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はてなキーワード: ニューロマンサーとは

2013-05-14

http://anond.hatelabo.jp/20130514151653

最近の作品は、一般ウケする要素が無いんだよ。

小松左京とか、星新一とか、筒井康隆とか、そこらへんが「若手」だったころは、編集さんも「誰にでもわかるように書け」って言ってたし、実際、「日本沈没」とか「時をかける少女」とか「ボッコちゃん」とか、特にSFきじゃなくても理解できて、楽しめる作品があったんだけど。

誰とは特定しないけど、SFとして「濃い」のが書ける、スゴイ新人ぼんぼん出てくるようになってから閉鎖感が増して。

ニューロマンサーあたりから古参SFファンは新規の作品の良さがわかんなくなってきたように思う。

からSFの「入り口」としての作品を勧めようとすると、古典ばかりになってしまうんだ。

お薦めヒロインを考えてみたら、「たった一つの冴えたやり方」の主人公少女はなかなか、とか、我ながら(これじゃダメじゃん)と思った……。

ラノベ読め。

2013-05-11

カレーボードゲームラノベときて、日本酒か。どうしてみんなそんなに語れるんだろう。すごいな。

リドリー・スコット監督は大ファンだし、映画「エンダーのゲーム」のトレイラーが公開されたりで、今SFなんじゃないか?と書こうとしたけど、

続かない。ジェイムズ・ティプトリー・Jr.をお勧めしたい外国人作家として、サンリオSF文庫を落ちとして軸に置いたけど、

肝心の作家名がマイクル・コニイだったりル=グィンだったりしか出てこないことに気づいた。あと、リチャード•パワーズ。

あのコピペの背景、つまりジャンル全然知らない人間としてはすごい楽しめたのだけど、

書く側に回って初めて、あのコピペジャンルの酸いも甘いも全て知っていないと書けないものなんだって気づいたんだ。

あの配置は「狂ってる」、そう言っても良いと思うの。

SFで言えば、ハードSFを先頭に出して、両翼を社会派SFサイバーパンクで固めて、後塵に「少しファンタジー」という構成全てに

自分の知識を当てはめなくてパズルを完成しなくてはいけない。

しかし、ハードSFで書かせないはずのジェームズPホーガンの著作はほとんど知らなくて(ごめんなさい)、アシモフの作品も「夜来る」しか読んだことがないし、

これならわかるリングワールド代替しようかなと思ったくらい。

社会派SFでいえば私も大好き、ロバート・A・ハインライン書籍はほぼ読破したと思ってたら、「異星の客」は読んでないことに気づいた。

サイバーパンクの代表作家ウィリアム・ギブスンの「電脳三部作ニューロマンサーしか知らない。。

少しファンタジーのル=グィンは、ラファティは、ゼラズニイは。。。

そう考えると、もう僕の知識はぼろぼろと穴がありまくりで、コピペとして完成できなくなった。

ジョン・ヴァーリイの「残像」とか、 人類補完機構の「シェイヨルという名の星」とか、

文脈を無視すればいっぱい語れるのに、あのコピペのどこにも当てはまらないことがすごく悔しい。

あのコピペフォーマット自分が知る分野を書ききれた人は改めてすごいな。

2013-02-08

つらつらと

http://anond.hatelabo.jp/20130207121644

どうかな。むしろ一時期に比べると良くなってる気がするが、それは自分がまた読み出したからかもしれない。

時間封鎖シリーズピアピア動画おもしろかった。

思うに、SFというのは世界観だと思うのです。

世界観は背景であり、他分野と融合させやすい。

から取り込み取り込まれ、そしてSFって何だ?と論争が起こる。

てな感じでですよね。

http://anond.hatelabo.jp/20130207134633

SFの一般化で歴史物、推理物、ジュブナイル物とかとか沢山出てきました。

ゴールデンフリースとか面白かったです。

星を継ぐもの推理物っぽくて面白かったです。

パラサイトイブとかループホラーだけどSFだと思うのです。

背景たるSF要素を組み合わせ、綿密にシミュレーションすれば、また新たなSFが生まれると思います

宇宙とかロボットとか人工知能とか、物理科学技術幻想世界というのは難しくなっているかも知れませんが、

科学と人との関わりとか、インターネットと同じで、普及すればよりソーシャルな面に目が向かい

人格とかアイデンティティ生命哲学なんかはフロンティアです。(でした?)

