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2016-05-18

痴漢死ね

朝の電車痴漢にあった。デブスなのに。

ブスだから周りが味方してくれない、抵抗してこないとでも思ったんだろうか。

ふざけるな。舐めるな。

初めは勘違いではないかと思った

私の尻を手の甲で触れてきたのだ

電車はそこそこ混んでるので不意に触ってしまったのかも

それを痴漢と呼ぶのは相手申し訳ない

揺れるたびにだんだん手の甲で押してくるようになった

明らかにわかるくらいに強くなる

これで私は、これは痴漢かもしれないと思って少し様子を見るようにした

手の甲はいつの間にか手のひらになっていて

尻の外側をさわっていたのが穴、というか前のほうに触れようとして来た

でもまだ確信が持てなかった

持ちたくなかった

すると、前のスジを指でなぞり始めてきた

私は今晩彼氏と××をするために全部剃ってきたから余計わかりやすかった

ここで、もう我慢も限界気持ち悪い、最悪、と思った

助けを求めてもデブスの自意識過剰だよ~と言われて馬鹿にされるだけ

知っているんだ、世の中がブスにとても厳しいこと、最底辺に扱ってくること

から私は無言で痴漢の手を握った、握った手をつかまる棒にもっていき、ぶつけてやった

「ここに捕まった方がいいですよ。」っと真顔で言った。

まだ怒りがおさまらなかったので見えるようにして、触られた下腹部バタパタはたいて、ためいきをついてやった

相手は寝たふりをして、次の駅で降りた。

警察につき出せば良かったと後悔している。

でもブスだから誰も助けてくれないし、デブから逃げられたら捕まえられない。

次に遭ったらつき出せるように、ジムに通って身体を鍛えることにした。

痴漢、覚えてろよ。次にやったら痛い目見せてやるからな。

2015-08-11

回文増田打線組んだったー!津段くん瀬田で出す満武威か(回文

1(二)須田スマテックシス

2(中)すましゴス夫が会費の美羽

3(遊)土田すまん買うょ紀伊

4(一)ビア出す混ぜかのトン見ルーク

5(左)ヅンカン化ょ利野津奈路富出す魔

6(三)プダスマルエ眼科にん検視トマト

7(右)済まずからベルスワン書誌

8(捕)スマ綱井足りやり若い

9(投)津に出す魔の微雨よいすんぜ

夏の全国野球全国大会まっただ中!

はーい!今日監督でーす!

今年のうちのチームは強力!

勝ちに行くわよ!

バッチこい!

打たせて取る野球で、

782のゲッツーよ!

みなみ「よいすんぜくん!みなみ甲子園につれてって!」

よいすんぜ「みなみーーーーー!」

デーデデデデデデデ、デデデデーデデデデデデデデ!

♪~こきゅーを止めていちびょ~あなたしんけんな目をしたから~

ほしくず~ぅのロンリネス

デデデデー

ためいきーの花だけたばねたブーケぇ~♪

カッキーーン!

ゆ!優勝!!!!!


今朝の朝ご飯は白球追いかける球児イメージして

ピザトースト

デトックスウォーター

キュウリナスゴーヤ

応用で麦茶を入れてつくるわ!

応援デトックスよ!


すいすいすいようび~

今日も頑張ろう!

2013-09-26

伊達さんの発言

伊達さんが言わんとしていることを行間まで推測して書くと

選手自己の持てる力を最大限に発揮した試合をしたいと常々願っている。

・観客もそのようなレベルの高い試合を観戦したいと願っている。

・そしてそのようなレベルの高い試合は、選手だけで達成できるものではなく、選手と観客との総合作品である

こういうことではないのかなと。

特に3番目の、レベルの高い試合は、選手だけで作れるものではなく、観客と選手が一体となって初めて出来るもの

というところが、テニス観戦の歴史の長い海外ではもしかしたら、観戦マナーとして定着しているのに対して、

日本ではまだなじみが薄い感覚なのではないだろうか。

もちろん、日本でもまったくなじみがないわけではなく、野球でも、鳴り物自粛だとか、スポーツ以外の分野でも、

観劇マナーとか、いろいろ定着してはいるけれども、はっきりと言語化した形で、あるいは明確に意識化された形で、

試合中のためいきの是非といったひとつひとつの具体化されたものにまで踏み込んで、意識根付いているわけではないのだろう。

から伊達発言に違和感を感じる人は、「プロであるにもかかわらず、自身の不出来を客のせいにするとは」といった反応に

なるのではないだろうか。

だがプロはいえ、メンタルをもった人間であるからメンタルに左右されるのは事実として否めない部分はあるのではないだろうか。

たとえば、将棋囲碁頭脳ゲームで、周囲で騒音を鳴らしても、ゲームの質は本当に維持されるだろうか。

ゴルフのパターで観客の携帯が鳴ったらプレーヤー集中力はどうだろうか。

こう考えていくと、「プロといえども…」という部分は、絶対にあるはずで、「いやしくもプロならば…」という気持ちも一方でもちろん

からなくはないのだが、しかレベルの高い試合をしたい&見たいという願いは、プレーヤーと客の双方の共通の願いなのであるから

そう考えていくと、観戦の歴史の長い国ではすでに共通認識化されているマナーが、日本ではまだはっきりとそこまでは進んでいなくて、

そのために、プレーヤーと客の双方が、もしかしたらもったいないことをしているという捉え方は、できるのではないだろうか。

2012-07-05

プログラマーの特性?じゃないよね?

