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はてなキーワード: コミカルとは

2016-03-30

最近オタクとして生きるのがつらい

いや、金がないとか暇がないとかモテないとか、そういうことじゃなくて。

女子高生痴漢絵師とか、女子中学生監禁学生とか、ああいイカれた犯罪者がたまに出現しちゃうのは防ぎようがないことだとは思うんだけど、連中を持て囃したりネタとして消費したり犯罪者擁護したりするオタクがかなりの数出現してきていてつらい。もちろん一般人男性にもかなりそういう連中はいるだろうからオタクだけ取り出してそう言われるのは心外だと言えるかもしれない。でもネット上で目立ってるのは、明らかにオタク二次加害者だよね。二次元三次元関係ないとか、架空児童より実在児童人権をとか、そういう旗印がどんどん汚れていくのが見えるのがそれらを未だに掲げ続けようと思っている人間にとってはつらすぎる。

昔は楽しく観れていた小説アニメ漫画を見直すとたまに地雷にぶち当たってつらい。『涼宮ハルヒの憂鬱』のどぎついセクハラは流石に読んでた当時でもドン引きできたけど、『A君(17)の戦争』や『桐原家の人々』といったコミカル作品に充満するホモフォビア、女に家事労働押し付け男が世界危機と戦う『サマーウォーズ』、同性愛者の尊厳を高らかに謳いあげるその手で異性装者をオモチャにする『ささめきこと』、『銀河英雄伝説』のひどさはもはや説明するまでもないし(あれだけの未来理念的には民主制のはずで女性大勢従軍している設定の同盟内閣にひとりかふたりしかいない女性政治家に男ばかりの軍首脳部に妻に家事をさせてのうのうとしている退役元帥サマ)、それになんといっても『おおきく振りかぶって』の女子マネと女性蔑視特に花井梓くん! かなりひどいよ君!)と「部活動」という枠組みでの児童虐待保護者の動員というロイヤルストレートフラッシュ感あふれる組み合わせ、これらが全部スルーされるか美談として話を盛り上げるネタになってるのがつらいし何よりめちゃくちゃおもしろくて今でも好きな作品なのがつらい。桐青戦とか何度見ても胸が熱くなる。つらい。

オタク社会蔓延差別存在がつらい。「腐女子」にばかり「自重」が求められ男性向けはそんなルールを気にせずのびのびと楽しめているという非対称がつらい。同じオタク仲間のはずなのに腐女子を叩く男オタク存在がつらい。男ばかりがメインキャラで出てきて色々絡む作品に向けられる同性愛差別発言の数々と、何よりそういう作品をこれまでなんとなく避けてきて嫌悪感を持ってきた自分の中のホモフォビアに気づいてしまうのがつらい。女性蔑視発言を垂れ流すオタク一定数いるのがつらい。オタクの中に根付いてしまった外国へのステレオタイプ差別感情がつらい。フルメタアナザーで「うるせえ便衣兵!」ってセリフが出てきたときは本当に残念だった。好きな作家さんのtwitterなんて知りたくなかったと思ったことは一度や二度ではない。男性同性愛者向けAVを「ネタ」として使って出演者名前を出して遊びまくる文化がつらい。

差別ではないけど残念な言動をするオタクが多いのもつらい。政治傾向は人それぞれで、別に自民党支持者だろうが共産党支持者だろうが公明党支持者だろうがそこに文句を言う気はないけれど、敵対する陣営レッテル張りをして大きな主語批判して炎上芸してる人がオタク代表面してることがあって見ていて残念すぎるし同じ口で“オタク差別”を糾弾してたりするのほんと勘弁してほしい。アニメ聖地巡礼流行る以前からその周辺ではトップクラス観光地だった場所をつかまえて俺らのおかげで繁栄してるんだぜ的なドヤ顔する連中がいるのがつらい。自分の好きな作品ジャンル絶対視して他の作品ジャンルを無根拠蔑視する人、自分のかつての姿と重なって色々な意味でつらい(筋道立てて作品どうしを比較することが悪いと言っているのではない、念のため)。やめろ。やめてくれ。「最近ファンタジー」を殴るために『十二国記』を持ち出すな。

でまあこれらを「最近つらい」とか言っちゃえるのも俺が「普通ヘテロ男性オタク」だからで、女性オタクとか男性でも性的あるいは民族的マイノリティに属するオタクとかはこういう理不尽にずっとずっと僕らが呑気にしてるあいだにも耐えていたんだろうなって思うとほんと自分の鈍感さがつらい。本気で怒っている人を見るまで「ラノベ」を小馬鹿にした感じで語ってもいいものだと思っていた自分の醜さがつらい。そしてなによりも、油断しているとここまで批判してきたような認識がぽろっと口をついて出そうになるし咄嗟に「どこが悪いの?」とか思っちゃいそうだし実際ちょっと思ったりしてる自分感覚麻痺っぷりが、一番つらい。

オタクであることは恥じるべきことじゃないし、オタクコンテンツは素晴らしい。でもオタクの一部は、オタクコンテンツの一部は明らかにクソだし、そのクソさは切り離してはいさようならできるものじゃなくてグラデーションになって存在していて、多くのオタクは多かれ少なかれそのクソさに染まってる。全身か指先だけかの違いはあれど。もちろんそれはオタクだけの責任じゃない。オタクは同時に社会に生きる人間でもあって、このクソな社会には既に性差別インプットされている。けれど少なくとも、そのインプットされた性差別を増幅してきたのは、オタク自身責任だよね。

自浄作用? オタクあいだに序列なんてない。ネットでクソなオタクをブッ叩くことはできるけどそこに強制力はないし自浄作用は期待できない。そして、自浄作用がないなら、論理的帰結として何らかの公的強制力でもって規制されるほかなくなってしまう。ああそうか、やっと気づいた、腐女子のやってた意味不明で抑圧的な自主規制ルールってコミュニティ防衛のためだったんだな。アンチスパイラルから螺旋族を守ってた螺旋王だったんだな。それにやっと気づいたときにはもう遅くて、10万人の宮崎勤が地上に満ちてアンチスパイラルに色々蹂躙されることになるんだな。俺は嫌だ。犯罪者扱いされずにコミックLOを読みたい。別に俺は『ろりともだち』の内容を実現しようとも羨ましいことだとも思ってない。俺たちの欲望を放っておいてくれればそれでいいんだ。ああでもなんで、お前らはそんな規制を呼びこむようなことを言うんだい。

ネットなんて見ないで作品だけ見ていれば、このつらさも少しは減るかもしれない。でもネットで得られるものは大きい。新しいカップリングの可能性。作品を愛好しながらそれを冷徹眼差し批評する視座。楽しい同好の士との会話。まだ知らなかった作品情報。そしてなによりも、素晴らしい二次創作。どれもネットから得られる果実だ。それがないとオタクはやっていられない。けれど果実の横には常に、横たわるクソの山がある。

そういうものばっかり見てるからそういうものばっかり見えるんじゃないかって? 確かにその通りだ。見ないようにすれば見ないでいることもできただろうし、実際そうやって過ごしてる人もいる。でもここは地獄インターネット。見えてしまう。目に、入ってきてしまう。みんなどうやってやり過ごしてるんだ。教えてくれ。多分今一番求められているのはそのライフハックだ。俺がいくらつらくなったって世の中のクソさは変わらない。それともみんなこんなつらさを押し殺して日常ツイートしてるのか。ブコメ大喜利してるのか。にゃーんとか言ってるのか。

オタクじゃなければ、別にそれでもよかった。うわーオタクキモいなー、で済ませられるからあいつらには関わらんどこ、ちゃんちゃん、でおしまい何が悪いの? みんな「マスゴミ」や「ヤンキー」に対してはそうしてるじゃん! でも残念ながら、俺はオタクだ。オタクの不始末も、それによって落ちるオタクの評判も、他人事じゃない。それが根拠のない迫害ならまだよかった。俺たちは被害者だと、迫害してくる奴らは敵だ、いずれ革命を起こしてひっくり返してやると、そう思えたから。でも、性犯罪擁護差別他者への攻撃、これって全部身から出た錆じゃないか。こんな状況で一方的被害者面なんてできるわけない。俺はそんなことやってないのに。そう思う。でも一方で、自分アイデンティティはそっち側に置かれてしまっていて、叩かれるのがたとえ自分所為じゃなくても自分やらかしたことのように思えてこたえるんだ。

から最近オタクとして生きるのがつらい。

2016-02-08

増田の傾向からおすすめを考えてみた

http://anond.hatelabo.jp/20160207235315

ミステリー、軽妙、映像、そしてタラ以降なんかがキーワードかと思って選んでみました。長くなった!