http://anond.hatelabo.jp/20130207131847

でもロバート・J・ソウヤーはいまいちついていけなかった。

一方、舞台背景として宇宙とかロボットとか人工知能とかネットワークが一般化してるのも面白いと思います

漫画ですが、ぼくらのよあけは面白かったです。ジュブナイルですが。

ジュブナイルと言えばライトノベルです。読んでませんが。

でも、ピアピア動画とふわふわの泉をよんで、これがライトノベルか、と思ったのです。楽観的明るさが。

あれ?違いました?

http://anond.hatelabo.jp/20130207235440

ドラゴンランスは暗かったです。キティアラはちょっとエロかったっけ?

http://anond.hatelabo.jp/20130207165456

そういえばガンヘッドちょっとだけエロかったです。

そんなお年頃です。

http://anond.hatelabo.jp/20130207165456

SFお約束って多いと思うんですよね〜。

あ、だからラノベ親和性あるのか。

まあお約束が受け入れられないとこんなことになるようですが。

http://anond.hatelabo.jp/20130207135507

それで、ニューロマンサーの話だっけ。エンダーのゲームでなく。

サイバーパンクは好み?

最近パンク流行らないからねぇ。

それが原因じゃないかな?

http://anond.hatelabo.jp/20130207121644

2013-02-07

http://anond.hatelabo.jp/20130207205030

ニューロマンサーは新しい上にリアリティがあるんだよね、説得力がある

宇宙開発SFのころの「新技術でみんなしあわせに暮らしましたとさめでたしめでたし」的なとこに帰着するんじゃなく

ちゃんとダーティで違法でうさん臭い世界生活感込めて描いてる

ギミックの新規性探るのも難しいだろうけど、あのリアリティ出すのは並大抵じゃないだろうなあ

http://anond.hatelabo.jp/20130207191102

ニューロマンサーは確かに革新的で素晴らしいと思う一方、

SFてなんか新しいSF世界観が提出できないとあんまり評価されない

というか、こんなのニューロマンサーとかで尽きている的なこという人が多い気がするんだけれど・・

http://anond.hatelabo.jp/20130207164527

読んでないのかよ…面白いっていうか、世界観濃ゆい

二次創作三次創作妄想が尽きない。

あと千葉とか出てきて無駄テンションあがる。

マトリックス元ネタみたいな位置付けなのはたぶん本当。wikipediaに書いてある。

監督ホントニューロマンサーやりたかったけど映画化に当たってスポンサーがつかなくてああなったという経緯らしい。

読むと判るけど主人公チームの構成がまんま。

これまで、SFで既に出たアイディア現実科学技術が追いついてきて、もうSFアイディアには限界がきていたとしたら、

今度は科学技術の方で何か革新的なことがない限り、新たなアイディアは出てきようがないってことなのかな。

これは当たってる半分外れてる半分みたいな気がする。「現実科学技術」っていうけど、分野とか方向性の問題もあるし。

科学技術が進むと逆にSFは狭められていくっていうしね。あまりにも現実理論と離れてるとまずいから。

SF全盛期って主に宇宙進出とか未知との遭遇だけど、ニューロマンサーはそれとはまったく別でしかも芳醇で雑多な世界観を描いてみせたってので「サイバーパンクジャンル確立って感じだし、他に時間旅行ものとかも分野としてはあるし。

時代に応じた形かどうかはともかく、発想次第でまだ何か出てきそうかなーという期待はある。

http://anond.hatelabo.jp/20130207154240

まじか、ニューロマンサーってそんな面白いんかw

自分はにわSFファンでまだ未開拓地がたくさんあるからこの先も全然飽きることはないと思うんだが、

構造(historical innovation?)の方はちょっと気になる。

SFマニアっぽい増田がそう言うってことは、やっぱりエッセンスはもう出尽くしたってことなの?

