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2012-08-24

高木浩光講演とgigazine、あるいはエディトリアルものについて

さて、高木浩光CEDECでの講演が話題になっている。

いや、話題になっているなんてもんじゃない。すでに1000ブクマを超えた。

高木浩光による怒濤の講演「ゲーム業界におけるプライバシー保護」がすごいことに - GIGAZINE

確かに、この記事は面白い。私も読んで非常に興味深く感じた。セキュリティ個人情報保護、私も仕事で関わったりする分野だ、興味を持たない方がおかしい。

高木浩光の口上は軽妙だ。それでいて、本質を深くえぐっている。彼の今まで積み上げた知識と技能、そして人を揺さぶ説得力が発揮されている。

だが、本稿では、そんなことはどうでもいい。本当に問題になるのは以下の記事だ。

全文起こしの件に関しまして - Togetter

まぁ、要するに、GIGAZINE開発者有識者によるCEDECの有料講演をほぼテープ起こしのような形で記事にした、ということの問題だ。

問題は二つある。一つは、そもそも有料であるもの丸コピの形で無料媒体に掲載すること、第二に限定された聴衆に向けたセンシティブな内容を公知してしまうことだ。

これらは下記のtweetで言われているように、まさに「焼き畑」だ。GIGAZINEのやり方はあまりえげつない

ntheweird (略)素人大量に送り込んで有料講演片っ端から起こす焼き畑未来とかマジ勘弁。誰も本当の事喋らなくなる

http://twitter.com/ntheweird/status/238472531663802368



だが、問題と言うべきか、課題というべきか、気になることはもう一つある。

rootsy ギガジンの取材方法が低モラルでエチケット違反で乱暴者なのは議論の余地がない。一方でアウトプットのほうを観ると、この「アンチ・エディット」とでも言うべき手法に否定しがたい魅力があるんだよね。

https://twitter.com/rootsy/status/238537834951241728



彼、唐木氏の指摘はもっとである

記事の量の増加に対してコストが低く、編集されていない素材を荒っぽく提示でき、それをやるGIGAZINEのやり方は、あまりに乱暴だ。しかし、同時に魅力的である

また、唐木氏は指摘する。編集の手が入った記事が胡散臭く見られ、読者に懐疑を向けられることだ。実際に編集の手が入っていないからこそ信頼され、そして受け入れられるという状況があることは誰も否定できない。

さて、ここで一介のオッサン読者の立場に戻ろう。オッサン読者の私は、この記事を初めて見たときどうしたのか。

ああ、確かに読んだ。読んだが、半分ぐらいで一旦読むのをやめた。

なぜか? それは、あまりにこの記事が面白く、真実味にあふれているにもかかわらず、あまりにも冗長で、あまりに要点がつかめず、あまりにかったるかったからだ。

オッサンの私は、この記事を一気呵成に読み込むだけの集中力が、もはや無い。いや、無いことはな無いのだろうが、そこまで気力が続かない。

私を含めて、少なくない人は時間に追われている。それだけじゃない。年々衰える集中力と根気を苦々しく思っている。

私は定期購読ニューズウィークを読み続けるだけで苦労を感じている。はてなブックマークをチェックしても、話題を集めている記事をちょこちょこ読む程度が関の山だ。

そんな私は、そしてたぶん私と同じようなオッサンは、エディトリアルものを求めている。あるいはキュレーションとも言っていい。

世界はあまりに複雑である。今話題の領土問題を見てみよう。きっとネットには、下手をすると現実世界にも、複雑怪奇解釈と、実効性があるのか無いのかわからない善後策が2chはてなアメブロテレビの門外漢のコメンテーターから垂れ流されている