プログラムの変更点について話をしていても「でもさっき『サブルーチンはAで』と○○さんにいわれた」と主張しつづける

・使えるプログラム言語を増やそうとしてくれない

・はじめに教えたことが変更になると混乱し、ためいきを大量に吐く

・はじめに教えたことを絶対だと思い込んでしま

プログラム仕事は実は出来ない(バグはチーム内で直している)

自分の開発案件以外のチームが慌てはじめると、なぜか自分も慌てなければならないと思い込む

・前の会議で「次回の会議は無し」とメモを取っているはずなのに、次回の会議が無いことを「僕、聞いていないんですが」という

雑談仕事の話をしていると、横から突然自分の話をしだす

・会話がまともに通じるときと、思いっきりズレるときがある

・話し始めると意外と長く、同じ話を繰り返すことがある

プライドが高く承認欲求があるようにもみえるが、自己卑下する発言もある

・たまに、突然カバン雑誌を机の上に叩きつけるように置く

・普段、異常におどおどしている

・声が極端に小さく、声が大きい人を恐れる

  

こういった人と楽しく働く方法を教えてもらえませんか。

2010-11-11

http://anond.hatelabo.jp/20101111031746

俺も似たような二股経験あるわ


自分二股が原因で結婚を前提に親ぐるみで仲良くなっていた7年付き合った女と別れた。3年も二股関係やってたけど、最初は軽い遊びがズブズブ足を取られて身動きができなくなる苦しさといったらないね。


自分場合、途中で関係が耐えられなくなって、先彼女自分二股しているといったけど、先彼女は全く信じようとせず、精神不安定になったためいきなり別れることができず、しばらく先彼女彼女公認の二股が続いたりしてかなり悲惨だった。(もちろん後彼女不安定でグダグダ自分含めて3人ともグダグダ


結局、後彼女妊娠させるという既成事実を作ってしまって、諦めてもらったが、相手の親は怒鳴り込んでくるわ、うちの親も相手の家に泣いてあやまりいくわ、彼女の友達から呪いメールみたいのが届いたりで地獄のような数週間、数ヶ月を過ごした。もちろん彼女つながりで仲良くなった友達も大勢いなくなった。自分のまいた種だし、自分が全部悪かったんだから仕方ないんだけどね。


