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2020-03-07

日本半導体はどこで失敗したのか

  1. 設計開発に必要ソフトウェア国産開発できず、億単位ライセンス料金を払うだけで開発費が吹っ飛ぶ構造になった。
  2. OS国産できなかった。PCOSスマホOSとも。Androidの先行リリースに数億払うだけで端末開発費が吹っ飛ぶ構造になった。
  3. ARMに代わる国内IPを開発できなかった。Cadence、SynopsisなどのベンダーIPも開発できなかった。IPライセンス料金だけで開発費が飛ぶ。
  4. 半導体物性に詳しい人材は多くグローバルでも競争力につながっているが、物理限界ビジネス的に旨味のない領域を、アメリカ企業から押し付けられる構造になっている。(時間投資必要なわりに利益が大きくない)
  5. 物性に強みがあるのに、ファブレスを目指した。
  6. 国内数社で競っている時期に、統一ファウンダリー1社に統合するべきだった。
  7. Apple需要は大きいが振り回される。intelですらモデム開発でハシゴを外されたら事業継続できない。
  8. 秘密主義が酷くエコシステムを構築できない。人材も来ない。
  9. 計測に必要な計測機器アメリカ企業ほどの性能を国産できなかった。
  10. リサーチ部門がなく、自社で需要を作れなかった。アメリカメディアに振り回される、米企業と年単位の遅れ。

2019-12-17

半導体業界ウォッチャーから見たサムスン電子

AMDAdvanced Micro Devices)の創業者ジェリーサンダース氏は『真の男はファブ(自社工場)を持つ』と言っている。

サムスン電子ファブを持っている。

よって、サムスン電子は真の男の会社と言える。

サムスン電子勤務の女性社員の皆様ごめんなさい)

冗談のような口上で始めたが、実際問題として今の半導体業界自社工場を持つというのは巨額のギャンブルだ。

2000年頃に導入された銅配線(180-130nmプロセス)以降、半導体製造プロセスは『単純に縮小すればいい』というものではなくなり、

電子トンネル効果によるリー電流の増大対策(90-65nm)、HKMG(45-32nm)、FinFET(22-10nm)、SADPおよびSAQP(10-7nm)、EUV(7nm以降)、GAA(5nm以降?)といった新技術をその都度導入してきた。

当然ながらそれらの技術の開発と導入にも巨額の費用がかかるわけであり、その開発費用を払えずに多くの会社が脱落してきた。

7nmではとうとうGlobalFoundries(AMD工場部門が分離された会社)が脱落することとなったし、脱落はしなかったものの“王者インテルですら10nmへの移行では大きなもたつきがあった。(ので10nmは中継ぎですぐに7nmに移行するような計画になっている)

結果、ロジック周りの先端プロセスを利用できる会社はどんどん少なくなり、現在ではインテル以外では台湾TSMC韓国サムスン電子くらいである。

Intelは一応ファウンダリー製造委託)をやっているが基本的には自社設計チップを作ることが中心で、つまりファブレスメーカー最先端プロセスを使いたい場合はもはやTSMCサムスンの2択といっていい。

そのような状態になるまで競争に生き残ってきたという点は素直に称賛に値すると思っている。

一方、サムスン電子DRAMフラッシュメモリ事業も行っている。

こちらの事業2018年にはとんでもない価格高騰があった(結果、サムスン電子2018年半導体売上ランキングインテルを抜いて首位となった)が、

それ以外の時期は概して製造プロセス進化以上に価格下落が激しく(SSDUSBメモリ価格容量比がどんどん安くなっていったことは皆さんも経験しただろう)、特にDRAMほとんどの時期で利益トントン赤字だったと思われる。

こちらは結局のところ他の会社が脱落するまで我慢するチキンゲーム状態だったわけであり、それを生き残ってきたという事実は称賛に値する。

(筆者もこの前まではサムスンSSDを使っていた)

中国国家的にこの市場も狙っているようだが米中貿易摩擦などの政治的リスクもある。

もちろん台湾(対中国)や韓国(対北朝鮮)も政治的リスクを抱えているわけであり、これ以上どこかによる寡占が進むという状況は競争的にも地政学リスク観点からも良くはない。

その意味で、韓国への好き嫌いはともかくとして、サムスン電子はそこまで嫌いではないというのが一人のウォッチャー感想である

 
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