2022-07-22

京都に行った時に、ブライアン・イーノ展を見てきた。

ブライアン・イーノはみなさんご存知の通り、ロックバンドロキシー・ミュージック」の元メンバーソロ転向後は、アンビエント・ミュージック環境音楽)を開拓した第一人者として知られているし、デヴィッド・ボウイベルリン三部作制作にも参加しているミュージシャンであり、視覚芸術インスタレーション作成しているアーティストだね。マック女子高生が言っていたから、みんな知ってる。常識

で、イーノ(マイフレンド)の展示だが、非常に印象的でして。京都信用金庫旧厚生センターという何やら歴史の趣を感じられる建物内に、複数階に渡って設置された音と映像インスタレーションをじっくり楽しめる。どの展示も室内に椅子ソファが設置されており、寛ぎながら鑑賞することができる。視覚的な変化を楽しむ、という作品が多く、イーノアンビエント時間空間の変化として捉え、変化の一形態としての音や映像といった落とし込みを行ったのかなとか。

音をメインとした展示では、ここのところ純粋に一枚のアルバム聴くというリスニング行為から、すっかり遠ざかっていたんだな、ということを思わされる。真っ暗な室内に立ちすくんだ後、薄らと見えてきた椅子に座り、周りから聞こえてくるあらゆる音に圧倒されてゆく感覚。この人は、アンビエントミュージックだけの人ではなく、長いキャリア作曲家であり音楽家なんだな、ということを実感する長尺の演奏曲。

そうして私の心の一部は、喜怒哀楽の隙間、言葉では形容しづらい感情感覚を呼び起こす原初音響の中、靴を脱いで展示スペースに上がると言う所作からわずかに思い起こされる、京都という地場の影響を受け、遠く海の向こう、空の向こうにあるかもしれない過去未来と溶けあっていく……とかなんとか。

思ったよりも楽しめました。まる。

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