あとはそのエッセンス時代に応じた形で再現されていくだけなのかな。

これまで、SFで既に出たアイディア現実科学技術が追いついてきて、もうSFアイディアには限界がきていたとしたら、

今度は科学技術の方で何か革新的なことがない限り、新たなアイディアは出てきようがないってことなのかな。

http://anond.hatelabo.jp/20130207153135

「草を主食にしたライオン果たしてライオンか?」という話。

ニューロマンサーで言えば、「新規読者開拓のためにリメイク主人公アウトローすぎるので普通会社勤めのハッカー、敵は人間を支配して電源に使う悪いコンピューター」ってやったらそれは既にニューロマンサーじゃないでしょマトリックスでしょ?という話。

マトリックスが好きか嫌いかとは別問題として、冬寂もTAも出て来ないなら要らねーよってのはあると思う。

それと真面目な話、自分ニューロマンサー既読ですけどスプロール三部作と橋の三部作を延々読み直し読み直しして二年くらいは新規SF摂取しなくてもイケる気がする。

http://anond.hatelabo.jp/20130207135834

「今まではシマウマを倒して食ってたがこれからは草を消化できるようになれないとライオン未来はない」

↑これ、シマウマ絶滅しかけてたら親切な忠告じゃないかライオン未来を案じての。

「まだシマウマ以外の動物だっているんだから、馴染むのが困難であろう草を例に出してくるなんて極端すぎるだろー」ってこと?

意味わからん

どういう経緯でこの例えが出てきたのか説明しておくれ。

あと、ニューロマンサーだけでこの先満足できるかっての。

既読の人はどうすんだよ。

時代が進んでいく一方で明日ニューロマンサー、あさってもニューロマンサー、って、いつか飽きるに決まってんだろ。

http://anond.hatelabo.jp/20130207121644

ニューロマンサー以降のSF発明てなんかあったっけ?

もうやりつくしたという意味では完全にオワコンなんじゃないだろうか?

あとは何をやっても、すべて歴史的な文脈に回収されていって対して評価されない気がする

毎度毎度思うが

こういう「終わった」とか「未来がない」とか言ってる人々ってそうやって檄を飛ばすことで実質何を主張しているの?

例えばニューロマンサーだけど普通に増刷かかってるし手元にも図書館にもあるから好きな時に好きなだけどっぷり読めるし何も終わった気がしないんだけど。

「今まではシマウマを倒して食ってたがこれからは草を消化できるようになれないとライオン未来はない」みたいな言い草に聞こえて意味不明

http://anond.hatelabo.jp/20130207121644

http://anond.hatelabo.jp/20130207133929

http://anond.hatelabo.jp/20130207121644

単にサイエンス・フィクションからスペキュレイティブ・フィクションに移行しただけなんじゃね?

間にエクストラレーションとか挟んで。

あとニューロマンサー普通に完成度高いし小説として面白いので例に出されていもいまいちオワタ感がしない。

ニューロマンサーとか

SFて本格的に終了しつつあるよね。特に日本では。SF好きは納得してるんかね?

SF科学好き

この工程を踏んで理系に進むひとは相当数昔はいたもんだが、いまはサイエンスフィクションですら興味を持たれなくなっている

SF科学に対する無垢な期待や希望があった時代からこそ受け入れられたのだろうか?

SF流行は1940-1980年にかけての特殊な現象でこれからそんなことはもう起らないのだろうか?

2012-06-23

スプロール三部作』が

好きすぎて吐きそう。

いや、まだ『ニューロマンサー』と『クローム襲撃』読み終わって『カウントゼロ』が終盤に入ったくらいのとこなんだけど。

面白いフォントを大にして言いたい、面白い

ねえなんで文庫本ニューロマしか出てないの? 残りが絶版とか出版社の目は節穴なの?

もうこの際多少オタク萌え絵でもいいから誰かコミカライズしろよ。そして一大ブームを巻き起こして映画化までこぎつけろよ。

そしたら流石に重い腰が上がって再版かかるだろうがよ。

ああでも待ちきれない。待ちきれないそんなの。古本でもいいから買っちゃおうかな。しかし今月カード支払い厳しいしな。でも図書館の本じゃイヤだ。手元に置きたい。

カウント面白いけどああ終わっちゃうよう、とベソかきそうな心地になりかけるがまだ『モナリザ』が残ってると思うと生きる気力がリンリンと湧いてくる。

2010-01-26

非コミュ脱出大作戦


 大学生だった頃、ぼくはかなりとんがったやつだったと思う。

 とんがるといってもとても格好いいとはいえないとんがりかたで、世界を敵にまわしているような、一人で戦争をしているような、敵意を剥き出しにして斜に構えるような、そんな生意気ながきだった。

