2022-10-18

なぜ中世の人々はこんな破廉恥彫刻を作ったのか。主に2つの説がある。1つはやはり子授祈願だ。日本でも「子宝の石」やら「子授け岩」なんてものが各地にあるように、触れることで子宝を授かると期待する。これの根拠としては、彫像の陰部が特にすり減っているものが多いためだ。長い間、多くの人々が撫でてきたせいである。

もう1つの説が人魚に通じるものであり、こちらは「魔除け」を期待したものだという。その根拠は2つ。まずはシーラ・ナ・ギグの設置場所である教会ではアーチの中央最上部、すなわち要石にあることが多い。これは魔除けとして一般的位置であり、上で紹介したハドリアヌス神殿メデューサもそうである。もう1つの根拠は、古来より女性が陰部を見せつける行為には、魔を払う効果があるとされているからだ。

Charles Dominique Joseph Eisen, Public domain, via Wikimedia Commons, Link

例えば古代エジプトでは、女性が陰部を畑に対して晒す風習があった。これによって畑から悪霊を追い出し、収穫が増えることを期待してのことだ。また、エジプト人はブバスティス祭では、舟が街に近づくと、女性たちは服を頭の上までまくりあげて陰部を晒したという。これを見たヘロドトスカルチャーショックを受け、その行為に「アナ・スロマイ」と名付けた。

ヘロドトスは知らなかったようだが、アナ・スロマイがあるのはエジプトに限った話ではない。例えばカタルーニャには「女陰を見せれば海が鎮まる」ということわざがあり、漁師の妻が夫を海に送り出す際に陰部を海に見せるという習慣がある。ロシア伝承では、若い女性がスカートまくりあげることで、クマを追い払えるという。

もちろん日本例外ではない。女陰露出することで問題解決する。古事記にもそう書かれている。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん