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2022-03-27

今のロシア人生の声もっとブクマカに教えてやる(掲載許可取った)

1/4

増田盆踊りでは花火の火の粉が落ちてきた」

友達ロシアでは大晦日花火をやる。今年は数人の男の首がちぎれ落ちたのを写真で見た」

増田「そういう危ないことってなんかそそる」

友達危険なことが面白いと思ったことはない」

増田「そう」


3/9

増田「ところでゼレンスキー大統領のことどう思う」

友達「振る舞いが格好いい。俳優だったからだろう。だが人を殺しすぎだ」

増田「ふーん?」

友達停戦を受け入れてもよかっただろうに」

増田ロシア提示した停戦条件はなんだっけ」

友達ロシアは ・クリミアロシア領土だと認めることとドネツクルガンスク独立国だと認めること ・NATOに加盟しないことと特定武器ウクライナに置かないこと

この2つを要求している」

増田「(4つに見えるが)それはウクライナが受け入れうるようなものだと思うの?」

友達「多くの人々が死に、多くの都市地球から拭い去られることが受け入れうるものなのか?

知っているだろう、日本は二つの核兵器を落とされてようやく降伏した。プーチンもっとたくさん落とすことができる。戦略核などが撃たれるかもしれない」

増田「ふーん… 仮にもっとひどい条件を提示していたら、それでもウクライナは受け入れるべきだと思う?」

友達「そうだったら、思わない。だがこれはそこまでひどくはない」

増田「そう」

増田「(戦争中に他国ウクライナに軍を派遣したら参戦になるけど、停戦してから派遣するなら参戦にはならないんじゃなかろうか)」


3/20

増田「slavの語源は何? Slaveが元だとかсловоが元だとか色々見てどれだかわからなかったんだけど」

友達「未詳だ」

増田「そう」


3/16

増田ロシアEUとかNATOに入ろうとしたことはあるの?」

友達NATOになら。『ロシアなんか入れてやるわけがない、帰れ』と言われた」

増田「いつごろ」

友達2000年代だったはず」

増田「なんで入ろうとしたんだろ」

友達「知らない」

増田「そう。なんで断られたのかな」

友達NATOはもともとソ連の力を抑えるために作られた。多分ロシア人のことをいい人々だとは思っていなかったんだろう。それが我々をこのような状況に導いている。

西洋プーチンを今のようにした。そして蒔いた種をいま刈り取っている」

増田西洋が……? 何をしたの?」

友達プーチン西洋協働しようとしたことが数回ある。

彼がNATOに入れてもらうよう言うたびにNATOは『帰れ、ソ連崩壊した。お前はもう何者でもない。お前の意見価値はない」と言った。

そして今、彼らはプーチン戦争したことにショックを受けている。西洋プーチンをこうしたんだ。そして西洋人はすべてのロシア人を罪人だとしている」

増田「そう。今まだ回顧録読んでる途中だけど、プリマコフの見識と頭脳平和と遵法と民主主義国際協力を愛する心、そしてプーチンを高評価する姿勢はすでによくわかった」

(注:回顧録まだ読み終えてない……。1/3強くらいのところで止まってる)

友達「そう」

増田「多分この時代西側陣営の人の回顧録も読むべきだろうけど時間かかりそうだな……。

ところでそのプーチン発言ソースないの?」

友達「私が覚えている」

増田「ええー? ソース出して出して」

友達「気が向いたらそのうち検索しよう」

増田ありがとう(刈り取るの中国になりそうだけどどうするんだろう)」


3/7

増田ウクライナについてなんか思い出とかある?」

友達ウクライナの人々や文化が大好きだ。友達もたくさんいる」

増田「そういえば言ってたね」

友達「近い親戚にはウクライナから来た人がいるし、私の住む地域にもたくさんいる。

ソ連時代ドイツ人ウクライナ人がシベリア強制的に連れてこられた」

増田ドイツ人? 知らなかった」

友達戦後ソ連にはドイツ人がたくさんいた」

増田「へえー」

増田「(ウクライナから無理やり連れてこられて侵略者の地に根付き、

ふるさとネオナチに侵されたとの恐ろしい報道を聞いて戦争を支持し国際社会から糾弾制裁に遭う。なるほどそういう人生もあるのか)」


増田水木しげるヒトラー漫画を読んだことがある」

友達「今のロシアナチスドイツのようなものだ」

増田「あとヒトラーがヤク中だったという説のドキュメンタリーも見たことがある」

友達「ああ、調べたことがある。彼の主治医が大量の薬物の投与を記録していたんだろう」

増田「そうそれ。(結局のところ幸せ生活というものは、禁断症状が出ない程度に少ない脳内麻薬を出し続けるためにあるのかな? 夢がないな)