 群れるのが嫌いで、馴れ合い馬鹿にした。

 自分の好きなものだけに触れて、世の中間違っていると言い張った。

 作り出される自分アイデアが、とても素晴らしいもののように思えて、それだけに夢中になってあれこれと作った。

 ハードボイルドの主人公のように両肩で風を切って、ギャングのように何か面白いものはないかと物色しているような、そんなたぶん二十歳ぐらいの自分を思い出すとなにか冷や汗が出るような気がし、その一方で、なかなかに冴えていたなとも思う。一切を閉ざしてしまって、自分だけの世界に閉じこもって、世の中のものをせっせと自分世界に取り込んでいたような気がする。

 ほとんど誰とも話さずに過ごし、たぶん話していてもかなり機械的な反応しかできなかったと思う。その頃のメールの下書きのテキストが残っていて、それを読むと、官僚的というかガチガチな隙のない文章を書いていて、なんだこいつはサイボーグみたいな文章を書くやつだと、なつかしくなって笑ってしまう。

 その文章の中にいる二十歳のぼくはいつも完全武装なのだ。

 そんなことになってしまったのは大学一年の頃に起こった事故のせいで、ある事件をきっかけにぼくは人間というものが信じられなくなり、社会を敵にまわすようになった。数ヶ月は立ち直れず、それでも本を読んでいるうちにだいぶ立ち直っていき、読書欲に駆られながら読みふけるうちに、復帰していた。

 好んで読んだのはハードボイルド

 チャンドラーとか、ジャックヒンギスとか、ギャビン・ライアルとか。

 ハードボイルドを読む人なら、この手の小説が汚れきった社会渡り歩く勇気社会絶望していたのでそういう勇気を必要としていた)をもたらしたこともわかりやすいと思う。ぼくはあろう事か、ギャングや、探偵や、元軍人や、スパイ社会との渡り合いかたを教わってしまい、いつも鞄のなかには拳銃が入っているようなそんな心地で、復帰していったのだ。

 それは今からしてみれば、常時戦場にいるような緊張感で、そんな状態でまともな会話など出来るはずもないし、たぶんしても鋭すぎる態度で、相手を居心地悪くさせてしまっただろううと思う。それでもギャングだが、探偵だか、スパイだか、元軍人気取りのぼくは、そんな完全武装であちこちを歩き回り、あれこれと色々作って、仲間に見せたりしていた。

 それは今から見ても、あの頃に作ったものはすごかったと思うほどで、錯覚ではあるのだけど、本当にたったひとりで世界を相手に戦っていたのだと思うし、シャープで甘えがなく、手を切りそうなほどの切れ味あるものたちを作っていたのだと思う。

 だから、こう言いたい。

 完全武装の時代もそんなに悪い時代じゃなかったって。

 たしかにかなり重症非コミュだったとは思うけれど。

 その当時にどのように世の中と接していたかと言われて、ふと思い出した言葉がある。

 著名なSF小説ニューロマンサー」の続編「モナリザオーバードライブ」の解説にその言葉はあって、それらの作品を評して「鏡に覆われた(ミラーシャーデッド)表層」と言っている。

 この感覚

 ガラス越しという言葉があるのだけど、それよりもシャープな感じで、こちらの表情が見えないようにスモークガラスで覆っている感覚。そして、社会スモークガラスに覆われていて、お互いが冷たく冷淡で、それが日々すれ違っているのだけど、完全に別け隔てられている。

 あちこちのバイトを短期でまわって、世の中のいろいろな風景スパイしながら(そういうつもりだった)、いろいろに世の中の仕組みを知っていくようになった。会話をしなければならないところでは当たり障りのない、そしておそらくかなり素っ気ない会話を交わし、とても冷淡にその体験だけを盗んでいくスパイのように働いていた。

 もちろん、その短期バイトをあちこち回ったことが、のちのちまともに社会に出て、効率的な現場のまわしかたみたいなところでとても大きく効いてくることになったのだけれども、誰もが短期なだけにコミュニケーションらしいものは皆無で、煙草を吸いにいってせっかく話す機会があっても、他の誰かがはなしているのを聞いているだけという、なんという非コミュ

