はてなキーワード: ガスヒートポンプとは
暖房に使えるエネルギー源は、電気以外に、都市ガス、プロパンガス、灯油などがある。
当たり前だが、それぞれ価格が違う、また、エネルギーの単位も違う。電気であれば、kwh、ガスであれば㎥、灯油であればℓ。これをそろえて1kwhあたりの単価を計算してみよう。
種類 | 単位 | 単価 | kcal | kwh | MJ | 1kwhあたり単価 | 備考 |
電気 | 1kwh | 26.48 | 860 | 1 | 3.6 | 26.48 | 東電 従量電灯B 第2段階 |
都市ガス | 1㎥ | 110.41 | 10755 | 12.5 | 45 | 8.83 | 東京ガス 東京地区B表 20年12月検針分 13A |
プロパンガス | 1㎥ | 680.3 | 24023 | 27.92 | 100.5 | 24.37 | 日本LPガス協会 20年11月 |
灯油 | 1ℓ | 110.4 | 8718 | 10.13 | 36.48 | 10.89 | エネ庁 東京小売灯油配達 20/1/4 |
このように、電気とプロパンガスが高く、灯油と都市ガスが安価である。もちろん、地域や購入形態、契約形態により若干増減するが、都市ガスと灯油が圧倒的に安いのは変えられない。
さて、じゃあ、なぜみんな電気を使ったエアコンで暖房をするのか?
暖房は、エアコン(ヒートポンプ)とそれ以外の大きく二つに分かれる。
エアコン(ヒートポンプ)以外は、焚火もストーブもオイルヒーターもホットカーペットもコタツも同じだ。
それは【投入されたエネルギーの量=熱の量】ということだ。
ホットカーペットも、オイルヒーターも、1kwの出力なら1kwの電気を使って1kwの熱を発生させる。
対して、電気で動くエアコン(あるいは、ガスエンジンで動くガスヒートポンプ)は違う。
ヒートポンプというのは、その名前のとおり、熱を移動させる機械だ。エアコンや冷蔵庫はこの仕組みで動いている。
エアコンの暖房の場合、室外機を冷やす代わりに、室内機を温めている。つまり熱を移動させている。冷房のときは、逆に室外機を温めて、室内機を冷やしている。
これは、オイルヒーターやホットカーペットよりも、効率がいい。860kcalの熱を移動させるためには、860kcalのエネルギーは不要で、実は200kcalもあれば足りる。
この、1のエネルギーで、いくつのエネルギーを移動させることができるか、という単位でCOPやAPFというのがある。
これが、だいたい最近のエアコンでは7ぐらいある。要するに、1kwhの電気を使えば、7kwhの暖房ができるということになる。
都市ガスと電気の単価の差は7倍も無いので、電気でエアコンを使う方がお得という話になる。
なお、ガスエンジンで動かすGHPは大型の業務用しかなく、電気モーターより細かい制御が難しいためかCOPが低く、そこまでのメリットが無い。(業務用だと、ピークカットなど色々メリットがある)
その他のどうでもいい知識
灯油や都市ガスは「炭化水素」である。つまり、燃焼(=酸化)させると「二酸化炭素」と「水」が出てくる。
このため、石油ファンヒーターやガスストーブなどを使用すると水蒸気が放出され多少の加湿になる。まあ、無いよりマシ程度だけど。
エアコンは部屋全体を温めることしかできないが、電気ストーブであればスポットで暖房できる。