それ見てて一番心に残ったのは、ソ連が見つけて持ち帰ったヒトラー頭蓋骨らしきものが本物かまだわからないってところ。

頭蓋骨DNA検査はできるけどヒトラー血縁者はもういなかったかヒトラー自体DNAがわからなくて照合できないんだって

あれだけ大きなことをした人間なのに毛の一本も残っていないなんて……しんみりしたよ」

友達「それはヒトラーの遺骨だ。間違いない。

もし少しでも疑いを差し挟む余地があったのなら、ソ連地球の裏側にでも探しに行っただろう」

増田「なんでそんなに探すの?」

友達スターリンが求めていた。ソ連を恐怖に陥れたヒトラーを捕らえるためならソ連は誰だって殺しただろう」

増田「へー」

友達「ところで。ウクライナソ連の中で最もナチスドイツに協力的な地域だった」

増田「近いもんね」

友達ナチスウクライナ兵の軍隊さえ持っていたhttps://en.wikipedia.org/wiki/Ukrainian_Liberation_Army 」

増田「へー」

友達https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3e/Gitler-vizvolitel.jpg 

プロパガンダの一例だ。『救世主ヒトラー』と書かれている。ウクライナはいつもロシア敵対してきた」

(注:この言葉の真偽についてはhttp://www7b.biglobe.ne.jp/~shiokawa/notes2013-/Ukraina2022.pdf が一つの手がかりになるだろう。増田あくまで1人のロシア人の考えを日本に伝えるためにこれを書いており正しさについては何ら保証しない。当たり前のことだが、正確な情報が知りたければ怪しげな増田ではなく専門家に頼って頂きたい)

増田「ふーん」

友達「だが皆ウクライナをただ利用するばかりだ。ウクライナ自分達がロシア以外のどこから必要とされていないのを理解しようとしない。

EUは彼らをbarbariansと呼び、NATOは加入を認めなかった」

増田「利用……たとえば?」

友達ドイツロシア人を殺すためにウクライナ兵の軍隊を使ったあと一方的関係を絶った。

欧米2004年と2014年からウクライナを使ってロシア圧力をかけている」

増田「Помаранчева революція」

友達「それ」

増田「どう思う?」

友達ロシアEUとの間に緩衝地帯がほしくて傀儡大統領を立てようとした。2013年までは平和だったが欧米の援助でユーロマイダンが起きた」

増田「本当に傀儡だったかは不確実だと読んだんだけど」

友達ヤヌコーヴィチプーチン支持者だった」

増田「えー、それが欧米の国々がロシア圧力をかけたってことになるの?」

友達アメリカはたびたびロシアを潰そうとしてきた。

第二次世界大戦後のときは失敗した。

アフガニスタンときもそこまで上手くはいかなかった。

2004年、ウクライナ不安定だったときに利用しようとしたが失敗した。

今やっとある程度の成果を得ようとしている」

増田「利用?」

友達ウクライナ傀儡大統領を立てようとした。

スパイプラインが通るウクライナロシアにとって重要だ。

2014年にもう一度試みたときもっと上手く行ってヤヌコーヴィチロシアに逃げた」

増田「そうなんだ。第二次世界大戦後のときっていうのは?」

友達「Operation Unthinkable, Operation Dropshot, Plan Totality.」

増田「Operation Unthinkable… いいですね闇っぽくて」

増田「(……)」

増田「(なんだよ、愚民化政策じゃないじゃん! 騙された!)」

友達「Plan Totalityは複数核兵器ソ連に打ち込むことも含まれていた。日本にしたように」

増田「そう。なんでやらなかったんだろう」

友達ソ連は核を持っていた」

増田「なるほど」

増田ロシア側は2014年に失敗したみたいだけど、欧米側はうまくいったの?」

友達ウクライナ欧米になりたがった。しか欧米ウクライナを欲しがらなかった」

増田「それで?」

友達「その『それで?』を世界中が見ようとしている」


2021/2

友達ロシアでは脱脂綿のことをватаという。日本語の綿からきている」

増田「そうなの!?