 あの当時のぼくはとてもプライドが高く、口を開くにしてもなにか高級な事を言わなければと思っていたように思う。例えばハードボイルドの主人公のようなセリフなど、いま思えば、現場にまったく必要のない言葉以外話したくなかったのであるが、結局の所それは自分の我が儘で、自分価値観以外のコミュニケーション仕事場でさえしたくない、もしくはそれをしなくて良いようアンドロイドのように、時間貸しロボットのように、ただ効率的に現場をまわすにはどう動けばいいか、だけを考えていたように思えてくる。

 ボトルネックを事前に発見して、誰も気づかないうちにそれを埋めていく、それで今日の作業は30%ぐらい効率化できたと悦にいる。そんな毎日。それはリアルシュミレーションゲームのように思えていたし、コミュニケーションなどなくとも、出来る遊びではあった(そしてこの経験はのちのち凄まじい威力を誇った)。

 しかし、その当時のぼくはやはりゲーム感覚で、いつでもスイッチを切ってさよならできる現場でしかなく、ミラーシャーデッドどころか、液晶パネルの中の駒でしかなかったのかもしれないと思ってしまう。

 そんな事をしているうちに、交通誘導の仕事をやってみることにした。

 これは簡単に言えば、工事現場に立っている警備員で、たぶんやってみないとわからないが世の中の潤滑油的な仕事である。仮設の信号機でいいのではないかと言われれば、まあ、そうかもなのだけど、ぼくはその辺の議論はどうでもいいし、もう交通誘導をするはずもないので、あんまり関係がない。

 で、いきなりやってくるのは、研修

 法定で4日だったかの研修が義務づけられているとかで、ひたすらに、交通誘導がどんな仕事かをたたき込まれる。そこで言われるのは、ひたすらに危機対応、そして、顧客である工事現場の人たちを守るか。酔っぱらい運転で工事現場につっこんでくる車から顧客を守るのが、交通誘導の第一の責務だとか何とか。まあ、ねえ、顧客だからねえ。

 そうやって始めてみるしょっぱなに言われた。

「あれさ、お互い遠くに立ってるじゃない。互いに孤独で。8時間とか、12時間とか。そうするとね、話せないから、上手くいかないと不満がたまってどんどん上手くいかなくなるんだ。そうするとたいへんだよ。向こうはぷりぷり怒ってさ」

 これはチームワークなのだと、コミュニケーションなのだと、ぼくはあなたのことを信頼していますと伝える事が重要なのだ。あなたが怒らないように、要らぬ誤解を抱かないように、あなたがぼくが心配ないというシグナリングをしなければならないんだって、あの赤く光る棒を振りながら、ずっと伝えなければならないんだと、それはプレッシャーだったのではあるのだけど、それまでの自分とは違うことが価値があるのだということを、思い知らされた事ではある。

 交通誘導に業務効率化する要素などなく、どうやってチームワークをよくしていくか以外に改善点はない。そういう意味では完全コミュ仕事であり、ぼくはあんまり自信がなかった。

 それが初めての集合で、煙草を吸っていて結構くせがありそうな人に言われた。

「あれ、ショートピースなんて吸ってるの? きつくない?」

 ぼくは、どれだけハードボイルド世界ショートピースが標準か語りたかった。

「香りがいいんです。それでくせになっちゃって」

「どれ、吸わせてよ。うわ、きつ、なにこれ」

 その人は笑う。

「缶で吸ってたときもあるんです。あのときは肺に穴が開いたのがわかりました」

 ぼくはきっと「ショートピース野郎」と記憶されたことだろう。それでもその瞬間に、ミラーシャーデッドが融けたのを感じた。ぼくの世界に入ってくる人がいた。確かにさりげないのだけれども、それで勇気づけられたのは確かだ。

 ミラーが砕けた瞬間で、ああ、ショートピース、わかるんだ。

 そういう感じ。

 その瞬間に、一緒に仕事をする人々の世界観もわからないとと思って、一瞬にしてぼくのミラーグラスは破壊された。

 同じ人と同じ現場になって、その頃はきつい両切り(ショートピース)はやめていて、もうすこし穏健なロングピースになっていたけれども、その人は、仕事が終わってヘルメットを長時間かぶっていたせいで髪型がめちゃくちゃになっていたけれども帽子をかぶって、自転車に乗る。

ラーメン屋をめぐるのが趣味なんだよ」

 そういって、現場から明るくたちさる。

 あの職場で、いろいろな人々と、その職場を暖かくする事にどれだけ尽くしただろうか。誰もがその底辺で生活しているわけだし、いつの間にか、それは自分の片足だけつっこんだ居場所になりかけていた。世界ガラス越しではなくなったのこの職場だったし、それはなにか守らなければならない暖かいチームワークの場所だった。

