はてなキーワード: まあみとは
背景と根拠を聞いたら、「コスト削減は経営方針だ」と繰り返す。
コスト削減が必要なのはわかるが、例えば「近年、ネット販売の比率が上がっているから、対面販売の経費は下げる、それで今までのリアル客の常連さんが離れても、仕方なし」とかいった方針・見通しをオーソライズするのがお前の仕事だろうと思う。
「コスト削減」を連呼する経営戦略室課長殿は、「すごく正しい」ことを言っている顔つきでそれが腹が立つ。よく見るとこいつ、顔の部品一つ一つが整いすぎだ。菊人形みたいな顔をしやがって。
菊人形課長は、エリートコースに乗っていて、順調に行けば役員コースらしい。
菊人形課長が階段を下りていく後ろ姿を見て、踊り場から勢いをつけてドロップキックを浴びせたい衝動に駆られた。いや、こういう奴にはキックじゃなくて、膝だな膝。ジャンピング・ニーアタックをかませてやる。菊人形だから、首の骨がぼきりと折れてバタンキューだ。ざまあみろーー。
しかし、自分の脚力と体重を考えると、菊人形課長まで届かず、自分だけが階段に落下して、脚の骨を折って松葉杖生活になる可能性大である。
こういう理不尽な世相だから、日本も米国のように銃社会であったならばと思う。
そうであれば、会社にライフルを持ち込みロッカーにしまっておいて、もう、カーッとなったら乱射事件ですよ。ライフルだと連射じゃないからカービン銃か。昔のマフィア映画みたいに、蜂の巣にしてやる。
しかし、カービン銃は会社の入り口で没収されるな。最近セキュリティ厳しいし。
それにやはり日本男児なんだから、らしく日本刀か。菊人形をばっさり斬りつけてやる。そのあと、振り回して皆殺しだ。「八つ墓村のたたりじゃー!」と叫ぶながらな。頭に鉢巻巻いてローソク灯して大暴れ。
血みどろになった職場を後にして、赴く先は、市ヶ谷の自衛隊駐屯地である。そこで演説である。「今ここで、クーデターより憲法改正より、天皇制より、もっともっと大事なことを発表する。それは、パンツのゴムが緩いと、ずり下がって気持ち悪いということだ」と叫き散らして、自決するのだ。しかしである、今は三島由紀夫の頃と違って、市ヶ谷の駐屯地はないらしい。第一、俺は私設軍隊を持ってないし、ボディビルして鍛えてないので、割腹自決は無理だろう。
結局は、サラリーマン生活で溜まったストレスは、溜め込むしかない。溜めて溜めて、恨みつらみを限界まで我慢して、最後は殴り込みをするのだ。背中に「唐獅子牡丹」の彫り物をしょって、池部良と一緒に「死んで貰います」と言ったあと大暴れしたい。
まあ、昭和の時代からサラリーマンはこうして高倉健の任侠ものなどを見ては鬱憤を晴らしていたのだろう。
俺も、久しぶりに「昭和残俠伝」見て、その後寝ようっと。
怒りが頂点に達している。
ここまで殺意を覚えたのは久しぶりだ。ざまあみろや、あのチビ女。
俺、土木の施工管理の仕事してるんだ。それで昨日、県庁の支所に進捗報告の関係の書類を出しに行ったんだ。
それで窓口に背が低い、ガリガリの女が出てきた。半年くらい前、「〇〇ちゃん、もう19になったの~?」って周りからちやほやされてた。
で、その女がさ、めっちゃ接客が悪い。終始ぶすってしてるし、ボソボソとしゃべるし、何言ってんのかわかりにくいし、それで俺が作った書類に赤鉛筆でシャシャッとやって、「県道の名前が間違ってるので会社印で訂正して持ってきてください」とかほざきやがる。
県道以外にも修正はあったが、正直どうでもいいレベルで細かいことだ。
土木建設の分野だと、こういう時は訂正印なしで二重線を引いての修正が認められてる官公庁がほとんどだ。金に関係する項目以外の、本質的じゃない項目だと認められてる。国だってそうだし、地方だってそうだ。
