今はどうなのか知らないけど、10年以上前の交通広告では掲出できる広告の審査が非常に厳しかった。特に厳しかったのが大阪市営地下鉄だったと記憶している。肌の露出は全然ダメだし、広告主もかなり選んでいた。
東京だとJRなんかはやっぱり厳しかったように思う。そもそも名の通っていない会社だとか怪しげな商材や企業は出稿させてもらえなかった。人気の広告枠は、締切日まで申し込みを受け付けて抽選でその広告枠を買える企業が決まるんだけど、本当に抽選したの?と疑ってしまうような確率で微妙な企業は枠が取れなかった。ただ抽選で落ちましたといえるから営業担当者はある意味助かっていたようにかもしれない。もっと露骨に申し込み後に調整が入る枠もあったので、そういう時は断られたと顧客に伝えるのが大変だったろうと思う。いずれにせよ、やばめの企業は広告を出せない仕組みになっていた。
意外とザルなのが都営地下鉄で、これ大丈夫なの?という企業や商品の広告でも長い間掲出されていたりした。マンションの水道管をいろいろやって長持ちするパイプも確か都営地下鉄ではずっと広告が出てたと思う。なんかの付き合いなのかもしれない。
交通広告は他の多くの広告枠とは成り立ちが異なる。あくまで人を運ぶ交通機関に掲載されるものなので、例えば駅長などにとっては、広告なんてどうでもいい。金になるから許してるけど、本当は広告に文句を言ってくる利用者を遠ざけたい気持ちの方が強く働く。どうでもいい広告に文句を言ってくる利用者は相当多かったと聞いている。きっとそれは今も同じだろう。ロシア語を取り下げた例の駅で行ったのと同じような理屈で、ケチつけられそうな表現の広告もやはり掲出許可がおりないことが多いだろうと思う。
今後は電車も利用客が減ってきて、広告を通じて得る収益の重要性も高まってくるのかもしれない。そうするとヤバめの広告が増えてきたりするのかなあと思ったりする。
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