2024-09-27

同居人が部屋の前を通るたび、私は過越祭の子のように身を縮こませる

私は四畳半も無い部屋の中、無理矢理吊るしたハンモックに揺られながら、

お気に入りゲーム実況動画BGMに、ツイッター(現X)を眺めていた。

すると台所の方から夜食を物色していたと思われる同居人が、ブツブツと何か呟いているのが聞こえた…。

執拗に、同じ単語を何度も、言葉として発する前に口の中で消えていくような大きさで、

しかし口の端に昇らせなくては気が済まない、といった強い調子で、延々と何か繰り返している。

私は、ヘッドフォンを外し、耳をすませた。

すると、

シネ……シネ……チーン(電子レンジの音)………シネ………シネ………」

バタン。隣の部屋の扉が閉じた。

こわい……………


彼女とは、小学生の頃からの仲である

特段仲が良かったわけではないが、お互いの価値観に強烈な刺激を与え合い、

相容れない性質根本では感じながらも、社会人となってから交流は続いていた。

私が彼女ルームシェア始めたのは、彼女から提案が発端だった。

新卒就職先も一緒だったが、私は早々と東京転職し、彼女も追って転職した。

しか彼女地元転職先が肌に合わず、私は自身職場彼女斡旋した。

職場を紹介することの責任は重い。ましてや地元から遠く離れた東京に。

私は彼女人生責任を持たなくてはいけない。)

この時の私の決断は正しかったのだろうか。

なんにせよ、現時点では誰も幸せにしなかったことは確かだ。

私は当時付き合っていた相手に、友人の当面の生活が落ち着き、

身の回りのもの用立てられるようになるまで、

ルームシェアを行うことで生活の援助をしたいと伝えた。

彼氏は、したいようにするといい、と理解を示してくれたが、

もともとあまりうまくいっていなかったこともあり、

その後にChatGPTを駆使し、「速やかな関係解消への提案条項」を告げられた。

当然である

正直言って私は浮かれていた。

彼女美人であり、計算高く、立ち回りが巧妙で、どのような共同体からも爪弾きにされることがない。しか本心では誰にも心許していないような、

自身が生涯孤独であることへの諦めを思わせてくる瞬間があった。

そして、私だけはそれを垣間見ることを許されていると錯覚した。

一方で私は、彼女ルッキズムによる蔑視を心から楽しめる持ち主であり、道徳を足蹴にすることを何とも思わぬ性に見て見ぬふりをした。悪辣さは失われているだろうと願った。

彼女聡明さは自身が被る不利益を詳らかにし、相手を弾劾することにのみ発揮された。

厚意や利益については、子々孫々の既得権益のようにすまし顔で甘受した。

かくして私は、気の置けない友人の座から家具家事付名義貸保証人不要都内物件貸出サブスクサービスへと華麗なる転身を果たしたのだった。

  • そういう人いたから気持ちわかる。

  • ルッキズムって動物として正しいし、行使するのは強者の証だし、大体美人だし 嫌だと思う自分が苦しくなったりするわよね

  • イスラエル増田

  • 同居人が部屋の前を通るたび、私は過越祭の子のように身を縮こませる後半もうちょいわかりやすくならんかな。パワーワード以外はなるべく平坦な言葉のほうがええで。2024/09/27 10:54 ...

  • 結局、増田が全裸でリビングで大の字になってるところに彼女が登場したらどうなっちゃうのかな??と想像している瞬間が一番楽しいんだよな

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