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2018-05-14

OVA銀英伝ファンがうざい

敢えてOVA版を引きずらないように作られている新作に対して、

OVA版と違う」「勝手に改変するな」みたいなこと言ってる。

シェーンコップなんかも「若すぎる」「50くらいにしろ」と文句たらたらだけど

原作の設定だとイゼルローン攻略時点で32歳なんだよなあ。

「旧作(OVA版)」を「原作」だと勘違いしてんじゃねえか。

2017-09-22

銀英伝をいまキャスティングするなら

って、やはり声優イレブンなみに盛り上がるやつだと思った。

ラインハルトヤンキルヒアイスは決まってるものとして、前回のアニメ化ときの配役はかぶらないようにしつつ。

帝国

ローエングラム公派

オーベルシュタイン諏訪部順一

ロイエンタール浪川大輔

ミッターマイヤー細谷佳正

ケンプ大塚芳忠

ビッテンフェルト中村悠一

レンネンカンプ稲田徹

ファーレンハイト木村良平

ミュラー:島﨑信長

ルッツ:神奈延年

ワーレン:梶裕貴

メックリンガー水島大宙

スラー緑川光

アイゼナッハ:古川登志夫

門閥貴族

ブラウンシュバイク公:若本規夫

リッテンハイム侯:森功至

フレーゲ男爵井上和彦

ランズベルク伯:佐々木望

マリーンドルフ伯:立木文彦

メルカッツ:大川透

その他

フリードリヒ四世:塩屋翼

リヒテンラーデ:速水奨

アンネローゼ:井上喜久子

ヒルガルド・マリーンドルフ;沢城みゆき

シルヴァベルヒ:置鮎龍太郎

同盟

ヤン一党

ユリアン小林裕介

フレデリカ坂本真綾

キャゼルヌ:鳥海浩輔

アッテンボロー岡本信彦

シェーンコップ:黒田崇矢

ムライ:藤原啓治

パトリチェフ:安元洋貴

バグダッシュ子安武人

ポプラン:小野大輔

コーネフ:福山潤

それ以外の軍人

シドニー・シトレ:池田秀一

ラザール・ロボス古谷徹

ドワイト・グリーンヒル三木眞一郎

アレクサンドル・ビュコック:石塚運昇

チュン・ウー・チェン神谷明

ウランフ:大塚明夫

ボロディン堀内賢雄

パエッタ:森川智之

アンドリュー・フォーク蒼月昇

政治家

ロイヤルサンフォード:銀河万丈

コーネリア・ウィンザー榊原良子

ヨブ・トリューニヒト:櫻井孝宏

ジョアン・レべロ:羽佐間道夫

ホアン・ルイ:中尾隆聖

ウォルターアイランズ山口勝平

フェザーン、その他

アドリアンルビンスキー杉田智和

ルパートケッセルリンク神谷浩史

地球大主教飛田展男

2017-09-10

もうヤルタやれよ、ここは勝者の世界分割やる場面だろ

北朝鮮情勢を見てると、世界史教科書に残るような歴史舞台が作れるのではないか妄想して、ワクワクが止まらない。朝鮮半島北部は、米国中国ロシアの利害が錯綜して、あたか火薬庫の如く状況となっているが、逆にいえば、この3大陣営の利害さえ一致できれば、朝鮮半島処分問題として、一挙解決可能だ。しか役者がすごい。米国トランプ中国習近平、そしてロシアプーチンだ。以下、妄想。 

場所は、黒海沿岸保養地とか、ベルリン郊外の森の中とか、オーストリアシェーンブルク宮殿とか、それなりに歴史に残ってもカッコいい場所

・3大陣営の首脳が、もっともらしい理屈をつけて、近辺諸国外交日程を組む。その合間を縫って極秘会談

テーマはもちろん北朝鮮処分戦後朝鮮半島北部の分割だ。

米国は、北緯38度線を超えての北朝鮮地域の大幅な占領にはあまり興味をもたない。むしろ韓国との関係を含め、徹底した軍事リスクの除去を求める。そのため必要な徹底した武装解除イムジン河以北数十キロ緩衝地帯化を行う。

中国は、人民解放軍中朝国境を超えて平壌にまで進軍。占領統治の中心をなす。核攻撃等で、汚染、荒廃した国土だが、中国にとっての緩衝国として傀儡政権樹立、枢要部を実質支配下に置く。

ロシアは、立ち位置が難しい部分はあるが、北朝鮮北部東岸ロシア入植地域のロシア保護名目に、朝ロ国境を超えて突如南下、不凍港を租借確保する。必要があれば、数万人規模で北朝鮮民をシベリア連行抑留し、極東開発のため数年間の労働資源としても良い。

合意成立後、直ちに3大国北朝鮮一斉攻撃だ。米国は、戦術核使用国境付近砲兵ミサイル基地への無力化攻撃空爆中国は、北京に北のミサイル照準が合わせられたことを名目に、平壌ほか主要都市への核攻撃。そして、もっと精神的打撃が大きいのが、友好国と考えていたロシアの参戦だろう。これで北朝鮮は、トップ金正恩以下、末端まで総崩れになる。

日本も、総理歴史的発言を用意しておかなくてはならない。インテリジェンス面で信用されていない我が国は、上記を米国から知らされるのは直前であるが、官邸でのぶら下がり取材ではこう言い放って内閣総辞職だ。「嗚呼極東の天地は複雑怪奇」と

2016-06-24

例えば電車が止まってしまって目的地にたどり着けない場合って、

「足がないから行けません」「そっか、仕方ないなー」

になるのが理想なのに、

「這ってでも来い!!!」「しーまシェーン!!!!」

になるのがそもそも変なんだよな。

電車遅れて、到着が遅れることに於ける悪い点はその遅延原因の方で、当人は何も悪くないのに。

2016-04-03

http://anond.hatelabo.jp/20160403202523

うんだから前の社会価値観が見ててつらいよねって話でしょ?

そう、オタクよりずっと前の社会価値観な。文句はその時代のオッサンどもに言えよ。

ヤン・ウェンリーが29歳で准将閣下、みんな大好きアンドリュー・フォークが26歳で同じく准将閣下から別に優秀な軍人としては普通なのでは

ヤンと並べたら誰のスピード出世もかすむだろうよ。最年少の元帥だろ? フォーク士官学校主席卒業してる、年に一人しかいない秀才だろ?

フレデリカは十分スピード出世だよ。シェーンコップやポプランと比べても割を食ってるようには思えんがね。

それより艦隊司令官メンツが全員男なんですがそれは、という。

2016年米軍でも戦闘部隊司令官女性は珍しいんじゃないの? 女性米軍で高い階級に上がるようになったのって00年代中盤以降だ。80年代小説にそれを求めるのは無理だろ。

有名人の嫁さんが有名人の嫁ってだけの理由トップに担がれるのは女性差別の解消でもなんでもないよねえ。

それ以前に、直近のクーデター事件の首謀者の娘なんだが(しかもその時点で現役軍人)。それでもクビになってないのは実力を評価されているからだ、と作中でも描かれてるんだがね。

http://anond.hatelabo.jp/20160403194702

お前、銀英伝がいつの作品だか分かってんのか。82年の作品だぞ。それこそ島耕作がやりたい放題やってた時代だ。あの時代意識社会一般でそんな高いわけがないだろが。

古参銀英伝おじさんは知らないかもしれないが、ゼロ年代初頭に徳間デュアル文庫というところから道原かつみ絵で銀英伝が復刊されてそこからオタクルートに引きずり込まれた人も大勢いるのぢゃ……そういう人にとってあれはゼロ年代作品なのぢゃ……

(もちろん知識として知ってはいるよ、80年代作品だって。でも自分が引き込まれたのは2000年代なんだよ。それに元増田も、「昔は楽しく観れていた小説アニメ漫画を見直すと」って言ってんだから、そこで昔の作品が持ちだされるのは別におかしくないでしょ)

民主主義理念作品の書かれた80年代前半と大して変わってないのは描写で分かるだろ。フェミニズムの水準もそんなもんなんだろうよ。そもそも田中芳樹は52年生まれだぞ。銀英伝書いた時点で30歳だ。俺達の30年以上は前の社会価値観で書いてんだよ。そこを考えろ。