で、「前の職員は訂正印なしでOKでしたよ」って言ったらさ、「本来はダメなんです。修正してから出直して下さい。少なくとも税務課などではそうです」
とかほざきやがる。
俺はキレた。「どうなっとんなら、おい!!」みたいな声を上げた。方言でごめん。
俺の会社、ここから30キロ離れたところにあるんだぞ??空気読めや。
で、その女がいきなり縮こまってまたボソボソと説明を始めたから、
「じゃあお前が申請書書け!」みたいなこと言ってたら、先輩連中がぞろぞろとやってきた、ちょっと上の立場の人が笑いながら謝ってきた。「この仕事の担当になって日が浅いので許してやってほしい」ってさ。
バカバカしくなって帰ったよ。
窓口を離れて振り返ると、さっきの女が若い連中から慰められてた。
そいつ、見た目はかわいいんだ。アイドルみたい。アイドル見たことないけどな。
実はその時こそが怒りのマックスだった。手の震えが止まらなくて、歯ぎしりが止まらなくて、足は壁を蹴りそうで、殺意を隠すために壁際に立った。
携帯を取り出して、測量士の試験のポスターを撮るフリをして、慰められてる女の顔写真を撮ってやった。
帰ってから俺が登録してるマッチングアプリの副アカウントを操作して、そいつの名前と顔写真で再登録してやった。もちろん役所名はオープンな。県内の公務員ほぼ全員のあしあとを踏んでやったわ。ざまあみろや。
公務員ってさ、どんだけ失敗しても、致命的じゃなければクビにならないんだろ?あの女にしても、今は年収でいったら俺の会社の若い女と同じくらいだけど、10年くらい経ったら年収500万とかになってるんだろ?
おかしくね?俺の会社に今年入った若い女子、もう半分くらい辞めてるぞ?5人くらいか。男の方もそんな感じだ。工事ってのは、1回失敗すると取り返しがつかないことが多いから、とにかくシビアにやってる。そんな状況なんで、若い子がどんどんやめていくんだ。
でも、バカバカしいよな。俺たち民間企業が心と体に汗水たらして働いてんのに、あんな舐めた態度のガキが偉そうに俺に指示するんだからな。
市民の税金でメシ食ってるんだろ? だったら官公庁が顔採用とかすんなよ。前にお前らさ、私たちは公平で中立で平等で~とか言ってたじゃん。涼しい顔で嘘つくなよ。
特に地方公務員ってさ、窓口に可愛い子がけっこういるけどさ、絶対面接官にエロいこと考えてる奴がいるよな。死ねよ。
土木建設の行政届出経験7年の俺だけど、体感的にこの人には税金払ってもいいなって思える公務員は1割くらいいる。
中には俺がクビになりかけの状況の時、公文書を改ざんしてまで助けてくれた人もいる。その人、今は俺の会社に天下りしてるよ。あれからずっと恩返しがしたくって、あることないこと盛りまくって役員連中に報告しまくってたんだ。
俺のおかげだけじゃなくて、その人に徳や仁があったからこその当然の結果だ。その人と俺は年齢全然違うけど、今でも年に3回は飲みに行くよ。
公務員ってぶっちゃけクビになったりするの? 例えば、成績が悪いままだと退職勧告されて、それでも従わないとし尿処理場に一生閉じ込められるとかさ。そういうのがあったら教えてほしい。増田って意外と公務員が多い印象がある。根拠も何もない、俺の勘だけど。
検査のリソースとかが足りてないのはまあ百歩譲って結果論ということでまだいいよ
とても無能とか愚かとかそんな言葉じゃ言い表せないわ、もうイカれてるだろこれ。
自民党支持とかそうじゃないとか関係なく擁護できる余地あるかこれ?
マジでこれどういう脳内プランがあった上での対策なんだ?安倍の中で何がどうなる想定だったんだ?