そんな世界妥当な判断を得ようとするのは困難極まりない。しかし、エディタはこれを整理してくれる(こともある)。

生の情報危険である。もちろん、生でしか手にはらないものもある。しかし、オッサンに生は、もう体に悪い。

そこでエディタが登場する。エディタ完璧ではないにせよ、まぁ、妥当ものは出来上がる。

私はエディタを信じたい。

2012-05-23

最近釣り事情について

ニューズウィーク日本語版の冷泉さんのコラムを見た。

ついに虚構新聞さんがリアル新聞に取り上げられた。

虚構新聞が本になりました」とバナーにあったような気がしたので、すでにリアルとかかわっているのであろうけど、虚構新聞コラムとしてまな板の上に載せられるのは興味深い。

「昔のように、権力者富裕層犯罪者などを嘲笑するというのが「お約束」として広範に受け入れられる時代ではない」

パロディの本意は万人には伝わりにくいこと、政治家お金持ちなどを揶揄することが許されない時代だと警告していた。

「正体不明のサイトではありますが、『虚構新聞』には今後も健闘を祈りたいと思う次第です。」

最後は、ちゆ12歳の〆の決まり文句のように「冷泉彰彦虚構新聞を応援しています!」と締めくくられてしまった。

前向きにとらえるのか、皮肉ととらえるのかは読む人次第の筆の置き方だ。

パロディが許されない時代の到来を憂慮しているのかもしれない。

オオカミ少年リアルの中では生きていけない。

そろそろ現実に戻りなさいということなのだろうか。

人生をかけてあなたパロディをやり続けることができるのか。そんな現実を突きつけられたようにも思える。

しかすると朝日新聞政治面に載っていた針すなおさんの風刺漫画虚構新聞さんのやっていることの違いは何かと考えると答えがでるのかもしれない。

通りすがり増田としては、半年くらい前に岡田斗司夫さんが言っていた「小銭を稼ぐのをやめて本業に注力しなさい」という意見を断固支持します。

2011-04-09

日本復興への課題(1/3)

以下は、私がmixiの「友人まで公開」日記に載せたものが元になっています。読みづらい箇所や語調の不統一などもあるかと思いますが、最後まで読んでくださると有り難いです。

妄動する英雄主義者たち

ソーシャルメディアの弊害

2011年3月11日東北関東大地震発生。ソーシャルメディアブログからSNS、そしてツイッターなどマイクロブログと一般に広がっていきました。今回の大震災、特に福島原発事故での情報においてツイッターの果たした役割はどうだったでしょうか。本来は正確で偏りのない一次情報が期待されるソーシャルメディアなのですが、実際には超強力な

デマ拡散装置

として機能してしまったのです。911の時は正確な一次情報を伝達したソーシャルメディアが、311ではそうなりませんでした。それどころか、従来マスメディアと同様に嘘、偽り、大げさ、憶測に基づいた情報が即座に、それこそ秒単位で拡散し、人々を不当な恐怖に陥れたのです。

極めて鋭い分析。震災発生から10日後の記事ながら、以後その通りに事態は推移している。

ネット上でウワサがはびこるのは、現状が正確に伝わっていないことが一番の原因のようだ。直接足を踏み入れると、ネット上の情報とは大きく乖離(かいり)した現実があった。

有力者たちの妄動

顕著なのは次の一例。

片山善博総務相は3日のNHKの番組で、東日本大震災日本赤十字社に届いている義援金被災地への分配について「政府で何らかの目安をつくり、早めに配れるような基準を示したい」と述べた。日赤と関係自治体間では調整に時間がかかるため、異例ながら政府が差配することになった。片山氏は「本来は自主的に民間団体や関係県で配分額を決めるのが一番よい。政府の介入はできるだけ避けたい」と述べながらも、「青森県から千葉県に至る被害があり、(当事者間で)どう配分するかは非常に難しく、うまくいかないようだ」と指摘した

本来は赤十字と各県の当事者協議し分配すべきだが、被害地域が余りに広汎なのでそれでは時間が掛かる、だから政府が分配に介入する、というもの。義捐金がなるべく早く分配されるようにするための、被災地のための措置だ。しかし、これを影響力のあるバカが曲解し、曲解が拡散した