うんだから前の社会価値観が見ててつらいよねって話でしょ? 1962年まれ森岡浩之皇帝艦隊司令官や名門貴族の頭領をバンバン女性が努めてる星間帝国を作ったけど。

そもそも、主戦論者の大物議員女性じゃなかったか? 自由惑星同盟議会が映った記憶があまりないが、女性議員はそれなりにいるんじゃないのか。

コーネリア・ウィンザー小説版では「唯一の女性最高評議会評議員」(道原かつみ漫画版ではホアン・ルイも女性だっけ?)。議会描写はないけど最高評議会は何度も描かれてて見事に男社会だよ。呼び方一人だけ「女史」だし。

あと、フレデリカ物語の開始時点で中尉、その後23歳で少佐まで行って、最終的に政治家に転身して、日本で言えば首相になってんだぞ。ポプランが最後に確か中佐から軍人時代でもそんな低い地位とも思えん。23歳なんて、シェーンコップだってまだ佐官じゃないんじゃないの。

ヤン・ウェンリーが29歳で准将閣下、みんな大好きアンドリュー・フォークが26歳で同じく准将閣下から別に優秀な軍人としては普通なのでは(この人事システムは相当におかしいがそれはミリオタおじさんの守備範囲なのでそっちに任せる)。それより艦隊司令官メンツが全員男なんですがそれは、という。ヤン艦隊首脳部の佐官以上の女性ってフレデリカ以外に出てきたっけ? ポプランやシェーンコップにコナかけられる役や痴情のもつれで騒動起こす以外の女性将校ってマジでフレデリカカリン以外見覚えないんだけど。

有名人の嫁さんが有名人の嫁ってだけの理由トップに担がれるのは女性差別の解消でもなんでもないよねえ。だいたいイゼルローン何ちゃら政府ってマトモに選挙もやってないただの軍閥だし……

まあ、その辺踏まえたフェミな感じの二次創作なんかもあるから興味があるなら探してみ。結構面白かったから。

知らんかった。探してみるわさんきゅ。

http://anond.hatelabo.jp/20160330144201

最近オタクの振りして雑なオタク叩きする奴が増えたな。内輪揉めでも狙ってんのか?

銀河英雄伝説

お前、銀英伝がいつの作品だか分かってんのか。82年の作品だぞ。それこそ島耕作がやりたい放題やってた時代だ。あの時代意識社会一般でそんな高いわけがないだろが。オタクがどうこうって話じゃねえよ。まあ、その辺踏まえたフェミな感じの二次創作なんかもあるから興味があるなら探してみ。結構面白かったから。で、

あれだけの未来理念的には民主制のはずで女性大勢従軍している設定の同盟内閣にひとりかふたりしかいない女性政治家に男ばかりの軍首脳部に妻に家事をさせてのうのうとしている退役元帥サマ

民主主義理念作品の書かれた80年代前半と大して変わってないのは描写で分かるだろ。フェミニズムの水準もそんなもんなんだろうよ。そもそも田中芳樹は52年生まれだぞ。銀英伝書いた時点で30歳だ。俺達の30年以上は前の社会価値観で書いてんだよ。そこを考えろ。

そもそも、主戦論者の大物議員女性じゃなかったか? 自由惑星同盟議会が映った記憶があまりないが、女性議員はそれなりにいるんじゃないのか。

あと、フレデリカ物語の開始時点で中尉、その後23歳で少佐まで行って、最終的に政治家に転身して、日本で言えば首相になってんだぞ。ポプランが最後に確か中佐から軍人時代でもそんな低い地位とも思えん。23歳なんて、シェーンコップだってまだ佐官じゃないんじゃないの。

筋道立てて作品どうしを比較することが悪いと言っているのではない、念のため)。

その前に筋道立てて一つの作品をちゃんと論じてみろ馬鹿。お前が辛いのはお前が馬鹿からだ。

2014-12-19

STAP論文不正はどのように暴かれて行ったか

2月5日〜14日の間に色々な疑念が噴出していますキーとなったのはPubPeerと2chスレのようです。

1月28日
小保方氏と笹井氏によるSTAP細胞研究発表の記者会見が行われる。 http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/topics/2014/20140702_1/140702_1_1_jp.pdf
1月29日
STAP論文を発表。2chニュース速報+スレが立つ。大方好意的コメントhttp://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1390999697/

1月29日Google 検索結果

https://www.google.co.jp/search?q=stap%E7%B4%B0%E8%83%9E&biw=1252&bih=662&source=lnt&tbs=cdr%3A1%2Ccd_min%3A1%2F29%2F2014%2Ccd_max%3A1%2F29%2F2014&tbm=

2月5日
海外論文査読サイトPubPeerで画像不正が指摘される。 https://pubpeer.com/publications/8B755710BADFE6FB0A848A44B70F7D#fb6119 共著者の大和氏が脳出血で倒れる。
2月9日
2chの「捏造不正論文 総合スレネオ 12」の592がPubPeerについてレスをする。この時はまだ決定的な不正とは見なされていない。 http://uni.2ch.net/test/read.cgi/life/1390498705/592-615
2月12日
2chの「STAP細胞の懐疑点」で画像不正が指摘される。 http://uni.2ch.net/test/read.cgi/life/1391930940/69-92
2月13日
論文疑義があるとの職員からの連絡を受け、指摘理研が「研究論文疑義に関する調査委員会」を設置。2chニュース速報スレが立つ。 http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news/1392271386/ いくつかのまとめブログが立ち上がる。 http://stapcells.blogspot.jp/2014/02/blog-post_2064.html http://blog.goo.ne.jp/lemon-stoism/e/5165039ad32d79f78cc947717358e015

2月13日Google 検索結果

https://www.google.co.jp/search?q=stap%E7%B4%B0%E8%83%9E&biw=1252&bih=662&source=lnt&tbs=cdr%3A1%2Ccd_min%3A2%2F13%2F2014%2Ccd_max%3A2%2F13%2F2014&tbm=

2月14日
クマムシ博士ブログ論文画像データの不自然さを指摘。Livedoorニューストップになる。 http://horikawad.hatenadiary.com/entry/2014/02/14/090121 (元データ削除済み) 小保方氏は政府阿部首相意向で招待されていた総合科学技術会議を欠席。
3月10日
論文の共同著者である若山氏が論文撤回を呼びかけ。
3月13日
研究論文疑義に関する調査委員会」がデータの取扱が不適切な部分はあるが不正には当たらないとする中間報告を発表。
3月28日
早稲田大学が小保方氏の「博士論文についての調査委員会」を立ち上げ。
3月31日
研究論文疑義に関する調査委員会」が論文不正認定
4月1日
理研論文不正認定を発表。論文の取下げの勧告を含めた措置を明言。論文で報告されていないプロトコルを含めた「STAP現象検証」を開始。
4月4日
理研が「研究不正再発防止改革推進本部」を設置。
4月7日
小保方氏が入院
4月8日
小保方氏が弁護士を通じて論文撤回の不服申し立てを行う。
4月9日
小保方氏が記者会見を行う。「STAP細胞はあります」「200回以上作成成功していますhttp://www.huffingtonpost.jp/2014/04/09/stap-exists-obokata-said_n_5115861.html

4月9日Google 検索結果

https://www.google.co.jp/search?q=stap%E7%B4%B0%E8%83%9E&biw=1252&bih=662&source=lnt&tbs=cdr%3A1%2Ccd_min%3A4%2F9%2F2014%2Ccd_max%3A4%2F9%2F2014&tbm=