必死に食い止めようとした上で自然の力には勝てず蔓延したとかならまだこっちだって納得できるよ、でもこれもはやただのノーガードやん
日本だけ極秘裏に新型コロナが100%完治する謎の薬でも持ってなきゃおかしいだろこの行動。
いや、大体わかってる。
少子高齢化対策のための老人虐殺計画とか一部のネットで言われてたけど、彼らはそんな邪悪なことは決して考えてない
本当に、何も考えていないんだ。
あの強大なアメリカにどう考えても勝ち目0の状態で喧嘩売って案の定ボコボコにされて消耗しまくりの満身創痍状態でも2発の核爆弾を落とされるそのときまで根拠のない楽観で本気で日本の勝利を信じていたあの大日本帝国と同じ。
指定地域外の中国の地域から罹患者が入国してくることなんて想定すらしてないし、
検査リソースが全く足りていない状態なのは周知の事実でも感染者が観測されなければ日本に感染は広がってない。
都合の悪い予測は見て見ぬ振りで、根拠はないけど自分らにとって都合がいい「なんとかなるだろう」だけを信じ続けている。
多分彼らの意思決定にはオリンピックも少なからず影響してるんだろう。
彼らは未だに本気で日本でオリンピックを開催できるとIOCに中止が断言されるそのときまで国民が何千、何万、いや何十万何百万人死のうと本気で信じている。
スポーツごときのために人命をかけたり処刑なんて発想がでてくる世界なんて、大戦時のナチスみたいな道徳の概念がなかった時代の歴史の中の1ページだと思ってた。
俺は知らなかった、日本はそういう国だったんだ。
感染防止のため東京マラソン自粛しましょうなんて首相が一言通告だすだけでどうにでもなるだろうに、それで救える命は少なくないかもしれないのに、オリンピックに影響が出ることを恐れてそれすら行わない。
自国民の命をなんとも思ってない、いや、その決断で自国民が死ぬということすら理解できてない。
モリカケサクラの話なんて自分の生活に影響がない以上心底どうでもいいと思ってたし(いや、正確にはそれ自体現在進行系で思ってる)
前時代的な政策も、不祥事が起きた際のハイパー理論な言い訳も、オリンピックの笑えるほどのグダグダも、笑えるエンタメとすら思ってた。
でもそれらは今この瞬間のための伏線だったんだなって。
忘れてたよ、俺らの命ってこの大日本帝国みたいな脳内勝利大好きな無能どもが握ってたんだなって。
両親にここ1ヶ月くらいで良いから不要不急の外出を控えるようLINEでお願いしてみた。
「テレビでも言ってたよ、ちょっと強いインフル程度だから重症になるのは死にかけのおじいちゃんおばあちゃんだけだって」
「そんなに危なくなるのって医療が発展してない後進国の中国だけなんでしょ?」
中国は決して医療後進国じゃないし、新型コロナは何の持病もない20代ですら死にまくってるし、日本の人口密度であれば医療体制が崩壊する確立はかなり高いと専門家も予測してる。
現代の医療が受けられないとなればそこはもう中国も日本も現代も中世も関係ない世界だ。
いやでもまあみんなそう思うだろ、だって政府はまだ何も自粛要請なんてほぼやってないし、なんなら東京マラソンは予定通り開催予定だし。
大切な両親がコロナに苦しんだり亡くなったりすることを考えると嗚咽が出るほどに恐ろしくなる。
今回ばかりはどう転んだとしても現政府の無能な対応を俺は死ぬまで恨み続けるだろう。
ワクチン開発はすぐには無理でも時間が稼げれば少しは有効な治療法が確立するかもしれないのに、
各企業や自治体でできる範囲の対策は整えられたかもしれないのに。
医療リソースの枯渇を分散できれば少しでも死者も減らせたかもしれないのに。
今後どれだけの日本人が安倍政権の無能により犠牲になるんだろう。
きっとこの男は数カ月後「万全を尽くした」「想定外だった」クソみたいな言い訳を並び立てるんだろう。
こんな男を総理大臣にしたのが全ての間違いだった。
平日は「本当は仕事行く日だから遊ぶのはダメかな」って感じだし
かといって遊び以外でろくに外出する用事もないので引きこもって
そんなんじゃ仕事行く体力もないし
多少の買い物くらいはできるようになってきたけど
かといって1人で通うようなところもないし
近場のジムでも入会すればいいのかもしれないけど
平日に通うわけだから仕事復帰すれば辞めるわけでもったいない気もするし
仕事終わりにジム行ってる社会人って何者なんだ、ホワイト勤め都心住みエリートか?
