「健常者と同じ職場で同じように働かせればいいのに」という無邪気なブコメが多数あるが、なぜそうならないのか、代行業に需要が発生するのか説明する。
(現在は「障害者」表記は避けられてるが、法や制度で呼称が定められてる場合はその通りに記載する)
従業員が43.5人以上いる企業や役所や省庁には、障害者雇用促進法で全従業員数に対して一定割合以上の障がい者を雇うことが義務づけられている。
雇うと助成金が貰えるし、割合に足りないと罰金(納付金)を払わないといけないが、金額はどちらも微々たるもので、それよりも違反企業名の公表によるイメージダウン・批判を受けることのダメージが大きい。ちなみに企業よりも役所や省庁のほうが義務割合が少し高い。
障がい者には身体障がい・知的障がい・精神障がい(発達障がい含む)の3(4)種類あるが、雇用義務上は区別されずどの種類でもいい。(重度身体障害・重度知的障害は1人で2人分カウント等の特例もある)
オフィスワークでは、頭脳労働や組織内の対人折衝が必要とされるため、必然的に知的水準・調和能力の高い身体障がい者に需要が集中する。障害者手帳を持つほどの知的障がいだと、「雇っても職場には任せられる仕事がない」ためだ。
知的障がい者のための特別業務(社内で使う封筒をのり付けさせるとか、始終情報収集という名で動画を見させるとか)を担う部署を作って入れても、隔離部屋として問題になるしできない。各部署に配置して作業させ(悪く言うと遊ばせておく)ればいいじゃないかと思うかもしれないが、各職場ごとに知的障がい者につきっきりで面倒を見る看護者(作業所でいうところの福祉作業指導員)をつけないといけないし、周囲社員へのモチベーション悪化という弊害が出る。
精神障がい・発達障がいについては認知能力や対人コミュニケーションに難があるため(だから障がい者なんだ、工夫次第で難をカバーできるレベルなら手帳は貰えない)、各職場に配置してトラブルメーカーとなり他の従業員へのマイナスの影響が出るのが怖い。
雇われる障がい者側としても、福利厚生や給与条件の良いほうを望むので、オフィスワークができる身体障がい者で労働意志のある者は、公務員・大企業だけで吸収されてしまう。
特に目・耳・手・知能・内部が健常な下肢障がい者はひっぱりだこで、省庁や役場や大企業で他の障がい者は見なくとも車椅子に乗った下肢障がい者の姿をほぼ必ず見られるのはそのためだ。(省庁役場はあまりに下肢障がい者に拘るので全く足りず、でも法的義務は満たさないといけず、かといって「雇用代行業」のような企業に委託する裏技も忌むため、手帳所有に至らないレベルの障がい者も雇用実績に水増計上してたのが2018年に発覚し大問題になった。)
次に需要が高いのは心機能障害や腸機能障害等の内臓・循環器系の内部障がい者で、こちらは見た目では判らないがやはり公務員や大企業に多くいる。
また精神障害の中でもてんかんは知的能力・調和力に問題がないため需要が高い。
それでも公務員と大企業の義務人数を満たせず、省庁では水増しや大企業では雇用代行に走ることとなっている。
従業員数が数十人・数百人程度で大企業というほど規模が大きくないが障がい者雇用義務が課されている中規模企業で障がい者を求人すると、身体障がい者の応募者はなく、知的障害者や統合失調症・感情障害・発達障害等の精神障害者を雇うしかなくなる。
手帳を持つほどの精神障がい者は知的水準が高くとも(てんかんを除き)対人コミュニケーションの点で日常生活にも支障がある例が多く、職場に決まった時間に出勤して、他の従業員とコミュニケーションを取りながら決まった時間まで働き続けるという、「健常者と同じ職場で同じように働く」こと自体が困難な人が多い。企業側もそれをわかってるから採用したがらない。もしかしたら大丈夫かも、の当たるも八卦の賭けで正職員として採用するほどの経済的余裕がない企業が多いし、ダメで解雇したあとのトラブルや告発され「障がいがあるとわかってて雇用したんだろう」との批判も怖い。
知的障害者については指導員がいれば単純作業が可能だが、現代日本で単純作業は福祉作業所や、シルバー人材センターや、家庭内手工業的な小企業や、工場では機械が担っており、障がい者の雇用義務が課された中企業のオフィスや工場で知的障がい者ができる労働が無い。
よく福祉作業所ではパンやアクセサリー・小物を作ってるが、パン屋は個人経営や小企業なので雇用義務が課されないし、大きなパン製造工場では製造ライン工という位置になるため、やはり難しい。アクセサリー・小物製造に至っては個人経営ばかりだ。