まずはタラ以降の直系で『クライム&ダイヤモンド』で。ラインナップ見る限りとりあえずこれは外さない安牌かなぁ。

タランティーノ繋がりで言えば、居候エドガーライトの『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』。ポップなテンション連続殺人のミステリーがいい具合に融合して弾けてる快作。たまにカットが細かすぎるけど映像も面白い

『スコットピルリム』『ショーンオブザデッド』も楽しい

あとは面白映像とか好きかも知れないので、ネヴェルダイン/テイラー映画ステイサムさんの『アドレナリン』なんかどうでしょう(インパクト重視なら二作目のハイボルテージからでいいかも)。アドレナリンを出し続けなければ死んでしまう主人公アドレナリン出し続けるおはなし。ハイボルテージでは巨大化したり下らない! もし気に入れば『ゲーマー』も。

映像で言うと、多分見てると思うけどフィンチャーも。『ファイトクラブ』『ゴーンガール』『セブン』『ソーシャルネットワーク』、オチに怒るかも知れない『ゲーム』なんかも。

映像×ミステリー=バカ、ならピトフ監督の『ヴィドック』。

魚眼琥珀色の映像が気に入ったら美術で組んだジャンピエールジュネ監督の『ロストチルドレン』『エイリアン4』『デリカッセン』なんかも観るといいかも。

個人的にはあまり好きじゃないんだけど、映像ならダニーボイルも外せないのかなぁ。岩に腕挟まれて長いこと苦しむ実話『127時間』、薬中映画トレインスポッティング』など。トレスポは今観るなら主題歌のPVの方が収まりがいい気がする。

タラの推し監督で、パクチャヌクのサスペンスオールドボーイ』『親切なクムジャさん』。

韓国映画全般アツイので、コミカル復讐ミステリー?の『殺人の告白』、ブラックコメディ最後まで行く』とか重厚な『殺人の追憶』、カットセンスがいい『チェイサー』なんかもおすすめ

『SAW』以降のジェームズワンの映画は、ヒマな深夜にレンタルするのに実にちょうど良くて外さな面白さでおすすめ。『デッドサイレンス』『狼の死刑宣告』『インシディアス』『死霊館』。

実は小品でこそいい手触りを見せた爆発野郎マイケルベイの『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』。実際あった馬鹿犯罪をポップな映像でアッパーに描いてかなり面白い。ハデな爆発と死体損壊も見たくなったら『バッドボーイズ 2バッド』(ほとんど猟奇映画)。ジマー音楽炸裂の『ザ・ロック』も。

小品で言えば『ノッキンオンヘブンズドア』『キスキスバンバン LA的殺事件』『ディナーラッシュ』『ベティサイズモア』『オープンユアアイズ(バニラスカイ)』なんかが気にいるかなあ。

丁度よく面白いものをつくってくれる監督だと、最近はハウメコレットセラ。『フライトゲーム』『アンノウン』『エスター』。

少し前ならデヴィッドエリスデッドコースター』『セルラー』『スネークフライト』。

ごろ寝して柿ピー食いながら観てるととても面白いです。

インセプション』が好きなら、夢と言えばこの人、テリーギリアム。『12モンキーズ』『未来世紀ブラジル』『フィッシャーキング』辺りからが観やすいかな。

デヴィッドリンチフォロワー?な『ドニーダーコ』も気怠くていいかも。『-less』も不気味でいい雰囲気

あえてザッピング系?恋愛ものなら映像も面白いエターナルサンシャイン』『(500日の)サマー』などもいかがか。

ズーイーデシャネルが可愛く思えて仕方なくなったら『イエスマン』を観て癒されよう。

語り口の面白い映画も好きそうなので、ここであえてシャマランの『サイン』。これもラストで怒るかも知れないけど、でもあとで絶対思い出し笑いができるからお得な映画です。ずっこけ『ヴィレッジ』、俺的激泣映画アンブレイカブル』も勧める。

監督作ではないが『デビル』は普通によくまとまった作り。シャマラン映画は、深夜にテレビつけたらやってたってノリで観ると本当に面白すぎる。

同じくずっこけラストだけどすごく幸せになれるアランパーカーバーディ』。最後だけ何回も見返してる。

映像でいえば夜の陰影とライトアップが美しいアレックスプロヤス監督のダークヒーロー『クロウ 飛翔伝説』、マトリックス元ネタダークシティ』も推したい。

ブコメにあったコーエン兄弟なら手のこんだバカ話の『ビッグリボウスキ』、めちゃかっこいいマフィア映画ミラーズクロッシング』、軽さが楽しいオーブラザー!』。他もいい映画ばっかりだけど、とりあえず変さが魅力の『ファーゴ』、乾いた緊張感の『ノーカントリー』、ねっとり嫌な『バートンフィンク』。『未来はいま』『ブラッドシンプル』も。

パルマならまずは『ファムファタール』が合いそうかな?『スカーフェイス』『ファントムオブパラダイス』『キャリー』『ミッドナイトクロス』。

個人的にはファントム〜よりロッキー派なので傑作ロックミュージカルロッキーホラーショー』も!

あとはポールトーマスアンダーソンの安定期の映画も。『ブギーナイツ』『マグノリア』『パンドランクラブ』『ゼアウィルビーブラッド』。

古典の名作サスペンスミステリーをもし観てないなら、ワイルダーの洒脱な『情婦』『サンセット大通り』『第十七捕虜収容所』、ヒッチコック裏窓』『サイコ』『めまい』『北北西に進路を取れ』などは是非。

『穴』『十二人の怒れる男』『スティング』、個人的に『カプリコン1』『サブウェイパニック』なんかも気にいるんじゃないかなあと思う。

最後に、これは邦画からルール違反だけど、洒脱な語り口でかなりタランティーノ以降のアメリカ映画っぽい、内田けんじ監督の『アフタースクール』『運命じゃない人』も勧めたい。

アフタースクールなんかは特に増田好みだと思うんだよねえ

2015-09-13

二次萌え日本人アイデンティティ

昨年急に浮世絵に目覚めた人です。

http://anond.hatelabo.jp/20150815210249

日本では西洋風の写実的な画風が育たなかったのはどうして?

若冲みたいな、鳥単体とかなら写実的な描画スタイルもあったとは思うけど。

ガラパゴス的な、進化の経路の違いということなのかな。

これに対して、

http://anond.hatelabo.jp/20150816024827

こんなエントリを返してみたのだが、風景画などに比べると、人物画は、少なくとも浮世絵というジャンルにおいては、日本は独特の様式進化してるように思う。

ここで、それについて説明していきたい。

日本人アイデンティティに関わる部分が多く、絵だけでなく、できれば安保やSEALsにも話を展開できればなんだが、とりあえず筆にまかせて書き綴っていく。

スーパー歌舞伎2 ワンピース

https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%80%80%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E6%AD%8C%E8%88%9E%E4%BC%8E&espv=2&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAgQ_AUoAmoVChMIkcCEjNTzxwIVg-CmCh294A4a&biw=1920&bih=955#imgrc=V6YCFKaDZ9-V7M%3A

ここで、見てもらいたいのは、ルフィ市川猿之助に似ていないこと。

なぜだろう?