 底辺などというべからず。

 その後の十年近いキャリアを通しても、素晴らしいチームワークだったと断言できるし、この1/5000ぐらいの荒涼とした、無生産現場は大量に見てるし、基本的に言えるのは底辺ほど効率的で、上層ほど無能であるということだ。のぼるほど無能になっていく。

 機能不全とすべての罪は上層にあるのだけど、わかっているか。

 ちょっと言い過ぎた。

 ぼくが言いたいのは、底辺を経験してすばらしく暖かく機能的で、ここは問題がまったくない、ということなのだ。ここには何の問題もない。すばらしい経験だった。ぼくの非コミュも解けた。

 貴族趣味なぼくは結局ほぐされて、そして紹介で別の職場に入ることになる。

 本格的な就職に近い形で、人事のトップに笑われる。

「いや、こんな真っ白な履歴書を見るのは初めて」

 その履歴書は真っ白だろうか?

 数こと話すと人事の最高責任者は頷く。

 じゃあ、採用するけど、明日からちゃんときてね。

 配属されたのは実務の最精鋭部隊が集まっている部署で、そこで、笑い合いながら、冗談を言いながら、学びながら、いろいろ効率的なオペレーションを学んだ気がする。それで、特別なプロジェクトが立ち上がって、それにたったひとりで派遣されて、その現場監督(ただし、実権はまったくなし。不安にさせるな)で、まったく見知らぬコミュニティーにぶち込まれる。

山崎まさよしさんに似てますよね、雰囲気だけ」

「あー、そう言われたのは初めてで」

ブルースは好きなんだけどねえ…)

