのいい時期があって。そんで付いて行って、いろんなもん買わせたりして。

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そんで、三日間くらいしたら、ここに青タン作って学校に来て。「おまえ、どうしたの?」とかきいたら、「親にブン殴られた」とか言ってて(笑)。親の財布から十五万円盗んだんだって。でも何に使っていいか分かんないから、ガム買ったりとかそういうことやって(笑)。だからそいつにしてみればその三日間っていうのはね、人気があった時代なんですよ。十五万円で人が集まってきて。かなりバカにされて、「買えよ」って言われてるだけなのに。

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ウチの班で布団バ~ッとひいちゃったりするじゃない。するとさ、プロレス技やったりするじゃないですか。たとえばバックドロップだとかって普通できないじゃないですか? だけどそいつ(注・村田君)軽いからさ、楽勝でできんですよ。ブレンバスターとかさ(笑)。それがなんか盛り上がっちゃってて。みんなでそいつプロレス技なんかかけちゃってて。おもしろいように決まるから「もう一回やらして」とか言って。

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それは別にいじめてる感じじゃなかったんだけど。ま、いじめてるんだけど(笑)。いちおう、そいつにお願いする形にして、「バックドロップやらして」なんて言って(笑)、”ガ~ン!”とかやってたんだけど。

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で、そこになんか先輩が現れちゃって。その人はなんか勘違いしちゃってるみたいでさ、限度知らないタイプっていうかさ。なんか洗濯紐でグルグル縛りに入っちゃってさ。「オナニーしろ」とか言っちゃって。「オマエ、誰が好きなんだ」とかさ(笑)そいつとか正座でさ。なんかその先輩が先頭に立っちゃって。なんかそこまで行っちゃうと僕とか引いちゃうっていうか。だけど、そこでもまだ行けちゃってるような奴なんかもいたりして。そうすると、僕なんか奇妙な立場なっちゃうというか。おもしろがれる線までっていうのは、おもしろがれるんだけど。「ここはヤバイよな」っていうラインとかっていうのが、人それぞれだと思うんだけど、その人の場合だとかなりハードコアまで行ってて。「オマエ、誰が好きなんだ」とか言って。「別に…」なんか言ってると、バーン!とかひっぱたいたりとかして、「おお、怖え~」とか思ったりして (笑)。「松岡さん(仮名)が好きです」とか言って(笑)。「じゃ、オナニーしろ」とか言って。「松岡さ~ん」とか言っちゃって。

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他だったら特殊学校にいるような子が普通クラスにいたし。私立から変わってて。僕、小学校の時からダウン症って言葉、知ってたもん。学校の裏に養護学校みたいなのがあるんですよ。町田の方の田舎から、まだ畑とか残ってて。それで、高校の時とか、休み時間にみんなで外にタバコ吸いにいったりするじゃないですか。で、だいたいみんな行く裏山があって。

タバコ吸ってたり、ボーッとしてたりなんかするとさ、マラソンしてるんですよ、その養護学校の人が。で、ジャージ着てさ、男は紺のジャージで、女はエンジジャージで、なんか走ってるんですよ。で、ダウン症なんですよ。

「あ、ダウン症の人が走ってんなあ」なんて言ってタバコ吸ってて。するともう一人さ、ダウン症の人が来るんだけど、ダウン症の人ってみんな同じ顔じゃないですか?

「あれ? さっきあの人通ったっけ?」なんて言ってさ(笑)。ちょっとデカかったりするんですよ、さっきの奴より。次、今度はエンジの服着たダウン症の人がトットットとか走っていって、「あれ? これ女?」とか言ったりして(笑)最後10人とか、みんな同じ顔の奴が、デッカイのやらちっちゃいのやらがダァ~って走って来て。「すっげー」なんて言っちゃって(笑)

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村田さんの家に電話する。お母さんが出た。聞けば、村田さんは現在パチンコ屋の住み込み店員をやっているという。高校和光を離れて定時制に。

お母さん「中学時代は正直いって自殺も考えましたよ。でも、親子で話し合って解決していって。ウチの子にもいじめられる個性みたいなものはありましたから。小山田君も元気でやっているみたいだし」

住み込み村田さんは家族とも連絡が取れないらしい。パチンコ屋の電話番号は、何度尋ねても教えて貰えず、最後は途中で電話を切られた。

沢田さんに電話してもお母さんが出た。電話だけだとラチが開かないので、アポなしでの最寄り駅から電話。「今近くまで来てるんですが……」田園調布でも有数の邸宅で、沢田さんと直接会うことができた。

お母さんによれば、”学習障害”だという。家族とも「うん」「そう」程度の会話しかしない。現在は、週に二回近くの保健所書道陶器教室に通う。社会復帰はしていない。

お母さん「卒業してから、ひどくなったんですよ。家の中で知ってる人にばかり囲まれいるから。小山田君とは、仲良くやってたと思ってましたけど」

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■もし対談できてたら、何話してますか?

別に、話す事ないッスけどねえ(笑)。でも分かんないけど、今とか会っても、ぜったい昔みたいに話しちゃうような気がするなあ。なんか分かんないけど。別にいじめるとかはないと思うけど。『今何やってんの?』みたいな(笑)。『パチンコ屋でバイトやってんの?』なんて(笑)、『玉拾ってんの?』とか(笑)。きっと、そうなっちゃうと思うんだけど」

■やっぱ、できることなら会わないで済ましたい?

「僕が? 村田とは別に会いたいとは思わないけど。会ったら会ったでおもしろいかなとは思う。沢田に会いたいな、僕」

特に顔も会わせたくないっていう人は、いない訳ですね?

「どうなんだろうなあ? これって、僕って、いじめてるほうなのかなあ?」

■その区別って曖昧です。

「だから自分じゃ分かんないっていうか。『これは果たしていじめなのか?』っていう。確かにヒドイことはしたし」

■やましいかどうかっていう結論は、自分の中では出てない?

「うーん……。でも、みんなこんな感じなのかもしれないな、なんて思うしね。いじめてる人って。僕なんか、全然、こう悪びれずに話しちゃたりするもんねえ」

■ええ。僕も聞きながら笑ってるし。

 
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