でも、自分のなかで最大の事件以来9年たった今でも、後悔はしていない。外見はともかく妻は可愛い子供可愛い

あの時「仕方が無いよね、応援するよ」って言ってくれた友達が男女ともに何人かいたのは暗黒の中の灯火だった。

2010-04-09

赤ずきんちゃん

あるところに赤ずきんちゃんがいました。

赤ずきんちゃんはいつも赤いずきんをかぶっていました。

親友エリーと一緒に町へお買い物に行く時も、もちろん赤いずきんでした。

今日かわいいお洋服いっぱい買えたね。」

エリーは色が白くて、誰からも好かれる優しい女の子です。

赤ずきんちゃんはエリーと遊ぶ時間をかけがえのないものだと感じていました。

今日は赤いずきんにお花の刺繍が入ってるのね。いいなー。」

「でしょ!? ママがつけてくれたんだ。」

「ちょっと喉が渇いたね。あそこのカフェで休憩しましょ。」

「そうね。」

二人は町の広場が見えるカフェで一息つくことにしました。

エリーアイスティーを頼みましたが、赤ずきんちゃんはメニューとにらめっこをしながらなかなか決められません。

「私さぁ、ケーキ頼んでもいいかなー。」

「いいよ。私のことは気にしないで。」

「ここのお店、アップルパイおすすめらしいんだけど。」

リンゴ? うーん、リンゴはちょっとねえ……。」

「そっかー。じゃあ、チーズケーキひとつ!」

運ばれてきたチーズケーキに目を輝かせながら、赤ずきんちゃんはフォークケーキの端っこを切ってそっと口へ運びます。口の中にじわっと甘さが広がりました。

「あまーい! おいしー!」

エリーは、おいしそうにケーキを食べる赤ずきんちゃんの様子をじっと見ながら、小さなためいきをつきました。

「どうしたの? エリー。本当にエリーは食べなくてよかったの?」

「うん。ちょっと今ダイエットしてるから。」

赤ずきんちゃんはエリーから思わぬ言葉が飛び出して驚きました。

「どうして? エリースタイルいいじゃない。」

「でもね、太ったのよ。体重キロも増えちゃった。」

「全然わかんないよー。」

「んー……。でも、この間彼もね。私の脇腹つまんで、ちょっと肉ついてきたねって言ったのよ。」

「何それ。あの彼氏、全然そんな風に見えないけど、結構ひどいんだね。」

「天然なのよ。」

結婚、考え直しちゃう?」

エリー左手の薬指に光る婚約指輪を眺めて赤ずきんちゃんは言いました。

「まさか! 彼、ああ見えてもいざって言うときは頼りになるんだから。」

「うらやましいことですなー。」

とてもおいしいチーズケーキだったので、赤ずきんちゃんはおかあさんにも食べてもらおうと、お土産に買って帰ることにしました。

「あー。私もはやく素敵な王子様にベッドの上でキスされたいなー。」

何度もエリーに聞かされた彼との馴れ初めを思い出して、ついつい、はしたない願望を口に出してしまう赤ずきんちゃんなのでした。

2010-03-30

起業する人しない人

りんごが木から落ちるのを見て引力を発見する人もいれば、しない人もいる。実は引力まで考えついても、それを世間に発表しない人もいたかもしれない。

とある不便な分野があって、なんでこれをなんとかしないんだろう?と思っても自力では何もしないタイプ、私はたぶんそうだ。

幼い頃「汚い手で蛇口をひねって手を洗って、きれいになった手でまた蛇口を触るのはなんだか嫌だな」と思っていたことがあるが(潔癖性ではないのだが)、大人になって公共の蛇口がセンサー化されていたとき、「なんで自動化なんだろう?」と思い、「これって一種のアイデア発明)だったんだ・・・」という考えに及ぶのに時間がかかった。

この水道の例まではいかなくとも、主婦で日頃の不便なことを機に発明をする人だっているし、「不便なこと」を、自力や誰かの力を借りてなんとかしようとすることって「すごいこと」であるし、自分だけでなく人のためにもなり、さらにはお金にもなるかもしれない。

これを書いている今、私は「これってどうにかならないかな」と思っている分野がひとつあるのだが、脱サラ起業してまでそれを実現する能力もなく、誰かの力を借りるべく提言する気力もない。ここでこうしてためいきをつくだけが精一杯なのである。

2010-01-05

 愛の表現

最近、ぜんぜん愛されているってきがしないんですけど!」

 そんなメールケータイに入ったのは年末のことで、朝方に深夜のメールを読んでためいきをつく。なんなら毎朝30分早起きをして、出勤前のカフェで話してもいいのだけどと思いはするのだが、そのスケジュールが守れないのは彼女の方だった。

(朝デートが禁じられるときついよね)

 ふとんから立ち上がり、歯を磨く。

 季節は、正月休みを間近に控えていて、お互いに実家に帰る。その正月休みを前に、しこりを残すのは避けたかった。

 愛されていないといわれるのは心外だったし、どう考えてもぼくの人生のロードマップ彼女との日々で毎日が塗り固められていたし、断られない限り、なんでもしたかった。

 ぼくにたいする直接的なアクセスを許されているのは彼女だけだったし、できれば、そのアクセスは正当で正確なルートでお願いしたいのだけど、あなたね、どんだけ高い人を動かしていると思っているのと、それぐらいはいいたくなる。

 でもそれは、個人的な関係にはまったく関係なく、たくさん破壊したいものはあるのだけど、彼女はどう思うのだろう?

 目を合わし、そこに生じている生体反応を見れば、どうすれば、恋愛関係に陥れるかなんか、すさまじく簡単なこと。それがわからないのだねえ。

2009-12-17

幸運の女神考

 職場彼女が来るようになってからもう半年、狭っくるしい事務所が、にぎやかになった。

 事務所といっても、契約のあるメーカー工場向けの派出所みたいなところで、あるのは来客用の机と、観葉植物と、テレビと、所長の机と、ぼくの机だけ、それがパーテーションで適度に区切られている。工場を出入りする大型トラック騒音が聞こえる以外はいたって静かで、ときおり電話が鳴って、至急の図面が飛び込んできたりする。いつもは無愛想な所長と黙々と仕事をしている。

 そんな殺風景職場彼女がやってきたのは、メーカー研修が終わった6月からで、なんでも技術部の連絡係に配属となったという。

 美人というよりは愛嬌がある子で、大きな図面用のファイルを抱える姿はすこし気の毒に思えるほど、小柄。元気いっぱいというよりは、感情の起伏が大きくて突拍子もなく、よく言えば機動的で、わるく言えば気まぐれな子で、めまぐるしい。

「ねえ、聞いてくださいよ! 技術部で今年は送別会やらないっていうんですよ!」

「はあ……」

 彼女にとっては事務所はグチのかっこうの吐き出し場所で、届け物ついでに、お茶をすすりながら、あれこれと技術部の話をする。本来であれば仕事中であるのだが、クライアントの近況が分かればこちらも都合がつけやすいとの所長判断で、ぼくがそのグチ聞き役に回ることになる。

 まあ、考えてみればかっこうの連絡役。

 しかし、困るのは、彼女はたいへんにいたずら好きなのだ。

「そういえば、奥さんとかいらっしゃるんですか?」

「いえ?」

「あー、じゃー、わたし立候補しちゃおうかなぁ!」

 とかは序の口。

「こちらにいらしてから日が浅いんですよね?」

「え? 半年ぐらいになりますが」

上司から聞いたんですけど、ここの所長、ゲイだって話ですよ? 前にここに勤めていた方も、迫られて本社に転属願いを出したとか。ちゃんと確認して拒絶しておいた方がいいですよ? わたし心配なんです」

