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2020-09-13

幼い頃に男の人に連れられた怖い話

これは小さい頃、確か小1の時の話だ。

ある日、学校で「挨拶大事友達や近所の人にも挨拶をきちんとしましょう」ということを先生が教えてくれた。大人となった今ではもうひねくれてしまったが、まだこの頃は些か真面目だったので、バカ正直に実行した。

具体的に言うと、家の近くを歩いてる人=近所の人と判定し、通学路で見かける人は知らない人でも片っ端から挨拶をしていた。もはやただのバカである。それか不審者

しかし、子供のやることだからか、大抵の人は不審者扱いせず、軽い会釈を返してくれた。

ある日のことだ。帰り道、家の近くを歩いていたこれまた知らない男性に、自分こんにちは、と挨拶をした。

すると、その人は珍しくにっこりと笑って返してくれた。優しい人だと感じる。他の人ならそれで終わりなのだが、その日は違った。その人はこちらへ手招きをしたのだ。

自分はよく分からないまま、その人へ近づく。すると、その人は「目を瞑って」と言う。

自分は何も疑わず従ってしまう。すると、彼は手を取って歩き始めた。家の近くなのもあってか、自分はそんなに不安に思うこともなくついていっていた。

30秒くらい経った頃だろうか。すぐに男の足は止まり、手が離された。目を開けてごらんと彼は言う。

目を開けると、見たことのある景色が広がっていた。

そこは、住宅街路地。なぜか広いスペースがあって、祠のようなものがあるところだ。

家の近くで遊んでいる時、たまに立ち寄っては何だろう?と思っていた。

その祠の中には、よくみると狐の像が入っていた。

男は、このままついてきて、と再度手を差し出す。男の笑顔はとても優しいままだった。

けれど、たったひとつ差し出した彼の手の爪だけが先程と比べ鋭く、不気味なほどに伸びていた。まるで獣の爪のように。

自分は途端に恐ろしくなり、その場から走り出す。

幸いなことに、その祠の場所自分の家から1分程度の場所であった。全力で走り、家のドアは駆け込む。

いつものようにすぐに洗面所で手洗いうがいをする。その不気味な爪のことは気になったが、小さい頃の自分は夢だ!夢でも見たんだ!と鏡に映る自分へ言い聞かせた。そして、すっかりいつもどおりの生活に戻っていったのだった。




YouTube百物語を語るという配信を見たから書いてみたのだが、怖い話というのは、なかなか難しい。お化けなどを登場させると、途端に創作と分かってしまい、しらけてしまう。なーんだ、作り話かと。勿論これも、作り話だ。

とはいえ物語には実話を基に、脚色している話も多い。因みに、この話も一部は本当に自分体験談だ。これは私に書ける精一杯だ。

そしてもうひとつ洗面所で夢だ!と言い聞かせた所も恐らく、本当だ。

恐らくと言うのは理由がある。あの時、夢であると思い込もうとしてしまったために、20年以上経った今では自分でも、本当に現実妄想か分からなくなってしまった。

その時親には何となく話せなかったし、友達にも勿論だ。だから、誰かに証明してもらうことも出来ない。

漫画登場人物にこういうことはあまりありえない。読者という絶対俯瞰、神の視点があるからだ。漫画登場人物が同じようなことで悩んでも、読者だけは答えが分かる。まあ読者でも訳が分からないなんて例会もあるが。

しか現実に神の視点はない。lemonの歌詞で言えば、誰にも分からいから、いつまでもこれは自分の中で昏い記憶となるのだろう。

そういえば、これより上の文章はやっぱり全部嘘っぱちである。だから安心して欲しい。

最後に、この記事で言いたいことは危ないから知らない人に声をかけないようにしよう、ということである

 
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