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2008-01-10

俺の親父は遊びの天才だった

外国航路の船乗りである親父とは、一年のうち一ヶ月くらいしか会うことができなかった。

昔はサザエさんのような、「毎日帰ってくる親父」ってのが、どうしても理解できなかった。

そんな特殊な事情を差っぴいても、

俺の親父は遊びの天才だった。

ウチは4人兄弟だから家族あわせて6人。

親父が帰ってきたら先ずみんなで遊ぶのは、トランプブラックジャックポーカーだった。

家族同士、マッチ棒を一本一円に見立てて、遊ぶのだけれど、親父の海外仕込のテクとイカサマ、お袋の楽しそうな顔といったら、なかった。

親父は何でも、楽しそうに遊びこなしていた。

前述したトランプから花札オセロ囲碁将棋、ただのキャッチボールからサッカーの相手、

UHFアンテナの指向性の調整から俺の勉強の相手、

通信技師だったから常に国家資格へ向けての勉強なども、

全てgameをplayする上でいかに楽しいかを追求していた。

どこの砂浜ではアサリがどういう時刻によく採れるだとか、どの海岸では素もぐりでサザエがどうだとか、

このタンボにはメダガやザリガニがどうだとか、この山奥では野生のシイタケがどうだとか。

いっぱい遊びを教えてもらった。

キャンプだって親父にしてみれば道具をそろえることが気に入らないらしく、

軽自動車に常に積んでいるテントと釣竿以外は常に現地調達、計画すら立てずに突発的に発足して、

先ずは皆でかまどを作ることからはじめさせられたもんだ。

もちろん、コンピューターゲームだって半端じゃない。

海外でインベーダーと出会いつつ

親戚の家でエキサイトバイクをやって以来、

土曜夜市でマッハライダーファミコンを購入後、

メトロイドゼルダパルテナの鏡を俺ら子供よりも早くクリアし、

ついぞ最近FF11のどこかの鯖でトップクラス竜騎士を自負するほど

gameをplayすることに関しては隙の無い親父だ。




勉強することの楽しさもいっぱい教えてもらったはずなのに、

俺は自分の責任において頭が弱かったから底辺高校卒業するのがギリギリ精一杯で、

その後は10何年と、年齢×100の年収をギリギリやってる程度の、

まあ見る人が見れば「つまんない人生」なのかもしれないけれども。

今になって「勉強する楽しさ」とか、あと親父の教えてくれたいろんなことが身に染みてわかるようになったし、

実際に仕事してて「本当に子供の頃からエリートで、俺らがいろんな経験してる頃から目標を持って勉強してきた」

人たちには感心どころか尊敬することしきりなんだけれども。

それでも俺は俺の人生を誇りたい。

俺の人生はまだ折り返しを過ぎたのかどうかすら、はっきりとはわかってないけれども、

輝かしいものであると自負したい。

自画自賛だけれど、遊びの天才であった親父から鍛えられた俺は、同世代の奴よりかは

「こいつと一緒だとちょろっとだけ面白い」

みたいな感じで一目置かれていたし、

それが自分の人生においてどれだけ価値があったか、計り知れない。

若い頃から万引きだとか恐喝だとか、つまらない誘惑よりも「面白い」遊びを提供できる人間として、決して間違った方向に向かないで済んでいるし、周りを引っ張れることもできた。

俺はバカだが、親父のおかげで、自分の人生と言うものに自負を持つことが出来た。



親父よ。

あなたは偉大だった。

あなたが亡くなってから一周忌。

一年越しでやっと言えたのだが、

何故存命中にこのひと言がいえなかったのか、

亡くなってしばらくしてから気持ちの整理の付く、人間の弱さ

ありがとう

 
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