シルバー民主主義に関しての話題が盛り上がっていたので読んだ。
「高齢者だからって自分に都合のいい政策を選ぶとは限らない!」
「切り捨てだ!」
みたいな反論が多かったようだ。
私は別に、高齢者がみな自分に都合の良い政策を選ぶとは思っていない。ただ、単純に若年層と高齢者層で意見の分かれる論点というのはある。そういったときに、本当に重みなく1人1票で換算するのが正しいのだろうか?と数年前から考えるようになった。
(念のため書いておくと、投票権を全く与えないというのは流石に横暴だと思うし、件の人の案には同意しない。また、お金の話に関してはブコメの言う通り、富裕層vs貧困層で見る方が正しいというのはその通りだろう)
お金だとすぐ「対立するべきは高齢者層じゃないだろ」という話になるので話題を変えよう。
https://www.asahi.com/articles/DA3S14857838.html
これは同性婚を法律で認めるかどうかについての電話調査である。
20代: 64%
70歳以上: 16%
70歳以上: 37%
となっている。
どちらも20代と70歳以上では50%近くの差が出ており、20-30代では7年前から50%をずっと超えていたのに、総計として50%を超えたのはつい最近、という有様である。
同性婚の導入によって一番益を得るのは、結婚が多く将来も長い若年層であろう。いわば当事者である。
そういった当事者の声よりも、比較的関係の薄い高齢者の声が割合としては大きく評価されて、ようやく全体として50%を超えたのである。
これは本当に正しい物事の決め方なのだろうか?私は正直、迷っている。正しいと胸を張って言えなくなってしまった。
(同性婚が国会マターなのか?というツッコミがあるかもしれないが、一つの例としてご勘弁願いたい。少なくとも若年層の意見がより反映される世の中なら、もっと早く同性婚は実現していただろうと思う)
(もしかしたら「お金の話が富裕層vs貧困層であるように、同性婚の話も保守vsリベラルで見るべき」という人がいるかもしれないが、じゃあ若者の80%が性的マイノリティなのだろうか?若者の80%がリベラルなのだろうか?そうではない。どんなに否定しても、世代によって意見が異なる論点というものは存在するのだ)
一例として同性婚を挙げたが、その他にも若年層こそが一番の当事者であり受益者であるような論点は多い。
こういった論点に対して、1人1票を厳格に守っていたら、若者の意見に近い候補者はこれからも落選し続けることだろう。
「高齢者だからって自分に都合のいい政策を選ぶとは限らない」?そうかもしれない。では選挙はなんのためにある?
当選した候補者が、自分の意見ではないけれど…と、落選した候補の意見を取り上げて国会で議論に挙げてくれるのか?賛成票を入れてくれるのか?というと否だ。