2022-10-25

魔術に著作権は発生するのだろうか

 NN関連技術の発展が著しい。ことさら理論構築から実用に杯が降りたことで民の関心は盛況を極めている。さるに、聡明高潔な筆者の戯となるは、未来予測である

 一歩戻ろう、いや二歩か三歩かはるか前か。我々はプログラムという化物に出会った。そいつの血肉であるソースコードには著作権が発生する。勝手にパクって利用したのがバレて権利者が親告すれば罪となる。我々は化物の親としての権利を主張できたのだ。

 時は進み、歩は歩み、化物は化物を産んだ。言葉を紡げば、人の子を模した化物が誕生するようになったのである。さて、賢明諸君、この化物の親は誰だろうか?

 言葉著作権はあるか。無い。商標権が近くの海で泳いでいる程度である詩歌にはあるか。有る。創造的で文化的活動の成果である。では、詠唱にはどうか。婚活やら発達障害やらの話題に懸命な諸君はどう思うだろうか。聡明高潔法律に疎くJASRACヘッドハンティングされるも固辞した筆者は、これになんと答えよう。

 元素法典は偉大である詠唱価値を知らしめる、表現を綴った書物だ。詠唱とは詩である言葉の羅列が少し違うだけで、創造される表現が別次元触手を伸ばす。遺伝子配列のように、崩れても堅固でありながら、少し違うだけで別物なのだ聡明高潔生物学に疎い私は遺伝子のようだと例えたが、神経のようだと喩えた方が実態には則しているのかも知れない。ニューラルなネットワークだし。

 閑話休題、詩に著作権は発生する。さて一方。絵柄に著作権はあるか。無い。おや、雲行きが怪しくなってきた。詠唱が発露する回路の先には、似た絵柄の羅列が待つ。詠唱は似た表現を産む一つの言葉のようである。"火"を描くのに著作権は発生しない。詠唱の持つ力はその程度ということだろうか。詠唱とは柄であるゴッホの絵柄で暴走族を描いても赦されるように、唱えた結果は表現ではなく柄なのだ。まるで比喩のようだ。比喩はどこかの誰かが産んでも、親としては認められないのだ。んあぁ、閑話休題しかし、ソースコード著作権は発生する。入力と出力は守られず、近くの海に特許が泳いでいる程度であるが、回路には著作権がある。確か第何条かで小難しい詠唱がなされていた記憶がある。詠唱とはソースコードかもしれない。そう思うと、守りたくなってくる。

 さてはて、話題は発展する。聡明高潔漫画が大好きな筆者は、今後に起こるちょっとした予測を楽しんでいる。詠唱著作権については皆様のような専門家による今後の議論を楽しませていただくとして、もう一つ思いを馳せるは、仮に詠唱公共財産見立て世界線に乗ったとして、その船の先にある、連続詠唱のことだ。

 今後、詠唱士と呼ばれるだろうか、あるいはプロンプターだろうか、3Dモデラーアニメ業界活躍しているように、AI技術を駆使できる者が表現界隈で一部に幅を利かせることだろう。そこで生まれる予感がするのが魔術書である詠唱士が参加した作品詠唱文を参画した他者が公開することに、法に触れる要素はあるだろうか。連続詠唱に、果たして著作権は発生するだろうか。

 仮に詠唱著作権が発生しない世界分岐したとしても、漫画コマ一つに著作権が発生しない世界だったとしても、コマの並び、言葉の並び、知的に紡げば、それことが表現である連続詠唱が産む表現はどうか。出力は安定しない。作画監督による修正もある。詠唱文に魅力はない。しか詠唱一つ一つがそれでなければ産まれ得なかったものになろう。しか連続詠唱が産む表現にはばらつきがある。回路に与えるシードまでパクられないと権利として認められないだろうか。父ちゃんがわからなくても、彼は歴としたか連続詠唱の子なのに。

 魔術の申し子に、君は何と声かけよう。平凡でたまにホッテンに上がる著作権がらみの記事も読まずしか文化の発展を心より願う筆者は、親の幸せを願いつつ、子が伸び伸びと育つ恵まれ社会となることを祈って、今日を眠ろう。

……あれ、火曜の朝やん。仕事つら!!!

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