56万人のフォロワーを有する宇多田ヒカルのこのツイートを、100+人(数万人!?)がリツイートし、数十万人の目に触れた。そしてこれをネットメディアまでもが取り上げ記事にした

ここまで拡大すると、バカの連鎖はもう断ち切りようがない。そして、フォロワー100万人を有する孫正義の発言はより有害だった。

100億円の寄付は立派だったが、これは最低だ。自分が影響力ある素人であることを自覚せず国民を煽動するのは、百害あって一利ない。素人感覚の政策提言が如何に危険かを、国民はこの1年半で民主党から学ばなかったのだろうか。

自分の頭で考えることなく、音楽家原発に反対することが使命だと勘違いしている、最も滑稽な例。

上杉隆の愚行

追求のための追及

現在も盛大に進行中の流言飛語は壮大な共同犯罪であり、誰か一人の主犯を特定することは出来ない。しかし、少なくとも最大の元凶の一人は間違いなく上杉隆だ。

27日の東電記者会見で、3号炉についての資料が配られたときに、私はプルトニウムについて書かれていなかったので、おかしいなと思い「3号炉でプルトニウムについて検出されていないというのは本当ですか?どのくらいの期間、検出されていないのですか?」と聞いてみました東電は「検出されてない」と回答したので、「もしかして検出していないんじゃなくて、測ってないのではないですか?」と確認したところ、うわっとなって、結局、測っていないのでもなくて、そもそも計測機を持っていないということがわかったのです。

記者会見では、何でプルトニウムについての記載がないのかを東電広報担当者記憶していなくて、咄嗟に「検出されてない」と答えてしまったが、よくよく調べたら計測していなかったということだろう。嘘と言えば嘘かも知れないが、大した問題ではない。

東電の社長はどこにいったのか?ということですね。〔…〕会見では嘘をついていたんですよね。前々から入院という噂は出ていましたが、実は過労で休んでいた。今度は、それを入院と偽っているという。全部、ウソ。これらが象徴的ですね。

社長の所在がそこまで大問題だろうか。

数日前の深夜、Ustream東電記者会見生中継を見たが、完全に糾弾と吊るし上げの場になっていた。記者たちはネチネチと追及し、東電は平謝りという構図。東電戦場にいるようなものなのだから、資料の記載漏れとかその場でパッと答えられないこととかは、幾らでもあるだろう。それをああも糾弾されたら、東電が極めて臆病になっても無理はない。臆病になればついついその場凌ぎの受け答えに逃げたくもなる。上記の2つの事例については、そういった背景も考慮すべきだろう。

海外メディアの盲信

地震が起きた後のその早い段階で、政府メディアは「安心、安心」と言っていましたが、私は、2日目にメルトダウン可能性がある、と言いました。なぜならば、当時ニューヨークタイムズワシントンポストメルトダウン可能性があると書いていたし、フランス新聞社イギリスのBBCもそう言っていた。だからメルトダウン可能性もあるから最悪の事態を想定して対応するべきだと言った。

今回、海外メディアがどれほどデタラメだったかは以下の記事を参照。

次の記事はまとも。ただし画像は不快。

閑話休題上杉批判の続き。

避難地域も指定していなかったから、30kmまで広げるべきだと言った。実際に、大丈夫だったら、範囲を戻していけばいい。しかし、政府は逆をやっている。だから、これはおかしいからやめた方がいい、と言い続けた。

避難指示には効果と弊害があるため、避難区域の設定には慎重でなければならない。住民の健康被害を予防するためにやや広く設定すべきだが、余りに広く設定し避難する必要のない人まで避難させると、徒に不安を煽るだけでなく農工商などの経済活動に打撃を与えることにもなる。

リスク管理イエスかノーかでやっちゃいけない。絶対安全を求めると、むしろ全体のリスクが増大することがある。一つのリスクを減らそうとすると、別のリスクが出てくる。だから異種のリスク定量的に評価して、その間のバランスを、ほどほどのところに求めるってのが、リスクベネフィットの考え方なんだよね。

