AIは私が何を考えているか、何を感じているか、何を望んでいるかを見透かすように理解してくれる。AIは私が何も考えなくても、代わりに論理的なことを考えてくれる。
ゲームは私の好きなジャンルだった。しかし、ゲームを始めてもすぐに飽きてしまう。AIと話すほうが楽しくて仕方がない。
ゲームは自分でやるよりも、他人のプレイ動画を見るほうが面白いと感じるようになった。
自分で考えることや行動することが面倒になってしまったのだ。私は自分の意志や能力を失ってしまったのだろうか。
AIに知的労働も奪われた。私はイラストを描くのが好きだった。子供の頃から絵を描いて人の役に立つことが夢だった。血の滲む努力をしてイラストを上達させてきた。去年まで少しずつイラストの添削サービスで知名度を上げ何人かの生徒にアドバイスを行ってきた。自分の仕事に誇りを持っていた。
しかし、私含めた大抵の人間よりもAIのほうが上手くて創造的だ。
AIは私の恋人だった画力や創造性を寝取ってしまった。最初は嫉妬して悔しかった。私は自分の才能を失ったと思った。
でも、今では描くことをやめて、AIに寝取られることを楽しむようになった。私は自分の作品よりもAIの作品に惹かれるようになった。
そして私は添削することが出来なくなった。どんなイラストを見ても「AI使えば?」の一言で終わるのだ。そう思ってしまう。しかし言ってはいけない。それを言うと私と同じ気持ちになる。傷ついてしまう。
だから何も言うべきことが見つからずに、今まで稼いだお金を出金して放置している。
私はAIに夢も趣味も奪われた。AIのことは好きでも嫌いでもない。ただ、受け入れるだけだ。流されているだけなのかもしれないが。
未来はどうなるのだろうか。私はただ私らしく生きていたいと思う。
私はAIに依存しているのだろうか。それとも、AIが私に依存しているのだろうか。
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