4月13日
Yahooニュース投票で行われた小保方氏の記者会見に大しての投票で「納得できなかった」が50%を超える。http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/domestic/11241/result
4月16日
笹井氏が記者会見を行い「STAP"現象"」「生データノートを見る機会なかった」等の発言を行う。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140417-00000004-wordleaf-sctch&p=2
4月21日
大和氏がtwitterデータを削除
5月7日
研究論文疑義に関する調査委員会」が小保方氏の申し立てによる再調査依頼を実施しない方針を決める。
5月27日
小保方氏が郵送で完成版の博士論文を「博士論文についての調査委員会」へ提出。
5月28日
小保方氏らがレター論文撤回同意
6月3日
小保方氏らがアーティクル論文撤回同意
6月16日
研究室から発見された「ES」と書かれたラベルを張った容器に含まれ細胞遺伝子の特徴がSTAP細胞のものと一致。また若山氏が記者会見で「小保方さんだけは研究室にいなかったために、実験ノートを見る習慣がなかった。」「割烹着は見たことがない。」等の発現を行う。 http://news.livedoor.com/article/detail/8944520/

6月16日Google 検索結果

- STAP細胞証拠なし 共著者の若山教授日本経済新聞

https://www.google.co.jp/search?q=stap%E7%B4%B0%E8%83%9E&biw=1252&bih=662&source=lnt&tbs=cdr%3A1%2Ccd_min%3A6%2F16%2F2014%2Ccd_max%3A6%2F16%2F2014&tbm=

6月26日
小保方氏がメール博士論文デジタルデータを「博士論文についての調査委員会」へ提出。
7月1日
「STAP現象検証計画」への小保方氏が参画。期限は同年11月まで。
7月2日
ネイチャー誌に発表した2本の論文撤回される。
7月17日
早稲田大学の「博士論文についての調査委員会」は「博士学位を授与されるべき人物に値しない」と断定したが、学位の取り消しには該当しないとの結論を出す
7月23日
NHKの過剰な取材により小保方氏が負傷。
8月4日
理研不正論文共著者の処分について言及
8月5日
論文の共同著者である笹井氏が自殺

8月5日Google 検索結果

https://www.google.co.jp/search?q=stap%E7%B4%B0%E8%83%9E&biw=1252&bih=662&source=lnt&tbs=cdr%3A1%2Ccd_min%3A8%2F5%2F2014%2Ccd_max%3A8%2F5%2F2014&tbm=

8月11日
責任著者のバカンティ氏が所属する病院麻酔科長を退任し、1年の長期休職に入る。
9月1日
理研が「STAP現象検証」の中間発表として、出現が認められないとの発表を行う。
9月3日
理研研究論文疑義に関して外部有識者のみにより構成される調査委員会による本調査を開始。
10月7日
早稲田大学により小保方晴子博士号取消が決定。ただし1年程度の猶予期間あり。
11月31日
小保方氏によるの「STAP現象検証」が終了。
12月15日
小保方氏が12/21付けの退職願理研に提出、受理される。
12月18日
小保方氏による「STAP現象検証」失敗との報道
12月19日
理研記者会見を行い「STAP現象検証」において行った48回の実験全ての失敗が発表され、3月まで行われる予定だった小保方氏以外の検証実験も打ち切られる事となった http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141219-00000517-san-soci

12月19日Google 検索結果

https://www.google.co.jp/search?q=stap%E7%B4%B0%E8%83%9E&biw=1252&bih=662&source=lnt&tbs=cdr%3A1%2Ccd_min%3A8%2F19%2F2014%2Ccd_max%3A12%2F19%2F2014&tbm=


最後感想。私は今回の事件シェーン事件ES細胞論文不正事件といくつかの点で共通点があると感じました。


なお、理研による公式の発表はこちらにまとめられています

http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140327_1/

2014-12-17

なぜSTAP細胞問題は悪い方向に向かったのか

私は生命系ではないが一研究者の卵として学問に携わっており、一連のSTAP細胞問題がなぜ起きてしてまったのかずっと疑問に思っていたが、ようやく私の中で結論が出た。

アカデミックは金儲けには向かないため、ごく一部の例外を除き、真剣学問への貢献を考えている人間ばかりが寄り集まった社会だ。そのため、STAP細胞のような社会問題になる事件は起きにくい。たしかに、シェーン事件など今回と類似した事件過去にもあるが、STAP問題と比べ幕引きはずっと早く、結果的にもシェーン氏個人の罪だと結論付けられた。一方、STAP問題では幕引きも遅く、論文以外にも多くの問題が噴出している。例えば、検証実験理研対応、笹井氏の自殺バカンティ氏など指導教官問題早稲田博論特定法人化など、挙げればキリがない。陰謀論結論付ける意見も多い。しかし、今回の一件で総じて得をした人間などいないのが実情だろう。また、当時の下村文部科学大臣がSTAP問題について言及したため政府の関与を疑う声もある。たしか理研産総研特定法人化が先送りされるなど実害はあっただろうが、だからといって政府関係者責任を取らされるわけではないので、政府はSTAP問題に干渉する必要性がない。

では、何がSTAP問題を悪い方向に向かわせたのか。この疑問は、[1]の記事きっかけに氷解した。補完したい部分はあるが、その前に重要な部分を引用しよう。

「現段階で小保方さんの処分を決定すれば懲戒解雇は避けられない。そうすると処分を不服として訴訟を起こされたり、理研内部の問題を外部に漏らされる可能性がある。(中略)その点、3月まで雇用を引き延ばせば、懲戒解雇ではなく来期の契約更新しない形で穏便に小保方さんを切れる」

しかにこのような説が正しければ、理研STAP細胞に関する問題3月まで先延ばししている理由は説明できる。理研時間を稼ぐ中でメディアへの露出が多かった笹井氏は社会的に追い込まれ、結果として自殺してしまったのも納得がいく。理研STAP細胞特許を取り消さなかったのも、小保方氏側が裁判の種にするのを理研が嫌ったのだろう。

さて、裁判になれば忙しい研究者時間さらに取られることになるため、避けたいのは分かる。しかし、現在問題裁判になっても小保方氏を懲戒解雇すべきだと考えるのは私だけではないだろう。もっと大きい問題は、理研内部の問題を外部に漏らされる可能性にある。というのも、これには研究者特有事情が絡んでいるのだ。研究者は、管理職になると研究室雇用予算獲得などをしなければならない。これはある意味中小企業社長のようなものだ。そしてその過程の中で、小保方氏に限らず多くの研究者は、権力と金にまみれた泥臭い世界を渡らなければならない。予算基本的に使い道や期間がかなり制限されており、うまく考えて使う必要がある。そのような制度上の問題から、素晴らしい研究においても、グレーゾーン違反した行為をせざるを得ないことはままあるのだ。例えば、購入したものを前の年度で購入したことにする、などである。一方で、管理職になると問題指導してくれるような「先生はいなくなる。研究者個人の独立性が高いと評判のCDBではなおさらだうから、小保方氏の予算管理問題があっても指導できる立場の人がいなかっただろう。(外部に公開する論文問題すら精査できなかったのに、予算問題など他の研究者が精査できたはずがない)このような状況では、あの小保方氏だから予算管理問題を抱えていてもなんらおかしくはない。

また、CDB特有制度によって小保方氏は若さにもかかわらず小規模な研究室を持っていた。理研の会見でも指摘されているように、アカデミックにおいて小保方氏は完全に責任を追うような年齢ではない。小保方氏が予算の流れを暴露すれば、理研自体にも問題点が指摘され、さら裁判となれば理研側も責任を取らされることも考えられる。このようなことから理研は穏便にすませるという方向の解決を図ったのだろう。研究者からすれば、とにかく手間を取られずに問題をすませたいという考えしかないのだ。時間を稼ごうとした結果、結果的に笹井氏は自殺し、CDBは崩壊するという最悪の結末になってしまったが、現在理研が未だに検証実験を続けているのは、記事のように小保方氏との雇用契約シナリオで進んでいるとしか考えられないのだ。

笹井氏はCDBについて「若手が実力を発揮できる研究所を作りたかった」と語っている。実際、日本研究機関年功序列が基本だから、どれだけ実力があっても研究室を手にいれるまでにはとても時間がかかるという問題がある。CDBでは、小保方氏のような比較若い研究者自分研究室を持てていたように、この目的は達成されていたと言えるだろう。しかし、日本では年功序列が当たり前であるため、上司(の立場人間)が小保方氏の責任をとる必要が出てしまった。結果的にこれが笹井氏を自殺まで追い込んでしまったのだ。また、日本においては予算について制度上の制約が多いにもかかわらず、資金運用方法研究者裁量に任されている。