「なにを言っているんだ?」「ワンピースの絵でありゃよくて、役者に似せる必要などないだろ」

その通りだ。

ワンピースであることが大事であり、尾田絵であることが大事であり、役者の顔など関係がない。

ナミもロビンもオッサンが演じるわけだが、オッサンにする必要はないのだ。

浮世絵で、顔が似ていないという根本理由はここにある。

役者絵とは、舞台看板に由来するため、元来似せる必要がなかった。

歌舞伎であることが重要である

歌舞伎であること、それがわかるのが重要である

初期の役者絵を一つ、初代鳥居清倍から一つ紹介する。

初代鳥居清倍「市川團十郎

http://data.ukiyo-e.org/ritsumei/images/Z0163-028.jpg

歌舞伎看板絵は代々、今でも鳥居派の絵師が描いている。

狭い意味で言えば、鳥居派の絵こそが公式な絵、ワンピースで言えば尾田の絵であり、この後隆盛を誇る勝川派や歌川派の役者絵は、非公式アンソロジーみたいなものである

絵はすなわち、歌舞伎様式美世界観江戸空気体現したものではならない。

ゆえに、役者絵に描かれる人の顔は、あのように似ていなかったのである

この、様式美に反旗を翻したのが勝川春章と一筆斎文調である

似絵、似顔絵という、役者に似せた絵にたどり着き、2人の共著の一冊の絵本世界を変えた。

勝川春章

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%9D%E5%B7%9D%E6%98%A5%E7%AB%A0#/media/File:SHUNSHO-Nakamura-Nakazo.jpg

この二名のうち、勝川春章のほうは歌舞伎世界観様式美との調和成功し、商業的にも成功、多数の弟子をとり、勝川派という一派が出来る。

http://data.ukiyo-e.org/aic/images/95101_482279.jpg

顔のみならず、肢体まで正確なデッサンを基本に描いているのがよくわかる。

歌舞伎雰囲気をそのままに、デッサンは正確、一世を風靡する

彼は印に「画中造化」(造化とは造物主、天地の法則のこと)を用い、絵の中に神を宿すという気概があったんじゃないかと俺は思う。

ちなみに、葛飾北斎勝川春章の弟子であり、若い頃は勝川春朗を名乗っていた。

面白いことに、この顔を対象に似せて描くというムーブメントは、男性の顔に対してだけである

谷風となには屋おきた」勝川春潮画

http://ginjo.fc2web.com/208sanoyama/tanikazw_otaki.jpg

歌舞伎の女役ならば、オッサンにするわけにいかないのはわかるが、町娘書く場合であっても、テンプレ顔。

正確にはテンプレ顔のなかにも表情はあるのだが、男性デッサンを基づく顔で、立体造形は可能なのに対し、女性の顔はおそらく3D化できない。

スネオ髪型カイジのの顎ほどではないが、この顔は立体造形が難しい。

女性の顔については、この後に続く喜多川歌麿については外すことができないのだが、こんかいエントリでは男性の顔に主題を起きたい都合上、また別の機会にかかせてもらう。

続いては、やはり東洲斎写楽と歌川豊国について触れないわけにはいくまい。

先に写楽に触れよう。

東洲斎写楽、聞いたことはあってもなにがどう凄かったのかを説明できる人は少ないと思われる。

http://data.ukiyo-e.org/aic/images/97845_505370.jpg

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最初に感じるのは明らかな異質である

Webで調べると、「強烈なデフォルメ」と表現されるが、簡素な線は実は正確に人の顔を捉えている。

小鼻の膨らみから、顎の厚みから、少し線を書き足すだけで全て補完可能で、輪郭線の修正必要ない。

芝居小屋の闇を表現たかのような黒バック。この黒バックは光を当てるとキラキラと光る仕様になっていて、芝居小屋の闇の中で白塗り人間スポットライトがあたったような臨場感を醸し出している。

実際、写楽は売れなかったらしい。

なんの実績もないし素性がわからない新人が豪華なデビューしかも大コケしているにも関わらず次々と新作発表。

いわゆる写楽の謎というものである

よくみると上手いのにぱっと見で下手、よくみると下手なのにぱっと見では上手い、正確なデッサンの部分があるのに、全体だと崩れた感じ、当時の常識ではありえない色彩感覚、いまだに正体は謎である

ところで、写楽商業的には失敗だったが、画家たちへの影響は確かにあった。

写実とデフォルメの高次元の融合、舞台化粧、舞台の緊迫感を受け継いだのは、たとえば

歌舞妓堂艶鏡

http://nichibi.webshogakukan.com/yorozu/kabukido_350.jpg

http://dejimashoten.sakura.ne.jp/bookimages/359787.jpg

明らかに写楽意識してる。

さて、東洲斎写楽と歌川豊国のうち、次は後者について。

歌川豊国役者絵とは、ひらたく言えば二次元絵、アニメ漫画の絵の祖になる。

勝川派の始めた写実の路線から、再び二次元絵に舵を切ったとも言っていい。

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歌川派の役者絵は、わかりやすく言えば、たとえ横顔だろうと、正面から見た顔のパーツをつける。

弟子歌川国政だが

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この流れは、幕末までずっと加速し、圧倒的な作画量を誇る国貞(実質の三代目豊国自称二代目豊国)、幕末豊原国周まで続く。

末期がどんなになったかといえばこんなだ

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大衆は、写実より二次萌を選択したということ。

さてさて、文明開化で圧倒的な強さを誇っていた浮世絵様式、というより歌川派の様式の人気に陰りがでる。

人物画にふたたび写実との間でゆれうごく。

ここでは月岡芳年をあげぬわけにはいくまい。

最後浮世絵師と言われた彼の晩年は、西洋画の技法を消化し、浮世絵にした。

晩年ともなると、このような感じ。

http://data.ukiyo-e.org/scholten/images/48cf87c54075046c12f9df3e790f5dd9.jpg

しかし、画家ではなく浮世絵であり続けたというのが面白い

一枚の画中に両方の様式で人の顔がかかれてる面白い絵がある。

http://data.ukiyo-e.org/metro/images/1594-C051.jpg

絵の上半分の人物の顔は、見えるであろうその通りに描かれている西洋式の絵。

下半分の人物の顔は、正面から見た目や口を横顔に貼り付ける歌川派の様式

どちらかと言えば、下の絵のほうに力強さ、人間らしさを感じるならば、我々はなんだかんだいっても二次萌えの血が流れる日本人である

まとめると、漫画歴史とすごく似ている。

そもそもデフォルメ絵があり、それを元に進化が始まった。

写実的な絵が入り、そこから劇画調な漫画が始まる。

劇画調の漫画は、写実から離れ、劇画という絵のジャンルが出来る。一見すると写実的なようだが、立体造形は不可能

人物の描き分けも出来ているようで出来てない。あるいは意図的にしない。例を上げるとシティーハンター

再び、コミカルデフォルメ絵にシフト

デフォルメしつつも、デッサンもしっかり、例を上げるとドラゴンボールか、であったが、デフォルメだけを受け継ぎ、骨格はデタラメOKになる。

人物はデフォルメでも、背景描写パースを重視するのも浮世絵的。

っと、ここまで書いてみたものの、安保につなげられる気がしねぇのでここまで。

ちゃんとした美術史や絵の解説から学ばずに、webの知識と年表と絵の印象だけで語ったんで、間違いもあると思うんで、指摘してくれると嬉しい。

2015-08-26

はてなブログにめちゃくちゃ面白いブログってある?

なんか今のはてなって「今月のPVが〜PVが〜」と目を押さえながらほげほげ言って更新してるブログばっかりじゃないですか?いや、そうでないブログもあるのは知ってるし、そういうことしてる中にも面白いブログがあるのも知ってる。けど、最近ホッテントリに上がってくるのそんなんばっかじゃね?あとはちんちんミニマリストブログとか。俺が好きだった頃のはてなとなんか違う。

そりゃ懐古厨なのかもしれませんよ、しれませんけど、それでもレベル低くなってね?どうなん?面白い人ははてなダイアリーに留まってる感じなの?あるいはそこから移転してきた人ばっかじゃねはてな面白いのって。新規面白いのって誰?どこよ?教えてよ。

消毒しましょ並みに消毒してくれるブログは?フミコフミオ並みにコミカルブログはどこよ?ふろむだ並みにふろむだなブログは?ハックル並みに狂ってるブログ教えてよ?平民新聞並みに文学っぽいブログを!コンビニ店長並みに業を背負ったブログ!ねえ!教えてよ!

