2022-05-23

生きた人間が恐ろしいという実話

爺様とその娘婿は、ある山村農業用水を整備したことで、地元では名が知られていた

爺様は若いとき、庄屋の娘の婿にきて、鉱山を買って経営し、20年経って鉱山を大銀行に売り、用水事業をやっていた

 

それから爺様は、隣町の実業家を娘婿にとることにした、婿は爺様の秘密を知っていた

爺様の戸籍長男5才に譲らせ、爺様を分籍させ、ようやく爺様の戸籍に婿として入った

 

なぜなら爺様の戸籍には、死亡した元庄屋の名のほかは、爺様と庄屋の娘と子しか書かれていなかったのだ

庄屋一家は、爺様が婿にきた翌年、娘を残して全員が没していたからだ

 

戸籍を譲られた長男若いまま没し、実業家家督になり発電所経営し始め、ほどなく爺様夫婦が没した

実業家20年経って発電所大電会社に売り、爺様と同じように用水事業をやった

 

その山村のあるところには、あたかも庄屋一家末長く安泰であったかのように見える墓地がある

山村の人々は誰もが、偽墓であることを知っている

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