 しばらく悩んでえいやっと所長に聞いたところ、ぽかんとしながら事情を聞かれる。彼女から聞いたと話すと、なにか気付いたのかおかしそうに笑う。

「きみ、それいたずらだよ。そうだね、あまりにも静かだから心配したのだろう」

 達観したように所長は言う。

 たしかにそれ以来、所長とは気さくに話すようにはなったが、一週間後に彼女がやって来て、してやったりとくすくす笑うのには閉口する。感謝してくださいよ、と得意げな鼻がしらに書かれたまま図面を渡されると、次はどんないたずらが待っているのかと構えてしまう。

 それでも意気揚々と早足で帰って行く姿におもわず見とれる。

 いや、違う、からかわれているだけだ。

 たしか8月に入ってからだったと思うのだけど、元気のない彼女をみて気がとがめる。

「どうしたんですか? なにかあったんですか?」

 お茶を出しながら声を掛けると、エアコン寒いとぷちりと切られる。

「もう、どうしていいのか、わからなくなっちゃって」

「なんです? 話なら聞きますよ?」

 ちょうど仕事も空いていたところで、ゆっくり座ると小柄な姿がよけいにちいさく見える。ぼくがのんきなのにほっとするのか、お茶をすすって話し始める。

 それは壮大な武勇譚で、あまりのスケールにくらくらする。

「それで、生産部に掛け合ったんです。ちょうど、事務の女の子と仲良くなって結託して。だっておかしいんですよ、技術部が依頼を出しても応じてくれるのは、第一月曜日に決まったスケジュールに載ったものだけ。緊急の案件もあるんです。それで、わたし、怒って経理部事情を話しに行ったら、君だれ? ですよ? 技術部の連絡係ですと言ったら、ああ、新入社員、君、誰の権限で動いてるの? だって。だから課長を昼食に誘って…」

「ちょ、ちょっと待って」

 ぼくはその話をまとめようと、考え込む。

 どう考えても彼女メーカーの一工場に長年染みついた慣行を刷新しようと、なんの権限も持たずに行動している。

(どんな度胸してるんだろう……。しかも正規ルートを一切使わずに……)

「つ、続きをどうぞ」

 彼女が話し終わるとどっと疲れが出てためいきをつく。

「所長、分かりましたよ。最近、図面の依頼が滞っている理由」

「ああ、聞いてたよ」

 新聞をたたんで、コーヒーをすする。言外に、おまえなんとかしてこいと言っていた。

「わたし、どうしたらいいか」

 よくぞまあここまでと見事なぐらいまでにぐちゃぐちゃだった。

 彼女がそのおかしな慣行を正したいのは分かる。

 しかし、問題はやり方だった。かなり行き当たりばったりに、反射的に行動するので作戦というものがまるでない。しかし、その行動力と持ち前の機知で、その場だけは切り抜けてしまう。それで結果的に工場中を混乱に陥れ、その矛先が当然ながら彼女に来てるのだ。

「えーと、そうだ、図面にしてみよう。そうすれば分かりやすい」

 ぼくは製図用紙を机に広げ、その上にそれぞれの利害関係を描き出していく。

「えーと、生産部のスケジュール管理をしているのは、」

「生島課長

「それで、経理部コストカットを推進しているのは、」

「先崎さん。この人、本社からの監視役」

 壮大な人間関係が浮かび上がりはじめるのにぼくは興奮を感じる。窓の外に見える工場内の人間関係俯瞰図のように思えてくる。これを彼女は全部動かそうとしていたのだ。しかし、まったくのきまぐれで。

「すごいですね、お得意なんですか?」

 無邪気に聞く彼女をちらっと見て、ぼくは答える。

「うーん、まあ、東京の事務所にいたとき所内がめちゃくちゃで、こんなのばっかりだったよ」

(規模はまったく違うけど)

 書き出し終わると、それを眺める。

 シャープペンを消せる蛍光ペンに握り替え、あちこちに印を入れていく。

「ほら見て、ここ、利害が一致している。柳さんと南町さん。ここに先崎さんをぶつけると動くんじゃないかな? 業務時間の効率化で」

「あ、気付かなかった。そうするとここが動くかも?」

「この人次第だね、君田さんってどんな人?」

女性の方。たしかお子さんがちいさくて」

「いけるんじゃないかな?」

「どうかなぁ?」

 ぼくと彼女との作戦会議は就業時間まで続き、おおかた把握したのか、彼女はよしと気合いを入れて帰って行く。ぼくはその後ろ姿を見ながら、ため息をつく。

(すごいな、新入社員なのに。あんなにちいさいのに)

 振り返ると、とたん、のんきな自分が恥ずかしくなった。

 幸運の女神というのはきまぐれなもので、それをつかもうとする者をときとして突き落とす。

 しかし時として戦場に現れるジャンヌ・ダルクのような女性は味方に勝利をもたらし、誰もが彼女を聖女やら幸運の女神ともてはやす。

 果たして、幸運の女神の住み着いた軍が無敵を誇ったのは、たった1人の女神により士気が上がったせいなのだろうかと、ぼくはしばしば疑問に思っていた。男ばかりの軍に女性が現れるならば、士気が上がるよりは混乱するのではないか。特にそこに悪意がひとかけらでも入れば、いくらでも混乱は作り出せる気がしてくる。

