ジェンダーニュートラルの風潮に乗って様々なジェンダー語が言い換えられている。
中でも男性配偶者を意味する「旦那」「亭主」「主人」はもう絶滅種と言っていい。
アナウンサーは、インタビューで婦人に「旦那様はどんなお仕事を?」とは訊かない。
今やNHKのアナウンサーでも「夫さんはどんなお仕事を?」と訊く。
今日は東日本大震災のあった日なので、震災関連の報道が多かった。
老齢のご婦人がインタビューに答えて「津波で亡くなった主人の遺志を継いでいきたい」というようなことを語った。
当事者が自分自身の配偶者を主人と呼ぶことすらNHKは許さないのだ。
この老婦人にとって夫は主人と呼ぶべき人物だったのであろうし、この世代の人々にとって「人前で自身の男性配偶者を呼ぶ場合は自分がへりくだる」というのは当たり前の価値観である。
たとえ家庭内ではカカア天下であったとしても、ともあれ人前では、自分は夫を立てる身だというポーズをとることが彼らには自然であるはずだ。
世の中が家父長制を否定しつつあるという風潮と、ある一個人が家父長制を受け入れているかどうかは、まったく別次元の話である。
耳の聞こえない人がこの報道を見たとき、「ああ、このご婦人は主人とは呼ばず夫と呼んだ」と思うだろう。
夫という言葉には、主人という言葉に込められていた思慕や崇敬の念が抜け落ちている。
主人と呼んだか夫と呼んだかで、在りし日の夫婦の関係性のニュアンスの受け取られ方が変わってきてしまうはずだ。
主人って呼んだのに。
世の趨勢に合わせてNHKが言い換えを進めるのは別にかまわないと思う。それを迎合とは思わない。
俺は逆にマスコミの造語が許せない 街中華とか駅そばとか元からの言葉があるのにそれを無視して俺たちが作ったんだぜ ほれみろおまえらの大好きな芸人が使ってるぞ、おまえらがつか...
そもそも「夫」と「妻」っていう表現の他に対等な婚姻関係を表す日本語が無いのが問題。