はあ、朝6時くらいに起きて支度して満員電車乗って会社で8時間以上仕事してまた電車乗って帰るのを連続週5ってハードル高すぎるだろ
ぼーっとしてるとだらだら残業中しちゃって結果的にダメージ受ける
「大丈夫か?もう帰れよ?」って言ってくれてるのに
「え…?あぁ…はい…」つって生返事したのだいぶ感じ悪いだろ
とりあえず会社辞めて立て直すか?
でも今後どうすんだよ、転職活動する元気もないよ、社会復帰できる気がしない
病まずに生活していける程度の会社に入れればそれで良いんだけど難しいの?
大丈夫だよ、なんとかなるよって言ってくれる人もダメだったとき責任とってくれるわけじゃないし
自分で決めなきゃいけないんだろうけどさ
頭回んないわ
何も決められない
もう面倒くさいわ
ゴミクソ親父みたいなやつに「カスが!死ね!」とでも言われれば
「ああ?!うるせえ!!」って生きる気力も起きそうな気もするが
一歩間違えたら「言う通り死んでやるよ!!ざまあみろ!!」となる可能性も秘めているので得策ではない
ずるずる死んでいってるだけだ
自分なんかに健やかな皆様のリソース裂いてもらうのも忍びないので
全員俺のこと忘れてくれ
居ても居なくても気づかないくらいのモブとしてならそこそこ楽しい気がするわ
まあこんな生ぬるい状態で生かされてるんだから恵まれてるんだろうな
大して金にも困らずニートしてるんだからもうちょっと楽しめばいいのにな
あーあ、寝れねえ
なんか伸びてる
居酒屋のカウンター席に行ったら、おそらく同い年からちょっと年下の人たちが、まあみんな円熟した人生の話ばかりしていて
俺のような孤独の無職には縁遠く、そのひとつひとつに悔しさや自分の今の状況の情けなさを感じて辛かった
まあ店を間違えたなと思ったけれど、耳に入ってくる話を聞くともなしに聞いていると
自分はどうして同じ店にいる人達よりも、情けない人生を送っているのだろうか、どうしてこうなってしまったのだろうかと
いつになったらこの世間の床にこびりつくような生活を良くできるのだろうか
お会計する直前に、その店の女将さんが「人生を小綺麗に生きようとしても無理だよ」という話が聞こえてきた
確かにそうかもしれない。自分はきれいに生きようとして失敗し、それでもゲームを変えないで生きようとしている傾向がある
それは、周りがそうして欲しいと思っているような気がしたり、自分のプライドが大きすぎるからかもしれない。
自覚したところでそれが急にどうにかなるわけではないが。
対人ではあんまり怒りが湧かなくて、○○君には怒りって感情がないの?と言われたことすらある
でも一人のときモノにキレまくってるから怒りって感情はメチャクチャあるんだよな
卵落としたり醤油こぼしたりしたとき「マジなんなんだよクソお前絶対殺すからな、もう死んでるか(小声)、ざまあみろカスが」みたいなこと延々いってるし、失くしてた書類が出てきたら「隠れてんじゃねえよボケ!折檻してやる!」つって5発くらい殴る(破れないように注意しながら)
ゲームやってるときも負けるたびにキレる(幸いハードを壊したことはない) でも相手がNPCじゃないときはあんまりムカつかない
これなんなんだ どういう精神?けっこう似たような人いる印象がある
ある土曜の午後、農林水産省の外郭団体が主催する競技に大人の出資者として参加するべく俺は都心のとある場所にいた。全然関係ないけど今日は土曜なので小池都知事はお休みだろう。ゆっくりと、休息を取れるよう工夫をしていただきたいっ、かように思う次第でございます。
競技開始まで時間があったので俺は目の前のゲーセンに立ち寄った。いつもなら酒のシメなのだが今日はシラフな上、本当にただのヒマつぶしだった。
