・登場人物:「おしゃれ」でない女子A、「おしゃれ」な女子B、セクハラメガネ
・「変わる」話である。
・「おしゃれ」でない女子と、「おしゃれ」な女子は同一の役者が演じている
http://pokonan.hatenablog.com/entry/2015/03/20/000637
これだけの情報が揃えば、第二話を予測するなどアメリカのドラマの展開を予測するより簡単である。
[駅のプラットフォーム]
アナウンス「ハクスリー駅〜ハクスリー駅〜お降りの際はお忘れ物がございませんよう〜……」
セクハラメガネのセクハラのせいで今日も一日疲れた女子A。
人影のない構内で彼女がぼんやりと乗り継ぎの電車を待っていると、
少し離れたところで彼女に背を見せ、泣きながら衣服やハイヒールを脱いでいる茶髪の女性を見かける。
同僚の女子B……? なぜこんなところに……? でももしかしたら違う人かも……。
女子A「あの、大丈夫……?」
振り返った茶髪女性を見て、女子Aはおどろく。髪がざんばらになり、化粧が落ちてうつろになったその女の顔は――
女子A自身と瓜二つだったのだ。
言葉もなく見つめ合ったのち、謎の茶髪女性はぷいとそっぽを向き、列車の迫る線路へと歩み出す。
止めるまもなく、謎の茶髪女性は列車に轢かれてしまう。
騒然とする構内。飛び交う駅員の怒号。
これはいったいどういうことなのか……。
彼女はとっさの判断で、謎の茶髪女性が残したハンドバッグを掴み、プラットフォームから走り去る。
[第一話と同じ会社の玄関]
ハンドバッグから出てきた免許証によると、やはりあの茶髪女性は同僚の女子Bであったらしい。
彼女は妙な胸騒ぎをおぼえつつ、会社へ出社する。
セクハラメガネ「おっ、今日も疲れた顔じゃんーどうしたー」
いつもはまともに相手しないのだが……。
女子A「セクメさん、女子Bさんのことですが……私と似てるな、って思ったことありません?」
セクハラメガネ「え?」
表情が固まるセクハラメガネ。
質問の仕方がわるかったか……女子Aはきゅうに恥ずかしくなる。
女子A「すいません、ごめんなさい、なんでもな……」
セクハラメガネ「なんだ。もう気づいてしまったのか?」
女子A「え?」
野暮ったいメガネをかっこ良く外すセクハラメガネ。その素顔はイケメンだ。
セクハラ「ついてこい。真実を見せてやる」
[会社内に設置されたエレベータ内]
地下四階行きのボタンを押すセクハラメガネあらためセクハラ慎太郎。
女子A「地下四階……一般社員は出入りが禁じられているはずでは?」
セクハラ慎太郎「一般社員、じゃないからね。君も僕も」
メガネをテイクオフしたセクハラはいつもの軽い調子ではなく、どこか威厳ようなものを発していた。
女子A「一般社員じゃないって……」
セクハラ慎太郎「いつか言ったことがあったよな。『君と彼女では需要が違う』と。どういう意味だかわかるか」
女子A「それはあのコが職場の華で、わたしは単なる仕事仲間…‥」
セクハラ慎太郎「違う。『需要』とは、ふつう、商品や消費物に対して使う言葉だ。つまり、そういうことなんだよ」
そういうことと言われても…‥
女子A「あの、なにをおっしゃっているのかさっぱり……」
セクハラ慎太郎「だろうな。まあ、見ればわかる」
エレベータが地下四階に到着する。重い鉄の扉が開く。
女子A「こ、これは――」
会社地下四階。多数のポッドのようなものが敷き詰められており、その内部には緑の液体のなかでチューブに繋がれた……
女子A「"わたし"が……こんなに……」
セクハラ慎太郎「そのとおり。『君たち』は、いわゆる、『クローン人間』だ」
女子A「なんで……どうして……」
セクハラ慎太郎「君も知っての通り、我が社はバイオ医療技術の開発に力を注いでいる。『臓器倉庫』という単語はご存知かな? なんらかの病気や事故で損傷したり、老化で弱った内臓を、クローンで作った『若いころの自分』の健康なそれと入れ替える」
女子A「なんかそれ、アメリカのダメなSF映画でいっぱい観た」
セクハラ慎太郎「これは現実だよ、君。某大型百貨店のイメージキャラクター、ルミ姉さんが二十歳から年をとらないのを不思議に思ったことがないかね」
あのゾンビめいた声が脳内に蘇る。今なら10%、オフッフッフッフッ……
セクハラ慎太郎「正解を言ってしまえば、彼女は五十六歳だ。移植は内臓だけでなく、皮膚や頭髪も可能だからな」
女子A「私も、クライアントのための臓器倉庫ってわけなんですね」
セクハラ慎太郎「いいや。さっきも言ったろ。『需要が違う』と。君は『製造』されたときから臓器の内部に疾患を抱えていた」
たしかにそうだ。そのせいで低血圧がひきおこされ、いつも朝に元気が出なかった……。
セクハラ慎太郎「商品としては不適格だったわけだ。欠陥に気づいた研究員たちは君を即刻処分しようとしたよ。……だが、私はアウトレット品が好きでね。このメガネもtwitterで宣伝されていたレイバンの激安品だ」
そう言ってセクハラはメガネをかけなおす。