2015-08-17

http://anond.hatelabo.jp/20150817085238

おれも、登場人物の心の動きとか、細かく書く部分とキャラ付のためにコミカルにする部分と、チグハグ気持ち悪いと思う。

思うが・・・


正直、怪力ロリBBAとか出る辺りでどうでもよくなった。

しろ、細かく書こうとする部分(装備とか呼称とか)が鬱陶しい位。


ようは、怪獣特撮と同じノリなんだけど、変に現実絡めようとして、逆に異質になっている。

ロボット方面でよく言われる「不気味の谷」って感じ。

2015-08-07

漫画にハマり、舞台鑑賞をしている友人がいる。

そんな舞台俳優さんの名前を言われたり、写真を送られてもわからないですよ。

興味の無い人間からしたら。何が面白いのかも私には分からない。

二次元世界三次元でやって何が良いのだろうか。

無理やり見せられた舞台DVDは、原作とは違いコミカルな部分がある。

でも原作を知る限り、そういうコミカルな部分はレース中はあまりないように感じる。

シリアスな部分と緩急をつけるためだと思うが、初見だと「原作馬鹿にしているのか」と思ってしまった。

作者がそれで良いのであれば、良いのかもしれないが好き嫌いが分かれるんだろうなと思った。

テニスみたいに原作も突き抜けて入れば良いのかもしれないが。

漫画舞台化はあまりして欲しくないと感じた。

2015-05-23

気分よく聞けた授業

大阪大の医学部生を対象にした統計学セミナー動画

http://youtu.be/rQVk_9K9J7Q

自分医学統計学門外漢だが、偶然見つけたこの動画は分かりやすく、そして気分よく聞けた。

その理由はだいたいこんな感じ。

1. 始終笑いぎみ。最初は変な人だと思ったが徐々にそのトゲのなさが心地よくなってくる。

2. 途中で言葉に詰まったりほとんどない。喋りのよどみがなくテンポが良い。

3. 何かにつけてちょっとコミカルな例が出る。これと1.により聞いてて疲れない授業になっている。

4. 「阪大セミナー」「海外大学で教鞭をとる」という権威感が傾聴を促す。

この新谷先生は他にも自分でもついて行けそうな動画を出してるので、この1週間くらいで見ていきたい。

参考: http://shirakawa-ac.jp/about/faculty

2015-05-16

http://anond.hatelabo.jp/20150516132447

確かにあまちゃんとか思うと、クドカン作品はそれぞれのキャラクター自然な動きの中で行き違いを作ってコミカルさを

あぶり出す、って感じがあったけど、まれはそうじゃないよな

しかしなんだろう、まれ自然じゃない動きをすることでコミカルさを出してる感じで、また質が違うと思うんだよな

まれ漫画手法で、漫画にしちゃえば違和感ないと思うんだよな

クドカン小説的な面白さというか

増田の言いたいことは確かにわか

でもま、それはそれとして楽しめば、まれも一子ちゃんもかわいいし、小日向おもろし、楽しいと思うぜよ

http://anond.hatelabo.jp/20150516131017

そう、コメディなんだけど、コミカル物語のために登場人物に都合のいい振る舞いをさせすぎというか。

まず登場人物がいて、彼らのちょっとした行き違いや関係性で物語コミカルになるような、そういう自然さが無いように感じちゃって。

http://anond.hatelabo.jp/20150516125528

まれくらいまでいくと青春コメディになってるやん

都合いいって言ってもコミカルじゃない?

リアリズムじゃないから受け入れられるし、あははって楽しめる

マッサンがひどかった

2015-04-15

エロコミカルは紙一重だなぁ

よく考えるとマンピーにチンコを突っ込んでユサユサするのってめちゃウケる

2015-02-27

彼は歩くのが速い。

いつも私が合わせている。

私がもう少しゆっくり歩いてくれと言うと、移動時間もったいないと返す。

からすればフレッシュネスバーガーに頻繁に通う方がもったいないと思う。

彼はテニスがヘタだ。

いっきボールをひっぱたいていつもミスをする。

そのくせ試合になると急につないで粘りだしてくるからやっかいである

トレーニングサボる割にうまいところに腹が立つ。

彼は口癖が変だ。

彼に君の口癖は変わってるねと述べたら、否めないと返された。

「否めない」というのもまた彼の口癖である

彼はよく女性と遊んでいる。

スマホをいじっている彼を後ろから覗き込めば、女性のトーク履歴がズラリと並ぶ。

遊んでいる割に同性のウケが良いところに腹が立つ。

彼はナルシストだ。

いつも髪の毛を気にしている。

私がその服面白いねと言うと、彼は得意になってこだわりと買った場所を語りはじめた。

私はコミカルだと言いたかったのだが。

彼はよく私を呼び出す。

今度はプールに行きたいらしい。この季節に。

私はずいぶん前に買った競泳しか持っていないことに気付いた。

参ったな。今度トランクス型を買ってこよう。

2015-02-25

グラスリップについて、グラすってリップ

 P.A.WORKS製作したアニメの『グラスリップ』見ましたよ。中々でした。

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※以下ネタバラシ有

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ネットでの評価はよろしくない

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 売上が良くないと言われたら「そうだね」としか言えません。

グラスリップ』には「あざとい」もそこまでありません。

もっと金を巻き上げてよかったのでしょう。次の『SHIROBAKO』が人気だから、まあ、ほら。

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 内容に関しては「おや突拍子もないね」というシーンはありましたが言われている程は、

気になりませんでしたね。口下手な脚本さんなのでしょう。いいじゃありませんか。

だけど頻繁に家を訪ねるの、あれは気になりましたね。ジャスコ行きなよ、田舎学生なんだから

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伝統試行錯誤

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 ともかく舞台P.A.WORKSらしいというか『true tears』っぽかったです。

主題歌、学園、ニワトリ、ちびキャラの走るエンディング三角関係、とかとか。

その一方で止め絵とかアイコンとか、新しい要素もあって感心しましたね。

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 デフォルメアイコンを出してコミカルにやるのは慣れましたね、悪くなかったかも。

止め絵は基本的には「ここで止め絵かいな」とよく思いましたけど、

個人的には「いいな」ってシーンも一回二回ありました。難しいでしょうねアレ。

止め絵で映像は停止しているのに音声とか時間自然に流れていくので、

真面目なシーンで止め絵が入ると「今どうなってるの! 早く!」って気になって、

止め絵が好きになっちゃう人もいるでしょうね、私みたいに。でも、不評でしょうね。うん。

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 あ、あとダビデくんの分身心の声。アレ、実写だとそこまで違和感ないでしょうし、

気にならなかったのですけど、ネットだと面白おかしく取り上げられてますね。

人間生きてれば分身ぐらいすることもあるでしょう、さもありなん。

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 やっぱりアングルはやや斬新でしたけど、そこまで感心するところはありませんでした。

改善要求する。評価としては三角しょうが挑戦したその心意気や良しという感じですね。

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恋愛要素

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 ダビデくんの父親が半分専業主夫みたいだったり(建築家らしい)、幸(薄幸目鏡文学少女)が新しい恋愛したり、

そういう革新的なところ評価できますね。

「私は女だけど透子ちゃんも祐くんも恋愛的に好き」って、二人を呼び出してさらっと殴った割に

「(透子にはダビデがいるし?)(祐と二股になるし?)透子ちゃんとはこれから友達として」って、凄いですよね。

幸(薄幸)ちゃん新しい、素晴らしい。

ともかく世間を先取りした恋愛提示するのは名作の役目ですね。『グラスリップ』が名作かどうかは、まあ。

#

 恋愛全体に関しては、感情移入しませんでしたが逆に悪くないような気もしました。

一話でニワトリをどうするか突然悩んで「相手の意見なんて自分はこれまで聞いてこなかったんだ」という、

当然の事実主人公の透子は気づいて、そこから周りに目を向けていったら無神経な透子は裏目裏目で悪くなっていく、という。

#

 改めて周りを見れば、透子を含めて相手と上手くコミュニケーションできない人間ばかりで、

不和も生まれるのだけど「そういう無神経なところ(不器用さ)が好き」という結論採用されていく。

そういった「相手を許していく」作風なので、ネット的・自己責任論的・他罰視点で見ると面白くないでしょうね。

#

恋愛要素;不器用なやつら

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 キャラクターを見る際に例えば「透子を取られてしまうのではないか」という問題が作中ありますが、二通りに分けましょう。