わりとあっさり15センチくらいのピンクの犬が取れた。手触りが低反発枕みたいにポワポワして気持ちがいい。ヒマつぶしになったので店を出ようとすると目の前に外国人観光客の家族連れがいる。たぶん7~8歳に満たないであろう女の子がパパに叱られている。彼女の顔の前で人差し指を立てたパパの言葉はロシア語だ。俺は大人なので外国語も堪能だ。ロシア語とて例外ではない。絶対こう言われてる。俺にはわかる。
「いいかい?イリヤ、一回だけと言う約束だ。これ以上やりたいと言うならスシはなしだ。ユニクロのヒートテックもだ」
そう言うとイリヤの両親は振り返りもせず店を出て行った。正解だタワリシチ。そのマシンはガキにはまだ早い。レバーが胸より上じゃないか。しかし納得の行かないイリヤが後ろからパパのお尻をぴたんっと叩いた。親に暴力を振るうとは何て恐ろしいガキだ。絶対に許さん。本来なら年齢的に俺の標的の対象外かと思われるがここは人の道をはずれたこのガキに大人として俺は制裁を加える決心をした。
後を追うように俺は店を出ると、両親の後ろをトボトボ歩くイリヤに気配を消して後ろから追いつき、さりげなくイリヤの隣を歩いた。何気なく見上げて来るイリヤに、俺はすかさずさっき取ったばかりのピンクのポワポワの犬を手渡した。反射的に受け取るも、次の瞬間びっくりして目を見開くイリヤ。青と言うより深い緑の瞳が宝石のようで、もはや人類のそれではない。俺はそのまま無言で振り返りもせず道路を足早に渡ると反対側にあった激安の殿堂に姿を隠した。完璧だ。
あのやたら耳に残る4小節のシャッフルメロディの流れる店内で、俺は独りほくそ笑んだ。今頃イリヤは父親に怒られてるに違いない。「ちがうの!筐体をこじ開けたりなんかしてない!本当に知らない日本人のモアイに似たおじさんがこれくれたの!お願いパパ信じて!」などと泣きながら訴えても信じてはもらえまい。仮に信じたところで今度は爆発物が入ってることを疑われてそのピンクのポワポワの犬は捨てられてしまうかもしれない。東欧の人間だからな。いいのだ。家庭内暴力を容認する父親のお前も同罪だ。心ゆくまで疑心暗鬼に陥るがいい。
いずれにせよ初めての日本旅行が親からの信頼を喪失する場となってしまい落胆したイリヤはそのトラウマを抱えて笑顔を失った女として大人になるだろう。ざまあみろ親に暴力など振るうからだ。人生は大抵やり直しは効くが取り返しのつかないこともあるのだ。
しばらくして俺は激安の殿堂を出ると、競技の中継を行う施設へ向かうべくガード下を通った。すると目の前に外国人観光客の家族が座っている。イリヤ達であった。両親は「TOKYO」と書かれたガイドブックに没頭して何か話しているが、イリヤはその隣に座っていた。手にはピンクの犬。あのポワポワの感覚を楽しむようにイリヤはそれをほっぺたに当てていた。
どうせ気づくまいと俺は多少距離を取りながら彼らの前を通過した。するとイリヤが俺に気づき隣の父親を揺さぶる。いかん!これは反撃されるかも知れない。そう思った瞬間両親の視線が俺を捉えた。ガイドブック読んでろよロボットレストラン探してろよ何だよその反応の速さスペツナズかよ。
今にも「スパシーボ!モアイに似た人!」とでも言いたげなその笑顔の表情に対し俺は通りすがりの大人の無表情で一瞥をくれると腹の中で「モアイじゃねえよ」と言い返しながら急いでその場を立ち去った。慌ててたのでガードレールをまたぐとき踵がぶつかって転びそうになった。
なるほど、ほっぺたか。
その日の俺は、少々苛立っていた。いつもより早めに出社するために乗った電車が大幅に遅れているのだ。もちろん俺は大人なのでその苛立ちを態度に出すこともなく、ウォークマンでNoGoDを聴きながら心の平静を保つ努力をしていた。