セクハラメガネ「私は独自のプロジェクトチームを立ち上げ、君を実験材料にすることにした。教育を施し、記憶を捏造し、うちに社員として迎え入れ、セクハラをはじめとした様々な負荷をかける……」
女子A「その記録を撮る……いつも私にまとわりついていたこのカメラはそのためだったんですね」
セクハラメガネ「察しがいいな。だが、ストレステストは会社をだますための方便にすぎない。私の目的はもっと別のところ、高い次元にある」
女子A「あなたの、目的?」
セクハラメガネ「革命だよ、君。変わりたいなら、変わらなければ」
[崩壊後の地球]
飢えにあえぐ子どもたち。泣きながら子供を死体を抱く母親。すべてを警戒するめつきの男たち。何もかもが絶望に塗りつぶされている。
女子A完全体「セクハラさん……これがあなたの望んだ世界ですか……?」
セクハラメカメガネ「君が望んだ世界でもある」
女子A完全体「まさか……わたしの願いがあんなことを引き起こすなんて……」
セクハラメカメガネ「後悔しているのかい? でも、これで宇宙の寿命は延長された。人間という種はよりよく改良された。きみは正しいことをなしたんだよ」
女子A完全体「でも、そのせいでルミ姉さんは……」
セクハラメカメガネ「彼女のことは忘れろ。必要な犠牲だった。革命には常に英雄を必要とするものさ。人間は物語を欲するんだよ」
女子A完全体「でも私達は……人間以上の存在になってしまった」
セクハラメカメガネ「そうだな」
女子A完全体「私達はこれからどこへ行けばいいんでしょう」
セクハラメカメガネ「君は自分が望むところへ、望む時代へ、いつでも行くことができる。君はその能力がある」
女子A完全体「そうね……わたし、昔から行きたい場所があったんです。新宿にある大きな百貨店で……名前はLUMINE」
セクハラメカメガネ「ほう。1976年3月10日に開業し。地下2階・地上8階の建物。8階にはたかの友梨ビューティクリニックをはじめとする美容関連が中心のフロア。7階から6階はカフェ・レストラン、5階は雑貨と書店、4階から地下1階まではアパレル店が大半を占め、地下2階はスイーツ・レストランのフロアになっていて、連結するルミネ2の七階にはお笑いの聖堂ルミネよしもとがある、カップルから家族づれまで、休日を過ごすにはうってつけの文化の発信地、あのルミネ新宿か」
女子A完全体「いっしょに来てくれますか、セクハラメガネさん」
セクハラメカメガネ「もうセクハラメカメガネだけどね。いいだろう、行こう。行って、一緒にこの終末を楽しもう。ルミネは、とてもすばらしい場所だから――」
光年彼方の大曼陀羅の中心に据えられたルミネの店舗へ向かい、手をつないだ二人が急速に遷移、吸い込まれていく――[完]
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]]>2014.08.29
たかの友梨ビューティクリニック従業員が不当労働行為の救済を申し立て
たかの友梨ビューティクリニック仙台店の女性従業員は28日、残業代を不当に減額されたなどの問題を労働基準監督署に申告した行為を会社側が非難したのは公益通報者保護法などに違反するとして厚生労働省に申し立てをした。
女性と所属する労働組合による会見によると、高野友梨社長本人が8月、仙台店の従業員を集め、女性が労基署に申告したことや組合による団体交渉を行ったことを非難。高野氏はその際「会社をつぶしてもいいの?」などと述べたという。
女性はその団体交渉を威圧的行為を受け、翌日から精神的ショックなどで出社できなくなったと主張し、公益通報者保護法を申請した。(公益通報者保護法とは、いわゆる内部告発者を保護する制度であり、労働者が不正の目的でなく、企業の違法行為を所轄行政官庁等に通報した場合には、その労働者を解雇したり不利益な取扱いをしたりしないことを義務づける法律が2004年(平成16年)に制定された)
この件に関して、経営する株式会社不二ビューティでは「申立書は届いていないが、不当労働行為とされる行為はしていないと認識している」とコメントを出した。
エステ業界では、昨今”おもてなし産業の頂点である”と自負できる優良な業界に変化しつつある。
しかし、”おもてなし”を極めることでスタッフの長時間労働を強いてしまうケースも多い。ベッド数という制約条件における経営(売上)構造の中で、収益に対する人件費率が占めるは影響は大きい。しかしだからと言って、サービス残業を強いることは当然のことながらあってはならないことであり、同社社長が言ったとされる「法律通りにやっては・・」という発言を肯定することはできない。
また逆に、(この同社従業員がということではなく)経営状況への理解もなく、一方的に法律を盾とし権利だけを主張するようなことがあるようでは大変に危険なことではないだろうか。
労使における日頃の対話を通じ、サービス業であるという原点をあらためて見つめなおす機会になれば、業界全体の活性化に繋がるではないだろうか。
http://www.esthe-news.jp/posts/3446