ダビデの突然の登場に戸惑って喧嘩する雪哉に対して、やなぎはダビデと直に話す(怒る)ことで場を収める直接性を示す。

透子とダビデの仲を静かに壊そうと企んだ幸に対して、祐は静かに怒って山に登るというまるで口下手な間接性を示す。

#

 こう「関係を壊す」際には直接性と間接性と分かれるのですけど「関係を築く」際には統一性があるかもしれませんね。

やなぎは独白のように一方的に雪哉に告白したり、雪哉は電話をかけて「お前と話すと落ち着く」と言ったり直接的で、

幸と祐とも一応告白という形を取ったり唐突に親にボーイフレンドだと紹介したり大胆で直接的に関係を築くと。

仲直りの際には、やなぎと幸は口下手なメールを相手に送って、相手がそれに応えるという静かな感じで。

仲直りは静かで、告白は激しくて、分かりやすくていいですね。古典的で。確かにもう少し斬新でも良かったかもしれない。

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 透子とダビデはいつも全力という感じで「コミュニケーション滅茶苦茶下手」って感じですね。言うまでもない。

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⑤小さな平和

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 ダビデの親夫婦の仲睦まじい感じや、透子の親夫婦デコボコだけれど仲の良い感じ、

なんだか悪くなかったですね。イチャイチャとしていて、平和で、健やかで、落ち着いていて。

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 ガラス工房の娘の透子が未来を、ガラス等がきっかけとなって「見える」と言うのと、

ピアニストの母を持つダビデ未来が「聞こえる」というのは似た者同士というか、恵まれているというか。

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 こう似ている割に、誰からも好かれる透子と、侵入者として扱われて✝唐突で当たり前の孤独✝を抱えたダビデという、

無神経でコミュニケーション下手同士の癖に、まるで察せない透子と相手を知ってもまるでなってないダビデという、

なんとも対照的というかなんというか、という感じでしたね。なんというか、かんというか。

#

青春;動揺と、そのあっけなさ

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 『グラスリップ』のネット上の感想ざっと見ると「展開動いて」という意見が、ちらほら。

例えば物語序盤に「未来カケラ」という未来を見聞きする能力のせいで透子とダビデは知り合うのですが、

実際に透子とダビデが見聞きしていたのは未来でもなんでもなかったという、あっけない結論に落ち着きます

この「未来カケラ」は恐らく夢のようなもので、まぐれで「正夢」を見聞きしただけで結局は現実でもなんでもないと。

#

 序盤に「未来カケラ」として見えた、線路を歩く「スタンド・バイ・ミーごっこ」も起きなかったし、

ダビデが墜落していくこともなかった上に、幸が入院するのもまるで大したことないと。なんともないと。

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 なんじゃそりゃ。

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 ただ、そういったハリボテの幻覚に透子は悩まされていきますしハリボテの「未来カケラ」のおかげで、

最後ダビデの気持ちが分かったようになった、と。なんだかハリボテに悩まされもしたけど、悪くなかったと。

#

 透子は母親から青春時代未来を見てると勘違いしてたけど、なんでもなかった」と言われ、

母が同じく昔「未来カケラ」を見ていたことを知りますが更に、これより以前に透子は母親から

本当に未来のことが分かったとしても「一粒で二度おいしい」だけで、別になんてことはないと諭されています

混乱しても全然なんてことはない、と。『グラスリップ』はあっけない感じに持って行くのですよね。

#

 劇中あっけないシーンは割と多くて、例えば「てへぺろ」を連発するおちゃらけた祐の姉が、

珍しく泣いて病室から出てくると思ったら、どうやら病室にいるのは彼氏らしいと。一大事じゃないですか。

だけど時が経つと無事に退院してコーヒーを飲みに来ると。なんてことはなかったと。そうなの? 嫌いじゃないけど。

#

 新しい恋愛体系とか「そういう無神経なところが好き」とか、なんだか『グラスリップ』ってとても、

許容的で包容力あるなって思うのですよね。「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」って感じで。

あっけなくて拍子抜けでコケオドシだけれど『グラスリップ』は積極的に許していくスタンス評価に値します。

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⑦雑な総括

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 基本的映像も美しいですし、終盤の空とかガラスとか月とか綺麗ですよね。

私は『グラスリップ』、とても綺麗な作品だなと思いましたね。別にそんな悪くなかったです。

ヘイトスピーチ」とか「過激派組織IS」とか排外的問題が取り巻く今に、

グラスリップ』みたいな包容力のある作品が出てきて良かったと思いますけど。

弁護、になっちゃいましたかね。『グラスリップ』を作ったみなさん、ありがとうございました。では。

2013-08-26

「(秘)ナースの裏話」っていう無料漫画面白い

iOSと、Android両方で、無料配信している漫画アプリ「(秘)ナースの裏話」を読んでるんだけど

これが、かなり面白い

看護師さんって、普段どんな風に考え、どんな風に仕事をしてるのか?

どんな苦労があるのか?

プライベートは、どんな感じなのか?

看護師さんに、少しで興味がある方なら、ぜひ読んでもらいたい

看護師の作者による看護師さんの仕事私生活が、コミカルに、赤裸々に描かれた良質無料漫画です

詳しいことはこちらで→ http://appgaku.com/iphone-app/id20130121001523.html

2013-07-30

フジロック2日目

前日は空が白むのを見てから寝たにも関わらず、暑さゆえに8時過ぎ起床。

テントサイトにて、フジロック初回から参加し続ける猛者たちと杯を交わす。

潰れる一歩寸前まで日本酒を飲み、大声で歌いながらライブ会場へ。


・青葉市子

前野健太ソープランダーズを見逃し、フジロック2日目は森の中の青葉市子からスタート

会場は、青葉市子に似つかわしく、森の中にぽつんとある一番小さなステージ。狭いながらも超満員。

心地良い演奏にうとうととしてしまい、椅子から転げ落ちそうになったため次のライブに移動。

青葉市子の弾き語りは2週間前に下北沢音楽祭で見たし、前日の深夜にもピラミッドガーデンにて見ていたので特に感想はなし。


トクマルシューゴ

なんか日本バンドっぽくない印象。逆輸入アーティストからまぁそりゃそうなんだけど。

日本バンド演奏が上手く、サウンドメイキングにより強烈な個性を出すのは苦手、

そして海外バンドはサウンドメイキングにより表面的な個性を打ち出すのが上手く演奏は下手くそ

というイメージ勝手にもっているのだが、トクマルシューゴ後者に該当した。

演奏は下手くそというとさすがに言い過ぎだが、難しいギターフレーズCD音源のほうが綺麗に弾けてるし、バンドアンサンブルもなんとなくだけどそこまで息がピッタリという雰囲気でもなかった。

前日にギターの達人たちを見たかハードルが上がってたのかな?