 彼女の後ろ姿を見て、長年の疑問が氷解しそうな気がしていた。

 ああ、違う、きっと幸運の女神とは彼女のような姿をしているのだと。

 それからというもの、彼女はしばしばぐちゃぐちゃになった案件をぼくに持ち込むようになり、グチ混じりの冒険譚をぼくに聞かせてくれるようになった。

 そのたびにぼくは製図用具を取りだし、現状がどうなっているのかを彼女に把握して貰う作業をする。

 それで、彼女はどこをどうすればいいかを理解して、また工場へ戻っていく。

 ときには、ぼくに同伴を願い、ぼくは入ったことのなかった工場内を歩き回る。

 彼女のおかげで、どういう風になっているのかはおおよそ把握している。

「ああ、製図屋さん。あの9末の図面、もうちょっと待ってね、時間かかるかも」

「え? どうしたんですか?」

「ちょっと困っちゃってねえ」

 顔を覚えられると、すぐに相談がはじまる。

「こうしたらどうですか?」

「お、いいねぇ」

 あの一件があってから技術部からは多くの図面が入ってくるようになり、しばしばするこういった会話が、電話だけだった頃より、効率をよくしていた。そして何よりも窓から見ていた工場の隅々までが分かるようになり、ぼくのちっぽけな世界は格段に広がった。

 そして彼女の持ち込む相談は、工場が抱える問題をぼくに伝え、彼女の問題を発見する目は確かだった。しかし、彼女は病巣を発見しそれを鷲掴みにして振り回すのは得意なのだが、それを治癒し秩序だった形に戻すのが苦手なのだ。

 そして、ぐちゃぐちゃになって、ぼくのところへやってくる。

 ぼくの勤める小さな事務所でも、彼女のがんばりに負けじと所長と2人で、業務改革に乗り出す。気付いてみれば、本社でも数年来の念願だった改革が完了してしまい、あっけなかったと所長と2人で笑い合った。

 彼女のあのあらしのようなエネルギーを見ていると、こっちまで頑張らなくっちゃと思い始め、それがあらゆる方面で好循環を生み出していたのだ。

 彼女は停滞を嫌い、あらしのように暴れ回り、古びた慣習やらしがらみを断ち切ろうとする。しかし、あらしにはまき散らすことしかできず、そのまき散らしたあとを片付ける協力者が必要なのだ。

 戦場での幸運の女神は、軍の中にはびこっていた非効率やしがらみを断ち切っていたのではないだろうか。そして影のように控える協力者たちがその後の秩序を作り上げていたのではないか、そう夢想する。

 現れた幸運にしがみつき、閉じ込めようとし、縛り付けようとすれば、それはきっと災厄へと変貌する。

 なんたってそれは自由奔放なあらしのような姿をしていて、巻き起こされた混乱の中にちゃっかり実利をとれる人だけが、それを幸運と呼んでいるのだから。

 何度目かの彼女との相談で、弱気彼女はぽつりと言う。

「ご迷惑ばかりですね。もうこれっきりにしようかと」

 あわてて、ぼくは立ち上がる。

「と、とんでもない! うちの事務所はあなたのおかげでものすごく順調に行っているんです! 迷惑だなんて、そんなことけっしてありません!」

 彼女はぽかんとしてぼくを見る。

「わたし、なにもしてませんよ? あなたには」

 ぼくはなんと答えようかと考え込む。

(女神ってのは大げさだよな……)

「あなたは、ぼくにとって、幸運の妖精みたいな人なんです。だからずっと頼って欲しいんです」

 彼女の表情が引きつっていくのが見えた。

(しまった……、おもいっきり引かれた)

2009-11-24

ふたりでしたい


 彼女が転勤してから半年になる。

 もっか遠距離恋愛中。

 やはりボディーブローのようにさみしさが積もる。

 彼女仕事柄、携帯は持たない主義で、家には電話もない。

(うっかり連絡先を持つと、教え子の親からひっきりなしに苦情がくるらしい)

 携帯会社支給のもので、仕事をするときしか持たないという。

 だから連絡はいつもメールになる。

 彼女ブログ更新していて、それで近況は分かる。

 それによれば、現在遠距離恋愛中で、とてもさびしいとのこと。

 それは、ぼくも同じ。

 仕事はそれなりにいそがしいらしい。

 ぼくは、そんなでもない。

 それでも彼女ブログ更新をつづけてくれているから、なんとか気が紛れている気がしていて、ぼくも、近況はなるべくブログに書くようにしている。

 それでもつらいことには変わらない。

 彼女メールをするときにはルールが決まっている。

 それは、相手に返信を求めないこと、返信しないこと。

 会社のあらゆる仕事の中でもっとも非効率なのは大人数でする会議で、それはその人数の人間の1時間なり2時間なりを全員分、ほんとうは必要がない人まで拘束するから/拘束してしまう可能性があるから、と彼女は言う。

 だらだらと続く会議はもうほんといや。

 だから、メールに返信を求めるのは、その返信を書く時間相手を拘束するから、だめ。

 理屈は分かるつもり。

 いつでも返事がもらえるのだって甘えてしまうと、ついつい彼女を拘束してしまうかも知れない。

 それをいやがるのはとても分かるんだ。

 彼女からのメールは決まって、ブログでは書けないプライベートな事だったり、多少のぐちだったり、恋人らしい言葉だったり、それはそれで送られてくると、嬉しいものではある。