 そうやって、あ、これで大丈夫なんだ、これで上手くいくのだと、そう安心した。

2009-11-30

ふたば二次裏でまとめられていた、中高生のための100冊 その2

ふたば二次裏でまとめられていた、中高生のための100冊

http://anond.hatelabo.jp/20090503233005

これは二次裏でもimg鯖でまとめられたオススメ本一覧2008年バージョンだったらしい。

元は「中高生のため」と限定したわけじゃなく単純に他の人に薦めたいというものだとか。

1年毎にまとめられているようで、これの2007年バージョンを見つけたので貼ってみる。

1 激突カンフーファイター  清水良英

2 戦闘妖精雪風 神林長平

3 黒死館殺人事件 小栗虫太郎

4 シラノ・ド・ベルジュラック エドモン・ロスタン

5 涼宮ハルヒの憂鬱 谷川流

6 グリーンマイル スティーヴン・キング

7 繁栄の法―未来をつくる新パラダイム 大川隆法

8 悪魔の下回り 小林信彦

9 風が吹くとき レイモンド・ブリッグズ

10 黄金の法 大川隆法

11 駿河城御前試合 南條範夫

12 発明超人ニコラ・テスラ 新戸雅章

13 実録・外道の条件 町田康

14 蝿の王 ウィリアムゴールディング

15 パンセ パスカル

16 豹頭の仮面 栗本薫

17 ドグラ・マグラ  夢野久作

18 仮面の告白 三島由紀夫

19 虚無への供物 中居英夫

20 シブミ トレヴァニア

21 EGコンバット よしみる,秋山瑞人

22 もの食う人びと 辺見庸

23 人類は衰退しました③ 田中ロミオ

24 麻雀放浪記青春編> 阿佐田哲也

25 ニューロマンサー ウィリアム・ギブスン

26 愛に時間を ロバート・A・ハインライン

27 創竜伝 田中芳樹

28 ベルカ、吠えないのか?  古川日出男

29 エロ事師たち 野坂昭如

30 マルドゥック・スクランブル 冲方丁

31 ミッドナイト・ミートトレイン クライヴ・バーカー

32 薬菜飯店 筒井康隆

33 ばいばい、アース 冲方丁

34 変身 カフカ

35 チリ地震クライスト短篇集 ハインリヒ・フォン・クライスト

36 罪と罰 ドストエフスキー

37 七瀬ふたたび 筒井康隆

38 宦官中国四千年を操った異形の集団 顧蓉

39 帝都物語1神霊篇 荒俣宏

40 恋のかけひき他11篇 マルキ・ド・サド

41 フィネガンズ・ウェイク ジェイムズ・ジョイス

42 ラヴクラフト全集 (1) H・P・ラヴクラフト

43 大菩薩峠<1> 中里介山

44 ロリータ ウラジーミル・ナボコフ

45 日本百名山 深田久弥

46 灰とダイヤモンド アンジェイェフスキ

47 最悪 奥田英朗

48 旧約聖書創世記 改版 関根 正雄訳

49 少女地獄 夢野久作

50 泥流地帯 三浦綾子

51 ハローサマーグッドバイ マイクル・コニイ

52 平行植物 レオレオーニ

53 李陵山月記 中島敦

54 特犬捜査みちる 羽沢向一

55 スカイ・クロラ 森博嗣

56 ペドロ・パラモ フアン・ルルフォ

57 魂の駆動体  神林長平

58 剣客商売 池波正太郎

59 フランス革命史 ジュールミシュレ

60 エルマーとりゅう-Elmer and the Dragon ルーススタイルス・ガネット

61 ファイアスターター スティーヴン・キング

62 決戦・日本シリーズ かんべむさし

63 ドリトル先生アフリカゆき ヒュー・ロフティング

64 一握の砂・悲しき玩具 石川啄木

65 一万一千本の鞭 ギヨーム・アポリネール

66 暗闇のスキャナー フィリップ・K・ディック

67 夏草冬涛 井上靖

68 家守奇譚 梨木香歩

69 沈黙 遠藤周作

70 1999年ゲームキッズ 渡辺浩弐

71 ソフトマシーン ウィリアムバロウズ

72 アリスAlice in the right hemisphere 中井拓志

73 ハイペリオン ダン・シモンズ

74 かめくん 北野勇作

75 スローブギにしてくれ 片岡義男

76 てのひらの闇 藤原伊織

77 極大射程 スティーヴン・ハンター

78 初秋 ロバート・B・パーカー

79 マルテの手記 ライナーマリアリルケ

80 彼女が死んだ夜 西澤保彦

81 カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー

82 邪宗門 高橋和巳

83 裸のランチ ウィリアムバロウズ

84 インスマス年代記 スティーヴァン・ジョーンズ

85 鬼麿斬人剣 隆慶一郎

86 夏への扉 ロバート・A・ハインライン

87 明治断頭台 山田風太郎

88 舞姫 森鴎外

89 淫行時間割わいせつ母 睦月影郎

90 サムライ・レンズマン 古橋秀之

91 京美ちゃんの家出ミルキーピア物語 東野

92 死者の代弁者 オースン・スコット・カード

93 新約聖書福音書 塚本虎二

94 ウィーン愛憎 中島義道

95 ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち リチャード・アダム

96 薔薇のマリア I.夢追い女王永遠に眠れ 十文字青

97 左巻キ式ラストリゾート 海猫沢めろん

98 されど罪人は竜と踊る 浅井ラボ

99 暗黒館の殺人 綾辻行人

100 ジョゼフ・フーシェ―ある政治人間の肖像 シュテファン・ツワイク

2008-12-30

押井守インタビュー2004年

midnighteye.comより。

雨宮ねいさんがチラ見してくれたようなので脊椎反射してしまいました。

みなさん、よいお年を!

押井守 インタビュー 2004. 9. 23

ニコラス・ルッカ(Nicolas Rucka)

様々な風景を見せるようになった日本アニメにおいて、押井守は彼独自の場所を築き上げるに至った。SFエンターテイメントという枠に捉えられる事もしばしばだが、彼の仕事はその要件を遙かに凌いでいる。押井ジャンルという括りに疑問を投げかけ、SFと現代の生活との間にまっさらリンクを構築してみせた。彼のこうした姿勢は、アニメーションという体裁の境界を拡張するアプローチスタイルと結びついている。それは「攻殻機動隊」のすばらしい続編である「イノセンス」に見てとれよう。

ルッカ: あなたの作品第二次世界大戦前後ヨーロッパの様式、とりわけ東側諸国の影響が大きいかと思います。それはどのように培われたのですか?そしてこれまでの作品で表現されてきたあなたの世界観にどのような位置を占めていますか?

