私はこの単語を初めて耳にしたときこれを「サヴァン症候群」の別名だと思っていた。
映画に出てくるような数学の天才であるが同時にまともに人間と会話ができない怪物じみた存在の日本名だと。
実際は全く別物であって。
ここでいう「高機能」とは「IQが70ある」ということを意味している。
私の想像したサヴァン症候群は言ってしまえば「IQ170ぐらい」はあるような類だろう。
当然のように全くの別物である。
普通の人間に対して「君はIQが70もあるんだから、実に高機能だねえ」なんて言うはずがない。
IQ70なんてのはそれこそ「ケーキが切れる」かどうかの瀬戸際の数値ではないか。
それを指して「自閉症の割には高機能だねえ」なんてよくもまあ言ったものだ。
まあ事実として自閉症が酷いレベルで現れたときにはIQは70をあっさり下回るのではあるが、それにしたって区別の仕方がまともな発想ではない。
「ワンちゃんなのに2桁の足し算が出来るなんて天才なのねえ」と同じレベルの言葉をよくもまあ人間相手に使って見せるものだと感動さえ覚える。
まあ世の中に病名を残せるような医者なんてものはIQが150とかあったりして本当に頭がいいのだから、IQ70なんてダブルスコアをつけたような相手はもはや人間とは思えないのだろうな。
IQが20違えば会話が成立しないなら、80も違ったもう別の生き物に感じるのだろうな。
そうでなければ「自閉症の癖にIQ70もあって、ギリギリ人並みにお勉強や会話が出来るなんて、なんて「高機能」なんだろう!これはもうものすごく「高機能」じゃないか!」なんて言わないだろう。
たとえば自分が同じ立場に立って「君は凄いねえ……人間のくせにこんな難しいことが分かるなんて、人間のくせに「高機能」だねえ」と宇宙人なり神様なりに馬鹿にされたら、日頃「先生」「先生」なんて言われているようなお医者様だったらきっと頭の血管が全部弾けとんで脳みそをピンク色に染め上げながら憤死するのではないだろうか?
まあそんなことは考えもしないのだろうね。
医者から見れば頭の悪い人間もモルモットも大差ないんだろうね。
では、どんな呼び方をすれば適切だと思う?