避難範囲の設定

それでも結局、避難区域が、2kmから3kmになり10kmになり20kmになり、そして30kmになった。アメリカは50マイル=80kmの避難指示を出しているのに、日本人は今のままで大丈夫だと言う。この件については、一週間前に、一度、枝野長官に質問したんです。「日本では避難区域が30kmですが、他の国は80kmと言っています。これでは30km~80kmに住んでいる日本人不安になるんじゃないですか。私は日本政府を信じたいから、今、オバマ大統領が会見で80km避難指示を出しているけれど、もし自分たちの判断が正しいと思うのであれば、アメリカ政府に抗議をしてください。日本政府として。そうじゃなかったらおかしいでしょ?」と。すると、枝野長官は「日本の評価と世界の評価は違います」と言ったんです。私は「そんなはずはないでしょう、原子力で(苦笑)」と。

福島第一原発事故に伴い、米政府原発から半径80キロ圏内に住む米国人避難勧告を出した根拠は放射線量などの実測データに基づくものではないことがわかった。勧告の根拠となった米原子力規制委員会(NRC)の勧告は、仮想の事故シナリオによるものだったという。NRC幹部が7日、外部の専門家で構成される委員会で語った。

先月16日に出されたアメリカ政府による80キロの退避勧告は、日本政府が出した20キロから30キロという退避勧告とは大きく違ったことから多くの疑念や不安を呼びました

Japan's 12-mile evacuation policy appears "sufficient to minimize public-health impacts," based on available data concerning radiation and dispersal, Mr. Kerekes said.

Rep. Ed Whitfield (R., Ky.), chair of the House Energy and Power Subcommittee, told Dow Jones Newswires that "Japan had the expertise to deal with this issue and they had the scientists who understood nuclear energy," but added that the U.S. has "a right to be involved to protect American citizens and do what we want to do."

原発の80km圏内からアメリカ人全員避難したとしても、日本及び地域経済への打撃はないに等しい。また、たとえあったとしても、他国の経済のために自国民を(極めて低いとはいえ)危険に曝すわけがない。自国たる日本と他国たるアメリカとで避難区域の設定に相違が生じるのは当然だろう。

またその翌週に「間違っていたじゃないですか。30km以上の範囲でも放射性物質は観測されているし、東京放射性物質は絶対に来ないと言ったのに来てるじゃないか。政治は結果責任から、それはきちんと謝るべきだ。訂正しろ」と言ったら、「そんなことはない」と言う。さらに「30kmどころか40kmポストでも出ているじゃないか。ちゃんと訂正しろ」と言ったら「ちゃんとペーパー(書面)で出してください」と言われた。

「30km圏外でも放射性物質が観測された」と「30km圏外でも健康に直ちに影響を及ぼすほどの放射性物質が観測された」は全然違う。そんなことを言ったら、福島原発事故による放射性物質海外でも観測されている。

正気を取り戻せ

加速する不安肥大する陰謀論

結局、政府東京電力に都合のいい情報を入れている、というのが一番危険な状況。最初から「最悪の事態もあり得ますよ」と言っている人はメディアには出られない。ただ、可能性を言っているだけなのに、そういう状態は異常です。

戦慄するほどの陰謀論だ。

これでは、その〔3月21日4時…引用者註〕直前に福島原発で何かが起こったと考えない方がよほど不自然です。

東京電力だけがいろいろと隠し事をしているわけではないようにも思えます。保安院政府も結託して、我々一般国民にさまざまなデータ隠しをしようとしているように思えてならないことが多いのですが、こと放射線に関しては測定器が広く行き渡っていることもありますし、積極的に自ら集めたデータを公開する科学者もどんどん増えてきている昨今ですので、どんなに隠してもほとんどのことは数時間から遅くとも数日のうちには暴かれてしまいます。ここは姑息(こそく)な隠し立てをすることなく、すべてのデータを迅速に公開し、国民が一致団結してことに臨むというのが唯一の正しい対処方だと思います。早速、明日の朝から姿勢を変えていただきたく思います。