友達「逆に日本語にもノルマコンビナートなどいくつかのロシア語由来の単語があるのを知った」

増田「へー、そこそこ入ってるんだ。なんで入ってきたんだろう」

増田「(……)」

増田「ああ……、シベリア抑留か……」(注:その後知ったが1800年からロシア日本交流はあり単語流入もある)

友達あはは

増田「(は? なんだコイツどうして笑ってやがる。私の同胞シベリアに住まわされたのに)」

増田「(……)」

増田「(あ、●●さんはシベリアに住んでいるんだった)」

増田「(…………)」

増田「(それじゃなんて言えばいい? 下手なことを言ったら失礼にあたるんじゃないか

笑ったのだって、もしかしたら●●さんの親戚に日本兵と仲良くしていた人がいてそれで笑ったのかもしれない)」

増田シベリア抑留についての本を読んだことがある」

友達「あれだな」

増田「彼らがロシア言葉を覚えてそれを持ち帰ったんだろう」

友達「いや、待った、捕虜のことだったのか。

勘違いしていた。 Siberian Educationという、実際のシベリアを全く表していないデタラメな本と映画について話しているんだと思っていた」

増田「そうなんだ(ああ、びっくりした)」


3/23

友達韓国ビザ無しで行けるようになった」

増田「へーなんでだろ」


3/21

増田ソースちょうだいよ」

友達https://www.theguardian.com/world/2021/nov/04/ex-nato-head-says-putin-wanted-to-join-alliance-early-on-in-his-rule

増田「ありがとう」

増田「(……)」

増田「(……うーん? なんか思ってたのと違うな)」

増田「なんでプーチンはこんなに偉そうなの?」

友達プーチンからだ」

増田NATO入ってたらどうなってただろう」

友達国民がその国家定義する。もし入っていたとしても国民は変わらないだろう。

結局はビールウォッカの国だったはずだ」

増田「なんで?」

友達「住まなければわからない。言葉では説明できない」

増田「(……)」

増田「(…………)」

増田「(……アルコール中毒ロシアには確かに多いとはいえ古今東西のあらゆる気候で発生するものだ。眉に唾はつけておこう)」

増田「(ときに人は、泥臭く血の通った言葉こそを疑わなければならない)」


2021/9

増田結婚しよう。それで一緒に日本に住もうよ」

友達日本国際結婚要件が非常に厳しい。多分無理だ」

増田「そんなに難しいの?」

友達2019年まではそこまででもなかったが今はほとんど不可能だ」

増田「えー……」

友達「それに今日本はコロナ国境を閉じている」


3/24

増田ロシア人を入店させないレストランあったけど、ロシア人とそうでない人の区別なんてつくのかな」

友達「無理だろう。ロシア人とウクライナ人はそっくりだ」

増田「だよなあ、やっぱり」

増田ドイツレストランの方は『ロシアパスポートをお持ちの方は入れません』と書いてあったけどレストランパスポートなんて見せるのかな」

友達「突拍子もない話だ」

(注:その後調べたところドイツではワクチン接種証明または陰性証明がないとレストランに入れないようなのでこれが関係あるのかもしれない)


3/20

友達Russia is releasing every COVID restriction」

増田「(なるほど第6波対策か オミクロンやばいもんね。 ……?)」


後編https://anond.hatelabo.jp/20220327224323

2022-03-22

anond:20220320151446

NATO加盟はないなんて言ってロシアが引き下がったわけない

それな。もともとプーチンあるいはロシア伝統的に外交上約束事を信じる気持ちが低い。

まして、もともと不拡大の約束反故にされたと思っているプーチンに、単なる口約束で「NATOに入れない」と言っても納得しないだろう。北大西洋条約のもの改訂無理ゲー)とかでないと納得しない可能性は高い。

そんな前提で2014年に結ばれたミンスク合意ドンバス紛争停戦協定)を見ると、プーチン観点からはかなり譲歩した内容。ごちゃごちゃ書いてるが、肝は、

ウクライナ連邦制国家にして、ドネツクルガンスク自治共和国格上げしてそこに組み込んで特別地位を認めさせることで、ウクライナ外交(というかNATO加盟)に対する拒否権を握る、けれども、ウクライナ領土の一体性は認める』ってことだし、停戦監視OSCEにさせる。当時のウクライナ軍はロシア民兵ロシア軍に惨敗していたかもっと過酷な条件押しつけてもいいのに、ウクライナの和平案に大枠では乗ってやったぞ、的な気分だったはず。