 だからぼくもときどきは同じようなメールを書くときもある。

 でも、どうしてもぼくは彼女のように返信を期待しない、返信が返ってこないメールに慣れることができなくて、ためいきをついてしまう。

 好きだという言葉も、寂しいという言葉も、嬉しくなったという言葉も、彼女に届けるためだけにある気持ちなのに、返信の返ってこないメールはまるで虚空のインターネットに聞かせるために書いているような気がしてしまう。

 ぼくはたぶん、二人でなにかをしたいのだろうと思う。

 電話にしても、チャットにしても、会うにしても。

 返信をしないメールは、お互いが想い合う(いまでもそうだと思いたいけれど)ひとりひとりが、互いにひとりとひとりで、想いを伝えあっている。

 それはすれ違ってはいないのだけど、すれ違っているように錯覚してしまい、この遠距離恋愛はひとりとひとりの恋愛で、ふたりの恋愛になっていないことがたまらなくさびしいのだ。

 だからせめて、1週間に30分だけでもいいから、会話ができないかなとメールを書くと、たぶん、相手に返信を求めるメールになる。

 skypeでも、メッセンジャーでもなんでもいいのに。

 忙しいのは分かるし、彼女もぼくを気遣っているのは分かるのだけど。

 なんでもするのに。

2009-10-24

走れタダゲ厨

タダゲ厨は激怒した。必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の運営を除かなければならぬと決意した。タダゲ厨にはネットがわからぬ。タダゲ厨は、モバゲー村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども課金に対しては、人一倍に敏感であった。

きょう未明タダゲ厨は村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此(こ)のミクシィサンシャイン牧場にやって来た。タダゲ厨には金も、学も無い。彼女も無い。十六の、内気な妹と二人ギルドだ。

この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、花婿(はなむこ)として迎える事になっていた。結婚式も間近かなのである。タダゲ厨は、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。

先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。タダゲ厨には竹馬マイミクがあった。セリヌンティウスである。今は此のミクシィコミュニティで、管理者をしている。そのマイミクを、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。

歩いているうちにタダゲ厨は、まちの様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに寂しい。のんきなタダゲ厨も、だんだん不安になって来た。

路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此のミクシィに来たときは、夜でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであった筈(はず)だが、と質問した。若い衆は、首を振って答えなかった。

しばらく歩いて老爺(ろうや)に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。タダゲ厨は両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。

「運営は、アプリ課金します。」

「なぜ課金するのだ。」

サービスの質を高める、というのですが、誰もそんな、質を求めては居りませぬ。」

「たくさんのアプリ課金したのか。」

「はい、はじめはセルフィちゃんねるを。それからサンシャイン牧場を。それから、RockYou! スピードレーシングを。」

「おどろいた。運営は乱心か。」

「いいえ、乱心ではございませぬ。サーバーを、維持する事が出来ぬ、というのです。このごろは、ユーザーの心をも、お疑いになり、少しく派手な書き込みをしている者には、書き込みを削除するよう命じて居ります。御命令を拒めば審査にかけられて、アカウントロックされます。きょうは、六人ロックされました。」

 聞いて、タダゲ厨は激怒した。「呆(あき)れた運営だ。生かして置けぬ。」

 タダゲ厨は、単純な男であった。IPを、さらしたままで、のそのそ田代砲をしかけていった。たちまち彼は、巡邏(じゅんら)の警吏に捕縛された。調べられて、タダゲ厨の懐中からはXSSが出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。タダゲ厨は、運営の前に引き出された。

「このXSSで何をするつもりであったか。言え!」運営は静かに、けれども威厳を以(もっ)て問いつめた。その運営の顔は蒼白(そうはく)で、眉間(みけん)の皺(しわ)は、刻み込まれたように深かった。

ミクシィを暴君の手から救うのだ。」とタダゲ厨は悪びれずに答えた。

「おまえがか?」運営は、憫笑(びんしょう)した。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの苦労がわからぬ。」

「言うな!」とタダゲ厨は、いきり立って反駁(はんばく)した。「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。運営は、ユーザーの忠誠をさえ疑って居られる。」

「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。ユーザーの心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」暴君は落着いて呟(つぶや)き、ほっと溜息(ためいき)をついた。「わしだって、平和を望んでいるのだが。」

「なんの為の平和だ。自分収入を守る為か。」こんどはタダゲ厨が嘲笑した。「罪の無いユーザーをバンして、何が平和だ。」

「だまれ、下賤(げせん)の者。」王は、さっと顔を挙げて報いた。「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、アカウントロックになってから、泣いて詫(わ)びたって聞かぬぞ。」

「ああ、運営は悧巧(りこう)だ。自惚(うぬぼ)れているがよい。私は、ちゃんとバンされる覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ、――」と言いかけて、タダゲ厨は足もとに視線を落し瞬時ためらい、「ただ、私に情をかけたいつもりなら、バンまでに三日間の日限を与えて下さい。たった一人の妹に、亭主を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私はギルド結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰って来ます。」

「ばかな。」と暴君は、嗄(しわが)れた声で低く笑った。「とんでもない嘘(うそ)を言うわい。逃がした小鳥が帰って来るというのか。」

「そうです。帰って来るのです。」タダゲ厨は必死で言い張った。「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。妹が、私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、この市にセリヌンティウスというユーザーがいます。私の無二のマイミクだ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あのマイミクをバンして下さい。たのむ、そうして下さい。」