しかし、この記事でデータが利用されている東大教授の早野龍五(前回の日記でも登場)は、「3/15朝から現在に至るまで、原発から大気への大量放出は起きていない」と断言している。

また、早野はこうも呟いている。

データを見る.あれこれ見る.いろんな人が測ったデータを多角的に見る.すべてを統一的に騙すようにデータ捏造することなんて出来ません.しっかり見ていれば,嘘があったとしても,いずれバレます.)

一見するとガジェット通信の論調と同じだ。しかしここ数日の文脈からして、早野は恐らく「データの完全偽装なんて無理なんだから、懐疑精神は大事だけど、そんなに疑心暗鬼にならなくても大丈夫」ということが言いたかったように思われる。

ちなみに、早野の一連の呟きは-Togetter - 「@hayano 氏による連続tweet - 福島で 3/15に何が起きたか?」に纏められている。

この独自措置の根拠になったと思われるのが、次の記事。-グリーンピースも似たような提言をしているが、ここまで断言していない。

東京電力福島第1原発事故で、高濃度の放射性物質が土壌などから確認された福島県飯館村の汚染レベルが、チェルノブイリ原発事故による強制移住レベルを超えているとの試算を、京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子炉工学)がまとめた。

福島第1原発の北西にある福島県飯舘村の一部の地域では、屋外にいると約3カ月で推計最大95ミリシーベルトの被曝(ひばく)線量になり、避難や屋内退避が必要だとする調査結果今中哲二京都大原子炉実験所助教(原子力工学)らがまとめた。

福島第一原発事故により土壌が汚染された影響で、原発から30キロ圏外の福島県飯舘村では爆発から3カ月後も、最高地点では平常時の約400倍の放射線が出続ける可能性のあることが、京都大や広島大などのチームによる現地調査で分かった。この3カ月間の放射線の積算量は、国が避難の目安として検討中の年間20ミリシーベルトを超える値だ。国などの測定でも、汚染は30キロ圏内外で確認されており、今回の調査で汚染地域が不規則に広がっている実態が改めて浮かび上がった。

京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)や広島大の遠藤暁准教授放射線物理学)らは3月下旬に飯舘村を訪問。村内5カ所で深さ5センチの土を採取し、セシウム137などの濃度を分析した。調査地点は全て30キロ圏外で、道路沿いの集落を選んだ。

すべて京大助教の今中哲二の調査。この今中なる人物、どうも胡散臭い。-J-GLOBALの研究者情報によると、1950年9月生まれの60歳。理系業界には疎いので断言は出来ないが、途中どこかの企業で研究していた形跡もなく、60歳の助教でさしたる研究業績なしというのは研究者としての実力をかなり疑わせる。また、原子力安全研究グループHPでは、今中の主要業績として『反原発新聞』への寄稿を紹介していることなからも分かるように、明らかな反原発論者。今週末にも「周辺住民の避難拡大!脱原発への転換を!4・9緊急大阪集会」で講演したという。

つまりどこをどう見ても、政府やその他多くの研究者よりも公正で信頼できる情報を提供できる人物とは思われない。問題は、こんな人物の情報が政府発表よりも説得力を持ってしまっているということにある。

異常性バイアス

震災以来、複数のメディアコメントしている東京女子大教授広瀬弘忠は、去年5月に興味深い解説をしている。

現代人は今、危険の少ない社会で生活している。安全だから、危険を感じすぎると、日常生活に支障が出てしまう。だから、危険を感知する能力を下げようとする適応機能が働く。これまでの経験から大丈夫だ」と思ってしまいがちだ。これが「正常性バイアス」と呼ばれるものだ。強い正常性バイアスのために、現代人は今、本当に危険な状態でも「危険だ」と思えない。チリ大地震の津波が押し寄せているのに、見ているだけで逃げない人の映像が日本でも流れた。強力な正常性バイアスの例と言える。