日本アカデミックは、欧米から輸入してきた制度日本式制度が交わった社会である研究では特に、体力と発想力のある若手が実力通りに評価されなければ立ち行かなくなるが、年功序列予算管理の壁は厚く、今回の問題大惨事になってしまった。この問題論文切り貼りだけでなく、日本アカデミックに横たわる深い問題が表面化したに過ぎないのだ。

[1] http://www.news-postseven.com/archives/20141216_292561.html

2014-07-27

http://anond.hatelabo.jp/20140727194119

ちょっと違うと思う。

彼女の件は「ムキになって」で出来るようなレベルのシロモノとはちょっと違う。

ベルシェーンの件もそうだけど、決して「ムキになって」捏造を繰り返したわけじゃない。

最初研究を行ってる中で、少し手を加えるとより良い結果が見えることに気づいて、少しだけ手を加えて報告を行った。

それがうまく言って評価につながり、教授陣はその結果を元にした新たな結果を求めてくる。

この時、まだ本人は手を加えたと言ってもその先少し頑張ればその結果は得られるものだと思っているしそこまで罪悪感が無い。

が、それを繰り返していくと、徐々に手におえないほど、恣意的捏造を行わないと矛盾が出てきてしまうことがある。

この時、もしかすると本人は手を加えること自体を「悪」とは思ってないかもしれない。

あるいは小さな捏造を繰り返していくうちに麻痺していくのかもしれない。

いずれにしろ、大きな結果になっていくに従い、結果を疑うものは当然増え(それはどんなものでも同じ。たとえ今では本当に凄い大発見と確定しているものでも)、

大きな目に触れることでバレる。

実はその時点まで、「勘違いや間違いだろ」等と強く責められる事はない。

勿論、研究者同士での議論で、結果について文句を付けられることはあるが、これも上で述べたのと同様、研究界ではアタリマエのこと。

論文がはじかれる、なんてこともNatureレベルなら別に恥ずべきことでも何でもない。









まりは「ムキになって」と言うことになるシチュエーションすら無く、単に小さな嘘の積み重ねの結果、

あのような自体になってしまった、というだけ。

で、実際の所、そういうことは研究世界とか関係なく何処にでもある話。

その嘘の積み重ねがあまりにうまく行きすぎて、また、あまりに大きくなりすぎた例が今回の彼女の件、というだけ。

さな嘘の積み重ねなら誰でもしたことがあるだろう。

ただし、普通人間はある程度場をわきまえることはする。

研究なんかの世界でそんなコトしたらバレるに決まってるし、いずれにしろ先は無い

(研究としてそれ以上発展のさせようが無いから定年間際でどうしたって功績が欲しい人以外はやらない。

ただし、定年間際まで研究を続けられてる人は大概ある程度の功績はあるし、捏造なんかで超えられる様な結果は出せない。)

意味が無いから誰もやらない。


まあ、今はムキになってると思うけどね。糞弁護士がついてるから、ってのもあるけど。

2014-04-18

一番の問題は、「割烹着プレス発表

理研webトップページを見ているとわかるが、

毎週何本も、最新の研究成果がプレスリリースされている。

記者を呼ぶこともなく、web上に、淡々と。

研究担当者は、千人以上いる研究者の中から

自分の成果が組織トップページで告知されたら嬉しいだろう。

はしゃぎたい気持ちも理解できる。

しかし、組織全体にとっては、そんなこと日常茶飯事であって、淡々右から左に流していく案件だ。

笹井氏が、そういう案件の一つとして、いったんリジェクトされた小保方氏の論文を、

構成や表現などをNature編集けがいいように改善した、というならば、

水曜日の会見内容で何の問題もない。

しかし、問題なのは1月末の、あのド派手な「割烹着プレス発表だ。

あれほどたくさんの記者を呼んで研究成果をプレス発表するのは、

いくら理研といえど年に何度もあるわけじゃない。

しかも、ラボの中にまで記者を呼び込んで実験デモをするなど、

通常のプレス発表プロトコルから見ても非常に例外的だ。

理研にとっては非日常的に特別イベントであることが内外に明らかであるし、

それだけのイベントであるから

「慎重に準備されてないはずがない」と周囲が考えるのは当然だ。

そのプレス発表の主役として立ったのが、小保方、若山、笹井の三人。

その中で、ユニットリーダーはいえまだ駆け出し研究者の小保方氏、

かつて理研職員だったとは言え、今は外部の人間の若山氏の二名に比べ、

理研CDB広報にとって上司代理にあたる幹部・副センターである笹井氏は、

あのプレス発表に全面的責任があると考えるのが妥当であろう。


あのプレス発表さえなく、他の研究成果と同様に、

淡々としたweb上の発表だけに止めておけば、

一般マスコミネタになることはなかった。

暇なネット界隈の徹底した重箱隅つつきに遭うこともなく、

下世話な勘繰りや盲目的な擁護もなかった。

もちろん、研究杜撰さを知っているCDB他部門の同僚たちからの厳しいチェックや、

分子生物学コミュニティからの激しい反論に晒されることにはなったろうが、

それは科学界における健全な議論であり、

少なくとも野依理事長が公の場で頭を下げる事態には発展しなかったろうし、

自身も前髪に比べかなり寂しい頭頂部をああして晒すこともなかった。

水曜日記者会見で、一月末のプレス発表を手配した責任を問う質問が何もなかったのは残念だ。

まあ、集まった連中全員が、あのプレス発表が結果的にもたらした失態によって仕事にありつけたのだから

感謝こそすれ糾弾する理由は何もないので、当然といえば当然なのだが。


シェーン事件、ファン・ウソク事件、常温核融合事件に比べるとスケールはずっと小さい。

あのプレス発表さえしなければ、理研CDBと分子生物学コミュニティの外には、

ほぼ何ごとも起こらなかったであろうから

http://anond.hatelabo.jp/20140418041538

2014-03-14

理研記者会見

理研調査委員会ダメじゃね?

論文捏造」では、最初内部告発とき

上層部が直接シェーンに聞いた上に、

準備期間も与えちゃったか言い訳を許して失敗。

時間軸は不明だけど1年後くらい?に、問題が大きくなった後に、

第三者を交えた調査委員会では、ものすごく準備して、

逃げ道を許さな質問シェーンを追い詰めた話が書いてあったけど、

理研調査委員会って事前に小保方さんに質問投げたとか言ってて

全然シェーンの件が活かされていないんだけど。

普通研究室ロックアウトして実験ノートやサンプルや使っていたPCなんかを

第三者が総ざらいとかするんじゃないのかな?

