https://mainichi.jp/articles/20230320/k00/00m/040/147000c
識者もこう語る。
ジェンダー研究の専門家はどう見ているのか。社会学者の上野千鶴子・東大名誉教授は「アメリカの大学では、選考する学生の出身階層、人種、国籍、ジェンダーなどのバランスを勘案して多様性のあるキャンパスを意図的に作り出している。それによって大学のパフォーマンスが下がったということはなく、むしろ上がっている」と指摘する。
また、子どもの学力は親の経済力に大きく影響されることがデータで実証されており、上野名誉教授は偏差値競争の公平性自体にも疑問を投げかける。
上野名誉教授は「女子枠は時限的な取り組みで、その間に受験した男子生徒は相対的に不利にはなる。ただ、女性たちが長年、相対的に不利な状況に置かれてきたことも見逃すべきではない。女子学生たちも、『この時期に女で生まれてラッキー』と開き直るくらいの気持ちを持ってほしい」と呼び掛けている。
氷河期世代が生まれた時期が悪くてアンラッキーをつかむこともあれば、今の時期に受験生になった女の子がラッキーをつかむこともある。