同時に、ウクライナ側にしたら、クリミア分捕られた上でそんなトロイの木馬仕込まれたら、いつ国まるとご乗っ取られるか分かったもんじゃねえよ的に反発する気持ちが湧くのも当然。そりゃミンスク合意は履行されませんわ。

回避できる世界線があったかというと多分ない。クリミア分捕りが悪印象すぎる。

後知恵でよければ、クリミアドンバス地位帰属国際監視団入れた公正な住民投票で決めるという協定にして、真面目な選挙活動勝負する(当時の諸々を考えると、それでも露側が勝つ目は十分あったはず)ぐらいの手は浮かぶが、なにせ当時は

選挙で選ばれた大統領が、ユーロマイダンかいネオナチ扇動する(※個人見解です)革命運動で追い出される」とかが起きた直後。選挙信頼度説得力がどの程度あると考えられるかと言われるとゴニョゴニョ。たぶん当時のプーチン観点では、

「そっちが非合法大衆扇動で来るならこっちも同じ手でやり返してやんよ」的な気持ちクリミア切り取りはやったんじゃねーな感。

まあヤヌコーヴィチ人材として悪すぎたのが諸悪の根源という気はする。

2022-03-16

anond:20220316041737

ソビエト連邦崩壊過程で、主要基地であったセヴァストポリ軍港ウクライナ領になったこから艦隊帰属が宙に浮くことになった。長らく二国間協議が進められた結果、艦隊の分割と基地使用権に関する協定が結ばれた。この協定により、ロシア海軍2017年(後の合意により2025年まで延長)までセヴァストポリ駐留することが認められた。 なお、ウクライナ海軍が引き取った大型艦艇の多くは、後に天然ガスの代金の未納分で相殺する形でロシア船籍となっている。

2004年ウクライナオレンジ革命と呼ばれる政変が起こり、ヴィクトル・ユシチェンコ政権が成立した。同政権NATO加盟を目指すなど親西側路線を掲げる一方、ロシアに対しては2017年までに黒海艦隊撤退させるよう要求した。 しか2010年選挙で親露派と目されるヴィクトル・ヤヌコーヴィチ政権が成立したことにより、黒海艦隊駐留期限をさらに25年延長する協定が結ばれた。これにより、黒海艦隊は少なくとも2042年まではセヴァストポリを母港とすることが可能となったが、そのヤヌコーヴィチ政権崩壊した2014年ロシアクリミア半島全域を支配下に置き、編入宣言した。

黒海艦隊wiki

真相不明。前々から狙ってたと言う話も。

しかし、ナイチンゲールで有名なクリミア戦争

の名の通り、難しい場所

各国煽り合ってないで、仲裁に入るべき。

2022-03-13

ロシア国民は悪くない、みたいな風潮が理解できない

かに国民政府イコールではないかもしれない。報道の自由選挙の公正性が十分担保されていない国だというのもわかる。

しかし、それらの事実ただちにロシア国民を免責するだろうか?

ロシアは、中国北朝鮮ほどの専制体制ではなかったはずだ。報道の自由がないといっても独立系メディアはつい一週間前まで存在していたし、世論調査支持率選挙の得票率が常に100%と発表されてきたわけでもない。

世論調査支持率にどれほどの信頼性がおけるのかはわからないが、たとえば https://www.jiia.or.jp/research-report/russia-fy2021-05.html記事にも書かれているように、情勢によって支持率はきっちり変動している。

今回の侵略プーチン支持率10ポイント上昇したが、この原因を単に情報統制のみに求めるのは無理があるのではないだろうか?

ジョージア侵攻やクリミア併合では支持率が高まり2019年年金支給開始年齢引き上げで支持率が低迷したのならば、それはロシア国民が「自分たち年金が減るのはNoだが武力による現状変更Yes」という意見世論調査を通じて継続的に表明してきたということではないのか?

そもそも自由の制約された抑圧的な権威主義体制自体ソ連崩壊後の混乱の記憶から安定を望む国民が、望んで後押ししてきた側面があるのではないか

もしも今の日本があのような暴挙に及んだならば、民主主義国家主権者として日本国民は当然責任を問われるだろう。

ロシア場合権威主義体制である以上その程度は弱まるかもしれなが、それでもロシア国民責任が皆無になるとは思わない。

念のためだが、ここで主張しているのはあくまで「ロシア国民責任」であって、その中の特定の一個人に対して直ちに責任を負わせるべきだとかリンチまがいのことをしろだとかいうことではない。

