はてなキーワード: マグナ・カルタとは
最近、「人権感覚のアップデート」とか言われることが多い。しかし、人権思想は短く見積もっても200年~300年以上の歴史があるので、過去もアップデートがあったのは間違いない。
人権思想の走りと言うべきもの。いわゆるマグナ・カルタや権利の章典などで人権思想の基本となる考えが整備されていった。
いわゆる「国家からの自由」と平等。政府が令状なしに逮捕したり、法律の規定や裁判なしに刑罰を与えたり、特権階級をもうけたりすることを禁じた。
いわゆる「国家への自由」。要するに参政権。必然的にこれもついてきた。
人権における画期的なアップデートである「国家による自由」が実装された。19世紀末~20世紀前半に成立し、これにより近代的な人権制度が一応の完成を見たといってよいだろう。
単に自由なだけでは恵まれない人が割を食うばかりになるので、生存権、教育を受ける権利などのように最低限保障すべき権利を規定し、政府が施策により実現することを義務とした。もちろん、これが特権であり平等性に反するという主張もあったが、現実に劣位に置かれている人を、平等な水準にするということで理論的な解決を見た。
「かわいそうな人」の権利を守るために、そうではない人の権利を制約しようと言う思想。
アンチファによるヘイトスピーチ規制の主張や、フェミニストによる表現規制の主張、性犯罪に対する要件の緩和や厳罰化などが人権3.0。
しかし、これは当然に、権利の制約になるので、人権1.0と真っ向からぶつかることになる。
もちろん、人権1.0でも、他人の人権を侵害する行為は禁止する(=政府が処罰する)ことはできる。殺人を行う自由という人権は認められない。
しかし、これは同時に、他人の人権を侵害したことが明確に立証できないことは禁止(=処罰)できない、ということと等価である。これを問題視する向きが人権3.0を主張し、人権1.0を攻撃している。
今日の、立憲民主党本多議員の離党騒動はまさに、この人権1.0vs人権3.0という問題である。人権1.0の立場に立てば、明白な権利侵害があることに対して「のみ」規制されるべきと考える。だから、様々な限界事例を例示して、規制の問題点を指摘する。対して、人権3.0の立場に立てば、明白な権利侵害があるかどうかはっきりしない事例でも、加害者の処罰が漏れることが到底許し難い。これに対して人権1.0の立場からは「十人の真犯人を逃すとも 一人の無辜を罰する勿れ」「刑法典はならず者の権利章典である」といった原則が掲げられ、被害者やその周辺の感情に寄り添わないことが美徳とされる。
増田は、この人権3.0へのアップデートを、バグが多く、危険なものだと考えている。罪刑法定主義や法の適正手続きといった手法、権利の衝突の解決手段としての公共の福祉、明白かつ現在の危険、こういったさまざまな近代的な人権と法制度に基づく道具立てとコンフリクトをする思想は、最早、人権とは呼べないだろう。単なる魔女狩り裁判を正当化し、フォークデビルを火あぶりにする、俗情との結託である。こんなものは、全く「立憲主義」などではない。
http://anond.hatelabo.jp/20160707234517
これを見て。
まず言っておきます。タイトルは釣りです。でも言いたいことの結論でもある。
今自分も含め、結構いると思われるのが自民党憲法草案を見てこいつはヤバい、こいつはダメだと他の所に入れようとしている人。
で、「自民党憲法草案がヤバい」ってことを言うと何がヤバいのかが理解できない人が沢山居てやいのやいの言ってくる。
どういうことか、1つずつ順番に説明していくね。
まず、憲法ってのは世界中のかなりの国にあります。無い国はわずか8カ国(そのうちの1つがイギリスなのですが、この後の話でなぜか重要なポジションを占めるのがイギリスの不思議)
でも、日本と北朝鮮の憲法はその意味合いが違います。それは何故か、それは、日本が立憲主義国家だからです。
じゃあ立憲主義国家って何か、その話をするためには、憲法というものの成り立ちを説明しないといけないので少し世界史の話をします。
このジョン一世、調子乗って重税を課し、軍資金を集めてからフランスに攻め込んだんですがいいところで見事なまでのヘタレっぷりを示して逃げ帰ります。
これを見て上から下までイギリス国民がブチ切れ。全員そろって「テメェこの契約書にサインしねぇとブチ殺すぞ!」と最後通牒を突き付け、とうとうジョン一世はサインすることになりました。
これが有名なマグナ・カルタであり、そしてこれが憲法と立憲主義という概念のスタート地点でもあります。
つまり、憲法ってのは民衆が国に対して結ばせる契約書の一種なんです。で、国より憲法のほうが上だよ~、ってのが立憲主義。
で、自民党憲法草案は例えば基本的人権は国が国民に対して与えるものって定義しちゃってるんです。こんなもの立憲主義国家の憲法じゃないよ、ってことです。
じゃあ立憲主義じゃなきゃ何か。立憲主義の対義語は絶対主義です。
絶対主義国家ってのは、国が憲法より上に来ている国家で、わかりやすいのはいわゆる独裁国家ですが、これが集団でやるとファシズムといいます。そんなファシズムを掲げる人たちがファシストね。
自民党憲法草案を通したら日本は絶対主義国家になります。そうしようとしているんだから、自民党はファシストになろうとしているとしか言い様がないんです。