しかおもちゃ箱を開けたようなサウンドはライブでも健在であり、楽しいライブであることは間違いなかった。

そういえばドラムの人が目測で身長190以上あって存在感半端無かった。


・SUZANNE VEGA

本当はオレンジコートVERY BE CAREFULというクンビアバンドを見たかったが、豪雨により断念。

フィールド・オブ・ヘブンのTシャツ屋でなんと2時間近く雨宿りをして意地でSUZANNE VEGAを見る。

何度テントに帰りたいと思ったことか。まぁこの時テント雨漏りしまくっていたわけだが。

しか演奏は素晴らしかった。フジロック三日間を通してのベストソングは間違いなくSUZANNE VEGAのLUKAだろう。

LUKAのリリースからは既に26年が経過しており、声の変化が心配だったが、そんなのは杞憂に過ぎなかった。

バンド編成はなんとアコギを抱えたSUZANNE VEGAエレキギターのおじさんのみ。

エレキギターのおじさんはルーパーを巧みに操り1人でドラムベースリズムリードギターをこなしていた。

最初は「おいおい手抜きかよ」と思ったが、今思えば逆にそれが功を奏していたといえる。

このシンプルな構成により、LUKAに限らずSUZANNE VEGAの声が前景化して、より感動的に仕上がっていた。

リバーブが思いっきりかかったおじさんのギターソロも際立っていた。


HURTS

豪雨によりずぶ濡れになった服を着替え、少し遅れてレッドマーキーへ。

ボーカルスーツに黒い革手袋真紅の帳に舞い降りた漆黒歌い手

いやー、モニターに足をかけて客席を指差すとかもう完全にV系です、ありがとうございました。

GLAYTERUみたいな感じとでもいいましょうか。

This song is called〜〜って演奏前にいう感じもなんか外国語ながら中二感を感じざるを得ないw

遅れて行ったからか、Wonderful Lifeが聞けなかった。

まぁ演奏よりも客を煽りまくる感じが気になったかなぁ。


・KENDRICK LAMAR

ビョークはあんまりからないし、死ぬほど混んでいたのでさらにわからないKENDRICK LAMARへ。

なんと10列目でラーメンが食べられるほど空いておりましたが、ライブ自体はとてもよかった。

まずDJセットではなくバンドセットで、B-BOYたちがバンドをやっている姿はなんともシュールだったw

そして、今風なアンビエントR&Bみたいなのを生で初めて聞いたのだが、あの手のものは音圧が半端無いんだということを知った。

Frank OceanとかJames Blakeとかも生で聞いたら恐らく音の風が吹いてくるみたいな感じなんだろう。

KENDRICK LAMARはとにかくアンダーグラウンドのワルみたいな雰囲気で、なぜか雨もやんでいてステージには屋根があるにも関わらず300円のビニールレインコートを着ていたw

ヌードッグシャンプーハットファッションとして着ていたりするが、これもそういうことなのだろうか…


JURASSIC 5

フジロックベストアクト、エンターテイメント部門はJURASSIC 5に決まりでしょう。

途中でタイコクラブで知り合った人に遭遇したり、後ろの人に声をかけられたりとテンション上がりすぎて、いつの間にか持っていたジン300mlをライブ中に飲み干していた…

ライブはショウとして完成されており、DJの二人によるショルダーCDJ!?)とショルダーサンプラーでのライブが挟まれるなど、90分間片時も飽きさせないライブだった。

そして脱退したと思っていたカットケミストが生で見られたのもなかなかに感動的。

前日のDJシャドウは深夜につき断念したが、カットケミストのターンテーブルさばきはしっかりと目に焼き付けた…と言いたいところだが、酩酊状態につきそこまで覚えていないw

DJももちろんすごかったが、前に立つ4MCもKICK THE CAN CREWのように、それぞれキャラけがしっかりとなされており、コミカルボディランゲージと共に最高のフロウを聞かせてくれた。

全てがノンストップにミックスされたライブだったので曲単位でこれがよかった!とかはあまり感じなかったが、BreakのサビやI am sombodyのコールアンドレスポンス酩酊状態だったにも関わらず鮮明に記憶している。

全体的にショウとしての完成度で言えば直前のKENDRICK LAMARを大きく上回っていたな、まぁ比較してもしょうがないが。


この後はJURASSIC 5で声をかけてきた人とそのお友達(みなさん私よりも10歳以上年上…)に二時間以上も絡み続けて、千鳥足テントに向かいましたとさ。

しかし、このおかげで翌日石野卓球まで踊り続ける仲間が出来たのは大きな収穫であった。

2013-04-28

アイアンマン3見てきたけど主人公に一切共感できなかった

以下すべてネタバレ

アメリカの巨大軍企業社長をしている両親の一人息子として生まれたトニーは、

17歳でマサチューセッツ工科大学首席卒業した天才頭脳の持ち主。

しかし、彼が20歳誕生日に両親が事故他界してしまい、莫大な遺産と大企業経営権を得る事になった。

社長に就任したトニーは、自身の頭脳を使って数々の新技術を次々に開発し、一躍時の人となった。

というスーパースペック主人公

しかマッチョイケメンで、女にモテまくる。

 

アイアンマン3の敵は、ギークオタク)。

13年前に「あなたのファンなんだ、是非研究の話がしたい」と話しかけてきた長髪メガネのサエないギークに対し、

主人公のトニーは「後で話そう、屋上で待っていてくれ」といい、一晩放置して女とセックス

そのときセックスした女は優秀な植物学者だったが、あえなく一晩でヤリ捨てられる。

時は経ち、ギーク植物学者は手を組み、人間生物兵器にする手法を開発してトニーに復讐しようとする話だった。

最終的にギーク植物学者は死んだ。

 

オタク男の自尊心を踏みにじり、女を次々にヤリ捨ててきたトニー。

しかもヤリ捨てる女は、仕事燃えるジャーナリストや成果をあげている学者など、知性のある美人ばかり)

そうして若い頃はやりたい放題してきたが、現在は優秀な秘書人生パートナーに選び、

「もう女遊びはしない」と改心したかのようなそぶりを見せている。

 

アイアンマンって、マッチョイケメン大金持ち・天才いじめっこが大勝利するだけの映画じゃないか

 

アイアンマン3の劇中で、トニーがいじめられている子供武器を与えて助けるシーンがある。

子供」や「女性ブロンド美人)」、「たまたま巻き込まれた一般人」など、好感が持てる弱者は迷わず救う。

しか過去の恨みを持っているギークや、ヤリ捨てられた女など、鬱陶しい存在には死んでもらう。

お詫びをするのではなく、邪魔から消えてもらうわけだ。

 

アイアンマンの1はそうでもなかったが、3になってマッチョ礼賛的な価値観が強まって非常に不快だった。

しかも、トニーはヒーローとして戦い続けることで、過呼吸の発作を定期的に起こす不安神経症になっていた。

ラストでは「心の傷を人に打ち明け、傷を癒す」みたいなシーンをコミカルに描いていた。

結局、この映画は、こういう視聴者たちの共感を集めている。

「人を踏みにじったりしたこともあるけど、過去のことだから水に流してね。そうそう、強い俺らにも辛いことはあるんだよ。

 俺だって癒しが欲しいんだ。ヒーローだってセラピー必要とするんだよ。心の傷だってたくさんあるんだ。」

人を踏みにじるだけ踏みにじって何が心の傷だ。甘えんな死ね

 

ただ、一瞬たりとも息をつかせない脚本戦闘シーンは非常によく出来ていた。

ストーリーなど追わずドンパチ映画としてだけ観れば不快にならずに済むだろうし、

視聴者サービスに徹するエンターテイメント映画としての質は高かった。

(想定客層も含め)これぞハリウッド映画である

2013-04-10

#あまちゃんタグをつけてうんこみたいな思想を垂れ流す人

勘弁して下さい。twitterの話です。

うんこみたいな純と愛から一変、朝から元気になれる楽しい物語あまちゃんがはじまりました。

脳天気テーマ曲コミカルな内容で、時には考えさせられるセリフもあったりして大変楽しんでます

楽しんでるんです。「またゴーストバスターズ歌ったぞ、何日連続だ?!」とか「塩見三省の使い方うめえな!」とか「おっぱい放り出すって!」とかつっこみながら、楽しんでるんです。

出てきた車が韓国のだからNHKはだめだとか、そういう主張をするときタグを付けないで欲しい。

あんたら仲間内カラオケ行った時に誰かが韓国の歌を楽しげに歌いはじめたら間奏とかイントロとかで「俺は韓国嫌いだ」って言う?

言わないでしょ、空気読むでしょ。

楽しんでる場にうんこみたいな主張しに来るな。

ミューしまくってるけどおっつかないわ。

2013-03-31

AVってギャグしか見えん

というか、性交自体コミカル面白いもんだと思う

犯罪はいかんけどね

2013-01-21

2012年を振り返る成年向け&BLコミックス私選10

1.川崎直孝 「アとエのあいだ」

男性エロにはネタ要素を求めずにはいられない。みんなも、もう1冊の方は見なかったことにしたいんだろ?