これは今回の侵略で「ウクライナ国民」に連帯を表明したとしても、それはヤヌコーヴィチアゾフ大隊過激構成員への連帯を必ずしも意味しないのと同じことだ。

文化排除も当然肯定しない。

それでもロシア国民政府とともに一定批判を受けるべきだし、制裁企業撤退によって結果的個人不利益を受けたとしてもその責任ロシア国民政府が負うべきものだと考える。

そして我々は、「不断努力」を怠った者は責任と代償を負わされることを肝に銘じ、「国民」としての自らの行いを省みなければならないのだろう。

2022-03-07

FSB内部告発文書(信憑性注意)

id:Vorspiel

Changelogを入れたら末尾が切れてしまった…Changelogはリプにします。https://anond.hatelabo.jp/20220308162009

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Twitterで流れていた以下の文書翻訳したものです。

https://twitter.com/igorsushko/status/1500301348780199937

最初Twitterに流しましたが(https://twitter.com/Vorspiel2/status/1500677825044819971)、誤訳修正し、追加情報を入れて清書しました。

なお、この文書真正性について、まずこちらの評価をご参照ください。(イギリス情報サイトBellingcatの幹部Christo Grozev氏による)

https://twitter.com/christogrozev/status/1500196510054637569

以下はその翻訳です。

昨晩[日本時間3/5早朝]、FSB内部告発文書と称するものが公開された。そこには、ロシア軍ウクライナでの失敗と、今後数週間~数ヶ月におけるロシア惨状予測が記されていた。これが本物かは分からない—ウクライナは以前に、心理戦の一環として偽のFSB文書リーしたことがある。

だがこれはそれとは違うようだ: 情報源は信頼できるもので(gulagu.net創始者)、偽造にしては遥かに長い文書だ(長くなるほどボロが出やすくなる)。

私はこの文書を、知己のFSB職員2人(現職または前職)に見せた。2人とも、これは間違いなく同僚が書いたものだと判断した。彼等は結論のすべてには同意しなかったが、それはさておき。

文書こちら。一読の価値がある: https://www.facebook.com/vladimir.osechkin/posts/4811633942268327

内部告発というのが仮に真であったとしても、内容に虚偽が含まれている可能性にご注意ください。

更に、私はロシア語は分からないので、露→英訳時に意図的か否かを問わず誤情報が紛れ込んでいる場合にはそのままになります。この点について、ロシア語が理解できる方はチェックをお願いします。

以下本文です。

--

[冒頭は英訳者Igor Sushko氏のコメント。氏はウクライナ出身アメリカ育ちのレーシングドライバー]

以下は、現職のFSB分析官による、ロシア現状分析英訳したものである。長いスレッドになるので心して読んでいただきたい。シェア歓迎。全文で2000語以上になる。カーテンの裏で起きていることに対する高度な洞察であり、幅広い題材を含む。

文意を明確にするための補足を、必要に応じて括弧書きで加えている。[日本語訳時に、追加の補足を角括弧書きで入れている。] では始めよう:

[ここからが元文書の内容]

最近はろくに眠れていない。ほぼ24時間勤務で、頭に靄が掛かったような状態だ。過労なのだろうが、まるでシュール世界の住人になったような気分だ。

パンドラの箱は開いた—本当の世界規模の惨劇は今夏までに始まるだろう—全世界飢餓は避けられない。ロシアウクライナ小麦の主要産地なのだから。(コメント: 世界規模の飢餓が起きるという予測には同意しない。)

我が国指導者層に本作戦(ウクライナ侵攻)を決断させたのが何かは分からないが、彼等は揃って我々(FSB)の責任だとしている。我々の分析非難され、もっと沢山報告を出すよう、最近ますます圧力を掛けられている。

こういう政治コンサルタント政治家、権力者ども全員が混乱の元凶だ。何より重要なのは、誰もこんな戦争が起きるとは知らなかったということだ—開戦は誰に対しても秘匿されていた。

一例を挙げる— ロシアに対する隕石攻撃(コメント: 西側諸国による制裁を指すと思われる)[これは露→英訳時のミスと思われる。詳細はhttps://anond.hatelabo.jp/20220322231355を参照]があった場合の結果と影響の分析依頼があったとしよう—

そこで攻撃モード分析するが、一方これはあくまで仮説であって細部を強調するな、とのお達しがくる。なるほどこのレポートはどこぞの官僚チェックリストとして使うもので、分析結果はロシアにとってポジティブものでなくてはならない、

そうでなければ「仕事ができていない」と詰問されるんだな、と理解する。したがって、我々にはどんな攻撃にも対抗手段が揃っている、という結論を出さざるをえない。もう完全にやりすぎだ。

ところが、蓋を開けてみればこれが仮説ではなく現実に起こっており、こんな仮説に基づいた分析など全くのゴミ屑になってしまった。制裁に対抗できていないのはこのためだ。こんな戦争が起きることは誰も知らず、従って制裁への対抗策も準備していなかったのだから

これは秘密主義と裏表だ—誰もが知らされていないのなら、準備のしようがあるだろうか?