朝のこの時間帯の上り電車は、いつも混雑し発車が遅れるので電車がつまり運行がノロノロ運転になる。このためいつもならあっという間に通過するはずのその駅を、今日はゆっくり通過しようとしていた。俺は窓ガラスに押し付けられながらひたすら電車の加速を待っていた。
ふと窓の外を見ると、駅ビルに入っている保育園の子供たちだろうか、10人程度が朝のお散歩の途中らしくビルのバルコニーにお揃いの帽子をかぶり、並んで電車を眺めていた。その中の一人が、あろうことか電車に手を振って挑発してきた。くそっ!これから仕事に行こうという、言わば日本の経済を支える大人たちを挑発するとは何というガキだ。もちろん大人である俺も侮辱してるのだこいつは。
先ほどから俺の隣にステンカラーズの女が立っており、彼女もあのガキの挑発に気づいたようでにっこり笑顔を向けて応戦していたが、いかんせん標的が遠い。接近戦専門のスタイルが持ち味ゆえの弱点を露呈していた。そういえば彼女のコートの色はグレーだ。おそらくステンカラーズの中で階級はそう高くなさそうだ。仕方ない、プロの出番だ。
立ち位置は完璧。満員電車の中俺は窓の方を向いて押し付けられており、俺の狙撃動作を見るものと言えば、隣に立っているこのステンカラーズ・グレーの小娘くらいだ。俺は必殺の一瞥で以って照準を定めた。、線路沿いの駅ビルのバルコニー。その柵の前に並んだガキども。その中でもこっちに手を振った小僧に向けて、肘から先だけを4回だけ振った。距離にして数十メートル。車両にして二両分と言ったところか。
次の瞬間子供たち全員が一斉に両手でちぎれんばかりに手を振り返して来た。全員である。さすが俺。よほど恐ろしかったのだろう奴らパニックに陥っていやがる。最初に手を振ってた小僧にいたっては「ぼくがさいしょにふったんだ!」とでも言いたげに興奮してピョンピョン飛び跳ねている。ざまあみろ。大人をナメるからこういう報復をされるのだ。なぜか先生も振ってきた。あんたは大人だろ。
見たかステンカラーズよ、この長距離狙撃を。これができるのはお前らの中でも士官クラスくらいだろう。これが乳幼児スナイパーと言うものだ。俺はそんな気持ちで彼女をチラ見すると、両手で口を覆って声を出さずに軽く震えていた。そうか恐ろしかったか。無理もないな。
久々にトリッキーな狙撃を成功させた俺は、今日も世を忍ぶ仮の姿である底辺リーマンとして生きるべく気持ちを仕事モードに切り替え、朝の会議に間に合うかの心配をすることにした。会議でプレゼンする用のパワポは出社してから作ろうと思っていたので手つかずである。たすけて
父は私が小学生の頃単身赴任先で倒れた。以後ずっと寝たきり生活。頭もはっきりしない。
状態が安定して転院した父と一緒に、なぜか父の不倫相手も私の実家付近に引っ越してきた。父の面倒をみたいらしい。
「お父さんの彼女だよ」と紹介されたその女は幸が薄そうで、地味で、派手で勝ち気な母とは正反対だった。
女は甲斐甲斐しく父の面倒をみた。父が正月に入院先からの一時帰宅が許された時には、父の実家まで来てご飯を食べさせオムツ替えをした。
正月に不倫相手の実家で、不倫相手の親戚と食事を取って、同じ屋根の下寝泊まりするなんて、なんて図々しい女なんだろうと思った。
祖父母も母も、その女が細かい面倒をあれこれみてくれることが助かっていた側面もあったのか(少なくとも子供の前では)非難するような事は口にしなかった。
でも私はその女の事が大嫌いだった。
ずっと大好きだった父の事も、私を抱きしめていたその手であの女を抱いていたかと思うと憎くて吐きそうになった。