2.犬星月見荘のあかり

あい月見荘のあかり あかり月見荘のあかり大好き。あかりちゃんの曇り無きハッピースマイルを見るたびに湧き上がるバッドエナジーがクセになる。


3.ドバト 「じゅうよん。」

ドバト先生の描くロリの健気さっていいですよね。ゴージャス宝田にいじられるドバト先生萌え。


4.白羽まと 「Two Loveる」

2012年トンデモ枠。圧倒的な触手描写と、手の込んだギャグ設定が楽しいです。


5.けろりん 「愛だ恋だのいってないで」

前作「ピンクトラッシュ」からシリーズ続いたねー。メンズヤング休刊したけど、けろりん先生の人気はむしろ高まってきてるかな。


6.クジラックス「ろりとぼくらの。」

話題を巻き起こした表題作。続く裁判傍聴はちょっと露悪的過ぎたかも。


7.石川シスケ 「やりすぎめるへん」

シスケ先生のエロ漫画モチベーションの高さには惚れ惚れします。


8.GGGGGGGGGG 「自発あるいは強制羞恥」

ドライブ感溢れる鬼畜展開がナイスでした。青年誌の方も段々ノってきた感じ。


9.紙魚丸 「JUNK LAND」

紙魚丸ワールド単行本にまとまって良かったです。しかし蕾秘(ライヒ)って誌名、格好良すぎませんか?


10.駄菓子 「純潔の終わる日々…」

光源フェチが表紙に現れてないの惜しい。乳首ガチガチなの、イイよね。



  • 長文で女性向け(順位なし)

梶本レイカ 「高3限定」

BL創作同人で注目され、2010年にはふゅーじょんぷろだくとから「ミ・ディアブロ」が刊行された梶本レイカの代表作長編が、2012年遂に単行本にまとまった。グロテスクショッキングな展開と尖りにとがった描写は、鬼畜BLという枠組みを超えた強度と鮮烈さを持って読む人に叫びかける。サブカルコミックが鳴りを潜め、マンガ表現のホットトピックはもっぱら萌え4コマという昨今にあって、BLジャンル表現の極北を担っているというのは決して言い過ぎでは無いだろう。ウェブ掲載分の収録は2巻で終わり、現在は新規ストーリーがふゅーじょんのオリジナルBL誌「comic Be」で掲載中。山奥の男子校で繰り広げられる暴力と退廃に満ちた肉体関係は、新たな広がりを見せている。



市川けい 「スロースターター」

高校野球部・キャッチャーの攻・エアリーヘアの受。大きく振りかぶりそうな2人の出会いは、通学の車内だった。互いの学校生活の話で盛り上がり、ふと会えない日が出来ると少し寂しくなり……。友情からのBLというのは、自分の気持ちに戸惑い、相手との距離感を測りかねながら縮めていくのが王道だ。「通学/通勤電車でいつも一緒になる」という巡り合わせは、こうしたストーリー運び非常に相性の良い舞台装置で、天丼設定とまでは言わないがそう珍しくはない。市川けいが出色なのは、それを踏まえた上でガラ空きの電車内におけるあの間延びした空気感を、コマの間合いで巧みに表現していることだ。モノローグの入れ方、固定ショットコマでの人物の動きなどの「間」を取るセンスが独特で、意図的に停滞させられたテンポは、2人の進展のじれったさと絶妙マッチしている。反面、肝心のプロットは2人が結ばれるまでダレることはない。各話の山場の見せ方も上手く、特にキスシーンの甘酸っぱさたるや爆発甚だしいリア充になっている。内容的にも若く爽やかな仕上がりが心地よい。とてもしかしそのキスシーンが駅構内のトイレってのがまた何とも……電車好きすぎじゃなかろか。



夏糖 「花咲き道理」

「その人の持つオーラが花や泡の形で見える」不思議な力を持つ主人公と、彼が属する劇団舞台にした群像劇。能力設定、といっても物語中でそれが意味を持つシーンはごく数箇所で、主眼は公演に向けて活動する劇団の人間模様にある。劇団員各々の交流の中で主人公の取る立場は概して淡白なのだが、それは画面の中にこっそりと映りこむオーラの花と同じように、作品に安らいだ雰囲気を与えてくれている。ラスト主人公が心情を吐露するシーンも、劇団の居心地の良さが読み手に伝わってくるような、素朴な優しさが感じられる。抑制の効いたストーリーで、主人公存在に癒される話。

掲載された茜新社のBL誌「OPERA」はキレの良い新人をいくつも擁するが、単行本まで結実する作家はそう多くない。群像ものしか演劇というメタストーリーが絡む複雑な設定で1年以上に亘って手がけた事実は、それだけの力量を物語っている。現在はリブレ出版の「Citron」でも執筆しており、今後の作品にも期待したい。



磯野フナ 「委員長のおもちゃ性教育」

真面目な文章ばっか疲れんだよ! いいよねーこういうアホ丸出しの単行本タイトルって。ジュネットピアスJUNEって最近は描写の濃い萌エロBLの名産地だけど、磯野せんせーはたいへんイキがよろしい。コナかけられて顔を赤らめるとこ、イジられて涙を滲ませるとこ、ブッこまれて表情を蕩かすとこ、マジでエロ可愛いぜ。目の描き方を中心に絵柄もアニメ系っつーかまあ女性同人独特なんだけど、デフォルメもメリハリ利いてるし、描き慣れた感ある一方で性交シーンも手を抜いてないのがアツいね。あと女の子可愛い(超重要)。BL作家の女体描写って成年マンガ家男性向け)の男体描写よりレベル高い気がするんだけど、そんなことないですかね。偏見かね。コミックJUNE休刊してしまったが、新人の弾数は色々あるので何とか次につなげて欲しいもんです。



木村イマ 「コーヒー男子にシロップ」

良くも悪くも、創作同人臭の強い作風なんだけど、いいと思います。そういうの好きなんで……。くっつかずに悲恋でおしまい、とか、何となく悩みを打ち明けて心を楽にしてEND、だとか、そういうのは、商業誌だとあまり喜ばれないと思うけど、新人らしくて贔屓したい。描線にも不安な雰囲気が出てて、作風とはよく合ってます。



名取いさと 「つないだ両手がはなれたら」 「日陰蝶」

ここでは基本的に新人を紹介しているが、2012年新人を一人挙げるなら、名取いさとを選びたい。心交社の「moca」とリブレ出版の「Citron」の掛け持ち連載で、同時期に単行本を刊行。それぞれほんわか友情モノと少し鬼畜な暗い雰囲気に仕上がっていて、ストーリーの幅広さがグッド。髪の毛1本1本まで行き届いた丁寧な作画も新人離れしており、「日陰蝶」では剣道着を着けての試合・会話シーンを(第1話で)こなすなど、作画に対する気合が窺える。無理のない人体描写と細やかな表情の描き分け、作者の萌えを垣間見せるキャラクター造形も多様と、BLマンガ家としての天分アリアリ。難を付けるなら、タフな仕事量にも関わらず安定した絵柄で既に初々しさを脱却していることか。女性キャラ可愛い(超重要)し、くたびれたオヤジから涙ぐむショタまで愛のある描写が光る。今後は一般女性青年誌まで活躍の舞台が見込めるモンスター新人だ。





東条さかな 「ピンクの貞操帯」

“君の鍵穴は私の鍵で開かれる!!”っつー単行本帯のアオリちょっと話題になったよねコレ。まあピアス単行本に限らず誌面でもアオリ文が横行してて、編集がいちいちナイスフレーズ捻り出してるわけだし、ちゃんと反応するのはいいことだよね。「股間もテントもピンコ張り!!全裸で楽しむ夏休み河原キャンプ」とか、綴込みの見開きイラストもイカしてるんだわこれが。しかし東条せんせーの手がけるショタサイコーだな。桃尻のラインが犯罪過ぎる。超絶画力だからトンデモBL変態ファンタジー安心して楽しめるんだよなー。貞操帯&お漏らしやら目隠しオナホプレイやら猫耳コスプレの尻尾アナルin(前作)やら、マガジン・マガジンって出版社は心得てるわ。この人って美少女絵も絶品だから(超重要)、Keyのゲームコミカライズも好評連載中なんだぜ。まさに鍵穴ってやかましいわwww