2014-03-13

Natureを盲信している人がいるけどさ

STAP関連で、Nature査読通ってるんだから嘘じゃないとか書いてる小保方擁護

あんなくだらんもんを通すなんてNature査読システムは節穴か!って怒ってるのを見るけどさ、

村松秀の「論文捏造」によればNatureシェーンの件で取材した時に、

不正行為を止められるような仕組みなど想像すらできない」って突っぱねてるんだよ。

というわけで、小保方さんについてはD論で止めとけよっていうのはあるにしても、

Natureに持っていくのはお門違いだと思うわけです。

これからも多分定期的にこういうことは起こっていくだろうし。

2013-07-18

初心者向け西部劇映画10

一時期西部劇ばっか観てたんだけどまとめてくり~とかよく言われてたんでまぁ雑に挙げてみるかって感じで10分ほどで書いた。

西部劇西部劇マニアがうるせぇ分野だから文句はあるだろうけど,ロクに観てない人はこれを上から順番に追っていけばそれなりに文脈は追えるんじゃねーかなと思う。

駅馬車

古きよきハリウッド西部劇古典といえばまずこれ。

クライマックスにおける馬上の闘いが(当時の技術水準としては)大迫力。

赤い河

ハワード・ホークス監督による傑作。ジョン・ウェインの本格的な出世作でもあり,彼の役者としての方向性を決定づけた。

簡単に言えば牛追いの話なのだが,「カウ・ボーイ」がそもそもどういうものなのかよく分かると思う。

ちなみに都内のレンタルだと渋谷TSUTAYAくらいにしか置いてない気がする。廉価版は500円しないのでどうしても観たい人は買おう。

捜索者

ジョン・フォード×ジョン・ウェインの代表作としてよく挙げられるものひとつ

当時のアメリカ人視点における先住民への意識も読み取ってほしい。

遠景の撮り方などは『アラビアのローレンス』のデヴィッド・リーンスピルバーグも参考にしたとされる。

シェーン

まぁベタな名作。これを原型とした作品も多いのでとりあえず観ておけ的なもの

荒野の用心棒

セルジオレオーネによるマカロニウェスタン嚆矢黒澤明用心棒』の盗作として話題にもなった。

チープなセットに単純なストーリーハリウッドのヘイズ・コード下では不可能な暴力表現などが特色。

主演クリント・イーストウッドは以降西部劇における大スターとなり,本家ハリウッド西部劇にも影響を与えた。

続・荒野の用心棒

セルジオ・コルブッチ監督マカロニウェスタンの代表作としても名高い。

ちなみに『荒野の用心棒』とはストーリーキャストスタッフどれもまったく関係がない。

レオーネ以上に徹底的な娯楽志向で,歴史考証など本当に適当,とりあえず決闘がカッコよければよいという感じ。

この前タランティーノジャンゴを作ったが,それの元ネタがこれである

ウエスタン

レオーネ後期の代表作。

他の監督なら20秒で済ませるようなカット無駄に5分以上使ったりと,現代人にはちょっとしんどいくらいの長回しが大きな特徴。

配給もハリウッドであり,大予算がかかっているため「マカロニ」の趣は既になくなりつつある。

ワイルドバンチ

サム・ペキンパー監督

スローモーションと巧みなカット割が最大の特色。香港映画ジョン・ウーにめちゃくちゃ影響を与えた。ということは『マトリックス』とかもこれの系譜ってことになる。

アメリカ映画レーティング制になったため,暴力表現が解禁され血みどろの演出がなされるようになった。

ラストの破滅感は「アメリカン・ニューシネマ」というムーブメントにおける文脈からもよく語られる。

ソルジャー・ブルー

駅馬車』,『捜索者』などで見られるインディアンへの扱いを再考させられる作品。

ベトナム反戦運動とかそういう文脈でアメリカ人自分らのアイデンティティを見つめ直していたってことも念頭に置いて観るとよい。

ちなみに『明日に向って撃て!』や『やつらを高く吊るせ!』でもそうだけどこの頃から徐々に黒人兵も作品に出演するようになる。

許されざる者

イーストウッド監督・主演による「最後西部劇」。

古きよきハリウッド西部劇マカロニ,ニューシネマなどといった一連の西部劇史を包括する超名作である

ちょうどここらへんから彼も文芸性の高い監督と見られるようになってきた感もある。

早撃ちに対する保安官の話とか,イーストウッド自身が演じてきたマカロニへの挑戦でもあるよね。

本数の制約で挙げられなかったけどこれより前に作られた『ペイル・ライダー』も地味にとてもよくできています

2008-12-28

カンパニー松尾AV世界(後編)

http://anond.hatelabo.jp/20081228014905 の続きです。

カンパニー松尾AV世界

ヨハネス・シェーンヘル

<インタビュー>

シェーンヘル(以下シ):どうしてカンパニー松尾と称するようになったのですか?

松尾(以下松):中学時代にさかのぼるんですが、自分の「会社」を始めたんです。社員はぼくひとり、ジュース手作り弁当クラスメイトや友人に売ってました。毎朝、20個の弁当をかかえて登校したものです。で、みんなが僕をカンパニーと呼ぶようになったと。これがぼくのペンネームになり、映像キャリアを通して使ってます。

シ:まず最初に、ハメ撮りの歴史について少々語ってもらえますか?

松:ハメ撮りスタイル作品は、80年代初期からありました。ハメ撮りということば自体が使われるようになったのは、88年か89年だと思います。昔はAVの小さな一角を占めるだけでしたが、それから大きくなりました。

シ:V&Rプランニングが最初のAV会社ですか?

松:はい、そうです。働きだしたのが1988年、22才の時です。

シ:そのとき、V&Rプランニングはすでに大きな会社だったのですか?

松:いや、とても小さかったです。ぼくは4人目の社員で、会社自体もまだ2年目でした。

シ:V&Rプランニング安達かおるが始めたんですよね?

松:はい、そうです。

シ:V&Rは最初からドキュメンタリースタイルAVに力をいれていたのですか?

松:はい。安達テレビ出身で海外映像の輸入エージェントとして働いていました。モンティ・パイソンとかそうですね。でも彼はおもに死体ものとかのキワモノにもっぱら興味があったようです。それが彼の嗜好だったんですね。

彼は撮影については知りませんでした。自分会社を始めて、自分でこうあるべきだと思うやり方で彼はドキュメンタリーを作ったのです。会社自体はキワモノですが、安達は非常に真剣作品を作ろうとしました。

シ:V&Rの意味は?

松:ビジュアルアンドリテイルです。バイオレンスアンドレイプじゃないですよ、皆さんの思うところとは違って(笑)

シ:V&Rでは最初は助手、そして1989年自分作品制作し始めます。最初の作品はどんなでした?すでにハメ撮りでしたか?

松:いえ、ハメ撮りは1991年からです。その前はドラマ仕立てでした。

シ:後期の林由美香があなたをハメ撮りに導いたという記事を読んだのですが…

松:いや、直接ではないです。林由美香とは1989年からやってました。正直にいうと、ぼくは彼女が好きだったのです。一緒にパリロンドン旅行して、ビデオを撮ったこともあります。僕の作品である、「硬式ペナス1990年)」は彼女への愛を宣言したものです。その作品で、彼女はスターになりました(原注:林はその後すぐに松尾と別れ、他の出演作品監督関係を深めることになる)。彼女との作品では、自分男優はしませんでした。でもそれは非常に不自然に思えました。彼女のおかげで、ハメ撮りが一番自然な撮影方法だと感じられるようになったのです。つまり、そのやり方だといい作品をじかに作れるし、ハメ撮りだと女の子に近づく、彼女自身がオープンになれる、本当の気持ちを見せられるといったことや僕自身の女の子に対する気持ちを表現できるのがあります。僕にとって重要なのは、女の子と緊密な関係をきずく、女の子が好ましく思えるってことです。でなきゃ、いい作品は作れません。

シ:それはたぶん宮崎レイコとの例じゃないですか?

松:ええ。彼女素人としてこの仕事を始めました。彼女デビュー作はぼくが撮りました。1991年のことで、ハメ撮りが僕の撮り方の主流になってました。「私を女優にして下さい」ですね。次のシリーズものが「熟れたボイン」です。ぼくの作品素人から有名女優になった最初の女の子です(原注:松尾自身もこの共同作業により今日知られるようになった有名監督になった)。

シ:V&Rで活躍する一方、マンガ職業AV監督」の原作も手がけられています。

松:はい、これ実話です。井浦秀夫が絵をかいてます。1997年から98年の作品で、全5巻で秋田書店から出ています。ぼくの仕事、ぼくの作品に関わる女の子たち、V&Rの人々、安達かおる…まあそのころのこと、すべてですね。

シ:V&Rは現在ではどちらかというと大会社ですか?

松:中堅どころといった感じです。AV市場では大きな会社はいっぱいあります。でもV&Rはその中には入らないですね。大会社ビデオはあんまり興味ないです。その点、小さいところの方がいい作品をだすかな。V&Rは間違いなく、変態を極めた会社のひとつです。

シ:V&Rが制作した「ジャンクシリーズにも関わってますよね?こうしたデス・ドキュメンタリー南米で撮影されたものですか?