 それを聞いて王は、残虐な気持で、そっと北叟笑(ほくそえ)んだ。生意気なことを言うわい。どうせ帰って来ないにきまっている。この嘘つきに騙(だま)された振りして、放してやるのも面白い。そうして身代りの男を、三日目にバンしてやるのも気味がいい。人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その身代りの男をアカウントロックに処してやるのだ。世の中の、正直者とかいう奴輩(やつばら)にうんと見せつけてやりたいものさ。

「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その身代りを、きっとバンするぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪は、永遠にゆるしてやろうぞ。」

「なに、何をおっしゃる。」

「はは。いのちが大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」

 タダゲ厨は口惜しく、地団駄(じだんだ)踏んだ。ものも言いたくなくなった。

 竹馬マイミクセリヌンティウスは、深夜、運営に召された。運営の面前で、佳(よ)きマイミクと佳きマイミクは、二年ぶりで相逢うた。タダゲ厨は、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言で首肯(うなず)き、タダゲ厨をひしと抱きしめた。マイミクマイミクの間は、それでよかった。セリヌンティウスは、縄打たれた。タダゲ厨は、すぐに出発した。初夏、満天の星である。


あ き た

2009-08-17

 ばななは激怒した。必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の店長を除かなければならぬと決意した。ばななには経営がわからぬ。ばななは、村の物書きである。ほらを吹き、羊と遊んで暮して来た。けれどもサービスに対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明ばななは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此(こ)の居酒屋にやって来た。ばななには父も、母も無い。女房も無い。一時帰国していた友だちと二人暮しだ。この友だちは、もう当分の間外国に住むことが決定していた。送別会もかねていたのである。ばななは、それゆえ、ビールやらおつまみやらを買いに、はるばる居酒屋にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それからヨーロッパみやげのデザートワインを開けた。コルク用の栓抜きはないということだったので、近所にある閉店後の友だちの店から借りてきた。歩いているうちにばななは、居酒屋の様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、居酒屋の暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、居酒屋全体が、やけに寂しい。のんきなばななも、だんだん不安になって来た。ちなみにお客さんは私たちしかいなかったし、閉店まであと二時間という感じであった。路で逢った若い衆をつかまえて、グラスをわけてくれる?いいときの日本は、夜でも皆が歌をうたって、賑やかであった筈(はず)だが、と質問した。若い衆は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて、気のいいバイト女の子に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。気のいいバイト女の子ビールグラスを余分に出してくれた。ばななは両手で気のいいバイト女の子のからだをゆすぶって質問を重ねた。気のいいバイト女の子は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。

店長は、客を説教します。」

「なぜ説教するのだ。」

「悪心を抱いている、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」

「たくさんの客を説教したのか。」

「はい、こういうことをしてもらったら困る、ここはお店である、などなど。」

「おどろいた。店長は乱心か。」

「いいえ、乱心ではございませぬ。客を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、バイトの心をも、お疑いになり、御命令を拒めば説教にかけられて、叱られます。きょうは、六人叱られました。」

 聞いて、ばななは激怒した。「呆(あき)れた店長だ。生かして置けぬ。」

 ばななは、単純な男であった。それであまりおおっぴらに飲んではいけないから、こそこそと開けて小さく乾杯をして、一本のワインを七人でちょっとずつ味見していたわけだ。たちまち彼は、どう考えても年下の若者に捕縛された。調べられて、ばななの懐中からはデザートワインが出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。ばななは、店長の前に引き出された。

「このデザートワインで何をするつもりであったか。言え!」店長は静かに、けれども威厳を以(もっ)て問いつめた。ばかみたいにまじめな顔でだ。

「どうしてもだめでしょうか?いくらかお金もお支払いしますから……」とばななは悪びれずに答えた。

「おまえがか?」店長は、憫笑(びんしょう)した。「仕方の無いやつじゃ。こういうことを一度許してしまいますと、きりがなくなるのです。」

「いったい何のきりなのかよくわからない!」とばななは、いきり立って反駁(はんばく)した。「客の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。店長は、バイトの忠誠をさえ疑って居られる。」

「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。客の心は、あてにならない。場所はいいのにお客さんがつかない。信じては、ならぬ。」店長は落着いて呟(つぶや)き、ほっと溜息(ためいき)をついた。「わしだって、もうけを望んでいるのだが。」

「なんの為のもうけだ。自分の地位を守る為か。」こんどはばななが嘲笑した。「罪の無い客を説教して、何がもうけだ。」

「だまれ、下賤(げせん)の者。」店長は、さっと顔を挙げて報いた。「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに不況になってから、もっと自然食をうちだしたおつまみにしてみたって聞かぬぞ。」

「ああ、店長は悧巧(りこう)だ。自惚(うぬぼ)れているがよい。無難無難に中間を行こうとしてみんな失敗するのだ。ただ、――」と言いかけて、ばななは足もとに視線を落し瞬時ためらい、「ただ、もしも店長がもうちょっと頭がよかったら、みながそれぞれの仕事のうえでかなりの人脈を持っているということがわかるはずだ。三日のうちに、私はちょっと異様な年齢層やルックスや話し方をする大勢のお客さんを連れて、必ず、ここへ帰って来ます。」