カディロフは激おこだ。ウクライナが「FSBからキーウのチェチェン部隊情報をもらった」と吹聴したことで、我々(FSB)と連中は一触即発になりかけた。

カディロフの部隊戦闘に入る機会すらなく壊滅し霧消した。FSBからウクライナへのリークがあったという情報を私は持っていないので、推測するにその可能性は1-2%だろう—とはいえ可能性を完全に排除できるものではない。

我々の電撃戦は完全に失敗した。そもそもが完遂できないタスクだ: ゼレンスキーと部下を開戦3日で確保し、主要な建物をすべて占拠し、城下の盟を誓わせたとしたら、

ウクライナ抵抗は最小限に抑えられただろう。理屈上は。だがそれがどうした? こんな「理想的な」展開であってさえ、解決不能問題が残っている: 我々は誰と交渉する気だ?

ゼレンスキー排除するとして、よろしい、では合意署名するのは誰だ? ゼレンスキー署名するなら、彼の排除後は合意は役立たずだ。ОПЗЖ(ウクライナの親露派野党)は協力を拒否している。

臆病者のメドヴェドシュク[実業家プーチンの友人]は逃亡。指導者は他にもいるが—ボイコ[野党党首]は拒否、彼の支持者も理解しないだろう。ツァリョーフ[DPR・LPR議会議長]を呼び戻そうにも、ロシア国内ですら不評。ヤヌコーヴィチ[前大統領]を戻す? どうやって?

占領不可能、ということになれば、我等の撤退後、[ウクライナ]新政府10ももたずに倒されるだろう。

占領するにしても、必要人員がどこにいるというのか? 司令部軍警察、防諜、諜報—ウクライナ人の抵抗を抑え込んだとしても、50万人は要る。これに更に補給兵站が加わる。

こんなのはまりきったことだ—質の悪いリーダーシップを量で補おうとするなら、何もかも分が悪くなる。繰り返すが、これは「理想的シナリオ」での話だ。現実はそうではない。

それでどうなっているのか? 総動員を掛けることはできない。理由は2つ:

1)総動員を掛けたらロシア国内問題で自壊する: 政治でも経済でも社会でも。

2)我々の兵站今日ですら伸びきっている。これだけ巨大な分遣隊をウクライナに送り込めたとして、何が得られる? ウクライナ—広大な国土を持ち、我々に向けられる敵意は半端ない国において。

我々の道路はこんな大部隊補給に耐えうるようできていないから、何もかもがストップするだろう。現在の混乱状況を鑑みれば、指導者層がどうにかできるものでもない。

この2つの理由が同時に存在している。どちらか一方でも、失敗には十分だというのに。

ロシア軍の損失について: 実数は分からない—誰にも。開戦から2日間は何がしか情報が入ってきたが、今となってはウクライナで何が起きているのか誰も把握していない。主要師団との連絡は途絶えている。(!!)

通信回復するかもしれないし、攻撃を受けて散開しているかもしれない。司令官ですら戦死者数・負傷者数・捕虜数を把握できていない。戦死者の合計数は千人単位だろう。1万人か、5千人か、2千人ですんでいるか

こんなことすら、司令部誰も知らない。もしかしたらロシア兵の戦死者は1万人近くかもしれない。しかもここにはDNRとLNRの戦死者は含んでいない。

ゼレンスキー殺害ないし捕縛したとしても、状況は変わらない。我々に向けられる敵意はチェチェンのそれ並だ。今となっては、ウクライナの親露派ですら公然と我々に反抗している。

それもこれも、(ロシアの)トップがすべて決めたから。こんなシナリオ(ウクライナ侵攻)など、先制攻撃を受けない限り起こらないと聞かされてきたから。

我々が脅威を高めていくのは、戦闘によらず交渉で結果を出すために必要と聞かされていたから。ウクライナ国内でのゼレンスキー批判の準備も、ウクライナ侵攻など考慮にも入れていなかったから。