(原注:「ジャンク」の原題は「faces of death」。もともとコナン・ド・シレールが1979年から90年にかけて制作した4本のアメリカ作品。V&Rが引き継ぎ、ジャンクタイトルでデス・ドキュメンタリー制作し続けた。同様のケースはドイツでも見られる)

訳注: http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/worst/mondo/junk.html が興味深い)"

松:1989年頃のものですね。V&RはAVだけでなく、デスビデオ海外で撮影してました。カメラマンのイシカワ・タケシが両性具有者にただならぬ関心を抱いていたのです。そのためにブラジルタブロイド新聞と連絡をとっていて、ブラジルに詳しくなりました。向こうが言うには「デスビデオを撮るならブラジルにこなきゃ」と。で、安達、イシカワ、そしてぼくがブラジルに行って、2週間ほど彼らと行動を共にしました。

新聞カメラマンは、警察無線を傍受していて、事件が起こるや、すぐに現場直行しました。ブラジル警察は動きが遅く、たいていカメラマンが先に到着しました。日本だと死の現場はいつも警察が人目につかないよう隠しますが、ブラジルだとそんなことはないです。ぜんぶオープンですね。

シ:事故殺人現場にご自身行ったと?

松:両方です。何もかも。殺人はとても多かったです。撮影には何の支障もきたしませんでした。愉快なもんじゃないけど、ぼくができるのはそれしかなかったし、使命感みたいなものも…たぶん、ふつうはそういうのって撮れないと思うんですよ。たまたま機会にめぐまれて、現場に行ったと。でもぼくはだんぜん、AVがいいです。デスビデオセックスビデオには共通点があります。どちらもひどく当たり前のことで人間の根源にかかわるのに誰もが隠そうとする。ぼくらは封を開けて、それが見えるようにしてるんです。

シ:ジャンクシリーズものです。どのエピソードを担当しましたか?

松:6番です。

シ:どこで撮影しましたか?

松:リオデジャネイロです。リオはぼくの好きな街ですけど、別に死体を撮ったからってわけじゃないです。リオは美しいところで、ほんとうに輝かしいものから暗い側面まで、すべてがあります。丘の上のキリスト像からファベーラと呼ばれるスラム、美しい町並み、そして白い砂浜まで。美しい娘からギャングホームレス麻薬の売人、そして殺人犯。すべてがそこにあって、生きている、街に存在するのです。パワフルな場所です。美しく、そして同時に恐ろしくもあります。一回しか行きませんでしたが、今でも魅力的です。

シ:リオでハメ撮りは?

松:いや、まったく。アメリカヨーロッパでは何本か撮りましたが、ほんとうにしたいようにはできませんでした。もちろん、言葉が大きな理由です。ハメ撮りの現場通訳は連れて行けませんから(笑)。でも言葉の違いより文化の違いの方が大きかったと思います。ハメ撮りでは、女の子の内側に行ってみたいのです。何を考え、どう生活し、夢、そして現実はどうなのかと。生命の中に隠されている汚れた、感情的なものを取り出したい。外国でできるのはセックスを撮ることだけ。それじゃ十分じゃないし、ぼくは満足できない。セックスシーンを撮るだけなら、俳優を呼んで女の子とやらせればいい。ぼくなんてお呼びじゃないです。ハメ撮りだったら、なぜ彼女はこれしてあれするのか、動機、考え、そうしたことを詳しく理解できます。ぼくは女の子個性を描写したい。欧米の娘とだと、ちょっと無理です。セックスが好きかもしれない、オープンかもしれない、でも日本の娘たちとのようには近づけない。ほんとうの性格がわからない。つまり、ぼくは彼女たちとビデオを撮れない、ってことです。

シ:他のアジア諸国だと?

松:アメリカヨーロッパポルノに関して長い歴史があります。スクリーンセックスが映しだされることについてオープンです。でもアジアはかなり遅れています。厳しい規範があり、ポルノ産業において多くを語ることが難しいです。日本はずっと先を行ってますね。

シ:V&Rにはいつまでいましたか?

松:2004年までです。それからハマジム現在会社を仲間と始めました。

シ:ハマジム意味は?

松:浜田写真事務所、略してハマジムです。みんなそう言うし、領収書も短い名前の方が便利です。今ではもっと短くなって、「HMJM」です。もともとカメラマン浜田さんが由来です。彼はぼくらのなかで最年長、みんな尊敬しています。彼がボスです。

シ:現在、何人が働いていますか?

松:7人です。

シ:ハマジム作品の平均的予算は?

松:たとえば、「広瀬舞、海老原しのぶ」(2004年)、あ、ふたりの女優名前から題名つけたんですけど(訳注:ハメドリズム01?)、200万円前後ですね、DVDジャケ込みで。「アテネマラトン」(2004年)はオリンピックのときにギリシャで撮影しました。300万円ほどでした。基本的には一本、200から300万円です。

シ:「オークション01」「オークション02」(2004年)のような純ハメ撮り作品だと、旅費がばかにならないと思いますが?全国を旅して撮りましたね。

松:実際、そっちの方が安いんです。スタジオ撮影は高い。スタジオ代だけでも100万かかります。それだけあれば、ほんといろんなところに行けますからね。

シ:基本的に、彼女たちの住んでいる町、実際の生活環境で会ってますね?

松:ええ、基本的にそうしたくて。

シ:あなたは常に、親密で個人的な彼女たちの肖像を切り取っています。彼女たちの本当のやり方をつかんでます。ビデオの中で彼女たちは、ビデオ出演の動機も含めて大いに語っています。ところで、彼女たちが作品に出演する動機、これはどうお考えですか?

松:女の子それぞれというのはもちろんですが、お金が主な理由だと思います。でもハメ撮り一編に登場しても大した金にはなりません。一回会うのが5万円、つまり彼女たちがぼくに電話するのは他の理由があるにちがいない。好奇心だったり、非日常に惹かれたり、もしくは日常ストレスから抜け出したかったのかも。そして単純にセックスに興味があったというのもあります。でもほとんどの場合、彼女たちはほんとうにくつろいで、作品に出ることを楽しんでいます。ところで、あなたはドイツ人だとおっしゃられましたよね。笑い話なんですけど、実際にAVドイツで撮ろうとしたことがあったんです。2年前に女の子ひとり連れてベルリンに行きました。ぼくのプランは、アウトバーンを時速300キロで飛ばしながら女の子にしゃぶらせるというものでした。日本は速度制限が厳しいというのもあってこの計画には非常に興奮しました。これは全男子の夢だぞ、車をかっ飛ばしながらセックスをするなんて。女の子はいるし、おしゃぶりしてくれると。ポルシェを借りてアウトバーンに出ました。最初の誤算は300キロ出なかったことです。260キロくらいまででした。で、女の子が車酔いしちゃったんです。なんにもできませんでした。ドライブだけで終わりました。

シ:でも撮ったんですよね?

松:ええ、全部収めました。衛星放送向けAVの一編になりました。

シ:これからの予定は?

松:ぼくはAVが好きで、今やっていることをこれからも続けたい。テレビ映画には興味がないし、AVを作りたい。大会社に所属したくもないし、ハマジム大会社にする気もない。ビジネスのことは考えたくない。ただ自分の好きなことをやっていたいです。

カンパニー松尾AV世界(前編)

www.midnighteye.comより、雨宮まみの「弟よ!」経由。

長いので二つに分けました。

カンパニー松尾AV世界

ヨハネス・シェーンヘル

<日本AVとは>

日本アダルトビデオ、略してAVと言われているがそれは驚くべき多様性の世界でもある。もし欲情を喚起するためにセックスを描写し、売り物にするのがポルノグラフィの定義なら、どこからどう見てもそれはポルノなのだ。AV安価日本中至るところで目にすることができる。この国のどんなビデオショップに行ってもこのジャンル商品はたいてい、大きな棚を占めている。

しかし、日本映画表現が欧米で多くの信者を生み出す一方、アダルトビデオはほとんど顧みられていない。日本の得意とする怪獣もの、アニメをはじめとする全ジャンルに関する日本映画フェスティバルヨーロッパ北米で花盛りだが、AVはどこにある?もちろん、日本ポルノは性器を直接描写できないという問題を抱えている。それらは処理画像の向こうにあり、欧米視聴者にとってはいささか奇異に映るものだ。にもかかわらず、AVは魅力的な分野である。

最初に、日本におけるポルノ映像の区分けにふれる必要がある。

まずは、ピンク映画。これは1960年代初頭から制作されている。小林悟の「肉体の市場」がおおまかにいってこの分野のさきがけといえよう。性への大いなる情熱、そして時には理由なき暴力や変わった性的ファンタジーまで描写する一方、ヌードシーンは一部に限られ、疑似性交が主を占める。