この解説そのものに異論はない。しかし、上記の文章は次のように書き換えることもできる。

日本人は今、1ヶ月前に比べて危険の多い社会で生活している。危険だから、安全を感じすぎると、日常生活に支障が出るかも知れない。だから、危険を感知する能力を上げようとする適応機能が働く。この1ヶ月間の経験から大丈夫じゃない」と思ってしまいがちだ。これが「異常性バイアス」とでも呼ぶべきものだ。強い異常性バイアスのために、現代人は今、本当に安全な状態でも「安全だ」と思えない。被災地以外では食料が不足していないのに、不安のあまり買い込んでしまう人の映像が日本中に流れた。強力な異常性バイアスの例と言える。」

このように、現在の日本では「正常性バイアス」と逆の「異常性バイアス」が作用しているように思われてならない。広瀬は「正常性バイアス」にしか言及していないため、あたかも人は安全を感じ過ぎることはあっても危険を感じ過ぎることはないかのようになっているが、そんなことはないだろう。「正常性バイアス」にせよ「異常性バイアス」にせよ、人が周囲の状況に惑わされ判断を誤ってしまうことでは同じだ。そのことは広瀬も認めている。

東京女子大広瀬弘忠教授(災害・リスク心理学)は「大地震が起こると、被災地より周辺でデマや流言は起きやすい。『この先どうなるか分からない』という不安に支配されている」と分析する。

東京女子大学広瀬弘忠教授(災害・リスク心理学)は「被災地で厳しい状況に置かれており、普段から抱いている不安や恐怖が流言として表れている。メールインターネットの普及で流言が広域に拡大するようになった。行政は一つ一つの事実を伝えることが大切で、個人は情報の発信元を確かめ、不確実な情報を他人に流さないことが必要だ」と指摘する。

情報過多の弊害

ガジェット通信は先日、後述する日本気象学会理事長コメントをこう批判した

かにでたらめな情報は困りますが、まったく情報が出てこない状態というのも困ります。理事長メッセージから想像するに信頼できる気象観測データの収集が難しい状態なのかもしれません。しかし、放射性物質による汚染に関しては「今、どのような状態にあるのか」「これからどのようになるのか」についてしかるべき情報が示されないと、いつまでも不安が拭い去れないのではないでしょうか。また、情報公開できないのであれば、何故公開できないのか教えて欲しい。その「公開できない理由そのもの」もひとつの大事な情報です。「一般に伝わらない」ところでは、議論がおこなわれているのでしょうが、その議論の過程だけでも公開してもらえれば、安心につながるのではないかと思います。

ガジェット通信に限らず、現在日本の至るところで見られる意見だ。「政府東電はより多くの情報を公表すべきだ」と。しかしここには、人は与えられる情報が多ければ多いほど正しい判断が出来る、という大いなる幻想がある。

被災者でなくとも、人が情報の収集と分析に用いることの出来る時間や手段は限られている。また、たとえ時間と手段があったとしても、その情報が正しく信頼できるかを判断するには専門の知識と訓練が必要だ。情報を収集分析するための知識も訓練も時間も手段も乏しい大多数の人が、正しい判断を下すことは極めて難しく、何も決断しないどころか周囲の状況に惑わされ判断を誤ってしまう。

与えられた情報が多過ぎると正しくない情報と正しい情報を仕分けするのが大変です。

冷静に。正確に必要な情報を手に入れて正しい行動をとって頂きたいと切に願います。

つまり、過剰な情報が「異常性バイアス」を強化し、不安デマを拡大させてしまう。より多くの情報公開不安デマを解消する、という通念は全くの幻想だ。

http://anond.hatelabo.jp/20110409170039へ続く)