押井: 若い頃からヨーロッパ映画を見て、楽しんできた。古典的で、古いスタイルの様式、雰囲気といった東ヨーロッパ的なものは静謐で美しく、そしてノスタルジックで、ひどくそそられたね。

ルッカ: もうちょっと続けますけど、あなたの映画で言及される70年代終わりから80年代にかけての欧米サイバーパンク小説映画ウイリアムギブソンの「ニューロマンサー」やリドリー・スコットの「ブレードランナー」などは日本の街並み、風景、そしてテクノロジーの影響を強く受けています。で質問なんですけど、こうした話法を引き続き採用するのか、それともより高位のゴールでこれら要素を取り入れるかって事なんですけど?

押井: 僕の作品サイバーパンクに分類される事が多いけど、個人的はそうじゃないと思う。「ブレードランナー」みたいに本当に楽しまされた映画があって、映画作りの上である程度役に立っている部分もあると思う。でも僕以外にもっと影響を受けている人ってたくさんいるんじゃないかな?人間サイボーグを題材にした映画を作るなら、「ブレードランナー」にふれないわけにはいかない。このテーマに関する先駆けだからね。こうした話法を採用するか、それともしないのかなんだけど、僕のゴールは未だかつて誰も見た事のない新しい映画を作る事だからね。それは「イノセンス」で証明できたと思ってる。

ルッカ: あなたの作品、とりわけ「アヴァロン」なんですけど、タルコフスキーを偲ばせる要素が多く見受けられる。そうした影響は?

押井: 今はそうでもないけど、昔はすごい好きだった。でも「ストーカー」や「惑星ソラリス」、「鏡」は今でも好きだね。

ルッカ: 押井さん、これは私見なんですけど、犬との交わりを人間より優先させているかと。こうした傾向は主題的化身の選択、それとも人間という形態はもはや必要ではないという人間意識のあり方のどちらと結びついています?

押井: 僕個人的には犬との結びつきを優先させる。でもそれは人によってまちまちだと思う。人間が「主体」の一部を失い出すと、己が何者かを知るために他の何かと関わらざるを得ない。それは僕のように犬だったり、猫や他の動物かもしれない。生き物である必要はない。機械、車、コンピュータ、街、自分以外だったら何でもいい。それが失われた「主体」を見つけ出すって事です。

ルッカ: 人類というあり方は時代遅れのものですか?もしくはそうなると?

押井: おっしゃりたい事に確信はもてないけど、間違いなく人類というあり方は失われつつある。動物は常に同じであったし、これから先も変わらない。でもテクノロジーの発展によって人類は常に変化するし、変化せざるを得ない。でも、変化や進化を恐れてはいけないし、それを受けいれ、共存する事を学ぶ必要があると思う。

ルッカ: 映画作りの際には何から手をつけますか?印象的なイメージ、本、音楽から着想します?まずは脚本から?

押井: 僕の頭の中には違ったアイデアがたくさんある。それをどうやって映画で生かすか、って事なんだよね。企画が来る頃にはすでに何かが頭の中にあるんだ。発想の多くは小説写真集に目を通したり、いろんなクリエイターと話す事によって生まれるけど、実際の具体的なアイデア映画の基礎といったものは作品作りの前に決まってるんだ。

ルッカ: スタッフはいつも一緒ですか?

押井: いつもって訳じゃないけど、だいたいそうだね。実写か、アニメかによるけど、中核となるグループはたいてい同じ。彼らは本当に才能があって、辛抱強いと思うし、あ、でもわがままで頑固だけどね、ぼくは十全の信頼をおいている。彼らがいなかったら、映画は絶対に作れない。

ルッカ: 制作準備にはどのくらいの時間をかけます?そこでは何を?

押井: 準備には1年。基本的には作品の行き先を定める。

ルッカ: 「イノセンス」では実際の制作、そして編集ははどれくらいかけました?

押井: 実際の制作には2年、編集が1年。全部で4年。

ルッカ: 創作について最も影響が大きかったのは?「イノセンス制作にあたって何を吹き込まれました?

押井: 我が愛するバセットハウンドガブリエルです。この映画は僕と僕の犬に関するものです。

2007-03-04

anond:20070304182257

ニューロマンサーに出てきたのがMaas Biolabsなのでlabsで使ってた。

研究室が単数で研究所は複数とかそういう感じじゃないかな。

(ってことはこの場合単数でもOK?)

hatelaboのlaboはまあ……hateがそもそも英語じゃないし。ローマ字

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