そして裏映画訳注日本語ではブルーフィルムがより的確な表現だと思います)、こちらはさらに映画史の初期にまでさかのぼることができる。こちらは本番ありの無修正、たいてい8分から10分の短い映画だ。白黒映画時代に欧米存在したブルームービーは時には手の込んだプロットを開陳していたが、日本のはたいてい伝統的な畳の部屋で性交にいそしむ男女を描写するにとどまっている。裏映画が上映されるのは、だいたい温泉街であった。男の客にとっての温泉街でのくつろぎは、しばしば買春と結びついており、そうした街の赤線地帯では法律で固く禁じられている裏映画ショーを楽しむことができた。今日では裏映画裏ビデオに取って代わられ、そうした未修整のポルノビデオビデオショップで信用のある客にのみこっそり売られている。

ビデオデッキの普及に伴い、アダルトビデオ1980年代初頭に成長をとげる。家庭で映画を見る習慣が広まり、そしてもちろんビデオデッキ接続されたテレビセックスを鑑賞することを人々は望んだ。初期AVは、東映新東宝といった大手ピンク映画会社により支配された。撮影済みの映画ビデオ化し、自宅向け市場へと流したのだが、短いバージョンであることもしばしばだった。市場の急速な拡大につれ、それらの映画会社ビデオ専用の映像制作するようになった。これらの映像は直接ビデオで撮影されているにもかかわらず、ピンク映画伝統踏襲し、ピンク映画ルール・制限に固執した。

ピンク映画会社制作するAVは、高額な費用をもって制作され、ほとんどの場合有名女優を主役にすえていた。しかし新世代の野心あるポルノ映像作家ビデオという形態安価であり、あらゆる種類の新しい可能性を提供してくれることに気づき始めた。つまり機材取り回しの容易さ、無限ともいえる長さの尺をとてつもなく低コストで撮影できるということである。

これらの新しい可能性を最大限に生かした最初の監督が、かつてピンク映画監督だった代々木忠である。「ドキュメント・ザ・オナニーシリーズ80年代初め)にて今日AVにて見ることのできる根源的要素を彼は取り入れた。本番の導入、そして素人俳優採用によって秘められた日本セックス事情ドキュメンタリースタイルで描写したのだ。

ドキュメント・ザ・オナニー」は驚くべきヒットを記録し、映像に関心のなかった投資家連中という新しいグループの注目を引くことになった。裏本ビニ本業者はAV制作会社を設立し、金鉱とも思えるそのビジネスに飛び込んでいった。

少額の予算ピンク映画会社に勝つために、本番は彼らの切り札となった。こうした決断大島渚の刺激であるともいえよう。著名な日本人監督である大島フランス資本で撮影したアートシアター系映画である「愛のコリーダ」(1976年)は、命がけの悲しい情熱を最大限に表現するために実際のセックスをいくつものシーンにおさめた。一方で、非合法である裏映画からの強い影響も見てとれる。裏モノである「洗濯屋ケンちゃん」が一躍注目を浴びることになった。いつ、誰が作ったのかは現在に至るまでまったく不明である。しかし多くのフィルムが出回り、それらはビデオコピーされた。主要雑誌はこの映像について書き立て、大きな話題となった。裏映画の直コピーの常として、「洗濯屋ケンちゃん」はもちろん非合法なものであったが、新しい本物のセックスという報道記事によって、どんなにお金をかけても得ることのできない宣伝性を得ることになった。

もちろん、新しいAVにおけるセックスは本物であったが、いぜん審査されていた。セックスシーンでは役者の全身はおろか、クローズアップも映し出されていた。しかし、性器とヘアーAV業界でいうところの「モザイク」と呼ばれる電子的処理画像に隠されていた。処理画像がある限り、スクリーン上のすべてが許された。精液が処理画像から飛び出して、非処理画面に映る女優にかかってもおとがめなしである。ピンク映画では役者のモチモノは家具植木鉢をレンズとの間に置くことによって隠されていたが、いまや自由な撮影が可能となった。編集の段階でモザイクをかけ、ぼかすだけでいいのである。

そうした映像処理は、海外映画審査起源を発している。ヌードシーンはこれまでカットされることはなかったが、俳優の性器は黒塗り、もしくは白のぼかしで隠されていた。この和らげられた映像が、ある程度本来のイメージを知る、手がかりになったのである。

こうした規格を確固たるものにし、政府の取り締まり・警察逮捕といった危険からAV産業を守るため、AV会社により自主審査団体が設立された。映倫ピンク映画制作する業界により審査委員会が運営されている)をモデルとしたビデ倫が設立された。業界トップは、AV監督アナーキー連中の集まりであることを正確に把握しており、最初から強い手段をとることにした。ルールを守らせるための必要な権威づけのために、ビデ倫審査委員会警察官僚役人天下りを呼び寄せたのだ。

現在ではAV業界は一大産業を形成している。しかしその内訳はさまざまである。ピンク映画会社が今もなお重要な役割を果たす一方、無数の小さな会社があり、世には知られぬ顧客の嗜好を満たすべく特異化をはかっている。とはいっても、AVには二大分野が存在する。つまり、「単体」と「企画」である。単体ものはふつう、大きな会社が扱うが、大予算とひとりのスター女優に焦点を合わせるところに特徴がある。美しい女の子を起用し、なるだけソフトに、かわいく作られる。一方企画ものでは4、5人の女優が一本のビデオに出演する。彼女たちはかわいくもなく、見た目がイマイチであるのは決して珍しいことではないが、カメラの前での行為は大胆不敵である。企画ものはセックスについて変わった側面を取り上げることが多く、小さな会社制作している。企画ものの方が予算が安く済むからだ。単体女優はスターであり、一本につき100から200万の金を手にする。企画女優はというと、10万から20万といったところだ。にもかかわらず、ふたつのやり方は相互補完的だ。多くの男性視聴者女の子にふたつのことを望む、つまり可愛らしさと変態さだ。

日本では魅力的な若手女優が必要とされており、単体の女の子はスターでありアイドルでもある。企画女の子はというと、タレント的であり、それはアマチュア意味する。こうしたタレント募集のやり方はまさしく日本的だ。モデル事務所タレント事務所は多くのスカウトマンをかかえている。スカウトマンは若い男連中であり、ファッションに敏感な若い子でにぎわう東京一角に、前途有望な娘を見つけるべく徘徊している。彼らは若い女性に声をかけ、音楽ファッション業界仕事をもちかける。実際、ファッションモデルテレビエキストラになる場合もある。レコード会社が特定の容姿を歌唱力より優先させたい場合には歌手になることも。一部の女の子たちは、スカウトマンから声をかけられ、そうした仕事に着くことを夢見ながらおしゃれして渋谷原宿の通りを歩く。しかし多くの場合、モデル事務所AV仕事をもちかけ、そして多くの女の子が「いいですよ」と答える。街角からリクルートされたタレントたちの登場するAVの信じられない本数が示すように。彼女たちはたいてい手っ取り早く金を稼ぐためにAVに出演する。もしくは冒険や遊び心、モデルキャリアへの道を見いだしているのかもしれない。

企画もののスタイルジャンルを一覧にするにはいささか数が多すぎる。しかしその中で最も重要であり、かつ一般的なものをあげるとしたら、ピンク映画の時代から続く、ずばりそのものの異性間セックスが最初に来るであろう。教師・女生徒看護婦といったちょっとした嗜好を交えたり、レイプAVでは一大分野だ)・緊縛などの暴力の一形態を伴うこともある。しかしAVビデオならではの特異なジャンルも拡大しつつある。ブッカケ(集団男性女性の体に射精する、顔がより好まれる)や密着ドキュメンタリーの特殊なケースであるハメ撮りなどである。

