泥沼のように続く宇露戦争だが、ドイツの世界最強戦車レオパルトⅡに象徴されるように、西側諸国が最新兵器や弾薬を提供し続けることで巨大だが旧弊なロシア軍は疲弊し、戦況はウクライナ有利になってゆくだろう。
当初はプーチンのウクライナ侵攻を支持した愚鈍なロシアの大衆も、盲目的ロシア愛国主義を保ったまま、成果をあげられないプーチンを覚めた目で見るようになって行くだろう。国内における誘拐まがいの強制徴兵も、ロシア大衆の支持を減らす要因となる。
追い詰められたプーチンは核兵器の使用に踏み切ろうとするが、その前にプーチンは暗殺される可能性がある。
プーチンの暗殺の後、それまでプーチンのカリスマ性によって支持を保ってきた与党「統一ロシア」は求心力を失い崩壊することは間違いない。
そうなるとロシアにおいて政権を掌握するのは、統一ロシアに次ぐ支持率を持つ野党第一党のロシア共産党である。そしてロシア共産党中央執行委員長ゲンナジー・ジュガーノフが新たなロシア大統領に就任するだろう。
ロシア共産党は当初はウクライナ侵攻を支持していたが、ここでジュガーノフは華麗に掌を返し、ウクライナから撤兵した上で「プーチンと統一ロシアの愚かな戦争が我が国を間違った道に陥れた」などとプーチン政権と統一ロシアを徹底的に糾弾し、西側諸国と、ウクライナ戦争に疲れたロシア大衆の両方から一定の支持を得ることに成功する。それと同時に、領土拡大を夢見つつ、それをなしえなかったロシア大衆の不満を解消するために、別の手を打つであろう。それはベラルーシの併合である。
ルカシェンコ大統領による独裁政権が続くベラルーシだが、国民の不満は高まっており、ルカシェンコも政権の維持に汲々としている。もしベラルーシで政権転覆が起これば、長年独裁者として暴虐の限りを尽くしてきたルカシェンコは間違いなく処刑されるだろう。
しかし、もともと親ロシアのルカシェンコである。このような状況でジュガーノフ政権のロシアからベラルーシ併合と、その代わりに身辺の安全の保護を提案されれば、合併にサインする可能性は高い。
こうしてロシアとベラルーシは合併し、新たな国名は「ソヴィエト連邦」となるであろう。
以前よりジュガーノフは「共産党政権と経済発展の両立」という、かつての旧ソ連が果たし得なかった夢を実現した中華人民共和国を自らの手本とすると公言している。
中ソ対立だった20世紀とは異なり、新ソ連と中国は密接な友好関係を結び、ユーラシア大陸における巨大な共産党政権ブロックが誕生するであろう。