今日ウクライナ市民の死者数は幾何的に増加しており、抵抗は強くなる一方である歩兵部隊都市侵入を試みているが—落下傘部隊20隊のうち、わずか1隊が「暫定的に」成功を納めたのみ。

モスル侵攻を思い出してほしい。まるで同じだ—どの国でも起こることで、何も新しいことなどない。ここ数十年のヨーロッパでは—セルビアが一番良い例だろう—都市を包囲しても数年は持ち堪えられる。ヨーロッパからウクライナへの人道的支援が始まるのも時間問題だ。

我々のひとまずの期限は6月だ。というのは、6月になったらロシアには経済というものが無くなるからだ—何にも残らない。

大局的には、来週には(ロシアで)(戦争賛成派対反対派の)両者の一方が崩れるだろう。こんな(ロシア国内の)緊張状態は長続きできない、というだけのことだ。

分析のしようもなく、混乱状態予測の立てようもなく、何が起きるか確度を持って言える人間など(ロシアには)誰もいない。

直感に従って、しかも強い感情に動かされて行動するなどというのは最早ポーカーではない。だが賭け金は釣り上がってしまい、どれかしらの手段はうまく行くだろうという望みに掛けるしかない。悲しいけれど、人間は往々にして計算違いを起こすし、そうなればすべてを失うことになる。

見渡してみれば、ロシアにはアウト[ポーカーにおいて「これを引けば勝てる」というカード。「勝ちの目」]が無い。勝ち筋などなく、どうやっても負けるしかない—ということだ。(ここで一旦中断。小休止後に再開する)

(ここから後半。こちらはもっと興味深く、ラストには喜ばしい方向で驚くべきことが記されている)

我々は前世紀の失敗を100%なぞっている。「弱っちい」日本を蹴散らして瞬く間に勝利するつもりが、実は我々の軍はずたぼろだった。[日露戦争]

その後、また勝ちを目指して戦争[第一次世界大戦]をおっ始め、軍隊教育のためにボリシェヴィキ徴兵を始めた。当時よく知られていなかったボリシェヴィキ戦争反対のスローガンを掲げ、ああいった行動に出た…

プラスの面も見よう: 懲罰部隊前線に送り込むなんてことは考えもしないよう、我々は手段を尽くした。政治犯や社会不適合者を徴兵したら、前線士気は下がるだけだ。

敵軍(ウクライナ)の戦意は高い。恐ろしく高まっている。戦い方をよく知っているし、有能な指揮官も多数居る。武器補給もある。世界的な人道破局舞台を整えているようなものだ。

我々が最も恐れていることは: 首脳が古くから問題を新しい問題で糊塗しようとしていることだ。ドンバス2014年に起きたことの大きな理由がこれだ—我々は西側諸国クリミアの「ロシアの春」から引き剥がす必要があった。それで、いわゆるドンバス危機演出し、西側の注意を逸らして

交渉材料にするしかなかった。だがそれで問題さらに大きくなった。そこでエルドアン圧力を掛けてサウス・ストリーム(ガスパイプライン)を4本引かせた上で、シリアに侵攻した。

レイマニ(イスラム革命防衛隊)が自分側の問題解決するために、わざと偽情報を我々に流したために起きたことだ。その結果、クリミア問題は片付けられず、ドンバス問題も無くなっていない。

サウス・ストリームは(ガスパイプライン)2本に減らされ、シリアは宙吊り状態だ—我々が撤退すればアサド政権は倒され我々は無能扱いされるが、我々が駐留し続けるのも困難だし意味もない。

こんな「ウクライナ電撃戦」を誰が思い付いたのかは知らない。もし仮に我々が正しいインプットを受け取っていれば、少なくとも初期の計画には疑問点があり、大部分を再評価するよう指摘できただろう。それはもう大量に。

それが今や、我々はクソみたいな(PG言葉遣い英訳者による)ハマリ状態で、どうしたら良いかも分からない。「非ナチ化」「非武装化」というのは分析カテゴリには無い。というのも、具体的に数値化されたパラメタが無く、目的達成を何をもって評価できるのか分からない。