「ばかな。」と店長は、嗄(しわが)れた声で低く笑った。「とんでもない嘘(うそ)を言うわい。逃がした客が帰って来るというのか。」

「そうです。帰って来るのです。」ばななは必死で言い張った。「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。それが成功する人のつかみというものだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、ここに三十四歳の男の子がいます。私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺して下さい。たのむ、そうして下さい。」

 それを聞いて店長は、残虐な気持で、そっと北叟笑(ほくそえ)んだ。居酒屋土曜日の夜中の一時に客がゼロ、という状況はけっこう深刻である。

「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その身代りを、きっと殺すぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの持ち込みは、永遠にゆるしてやろうぞ。」

「なに、何をおっしゃる。」

「はは。持ち込みが大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」

 ばななは口惜しく、地団駄(じだんだ)踏んだ。ものも言いたくなくなった。

 竹馬の友、三十四歳の男の子は、深夜、居酒屋に召された。店長の面前で、佳(よ)き友と佳き友は、二年ぶりで相逢うた。ばななは、友にいちおう事情を言った。人にはいろいろな事情があるものだ。三十四歳の男の子が「まあ、当然といえば当然か」とつぶやいたのが気になった。そうか、この世代はもうそういうことに慣れているんだなあ、と思ったのだ。みな怒るでもなくお会計をして店を出た。そして道ばたで楽しく回し飲みをしてしゃべった。初夏、満天の星である。

 というわけで、いつのまに東京居酒屋は役所になってしまったのだろう? と思いつつ、二度とは行かないということで、ばななたちには痛くもかゆくもなく丸く収まった問題だった。

 これが、ようするに、都会のチェーン店で起こっていることの縮図である。

http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=60769&pg=20090808

http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1567_14913.html

2009-07-31

渇望

ものすごく遠くにいきたい。

まったく違う人になりたい。

でも、現実的に、無理。

永遠に自分自分

ためいきがでる。

別に、すごい自分が嫌いなわけじゃないよ。

ただ、ときどき、色々想像するわけ。

2009-04-14

お疲れなのは分かるのですが

とっても忙しい上司がいる。

何回も徹夜して大変そうだ。

ただ、あからさまに「はぁーーー」って大きくためいきつくのはちょっとやめて欲しい。

ため息をすると幸せが逃げていくとはよく言ったもので、周りの人の精気にまで影響しそう。

2008-10-09

おなかすいた……でも食べるものなんもない……なんか買いに行くのもめんどくさい。

そういえば今日は結局全然食べてねえや。まあ家から一歩も出てないから食べなくてもいいのかもしれんが。

っていうかもう3時じゃねえか。

ネットやめたいけどやめられない。

別に楽しいことがあるわけじゃないけどふらふらと適当サイトをみては閉じてを繰り返してる。

楽しくないのに。やめたいのに。

したほうがいいことはいっぱいあるけど、やる気が出ない。めんどくさい。

また今日も日が昇るころに寝て昼間に起きるのかなあ。

はぁ。ためいき

2008-03-25

春は別れの季節(?)

春なのに お別れですか

春なのに なみだがこぼれます

春なのに 春なのに

ためいき またひとつ

http://anond.hatelabo.jp/20080325141630

2008-02-20

たった1ヶ月

保険証がカード化されるらしい。

来週から紙保険証とひきかえにカードをくれるそうだ。

でも4月から保険証の記号番号が変更になるから、4月に再発行なんだって。

1ヶ月ちょっとのためだけに発行される保険カード

いったい何のため、誰のため?

なんかこういうの多くてためいきが出るよー。

2007-08-06

ホテル

いんたーなしょなるな高級ホテルでひとり

たばこも吸う

ぼうしもこってる

きょうはさんぐらすに、うすい水色のポロシャツに、質実剛健のこうきゅうぶらんどとけいに、あうとどあぶらんどのさふぁりはーふぱんつに、白いさんだるをはいてびーちでいぬ散歩をたのしんだのだ

ふりすびーをなげると、いぬはかろやかにとびはねるのだ。なみのように。

ゆうごはんをたべながら、ためいきをつく。まいにち。

虹をみた。乾いた岩山の向うはドシャ降りの様相だった。

それでもかまわず、きょうは

ひまなのであさから新聞を読んで、coffeeをのんで、あわただしい人たちをながめた。

さて、たまには

漕いだ、泳いだ、走った、寝た、喰った、喰った、寝た。

これがしごと。

2007-03-22

ものかきのためいき

書きたい書きたいといってるばかりで、

ちっとも書かない自称物書きに用はありません!

anond:20070322011645

2006-10-22

[]

まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき

前にさしたる花櫛の 花ある君と思ひけり

やさしく白き手をのべて 林檎をわれにあたへしは

薄紅の秋の実に 人こひ初めしはじめなり

わがこゝろなきためいきの その髪の毛にかゝるとき

たのしき恋の盃を 君が情に酌みしかな

林檎畑の樹の下に おのづからなる細道は

誰が踏みそめしかたみぞと 問ひたまふこそこひしけれ

島崎藤村 「初恋」 『若菜集』)
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