はてなキーワード: テロワールとは
どこか書くところがないとすぐ忘れるので備忘録代わりに。追加していく予定。
「それが好きならこれも好きなはず」みたいなレスポンスがあると嬉しい。
「渡舟 2019 “テロワール”太田ノ谷 おおたのたに」府中誉(茨城)。15度:太田ノ谷産短稈渡船。蔵元あえてのスペック表示なしの販売らしく、原材料表示から純米酒だと分かるのみ。微炭酸を感じた気がするので生なのかもしれない。味はいかにも米の酒という印象。米のうまみと甘さを感じる。そこに重みを感じさせないような酸味が添えられ、瑞々しい印象を与える。好みの味。元旦からいい酒である(2101)
「まんさくの花 槽しずく 純米吟醸生原酒」日の丸醸造(秋田)。純米吟醸生原酒(加熱処理無し):16度:秋田県産吟の精:歩合55%:協会9号。加熱処理なしだからか、微炭酸を感じる。そして強い酸味と甘みとうまさ。味が濃いのに爽やかな印象。2021年の締めにこの酒を選んだのだが、よい締めであった。よい一年であった。皆にとってもそうであるようにと思いつつ。(2012)
「鳳凰美田 Black Phoenix 生酒」小林酒造(栃木)。純米吟醸生酒:16度:愛山:歩合55%。通販サイトでは「『パイナップル』のような風味」と書いてあったが、自分は洋ナシのように感じた。濃く華やかで、甘みを感じるが重くなくフルーティー。美味い。例のバイデン繋がりで売れた酒と知らずに買って飲んだのが、ノリで買った人も後悔しないだろう。これを機に日本酒を好きになってもらえたらよいのだが。(2012)
「春心 生モト純米 五百万石(無農薬・化学肥料不使用) 火入れ」西出酒造(石川)。純米:17度(原酒):五百万石:歩合70%:酵母無添加・生モトつくり。シェリー酒のような風味を感じる。実はシェリー酒は苦手なのだが、これは美味い。不思議な味わい。(2012)
「V1116」八戸酒造株式会社(青森)。純米吟醸:13度:青森県産米(通販サイト情報では麹が華吹雪、掛がまっしぐら):(歩合は通販サイト情報では麹55%、掛60%):デンマーク産白ワイン酵母V1116。香りは日本酒だが、口にすると、その酸味と甘みに、なるほどワイン酵母と思う。だが落ち着いて味わうとワインらしい果実味ではなく米の旨味を感じる。うまいし飲みやすいが不思議な味わいで、何の知識もなく飲んだら「何だこれ」となるのではないだろうか。(2009)
「しぼりたてそのまま 無濾過 吟醸酒」加茂錦酒造株式会社(新潟)。生酒純米吟醸:16.8度:歩合60%:新潟G9号。吟醸酒らしい華やかな香り。一口目はとにかく味が濃いという印象。酒度+1.0だが辛口で甘さもあると感じ、米の酒っぽさもある。そして旨い。他の酒には「ちょっと生臭いかな」と思っていた酒盗がよくあう。(2008)
「みむろ杉 Dio Abita」今西酒造株式会社(奈良)。純米吟醸:13度:山田錦:歩合60%。一回火入れの無濾過原酒。バナナっぽい。バナナっぽい日本酒などまずそうに聞こえるだろうがこれがうまい。青い感じと、甘みと酸味が高い次元で融合していて、丁寧に作られた芸術品を飲む心地。酸味のある日本酒は苦手だが気に入った。
「Five(イエロー)」酒井酒造株式会社(山形)。純米生原酒(白糀):17度:日本晴・山田錦:歩合80%。ここ以降は、すごくうまかった、なかなかない酒だという記憶しかない。逆にいうと、そういう記憶力なのでこの記事を作った。なんとかちゃんと足していって、まともな記録にしたい。
「多賀治 山廃純米雄町火入原酒」十八盛酒造株式会社(岡山)。山廃純米火入原酒:16度:雄町:歩合58%:協会7号。山廃は燗酒以外は苦手なのだが、これは冷やで飲んでもうまかった。料理も酒も温度が大事なのだが、酒の温度はないがしろにされがちだよなぁと思う。
「朝日鷹」高木酒造株式会社(山形)。細かいスペックは記録してない。十四代で有名な蔵元だが、それよりよほどうまかった。いや、十四代もよくできているとは思っているけれども、こっちは目を見張るほどうまかった。
京都・松井酒造と城陽酒造の何かを買ったのだがまったく覚えてない。いかに旨くても記録しないとすぐ忘れる。
松井酒造は京都のデパートで試飲させてもらった時は酸味が立って値段ほどではと思ったのだが、連れ合いが気に入って購入し、食事しながら飲むとやたらうまかった。
