何の話の流れだか忘れたが、AさんがDさんのことを「人を誉めることはしても悪くいうとことは決していない」と語ったのだが、そんな風に評されたDさんが、先日私に、
「増田さん、この間オーナーにフライヤー室の流し掃除のついでにグリストラップの掃除までしてくれたなんてすごいです。でもAさんったら『そんな余計な仕事増やさなくていいって、俺は思うんですけどねー』なんて言ってたんですよー」
ちなみに私は、「余計な仕事」を増やすために開かずのグリストラップをわざわざ開けて掃除したのではなく、シンクの掃除をしない理由を説明するためにグリストラップの掃除を試みただけだ。
というのも、オーナー命令でシンクの掃除に取りかかったものの、排水口が完全に詰まってしまっており、水が流れないためにシンク掃除が行き詰まったからだ。油でベトベトのシンクを洗剤で洗って水で流しても、油の浮いた汚水がそのまま溜まり続けるんでは、掃除する意味はない。
おおかたシンク下のグリストラップに油脂が詰まっているのだろうと思った。Aさんが、グリストラップの掃除をこの三年ほど誰もやっていないと言うからだ。Aさんによれば三年前に辞めた潔癖な夜勤の人がグリストラップが放置状態なのを気にして誰に言われた訳でもなく掃除したのが最後だという。
それは本当だったらしく、脂で凝り固まったグリストラップの蓋をベリベリと開けてみると、仲は茹でたあと冷めるまで一晩置いた豚バラブロック入りの鍋みたいなことになっていた。脂の塊を素手で掻き出せるだけ掻き出しても排水の流れは塞き止められたままだ。それで、この状態では業者を呼ぶしかなく、私ども従業員の努力でどうにかなるものではないので、排水管の詰りが取れるまでグリストラップもシンクも掃除しません、とオーナーあてに一筆したためた。
そんな事があって一週間経つか経たないかだが、オーナーからの返事はなく、シンクの排水口も詰まったままなので、シンクの掃除をせよという命令は受付ない。
コンビニの仕事は細々としたものが沢山あるけれど、それらは勤務時間帯別に振り分けられている。汚れの酷い所の掃除系は大抵暇そうな夕勤夜勤の仕事とされているから、グリストラップの掃除もそうなのかもしれないが、これまで一度もしろと言われた事がない。
BさんCさんはどこにでてくるんだ?と思って読み直したけど出てこなかった… Aさんは綾小路さん、Dさんは道明寺さんみたいな感じで実名からとってんのかな
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