2022-10-01

竜とそばかすの姫を見て後悔した

この映画金曜ロードショーで上映されたらしいのだが、子供の世話で見る機会がなかった。でもアマプラ配信しているのは知っていたから昨日の夜にそちらで視聴した。

結論を言えば全然面白くない。たしか感想を探しても似たりよったりな低評価散見されるが、そもそもこの監督は叩かれやすいかバイアスがかかっていると推測してある程度は無視していた。だからあらすじやビジュアル、そして個人的名曲だと思っているOPだけしか知識を入れずに素の状態で鑑賞した。

それでも全然面白くなかった。

もちろん良かった点はある。とくに主題歌アニメ映画としてはきちんと作り込んでいると思われるし、なにより曲単体がとても好きだ。昨今の流行を外してイントロが長いのもいい。

それと、冒頭10分程度に収まっている、主人公仮想世界ログインするシーンとかは中々わかっているなーと思う。

逆にそれ以外は全く面白くない。

この映画を見る前に曲だけはラジオなどを通して頻繁に聞いていたため、YoutubeMusicなどではかなりリピートしていた。なので本編より曲の方にずっと思い入れがある。

からこそ、本編があの出来であるのが辛い。自分の好きな曲が主題歌となっている映画がああいものだったなんて。

似たような例としては、打ち上げ花火がある。ただあれはもはや笑い話にもならないくらい酷くて、曲以外の良い要素がゼロという点で突き抜けているのでまだよい。そばかすの姫は一応は見どころがあるから困る。

とりあえず思ったことを箇条書きにしておこう




端的に言って脚本がひどすぎる。サマーウォーズOZというシステムをうまく利用しているのに対して、竜そばのそれはTwitterで十分だと思う。Twitterニコニコ歌ってみた人が思いがけずバズるということを発端にして現実問題に向き合う、という内容ならばヒットはしないまでもそこそこの良作品になっていたかもしれない。

この映画ではアバターを通すことでその人の本質や才能を引き出す、という設定がある。だけど現実SNSにおいて自分を偽ることで才能を発揮できる人は数多くいる。主人公が人前で歌うことができてそれが非常に上手かった、という描写現実Twitter等でも見る現象であり物珍しくない。そのくせアバターの介在なしにはっきりと歌えるという部分にはリアリティがなさすぎる。

そして竜の存在も酷い。竜はあの世界において自治組織から目をつけられる存在だけど、50億もの人がいる場のおいて単なるPK行為が衆人のもとで白日にさらされることなんて殆どない。例えば遊戯王世界大会において優勝するほどの実力者だけど顔や素性が一切不明暴力行為不正行為の疑いがある、というレベルならまだ理解できる。だけどTwitter規模で暴力不正をしたところでお尋ね者になったりはしないだろう。

逆にあの程度の暴力行為だけで盛り上がれるというのは、それだけUという仮想現実では娯楽がないということかもしれない。

徹頭徹尾、Uという仮想現実空間は虚無なんだよ。

サマーウォーズほど舞台装置として機能していないし、そこにいることで自己実現をできるほどのものがあるとは思えない。派手な演出ごまかされているけど、あの世界が存在する意義が最後までなかった。

監督美女と野獣現代的にアレンジしたいだろうけど、舞台装置が酷すぎるし主人公があまり搾取され過ぎなので整合性面白さも何もない、虚無な映画となっている。

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