女性患者は覚えている限り5年間、一度も笑ったことがないほどの重いうつ病でしたが、神経マッピングによって発見された最適部位に電気刺激が行われると
「突然、心の底から本物の歓喜と多幸感を感じ、世界に色が戻ったように感じて笑みが絶えない状態に変化した」
とのこと。
この結果は脳への適切な電気刺激が、喜びの感情を強制的に起動し、うつ病に対して有効に働いたことを示します。
しかしより興味深い点は、刺激する場所によって女性患者が感じる喜びの質に違いがあったことがあげられます。
ある場所では「うずくような喜び」が起こり、他の場所では「霧が晴れたような覚せい感」を覚え、また別の場所では「良い本を読むような穏やかな喜びの感覚」を感じたのです。