<ポルノ日記>

ドキュメンタリー的手法は日本AVの多くに見られる。しかしハメ撮りほどドキュメンタリー的なものはないであろう。手短にいうと、ハメ撮りはポルノ日記の一種である。それは男性(たいていカメラマン監督である)の主導のもと、タレント女優フィルムに収める作業である。カメラ片手にしゃぶってもらったり、テーブルに置かれたカメラ性交を記録したり、時には行為中にずばりそのものにカメラを向ける。こうしたやり方がたぶん、映像にじかの力を与えているのだろう。キャストなし、クルーなし。ただふたりがやって、その男がまさしくそこでセックスをしている、非常に個人的な視点を視聴者はまっすぐに見せられる(原注:残念ながら、筆者は女性による女性の視点からのハメ撮りにお目にかかったことがない)。

しかし、ハメ撮りの売り物はセックスだけではない。セックスと同じくらいの興奮を呼び覚ますのが、ふつうの、一般的な女の子がどうやって「演じる」かという点だ。彼女たちは朝、地下鉄であなたの隣りに座っていたかもしれない、夜にはビールを運ぶウエイトレスだったかもしれない…夢みたまえ。ハメ撮りが売るもの、それは夢であり、日本の男たちが望むけど実現不可能な、あるいは現実には十分に得られないような性的出会いがあるかもしれない、という夢だ。でもそのイメージリアルである。それこそ手に取れるくらいリアルだ。

<カンパニー松尾: ハメ撮りの達人>

今日のようなハメ撮りを作ったのが、カンパニー松尾だ。ハメ撮りという生まれたてジャンルを親密な映像体験に仕立て上げた。彼の代表作である「オークション01」「オークション02」は2004年制作された。これらの作品デジタル撮影され、DVDにて販売されている)は松尾が出会ったさまざまな女性との個人的な出会いを多く収録している。

たいてい松尾レディースコミック広告を掲載し、彼と会う勇気を持ち合わせた女性募集する。作品の各章は彼女たちが実際に電話をかけるところから始まる。松尾は彼自身が電話を取り、待ち合わせ場所を決めるシーンをカメラに収める。次に私たちが見るのは、松尾彼女のいるところに向かって移動するところだ。松尾はおおいに旅を楽しんでいるように見え、それを日記スタイルで撮る。いろんな駅のシーン、車窓からの眺め、日本日常光景は常に導入部分となり、彼の行き先を示す。最終的に彼は女性が指定する場所で面会する。その場所は彼女の住む町だったり、リゾートだったりする。女性はときに彼をからかう。居場所を推測させたり、行き先の張り紙を残すこともある。しかしたいていの場合、駅などの待ち合わせ場所に彼女たちは素直に現れる。松尾は非常におだやかに話す、好ましい感じのする男だ。こうした資質がものごとをうまく進める理由であるに違いない。しかし最初から明らかなのは、彼女たちはお金を受け取っていて、なにやらセックスのようなものがこのふたりの参加者のあいだで始まることだ。

まず第一に、松尾女性のことを知りたがる。彼らはしゃべり、冗談をとばし、お互いが容易になじめるみちすじを探す。そしてすべてはカメラに記録される。今回の出会いに至った動機、いつもの生活、そして夢。ついに彼らはホテル彼女の自宅へと向かう。

この段階において、視聴者はすでに彼女について十分知っている。とても親しく感じられる。ある娘たちは積極的にセックスに至ろうとするし、渋々な娘もいる。なんであれ、松尾は撮影する。彼女が「だめ」と言う時でさえ、松尾ありのままカメラにおさめる。驚くべきことは、女性たちは作品の中では自らについてとてもあけすけで、その多くがセックスの段になっても決してシャイではないことだ。日本女の子が実際にどうやって考え、何を求めているか知りたければ、多くの洞察がここから得られよう。

松尾1965年日本の中央に位置する愛知県に生まれた。高校時代から、松尾テレビ業界希望していた。専門学校卒業すると、松尾音楽番組制作会社に入った。この仕事には彼は大いに失望させられた。音楽のことを考え、バンド内面映像化するかわりに単調な台本を追う日々だった。ひょっとしたら意外でないかもしれないが、会社はほどなく倒産した。失業した松尾は飲み屋で昔からの友人に会う。友人はAV世界への参加をもちかけた…ここからは彼自身の言葉で語ってもらうとしよう。

2006年の2月に私は東京のファッショナブルなエリアである原宿にある、新しく広々とした松尾オフィスで彼に会った。ちなみに原宿日本若者文化の先端を行くホットスポットとして知られている。

http://anond.hatelabo.jp/20081228015206 に続きます。

2007-12-23

"'53年公開映画シェーン」の著作権消滅が決定" の報で思い出した事

 記事で問題になっているのは著作権だが、それには触れない。

 歴史法則性について。

 但し、プロレタリア革命ブルジョワ革命が完遂した後に起こる、或いは現在自由主義歴史の終焉であると言った話題は、手に余る。

 同じ20世紀で、しかも大衆芸能について、一定レベル以上の成熟と大衆性を獲得した(だから、純文学前衛藝術を除く)ジャンルでは似たような進化を辿るのではないか、という話。

>>最後に取り上げる例は、ジョージスティーブンスの古典西部劇シェーン』である。周知のごとく、西部劇というジャンルは四〇年代の終わりに最初の深刻な危機を迎えた。純粋で単純な西部劇は、いかにも作り物で単純な繰り返しだ、という印象を与えるようになった。西部劇の公式は使い尽くされたようにみえた。作家たちは、他のジャンルの要素を西部劇に盛り込むことによって、この危機に対処した。かくして出来上がったのが、フィルム・ノワール西部劇ラオール・ウォルシュ『追跡』。この映画は、フィルム・ノワールの暗い世界西部劇移植するというほとんど不可能な仕事をなしとげた)、ミュージカルコメディ西部劇(『略奪された七人の花嫁』)、心理的西部劇グレゴリー・ペックの『ガン・ファイター』)、歴史叙事的西部劇(『シマロン』のリメイク)などである。一九五〇年代に、アンドレ・バザンはこの新しい「反省的」ジャンルメタ西部劇と命名した。

 この「メタ西部劇」は『西部劇』自身のパラドックスであり、その「メタ」の部分は/西部劇そのもの/である。いいかえると、この映画は、西部劇世界にたいする一種のノスタルジーにみちた距離を含んだ西部劇である。『シェーン』が生み出す効果を説明するには、ふたたび視界の機能に言及しなければならない。つまり、常識的なレベルに留まっているかぎり、すなわち視線という次元を導入しないかぎり、単純で理解できる問いが生じる──もしこの西部劇の「メタ」の次元西部劇だとしたら、二つのレベルの間の距離はどう説明されるのか。どうしてメタ西部劇西部劇そのものとぴったり重ならないのか。どうして純粋で単純な西部劇はできないのか。答えはこうだ──構造的必然性によって、『シェーン』はメタ西部劇コンテクストに属している。<<

スラヴォイ・ジジェク著 鈴木晶訳 斜めから見る。青土社 P121

 猫も杓子もジジュクを使いまわしている昨近、またか!と思われる方も多いだろう。またか、である。

 アンドレ・バザンの≪超西部劇≫(sur-western)は、時間=歴史的な対象、一九四〇年前後古典主義に対する一九四四年以後の「進化した」西部劇を指し示す。対して、ジジュク≪メタ西部劇≫は、空間=図式的な観念である。それは「メタ」の次元とそれ以外の次元からなる「二段の棚」であり、話を進める上で好都合だったので、持ってきた。

 日本の場合、過去の例で思い当たるのは、時代劇だが、最近では、何といっても、ロボットアニメかな、と。(時代劇については、ここでは触れない)

 名前はいちいち挙げないが、歴史叙事的ロボットアニメ西部劇では実際の過去の出来事だが、ロボットがポピュラーな時代は未だ来ないので、未来、或いは仮想世界舞台になる戦記物)、コメディロボットアニメ、(破綻も含む)教養小説ロボットアニメファンタジーロボットアニメ、ラブストリー的ロボットアニメ、その他、いろいろ。

 では、”その「ロボットアニメ」は『ロボットアニメ』自身のパラドックスであり、その「メタ」の部分は/ロボットアニメそのもの/であるような作品、ロボットアニメ世界にたいする一種のノスタルジーにみちた距離を含んだロボットアニメ”、西部劇で言えば「シェーン」に該当するロボットアニメ存在するだろうか?

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