今や我々は、頭のおかし参謀トップヨーロッパとの紛争決断させるのをただ待つだけだ。要求制裁の緩和だ—制裁を弱めるか、それとも戦争か。

西側が拒絶したら? その場合、本物の国際紛争に巻き込まれ可能性も否定しない。1939年ヒトラー同様に。我々の「Z」[紀章]は鉤十字同様に扱われるだろう。

(ウクライナでの)局地的な核攻撃はありうるか? イエス。但し軍事目的ではない。こんな兵器は防御を崩す役には立たない。使うなら目的は我々以外(西側諸国)の恫喝だ。

我々はウクライナに全責任をおっ被せるシナリオの土壌を作っている。ナルイシキン(ロシア対外情報庁官)と配下SVRは、ウクライナが密かに核兵器製造していた、という証明をせっせとこさえている。クソったれ。

連中は、我々がとっくに分析放棄した論を押し通そうとしている: [核兵器開発の]専門家ウランがあったことの証拠証明など、でっち上げることは不可能だ。ウクライナには劣化同位体238[ウラン238。劣化ウラン]が1トンある—だが問題にはならない。核燃料サイクル上、作り出すことを秘密にはできない。

「汚い爆弾」にしても秘密裏に製造することはできない。ウクライナの古い原発では、それに必要物質副産物として最小限産出されるのみだ。アメリカはMAGATE[IAEAロシア表記]と共にこういう施設監視しているから、こんな論など出したら馬鹿にされるだけだ。

1週間後には何が起きているだろうか? 2週間後でもよい。我々はドツボにハマり、古き良き、空腹の90年代を思い出すことになるだろう。

市場が閉じつつあるのに対抗して、ナビウリナ[ロシア連邦中央銀行総裁]は正しい措置を講じているようではあるが、所詮は船に空いた穴を指で塞ぐようなものだ。状況はどのみちどんどん悪化し続ける。3日とか5日とか7日、などのうちには最早解決しない。

カディロフが地団駄を踏んでいるのも故ないことではない。彼等には彼等の野心がある。彼は「無敵」として名をあげた—もし失敗したなら、自分の部下達に引き摺り下ろされることになる。

それからシリア。「諸君—耐えろ、ウクライナは片づける、そうしたら我らのシリアでの地位を強化する。」実際のところ、ロシアの分遣隊はい補給が切れるかも分からず、その後には熱波が待っている…

トルコ海峡を封鎖したし、シリア物資を空輸するのはかまどに金をくべるようなものだ。しかもだ—これはすべて並行して起こっている。ひとまとめにして分析する時間すら無い。

我々の現状は1943-1944年ドイツのようなものだ—だがこれはウクライナでの「初期状態」にすぎない。

過労でくらくらするし、これは夢で、実は以前と何も変わっていないのではないかと思うことすらある。

監獄について—今後も悪化するだろう。ナットは血が滲むまで締め付けられるだろう。どこでも。有り体に言って、純粋テクニカル観点では、現状をコントロールし続けるにはこの手しかない。

我々は既に総動員体制だ。だがこんな体制は長く続けられない。タイムテーブルがどうなっているのかは分からないが、状況は悪化の一途だ。国家統治というのものは、総動員を掛けたら狂い始めるものと決まっている。しかもだ: 100mを疾走できるとして—それをマラソンでやったらどうなるか。

で、ウクライナ問題について100m競走よろしく飛び出したものの、よく見たら参加登録したのはマラソンだった、ということだ。しかもこれは、現状のかなり簡潔な要約でしかない。

更に皮肉なことを言えば、私はプーチンが核の赤ボタンを押して世界を終わらせるとは信じていない。

まず、それを決められるのは1人ではない。誰かが反対するだろう。このプロセスには多数の人間が関与している。「赤」ボタンを1個押すだけ、というものではない。

2つ目、そもそも[核兵器が]正常動作するかも疑念がある。

経験的に知られているとおり、制御構造に透明性があるほど、問題点は見つけやすい。誰が何をどうコントロールしているか混沌としているにも関わらず、虚勢を張った報告ばかりが飛び交う状況にこそ、問題が潜んでいるのが常である

「赤ボタンシステムが言われているとおりに稼働するかは確信が持てない。それに、プルトニウム燃料は10年毎の交換が必要だ。

3つ目、これが最も唾棄すべきで悲しいことだが、私個人の信念として、側近や忠臣すら近づかせないようになったプーチンが、自分自身を犠牲にするなどとは思えない。

プーチンが恐れているのがCOVIDなのか暗殺なのかはどうでもいい。もしプーチンが、自分が最も信頼していた人々すら恐れているのだとしたら、自分自身と最愛の人々を破壊するなんてことができるものかね? (英訳終)

 
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