城陽酒造はやはり京都のデパートだか駅ビルだかで試飲させてもらって、何飲んでもうまくてどれを買おうか迷って、やはり連れ合いに決めてもらった。
最近多くのメールでどういう上司がいたかということをよく聞かれる。思えば変人が多かったな(笑)。
一番印象に残っているのは、俺が25歳から30歳の頃のA部長だ。
最近はだいぶ社内の上下関係もカジュアルになって来ているが、当時は若手社員が部長と気安く話すなんてなかなか許されない雰囲気だった。
レポートや報告を上げるにしても、逆に何か部長から指示が降りてくるにしても、常に自分の直属の主任、課長、次長、そして部長と言う階層を通じて行われる、明確な序列があった。
「おい、タケシ!ちょっと来い」
と言ってオレを部長席に呼び出したり、向こうからオレの席にふらりとやってきたりして、オレをかわいがってくれた。
また若僧のオレにも
「オマエがオレなら、どうする?」
と忌憚ない意見を求めてくれた。
A部長は当時、今のオレと同じくらいの歳だったと思うが、体型はスリムで、どんなに暑くてもスーツをきれいに着こなし、精悍な顔つきだった。今で言えば、かなりのイケメンで(当時、まだイケメンなんて言葉はかったが)、社内の女性らの中でも評判だった。
今の時代なら、GQやLEONとかの雑誌に出ていても不思議ではない、チョイ悪なオヤジだった。
すごいのは、このルックス以上にキャラクターが深くて濃いんだ。
哲学、文学、芸術とワインをこよなく愛し、食事に行けば、シェリー酒から始まり、赤ワインをたしなみながら、高級そうな葉巻を片手に、平気な顔をしてサルトルの実存主義について語る。
ヨーロッパ的な気品があって、高貴と自由があいまった雰囲気をこよなく愛する人だった。
でもさ、何かと理由をつけてすぐヨーロッパに出張してしまうんだ(俺も同行させられることが多かった)。
と言って、自分は2週間くらいヨーロッパを周遊するんだから、困ったもんだよ(笑)。
もちろん、本人は「視察」だって言い張ってたけどな。
電子メールや携帯電話なんてない時代だったから、A部長がヨーロッパ周遊で不在の間、A部長に指示をあおぐのは大変だった。オレら若手は、A部長が泊まりそうなホテルに、片っ端から電話させられたもんだ(笑)。
A部長の緊急決裁が必要になり、どうしてもつかまらないA部長を探して部署メンバー総出で、居場所を突き止めるべくフランスのToulouse中のホテルに電話をしたこともあった(前々からToulouseでフォアグラと白ワインを飲むのがいいと言っていたので)。
しかし、結局、どのホテルに電話してもまったく見つからない。本当は権限規定違反なのだが、最後は次長が代理決裁して何とかした。
それから数日すると、真っ黒に日焼けしたA部長が会社に現れて、「地中海の島で彼女とエンジョイしていた」とのことだった。オレたちは日本であわてまくっていたのにさ(笑)。あの時はあきれてものが言えなかったな。
こんなA部長の破天荒ぶりを書くと、ただの遊び人、趣味人にしか見えないかもしれない。
しかし、仕事はすさまじくでき、社内だけでなく取引先や競合企業からも敬意を集めていた。
当時は、朝から晩まで働くようなモーレツ商社マンがもてはやされていた。しかし、ヨーロッパ人を自称するA部長は、そういう連中を「バリューレスな社蓄」と呼び軽蔑していた。
「今すぐ資料をしまえ」
と言って、ことあるごとにオレら若手を食事に誘い出した(その後、会社に帰って仕事しなきゃいけないから、ますますモーレツ社員をやらざるを得ないんだけどさ・・・)。
食事の席では、普通なら社内政治や昔の武勇伝を聞かせる上司が多い中、A部長の口から会社や仕事の話しが出ることはなかった。
文学論、芸術論、音楽論、人生観までをゆっくりと語ってくれた。ウィスキーの飲み方、酒の種類、ワインのテロワール、ホステスへの接し方、葉巻の吸い方など今の遊びの基礎はすべてA部長に教わった(笑)。
九州の田舎村からニセ慶應ボーイになってバブル期に調子に乗りまくっていたオレは、「こんな洗練された人がいるのか」と憧れだったものだよ。
おっと、A部長の仕事ぶりを書くつもりが、ついつい遊び話になってしまった。
だが、この記事を書いていたら、オレもBourgogneワインを飲みたくなって来た(笑)。
続く