爺様とその娘婿は、ある山村の農業用水を整備したことで、地元では名が知られていた
爺様は若いとき、庄屋の娘の婿にきて、鉱山を買って経営し、20年経って鉱山を大銀行に売り、用水事業をやっていた
それから爺様は、隣町の実業家を娘婿にとることにした、婿は爺様の秘密を知っていた
爺様の戸籍を長男5才に譲らせ、爺様を分籍させ、ようやく爺様の戸籍に婿として入った
なぜなら爺様の戸籍には、死亡した元庄屋の名のほかは、爺様と庄屋の娘と子しか書かれていなかったのだ
庄屋一家は、爺様が婿にきた翌年、娘を残して全員が没していたからだ
戸籍を譲られた長男も若いまま没し、実業家は家督になり発電所を経営し始め、ほどなく爺様夫婦が没した
実業家は20年経って発電所を大電力会社に売り、爺様と同じように用水事業をやった