その女の事を、いつか大勢の人の前で、恥知らずのクソアマめと罵ってぶん殴ってやりたいとずっとずっと思ってた。
その女が死んだらしい。
病気が見つかった頃にはもう末期で、あっという間だったらしい。
まじか。
清々しいような、ざまあみろと言ってやりたいような、でもちょっと悔しいというか、やり残した感があるというか。
墓にしっこでもかけたろうかな。
俺は交通機関の中で赤ん坊や幼児にちょっかい出すのが好きだ。言わば手を触れずに乳幼児を変顔だけであやすプロフェッショナルと言っていい。大抵のグズってる乳幼児は俺の厳しい視線や殺気に満ちた顔でぐずりを止める。あるいは極限の恐怖で命乞いのバイバイさえしてくる。
この業界横のつながりはないが同業者を見かけることがたまにあり、あるときに泣きじゃくる赤ん坊にまぶたのピアスをびよーんびよーんとやって見せてる男子高生くらいの同業者もいた。色々と攻撃の手段はあるものだと感心するばかりである。
さてここは終電まで一時間くらいの下りの電車。帰宅ラッシュが多少ひと段落した車内で一歳に満たないくらいの赤ん坊が泣いており、母親が周りを気にしながら一生懸命あやしている。プロの出番だな。
いいかガキよ。ここは電車の中で乗っているのは会社帰りの俺を含めたくたびれたリーマンやOLが家路を急いでるんだ。眠くて機嫌が悪いからってぐずるんじゃねえよ。ほらお前のママがうろたえながら一生懸命お前の背中をぽんぽんやってるじゃねえか。お前ママを温泉に連れてったりプレゼントしたりの親孝行したことあるか?俺たちはある。大人だからな。くやしいだろ。だがそんなお前にも今できるたった一つの親孝行、それがおとなしく眠ることだ。それができないと言うのなら俺が強制的に黙らせてやる。
そんな気合を込めた一瞥を俺は軽いジャブでガキに突き刺す。ママの肩越しに一瞬表情が凍り付くガキだが俺は容赦しない。すかさずこの世のものとも思えない殺意に満ちた表情を作りガキを威嚇する。酒が入ってるからほっぺたと唇の筋肉がピクピク言ってるが我慢だ。俺は大人だからな。
俺に視線をホールドされたガキが小賢しくもママの胸に顔を埋め、俺の威嚇を回避しようとする。バカめ!隠れたつもりか。ほら早くも肩越しに顔を出して俺のプレッシャーに晒されている。恐怖に満ちた黒豆のようなお目目が俺を見ている。ざまあみろ。
しばらくするとこのガキはまたしてもママの胸に退避しやがった。卑怯者め。だがそれは俺の思うつぼである。俺は表情を変えずにショルダーバッグに手を突っ込むと人差し指と中指に特別な攻撃モジュールを装備した。ゲーセンのクレーンゲームでついムキになって1000円くらい突っ込んで入手したアイテムだ。男は30過ぎると酒飲んだらクレーンゲームがやりたくてしょうがなくなるのだ。大人だからな。
5センチくらいのカンガルーとパンダの指人形を装備してピースの状態にすると、俺はこのガキが三たびママの肩越しから顔を出すのを狙った。もちろん殺意に満ちた表情の準備も万全だ。完璧な段取り。まさに大人。
だが次の瞬間ドアが開き、何と母親が笑顔で振り返り俺に軽く会釈して降りて行った。くっ!何だと?
確かに俺の攻撃が母親に悟られ「すみません」とにっこりガードされてしまうことはある。俺はこれを親テレパシーと読んでいるが、親テレパシーの感度が高まるのは、敵が隣に立つもしくは隣に座るときであり、今回俺の位置は真後ろである。しかも車内の混雑具合はとりあえず椅子が全部埋まってる程度で、立ってても新聞広げられるくらいだった。敵までの距離も一歩半程度と完璧だった。
次の瞬間ドアが閉まり俺は全てを悟った。
ドアの窓ガラスの中にカンガルーとパンダを指にはめた酔っぱらいのリーマンがいた。
ワイシャツの裾が片っぽ出てた。