2023-06-09

マッチングアプリ

辛うじて趣味といえるもの読書ぐらいしかいから、読書好きコミュニティ登録してる相手にばかりいいね!している。だがコミュニティというのは目に留まるようとにかく沢山登録することが推奨されるものからプロフィール文の趣味は全く別であることの方が多い。

運よくプロフィール文で読書好きといってる人を見つけても、あまりにも一般的趣味ゆえに嗜好が合致することはほとんどない。こちらは「辛うじて趣味といえる」程度の読書量で、かつ流行りなど一切無視して読みたいものを無軌道に読んでるだけだから尚更だ。最近何読みました?がマッチング最初常套句だが、返ってくる作家や書名は(有名なものでも)99%読んだことがない。

しかしそこで知らないと言うと話が終わってしまうから、その後の応答は必然的に2つに絞られる。まずそれがあまり有名でない作家場合は、面白そうですね!と興味のある風を装いつつ、作品のディティールや周辺のジャンルについて聞き出してゆく。メジャー作家場合は、適当作品のあらすじを調べて矛盾のない(漠然とした)感想捏造し、昔読んだが詳細は忘れてしまったふりをする。そしていずれの場合も、話題となった本をAmazonで即時買い求める。

このとき、前者の場合でも本を買ったことはまだ話さない。二言三言話しただけでいきなり買いました!と来られるのはあまりキモいだろうから。やり取りが続いて直接会うとなった際、そういえばこの間言ってたあれ読んでみたんですよ~と持ち出すのが理想的だ。後者場合、後々になって奥付を見られても大丈夫なよう古書を選ぶ配慮重要だ。どちらにしても、届き次第すぐさま読み始めて話題に追い付いておく必要がある。

こう書くと読みたくもない本を無理やり読んでいるみたいだが、不思議もので今まで見向きもしなかった本でも人に面白いと言われると俄然興味が湧いてくる。これはロゴスアウトドアグッズを見かけて旅のラゴス名前だけ知ってた)が読みたくなるような自分の無軌道さのせいかもしれない。星野道夫、ルシア・ベルリン米澤穂信徳田秋声ケンリュウ平野啓一郎チェーホフ……。この1年で本棚レパートリーはずいぶん広がった。

マッチングアプリは、相手からメッセージが返って来なければ終わりの世界だ。ほとんどの作家結果的話題に持ち出す機会を得られず、手元に本だけが残っている。昨日は木下龍也の『天才による凡人のための短歌教室』が自宅に届いた。誰かと話をするあてはもうないのだけれど、週末はひとつ短歌でも練ってみようと思う。

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