去年、母親が62歳で亡くなった。ガンだった。
葬式や相続などのことがいろいろ済んで、ふと思ったのが「親に長生きされても困る」ということだった。
その理由は、以下の3つだ。
①帰省について
②介護について
まずは「帰省について」だが、両親が同じ県内に済んでいるならまだしも、県外にある実家に帰るのは正直かなりの負担だ。
子供がまだ小さかったため、帰省道中の食事のこと、おむつのこと、泣いた時のことなどいろいろなことに備えると荷物もかなりの量だ。
交通費もバカにならない上に、手土産も持参する。時間とお金の負担が大きい。
次に「介護について」だが、少なくとも母親の介護について考えなくて良くなったことは、気持ちが楽になる。自分にはまだ介護の経験はないが、ただでさえ自分の子供のお世話だけで一杯一杯なのに、ここに親の介護が加わるなんてとても考えられない。
また、介護を理由に転職や退職の選択を取らざるを得ない人もいる。介護が必要になるほど長生きをされると負担なのである。
最後に「遺産相続について」だが、これは親が早く亡くなって、自分の子供が小さいうちにまとまったお金が入ったことは大変助かった、という経験談である。
自分の子供のこれからの生活費、養育費のことを考えるとお金はいくらあっても足りない。これが、親が長生きして、自分の子供が成人してから遺産相続でお金が入っても「もっと早いうちに欲しかった」となりそうだ。
その家に住むにしろ、処分するにしろキレイなうちに手をつけたいのだ。かつては5人で住んでいた実家は、親しか住んでいないので使われていない部屋も多く、掃除も行き届かない。そんな状態が長く続いた実家は古ぼけた雰囲気で、正直住むどころか泊まるのも躊躇するほど気味が悪い状態だった。
そんな状態になってからだと、売ろうとしても値はつかないだろうし、住むとしてもリフォームに費用が大きくかかってしまう。処分に困ってしまうのだ。
今回は、自分の家の話に留まったが、もし日本の平均寿命が60代くらいのままだったら、世の中の年金問題やら少子高齢化問題やら存在してなかったのでは?と思う。というより、寿命が伸びることで何かいいことがあるのだろうか?