そんな状況で、法的に課された雇用義務を果たそうとすれば、話題になってるような、知的障がい者を作業指導員がつきっきりで農業という名の家庭菜園レベルの土いじりをさせている雇用代行業に頼るしかない。
委託するより義務違反して一人あたり5万円の納付金を払ったほうが安いとしても、社名公表によるイメージ悪化や批判を恐れ、困窮した末の逃げ道としての需要が発生しているのが現状だ。
代行業を禁止すれば、大企業は農業部門や農業専業の特例子会社を作って、赤字覚悟で(専業農家が機械使って作る野菜に勝てるわけがない)直接雇用するだけで、当事者からすれば状況は変わらないだろう。
特別部署や子会社を作る余裕のない中企業に至っては「どうやっても雇用は無理」と違反覚悟で開き直って、全体として雇用数が減るだけになるのは目に見えてる。
育休の時と同じ理屈なら、育休使い倒した女性じゃなくて、そういうルールを作った側に文句言うべきだよな
専門家が頑張らせてたとしても重度の障がい者はパンと小物くらいしか作れない程度なのが現実なのに それを認めずに作った法律に無理があるんだな
障がい者だってパンは作れるんだから、障がいパンを食堂で売ればいいだけだろ。 ある程度の大きさの会社なら食堂はあるし、食堂がないなら障がいパンの販売所を作ればいい。 余った...
もしもそれが成り立つなら補助金もらった専門家がとっくにやまざきパンより安いパンを売る会社を立ち上げてるよね 障碍者なんだから事故はつきものだろ、髪の毛まじっちゃったとか...
むしろ中小零細企業にも障害者雇用を義務化させて、代行ビジネスを活発化させよう 福祉作業所にも競争原理をもたらすべき
って思って調べてみたら、障害者雇用促進法では、短時間労働者を0.5人とカウントするらしい。 なるほどなあ。 anond:20230110170356
もしかしたら大丈夫かも、の当たるも八卦の賭けで正職員として採用するほどの経済的余裕がない企業が多いし、ダメで解雇したあとのトラブルや告発され「障がいがあるとわかってて...
インクルーシブやれって言う人も家の隣に保育園できたら騒音で文句言うしなー
知的障害者と重度の精神障害者だけは本当にマジのマジでどうしようもないんだよな。 個人的には、どうやっても一定確率で生まれてくるのだから、社会の固定費として無条件で全員死...
知的差別者と重度の精神差別者だけは本当にマジのマジでどうしようもないんだよな(笑)
そうやって茶化して誤魔化すくらいしかできないってことなんだよ
anond:20230110170356 現状と実際の課題を把握した上で、どうしたらいいか改善策を考えて提言してほしい。 このエントリーで求められている提言を行う。 提言 私の提言は、3つ。 第1...
手帳もってないけど、そんなに勉強しなくても国立大学にストレートで入学卒業できるけど、職場の調和?みたいなのは全然だめだ。 近く欠勤も正社員の時は無いし(派遣も欠勤はないけ...
つまり氷河期KKOは脊髄を破壊して下半身不随になればワンチャン・・・?
KKOは元から対人コミュニケーションに難があるのでダブルパンチになるだけなんだよなぁ・・・
下半身不随で人並以上の事務処理能力と人並のコミュニケーション能力があれば就職先には困らないよ。 簿記やエクセル検定もってれば最強。
人並のコミュニケーション能力 😡😡😡
ああっ あああっ
ブコメに「障害者が働きやすい社会は健常者にとっても働きやすい社会になるはず」って言ってる人いるけど、 障害者が働きやすい社会ってそもそも回らないんじゃねーか?
簡単な理屈よ例えば 何も出来ないと勝手に思われてきた重い知的障害の方でも いつも通り座って作業しているだけでお金を稼げる社会は 健常者も座って作業すれば稼げる社会なんよ
イメージとしては、ニュージーランドと中国を比較すればよい まともな人間は障害者にも働きやすいニュージーランドで働きたいと思うが、競争に勝てると思い上がっているサイコは中...
従業員が43.5人以上にならないようにする
大きい会社の障害者雇用のページで当事者の写真とか見ると爽やかなスポーツマンだけど不慮の事故で下半身付随になりましたみたいな人ばっかで、精神的な不調が激しくて週の半分し...
詳しくはぼかしますがそのようなコンセプトのところに見学に行ったことがあるんですが、企業側も障碍者雇用をしたことがなくノウハウが無い企業と雇用先を探してる障がい者の橋渡...