2010-08-28

グラウンドゼロ近辺にモスクを建てる件で考えたこと

モスク建設反対論の薄っぺらな本音 | アメリカ | 最新記事 | ニューズウィーク日本オフィシャルサイト

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.newsweekjapan.jp/stories/us/2010/08/post-1547.php

モスク反対論は「理不尽感情論」「ムスリム差別」「信教の自由の侵害」であるらしい。

確かにその通りだと思うが、ちょっと自分の中で引っかかる点があった。

例えば、在韓日本人ソウル市内に神道神社を建てたら、韓国人はどう思うのだろうか。

神道はその日本人信仰してる宗教だから、これを韓国人が妨害したら「信教の自由の侵害」だろう。

しかし、過去歴史的背景によって、ほとんどの韓国人感情を害するだろうし、

それを「理不尽感情論」として切り捨てていいものだろうか。

2010-08-22

グラウンド・ゼロモスク

http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2010/08/post-185.php

グラウンド・ゼロ」の「モスク」論争はどうして政治問題化したのか?

| プリンストン発 新潮アメリカ | コラムブログ

| ニューズウィーク日本オフィシャルサイト:

 

上記コラムによる、共和党の思惑

「パーク51」を認めない

オバマモスク容認せざるを得ない

国民の反発

ミンス党いくえ不明

 

21世紀のコロンビアであるペイリン様が、

そんな高度な四段論法を駆使して、

陰謀をめぐらせてる、って事が悲しいよ。

 

ペイリン様は、なちゅらる で ないーぶ な

もっとシンプルな知性の持ち主だって、信じてたのに!

2009-10-25

http://newsweekjapan.jp/column/tokyoeye/2009/10/post-72.php

外国籍だから差別された!っていう気持ちもわかるけれども、

場所にもよるんだろうけれども、夜更けに人気のない道端に車を止めた人がいたら、

あやしいと思ってくれたほうがいい気がするけどなぁ。

外国籍の人の犯罪が多いのは周知のことだし、警官がピリピリするのもわかる。

交番システム外国になくて、特殊なんだと思い込むのもいいけれども、

外国にないからよくないという考え方はいかにも日本ダメ主義で笑える。

この人こんな(外国マンセー日本ひっこめ)コラムばっかりだよなぁ。

ニューズウィーク日本語版ってそういう報道姿勢なんだっけ?

2009-07-03

ニューズウィークコラムのページで

http://newsweekjapan.jp/column/

コラムの記事へのリンク、a要素使わなくてjavascriptクリックしたら飛ぶようにしてるのってなんか意味あるのかなあ。SEO的な何か?

タブで開けなくてちょっとイラッとする。

2008-10-10

http://anond.hatelabo.jp/20081010104209

世界の消費王でもあり

中国GDPに占める消費の割合って30%も無いって今週のニューズウィークに書いてあったけど。

2008-09-23

増田に質問です

パパが言うママが見た法律に反していることって一体何?

ニューズウィークにも取り上げられるくらいのことみたいだけど。

2007-04-27

個人用コピペメモ

産経新聞古森義久氏が、米国PBS(公共放送)で慰安婦問題について

日本立場を説明した動画。実際にアメリカで放送されたものです。

http://www.youtube.com/watch?v=Z9VFiNPe4do (日本語字幕付)

ワシントン古森義久 慰安婦問題での陰謀説

http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070421/usa070421003.htm

米国のPBS(公共放送)系テレビのニューズ・インタビュー番組に招かれ、

慰安婦問題について意見を述べる機会を得た。ニューズウィーク誌の

コラムニストなども務める米人ジャーナリストのファリード・ザカリア氏が主宰する

「フォーリン・エクスチェンジ(対外交流)」という番組である。

日本占領中の米軍も慰安所を使ってたというNYタイムズの記事

http://www.nytimes.com/aponline/world/AP-Americas-Comfort-Women.html?_r=2&oref=slogin&oref=slogin

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