2022-09-29

[]現役引退加藤「やりきった」通算358試合出場はクラブ最多。残り5試合「あとは自信だけ」J1残留を目指す

 今季限りで現役を引退するオレオレFCMF加藤20日、オレノミカ引退会見を行った。2007年から加入し、15年間、チーム一筋でプレーしたベテランは既に昨オフ引退意思クラブに伝えていたことを告白クラブ来季ポストを用意することを明かした。

 会見では加藤らしく、すがすがしく明るい表情だった。「悔いはないですね。15年という長いようであっという間の現役生活だったけど、やり切った思いが強いです」。そして、こう明かした。「正直に言いますと、19年に大島さん(現U-18GKコーチ)、昨年は内藤さん(現U-15監督)が引退して、自分契約していただいた時に、中津真吾社長には『今年ダメなら(引退)』と伝えてはいたんですけどね」。

 2020年に左膝内側側副靭帯を損傷し、全治8ヶ月の重症。その影響で昨年は4試合の出場に終わった。「人生初めての大怪我。あれから感覚も含めて違和感を感じた。かばったプレーというか、自分が思ったようなプレーは出来なくなっていた」。今季7月までカップ戦のみの出場。山本宮城に加え、今シーズン鈴木潤ら若手が台頭し、躍動する姿を見て、その思いは一層強くなった。「自分プレーするよりも、色々な若い選手達を見て、試合の中で成長していく姿がうれしかった。上手い子がいっぱい来たし、“世代交代だな”と割り切れた」と引退の経緯を明かした。

 今月初旬にクラブと話し合いの場を設け、改めて今季限り引退意向を伝えた。先日9日には視察に訪れた元監督多良初徳氏にも伝えたと言う。多良からは「本当に辞めるのか?まだ若いだろう」と問われ、相田満監督中津社長に、大島内藤とかつての仲間からは「まだまだやれるはず」と言葉をかけられた。8月から出場機会が増え、現在3試合に出場。特に8月20日清水エスパルス戦では起死回生の同点ゴールでドローに持ち込むなど、健在をアピールしていた。だが、引退意思は固かった。

 「長友さんや三浦カズさんのように、どんなに批判されても常にチャレンジ、向上する姿勢が一番だと思う。でも自分限界。彼らのようにはなれなかった。左膝の影響もあったけど、やっぱり気力も揃って、プロなので。それを思うとあの二人は凄いなぁ…って思いますね」。15年間在籍し、主力としてけん引。主将を努めた2018年にはJ1昇格に貢献した。通算358試合出場はクラブ最多。「無名だった自分をこのクラブが育ててくれた。感謝しかありません」と笑顔で振り返った。

 印象に残る試合については19年5月松本山雅戦(アルウィン)を挙げた。「前々から松本サポーターの熱気は凄いと聞いていたけど、想像以上の半端なさだったし、鳥肌が立った。その中で、自分のゴールで勝てた試合」と、2―0で勝利した場面を挙げた。

 会見にはMF山本鈴木潤GK村上DF松岡FW吉田に、今季から加藤代名詞だった背番号14を着けるMF相馬花束を持ってサプライズ登場。後輩たちには「苦しい時も必ず出てくるけど、そこでどうするかが各選手一番大事な部分。後悔はしないようにしてほしい」と“金言”を授けた。

 中津真吾社長来季ポスト検討していると明言。加藤は「(今後については)まだこれから。このクラブの力になれれば良いし、新しい自分に今からクワクしている」と話した。本拠地終戦今シーズンリーグ終戦となる11月5日大分トリニータ戦では引退セレモニーが行われる。

 チームは現在17試合勝利。暫定17位でJ1残留へ苦境が続く。それでも加藤は「この前の札幌戦はチャンスも作れていた。あとは自信だけ。今季取った勝ち点は一気に失わない。あと2ヶ月、しっかり頑張ります」と明るい表情で話した。15年間、サポーターや後輩たちから愛された加藤ラストイヤーをJ1残留で送り出す。

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