葉月つや子 「白衣にひそむ熱情」

眼光も険しいサツバツな絵柄に慣れれば、有無を言わさぬ攻の気迫はBLでも稀有なストロングスタイル葉月つや子といえば知る人ぞ知るレディコミの女王である近年の主な活動場所はぶんか社の「まんがグリム童話」だが、レディコミ仕込のスピーディでパワフルな作劇はBLでも健在だ。怒気漲らせる攻が駆動する物語は、受を存分に振り回し、しかし最終的には見事に鞘に収まる。各読みきりの短い尺の中で怒涛のダイナミズムを見せ、その上できっちりハッピーエンドに収めるこのカタルシスはワザマエと言うほか無い。長いキャリアを持つ作家の2年ぶりとなるBL単行本は、そのいぶし銀の魅力を堪能できる一冊だ。いつもならヤクザや貸金のダークスーツ姿が映えるところだが、本作では医者白衣が前面に出ており、少しだけ和らいだ雰囲気になっている。



トワ 「秘密にスキャンダル」

人気タレントである幼馴染との秘密関係を描いた、作者の初単行本。BLのお約束というか、こうした立場関係では有名人側が惚れている構図が基本であり、本作もその例に漏れない。回想の幼年時代から現在は大学生としてのキャンパスライフ、進展後はサラリーマンとなった主人公との恋仲まで、柔らかなタッチによる登場人物たちは皆親しみやすく、ほのぼのとした作品だ。タイトル通りのスキャンダル疑惑や、ライバル芸能人の横槍といった筋書きも大体鉄板だが、本作は脇役がどれもキャラが立っており、悩める主人公とのやり取りに説得力がある。そのため個々のエピソード感情移入が出来て、自然に楽しめる、という好例になっている。スピンオフによる余りものカップル救済というお決まりの続編展開も、キャラの読者人気を裏付けるものだろう。可愛い女子も沢山出てくるが(超重要)、特に主人公の妹の鈴ちゃんがイイ。鈴ちゃんヒロインにした少女マンガが読みたい。



作画:如月マナミ,原作:渡海奈穂 「純潔ドロップ 青坂高校シリーズ」

「純潔ドロップ」は、とある高校を舞台とした原作を、2人のマンガ家が作画した双子作品の片割れである体育科の完璧スポーツマンモテ男と、普通科文化部である残念イケメンの確執から始まる学園BL。如月マナミの描くキャラクターは端正な顔立ちながら表情豊かで、特に赤面して眉を歪める描写が秀逸だ。文化部長が強気体育会系に不意打ちする、逆転の構図もしくはギャップ萌えをメインに扱っている。その場の勢いやら体育会系特有の頑固さ(偏見)に流されて、つい一線を踏み越えてしまう運びは原作の鮮やかな手腕。双方負けず嫌い性格コミカルで、背伸びし過ぎな攻とオラオラ一転甘えたな受が微笑ましい。舞台である高校は共学で、2人の取り巻きには制服姿の可愛いJK(超重要)も色々出てくる。彼女達が当て馬やモブ扱いではなく、ちゃんと個性を持って物語に関わるのも好感度高い。

ちなみに、ここに挙げた他作品の掲載誌にリブレ出版の「Citron」、茜新社の「OPERA」、心交社の「moca」があるように、最近のBLジャンルは各社でオリジナルアンソロジー誌が創刊されており、新人デビュー・活躍舞台もそちらが多数になっている。本作「純潔ドロップ」の発行元であるプランタン出版はその波に乗っている出版社だ。掲載誌「Canna」は創刊3年に満たないが2012年には500ページ超えという、BL誌全体の中でも上位のボリュームに到達した。価格や発売サイクルの違いもあるし、何より雑誌の厚さと発行の安定性は別物だから単純比較は出来ないが、見過ごせない存在であることは間違いない。



という訳で、2012年を振り返る男性向け・女性向け10冊でした。すっきり。

2012-09-04

http://anond.hatelabo.jp/20120904105849

「ンッン~♪」っつってバァンと扉後ろ向きに蹴り開けて出てくまで完全に場が呑まれてたねー。

でも自分が例えば手下Aとかだったら手品と「おーっととととふっ飛んじゃうよ~」で「ちょwww」みたいな感じでフヒヒ笑いが止まらなくなって話の邪魔だっつってボスに撃ち殺されたりしそうだなって思ったんです。

それくらいあの場違いコミカルさに耐えるのがマジ大変でつらい。

耐えないけど。

モニタのこっちにいるのをいいことに普通に笑ってるけど。

2012-03-04

http://anond.hatelabo.jp/20120304225132

だいたい直接批判すると障りがあるからコミカルな絵とか別名とか限りなくそれに近い何か

を使って、体制やより権力社会的立場の強いものから圧力をまぬかれるためにやったのが

風刺の始まりだろうに。

最初から政治権力とかと密接な関係にあるっつうの。

で、権力側が反対側を「風刺する」なんて、普通は言わないよなw

何を論じても自己愛や欲望がダダ漏れから見てるほうがうんざりなのに

本人は感情論を排しているつもり、という、セルフイメージのズレが笑いどころだわなw

2012-01-26

http://anond.hatelabo.jp/20120126204522

眼鏡フレームが細いのがバランス悪いんじゃないかな。

鋭さを増してしまっている。

もっと太いフレームのほうがいい気がするけど。

コミカルさがほしい。

うん、そうだ。コミカルさが足りないんだよ。

アメリカとかにいる気のいいお兄ちゃんをイメージしたらどうだろうか。

普段は掃除とかをしてるんだけど、休日ギターを弾いたりバスケットボールをしてるような。

イメージカラー黄色で。

この路線ならぜんぜん不自然じゃないぞ

2011-08-12

http://anond.hatelabo.jp/20110812021259

まどマギ』は、ファンタジーな設定に現実の重さを乗っけた作品だけど、『ピンドラ』は逆。

妹の死という現実に直面する兄弟に対して、次々とファンタジーが襲来する。

謎の帽子、謎のプリンセス、謎のペンギン、謎のストーカー女…

奇妙な連中とドタバタを繰り広げるうちに、いつのまにか「シリアス」は掻き消され、「コミカル」に支配されている。

語弊を恐れず言えば、『まどマギ』は視聴者に緊張を強いる作品。

常にQBの言動に惑わされ、衝撃の展開の連続で、魔法少女たちは苦しみ続け、主人公はずっと何もできない。

からこそ最後に最大のカタルシス生まれる。

対して『ピンドラ』は「見ているだけで気持ちいい」というタイプ

決して作画が良いわけではないが、色彩やデフォルメが駆使され、快楽的な絵が作られている。

そして、おそらく無数の謎は最後まで解決されない。

というわけで『ピンドラ面白いよ。

2011-07-09

例えば小説を読んでいるとき、登場人物の一言が深く心に突き刺さる。あるいは情景が、文章で描かれた場の雰囲気がざわざわと揺れて蠢いて感情を揺り動かす。

例えばドラマを見ているとき沈黙の底に横たわったいたわりが目頭を熱くさせる。あるいは音楽が、コミカルな演出が時に見ている者を逼迫させ笑わせてくれる。

料理にしてもそうだ。美術にしても、音楽にしても、コミュニケーションにおていもそう。

いろいろなこと、さまざまなものが私の感性にぶつかっては振動し波紋を浮かべていく。

象徴的な記号や、印象的な構造が琴線に触れる。風波を立てていく。

しかしながら、かように自分が刺激を感受してしまうのは、外部からの働きに影響されているからなのだろうか。

本来外部にある刺激には何の影響力もなく、ただ単に私という受容器がその刺激を受け取るときに、特異的に感動しているだけではないのだろうか。

鍵と錠前のようなものではないのか。私が感受できるがゆえに、その刺激に特徴的な記号的意味が付加されているだけではないのか。

こんなふうに考えると、誰かに受容してもらえる刺激を発信するのがとてつもなく困難に感ぜられる。

私が理解している刺激Aが本当に他者にとっての刺激足りえるのかどうかわからいからだ。

無論収斂されたが故の、共通認識が可能な記号なのだとは思う。クオリア自体が個々人で違っていたとしても、共通認識上の記号に差異はないのだから、そんなに悩むことなど無いのかもしれない。

ただ、それでもなお躊躇ってしまう。究極的にはそれが刺激足りえるのどうかわからないのだから困ってしまう。

臆病だからなのだろうか。この感覚自分では臆病なのだろうと思い込んでいるけれど、もっと違う言い回しが在るような気がする。

便宜的に、馬鹿とか阿呆とかそんな呼称でいいような気がする。むしろそうであった方が変にナルシズムに陥ってない分晴れやかな気がする。

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