Twitterはとにかく哲学、社会学的な思考や思想の発信に向かないし、その上それを続けていると頭がバカになってくる。
まともな哲学書とかを読むとわかるが、100字以内に収まる文章があったとして、
その文章に使われている単語一つ一つをどのような意図や文脈、意味で使っているのかをグダグダと書いていかないといけない。
例えばマルクス・ガブリエル「なぜ世界は存在しないのか」などは
「世界という概念はこの世の全ての属性を包括した概念だけど、一元的な全てを包括する概念としての世界というものは意味として成立し得ないよ。世界というのはいっぱいあるよ。」
ということを、日本語訳で356ページかけて喋っている。
この356ページを必死こいて理解してやっと、どういう文脈で世界が存在しないとかいう意味不明な事をこのドイツ人のあんちゃんが言い始めたのかということが共有できるのだ。
それぐらいやらないと所謂「作者の気持ち」はわからないとも言える。
ところが文字制限があると、どうしても文章を短くしなければならなくなる。
文章が短くされる事象を考える上で大事な点は、「どこを削るのか」ではなく、「何を残すか」だ。
残されるのはほぼ間違いなく主張になる。
主張が残りがちというのは、例えばカレーが米と合うということをどうしても伝えたくて
「日本式のカレーは辛さの中にもたまねぎの甘さがあって味も濃いから米と相性がいい。」
という文章を考えたけれどもどうしても短くしなければならない場合、
「カレーは米と相性がいい。」とするのが妥当だろうという話だ。
「カレーにはたまねぎの甘さがある。」だと「で?」となってしまう。理由だけでは何が言いたいのかさっぱりになってしまうし、自分としても言いたいことはこれではない。
農協のポスターになら使えそうな文章だが、言いたいことは米と合うという話なので全く適当ではない。
そうやってトリミングしていった文章は最終的に理由が薄くて主張から主張に八艘飛びする文章、
そう、Twitterでよく見るあの押し付けがましいうるせえ~文章になる。
そうなると読み手は間の文脈を自分の価値観で埋めるしかなくなる。
例えばカレーはインドカレーしか知らない人が、「カレーは米と相性がいい。」という文章を見た時、
「日本式」という補足がトリミングされているので日本式カレーという文脈で考えることが出来ず、「いや、ナンとも合うけど何言ってんだこいつは。バカか?」となりかねない。
カレーの例えだとバカバカしさが際立つが、思想や社会問題の場になってくると「これぐらい知ってるだろ…」みたいな丸投げが読み手にも書き手にも発生するので、
それは「文字制限に収めるために省略した部分を、そのうち書き手が考えなくなってくる」
という事だ。これが「バカになる」という部分になる。
さっきも述べたように文章をトリミングする際は理由や具体例が削られやすい。
そこを書かずに、論理的な構築が文章の中で完結していない文章を書くというのは実は危険な行為になる。
自分の中で「完璧に筋が通っている」と思っていても、言語化すると意外にスカスカだったり矛盾があったりすることが多い。
しかし、文字制限があるとそこを「書かなくても良い」という風になり、次第にそこの言語化自体が省略され始める。
そうでなくても、書いているうちに「あれ文字数足んねえな」と駆け足で結論を書き始める場合もありうる。
なんとなーく見覚えがあるだろうが、「前半と後半で全然違う主題になっているようなツイート」というのはこのように成立しうると言える。
こうなるともはや思考は肝心の検討すべき部分が言語化されていないフワフワの状態で終わってしまう。
「いやリプライにつなげたりメモを画像化すりゃいいじゃん」という反論もあるだろうが、Twitterは短い文章のほうがウケる。
つまり、回ってくる文章は長いものではなく短いものばかりになるのだ。
こうなるとまず作者の気持ちすら読み解けない文章から議論がスタートすることになるし、
ウケるということは共感されやすいということでもあるので、最初は長く文章を書いていても徐々に短いほうが良いのかなみたいな誘惑が読み手にも発生する。
長文がウケないわけではないが、打率の差がある。
そしてそもそも長文自体もTwitterに毒されていた場合は、「ただ論拠に乏しい長い主張」になり得る。
それ考えたら簡潔な言葉で記載されていて数千年も研究対象になっておりまだ掘り下げられる漢文って凄まじいな
現代の哲学と違って漢文とか東洋思想は実践重視かつ経験論的に書かれるから、「こんな人がおりましてん」ってエピソード話したらだいたい論拠終わった感じになるのよね。 でも現代...
よくわからんので5行以内におさめて
五行以内じゃ書けること限られるから省略する 省略した部分を読み手は勝手な誤解で埋める →前提がすれ違ったレスバ →バカになる 省略した部分は書き手も深く考えない →考え...
えっ、すごい(笑) よくわかる!
だからまともな人はもう使ってないか、猫の写真やラーメンの写真載せるだけになってる。 Twitterがアイデンティティになっている人だけがしがみついているだけという感じ。
はてブとか言う狂気のバカ発生器……
100字だの150字だので文脈が共有できるわけもない だからもうくだらないハッシュタグ・アクティビズムで盛り上がるしかないんだ
だから文字数を規制するなら 〇〇文字以内ではなく 〇〇文字以上に しなくてはいけないんだよな。 読書感想文でも400字詰めの原稿用紙に100字程度で提出したら受理されなかったのと同...
明らかに自明(自明じゃない)ってやつ多すぎね 「驚くべき証明を見つけたが余白が足りない」ってか ただ、文字数制限が問題にならない(制限がないわけじゃないが)増田の世界でも...
真っ当な頭脳を持った人間はお気持ち発信くらいしかしないし相手も色々省略して書いている前提でリプ飛ばしてるだろうけど、謎の論客(笑)とかはTwitterっていうおもちゃみたいな場所...
例えばカレーはインドカレーしか知らない人が、「カレーは米と相性がいい。」という文章を見た時、 「日本式」という補足がトリミングされているので日本式カレーという文脈で...
今更気づいたの?10年以上前からあのアジビラなのか広告のキャッチコピーなのかよくわからないけど押し付けがましくて気色の悪い文体に辟易してたよ。