2023-02-19

誕生

中島みゆきの「誕生」という曲を初めて聞いたとき、涙が止めどなく流れたのを思い出す。

まれてくるときは誰だって最大限のwelcomeで生まれて来るよね。

まれてくれてありがとう!ようこそ!って。

彼女は歌う。歌い上げる。生まれてくれてwelcome!!って。

僕の誕生は、僕の両親にとっては最大限のwelcomeであり、最大限の歓喜だったはずだ。

やっとやっとやっと念願の男の子(跡取り)が生まれましたってね。

両親は、子供を4人(水子含む)も亡くしている。

神様、仏様ありがとうございます。やっと人並みになれますってね。

ガッツポーズで拳を握りしめて、頑張って頑張って、苦労して苦労して・・・

幸せみたいなものを感じてすくすくと育って行きましたよ。

自分がうまれたいきさつみたいなものを何度も何度も言い聞かされて育ちましたよ。

からもちろん自分も頑張って親を幸せにしてやるって誓って育ちましたとも。

でも、なんか違う。

なんか違うって思ってきて・・・

そのなんか違うっていう思いが、確信に変わったときから奈落の底に突き落とされ・・・

そう、自分が「ゲイであることが「もしかしたら」ではなく「間違いなく」に変わった時から僕の人生は180度暗転した。

何のために生まれてきたのか?

その根源的問いが意味をなさなくなってしまった。

あの「welcome」に、あの「歓喜」に、申し訳なくて申し訳なくて、でも自分ではどうすることもできなくて悔しくて悔しくて。

子育て一生懸命さに申し訳なくて、涙した。

でも、でもさ。

誰が悪いわけでもないのよね。誰のせいでもないのよね。

どうしようもなくて、どうもがいてもどうしようもなくて。

ただ悔しくて、悲しくて。

そんな母も昨年他界してしまった。

そして今日、また、思いがけなく「誕生」を聞く。そしてあふれる涙、涙、涙。

何回も何回も何回も聞いた「誕生」。

昨日、僕の誕生日だったんだよね。

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